平成15年の旅行会:ロタ島

「南の島の椰子の木陰で昼寝をする旅」

** 平成15年 7月 26日一部更新 **

日時:平成15年(2003)5月15日(木)〜18日(日)
参加者:竹川、横倉、岩瀬、奥村、山村、佐藤、小林、高野夫妻

今年の旅行会は、昨年6月に阪急交通社が高田勝君をツアーリーダーとして行ったロタ島へ、高野は再度訪問。
昨年12月の台風がロタ、グアムを直撃した影響で、椰子などが大分被害を受けていたが、バード・サンクチュアリは健在で、アカオネッタイチョウをはじめ多くの鳥に皆魅了された。
数種類を除いて生息するほとんどの鳥が見られたほか、植物班はラン類や各種のプルメリアなどの花がたっぷり楽しめ、昆虫班はオオカバマダラやシロオビアゲハなどの蝶やアシナガバチ類などの熱帯性の蜂、そして水棲生物班はオヤビッチャなどのスズメダイ類や青い巨大なヒトデなどを見、それぞれ大いに満足していた。 特に約2名居た昆虫班出身者達は、すっかり昆虫少年に帰って、体力の衰えからなかなかネットに入れることができないものの、それでもブッシュの中に突進したりして皆の笑いを誘っていた。(もちろん本人達は大真面目)
結構忙しく動き回っていたので、椰子の木陰でゆっくり昼寝をする時間がとれなかったのが心残りではある。

5月15日(木)

8:30に成田集合。SARS騒ぎのため、出発ロビーも待合室もガラガラ。女性陣はマスク姿。
 10:35成田発(NW076)14:55サイパン着[時差1時間]
サイパン到着後、大型の専用バスで、島の北端にあるマリアナリゾートHへ。
ロッジ・スタイルの自室に荷物を置いた後、向かいの丘の上にあるゴルフ場への道へ。
最初にホテルの庭からはるか遠くの丘の上の木にとまるナンヨウショウビンをスコープで見たのが、今回のナンヨウショウビンとの初の出会い。これからは「またショウビンか」と言われるようになるが、この時の印象が皆一番強かったようだ。
林の中にはマリアナメジロが多く、尾羽を扇のように開くオウギビタキや、黄色いオウゴンミツスイなども。ハトの声が聞こえるがなかなか姿を見せない。シロアジサシが空を舞うが、これもなかなか木にはとまってはくれない。
蜂を早速探し始めた横倉だが、バスの中では蝶や蜂の姿が少ないと言っていた彼も、少しは手応えがあったようで、皆安心する。
ホテルへもどる途中、夕日がフィリピン海に沈み込む直前、一瞬緑色の輪に彩られた。岩瀬君が見られるかもしれないというので、皆で水平線に沈む太陽を見つめていたので観察できたが、グリーンフラッシュ(緑閃光)という珍しい現象で、なかなか観察できないようだ。
日の入りを見てから振り返ると、東側の山の端には満月が昇っていた。

<写真説明>:上から
a.空港からサイパン中心部へ向かう
 道は火焔樹の並木
b.ホテルの庭に咲くプルメリア
c.フィリピン海に沈む夕日
火焔樹の道
プリメリア
落日

5月16日(金)

朝食前に向かいのゴルフ場への道の途中まで。昨日と同じ場所にナンヨウショウビンがとまっている。
7:45に迎えのバスで空港へ。空港で待ち時間があったので、周辺を歩きまわり火焔樹の下で写真を撮ったり、すっかり昆虫少年に返った2人は蜂やシロオビアゲハを夢中で追ったり、ショウビンやミツスイを皆で見ていると瞬く間に時間が過ぎる。
 10:00サイパン発(NW3807)1030ロタ着
空港からココナツビレッジホテルへの道沿いの電線にはオウチュウが点々ととまっている。
昼食後に昼寝の時間もとらず、2時過ぎに今回の主目的であるバードサンクチュアリに向かう。ガイドはデービッド氏。
サンクチュアリに到着した時は最高で、頭上にはオオグンカンドリの雌が浮かび、10羽以上のアカオネッタイチョウが舞い、シラオネッタイチョウやカツオドリ、巣にとまる沢山のアカアシカツオドリ、そしてクロアジサシやシロアジサシなどが飛びまわり、皆それぞれ別の鳥を追いながら「あの鳥は何?」という声が一斉にあがり、写真も撮りたい高野はいささかパニック状態。
しばらく観察し、ひととおりの鳥の種類が識別できるようになった頃、ネッタイチョウもオオグンカンドリも姿を消したので、車で他を回ることにする。
時折オオベニバトが路上に下りているが、探しているコバシヒメアオバトは見付からない。島の北側のアスマモス・クリフで休憩。ここでもオオグンカンドリ雌が上空に。
デービッドがあと10分くらいでスコールが来るというので海上を見ると、霞の塊が海上に有る。車に戻りスコールをやり過ごす。
夕刻、再びバードサンクチュアリへ帰還するカツオドリ類の観察に行く。アカアシカツオドリとカツオドリが数羽ずつ並んで帰って来る。中には自分の巣が分らなくなったのでもあるまいが、いつまでもサンクチュアリの上をぐるぐる飛び回っているものも居る。
この時間はネッタイチョウは飛んでいないが、オオグンカンドリは上昇気流が無いので海面上を羽ばたきながら時折り通りすぎていく。岩棚にとまるカツオドリやクロアジサシ、飛びまわるシロアジサシなどもゆっくり観察。ショウビンも定位置のコンクリート製の柵の上にとまって動かない。
夕食時、稲葉支配人のセットした天体望遠鏡をかわるがわる覗き、土星の輪や、木星の縞模様や衛星を、教科書の写真のようにはっきり見ることができた。
<写真説明>:上から
a.サイパン空港前の火焔樹の下で
b.火焔樹にとまるナンヨウショウビン
c.ココナツビレッジHotelのテラスの眺め
d.空中に浮かぶオオグンカンドリ雌
e.赤い嘴と尾のアカオネッタイチョウ
火焔樹
ショウビン
ココナツV.ホテル
大軍艦鳥
熱帯鳥

5月17日(土)

午前中はサバナ高原へ。タイサカン熱帯植物園のトレイルは昨年12月の台風のため倒木だらけで歩ける状態ではない。ナンヨウショウビンが昆虫を追って飛びまわっている。
展望台から見下ろしているとデービッドがコバシヒメアオバトを見つけるがプロミナに入れる前に飛び立つ。アオバトはその後もここで2回観察でき、額の赤と腹のオレンジと背から胸の緑の組み合わせの美しい姿を堪能できた。
木の葉の色と紛らわしいアオバトの姿をデービッドは双眼鏡も使わずに見つけ出し、教えられてもなかなか見付けられない皆は、彼の眼に感心。
サバナ高原の最高地点は標高496mで、戦前入植した日本人の慰霊碑が建っている。ここで記念撮影したが、スコールが近づいてきたので撮影後大急ぎで休憩所の屋根の下へ駆込む。近くにはラン類や野生のニガウリも。
高原から飛行場側へ下り、空港近くの  村を通ってデービッドの果樹園に案内してもらう。
観光果樹園として整備している途中で昨年の台風に会ったようで、なぎ倒された樹木を一本一本立て直してあり、これを一人で行っているというから大変なものだ。ロタ島は人影も少なくあまり働いている人も見たことが無いので、朝夕ホテルへ通う合間に仕事をしているという働き者ぶりに、皆感心。ちなみにデービッドはポナペ出身のスペイン系で、日本にも5年ほど住んだことがあるようだ。
午後、ソンソン村へ。展望台へ向かう途中コバシヒメアオバトが木の上にとまっているのを車の中から観察。珍しく開放的な場所にとまっているが、距離は遠い。
村を通り千本椰子に行くが、台風で倒れたり頭をもがれた椰子で、無残な姿だ。
海岸に出ると波の無い静かな入り江で、対岸の岩礁ではクロアジサシが繁殖していて、時折り何かに驚くのか一斉に舞い上がる。
スーパーやTシャツ屋で買い物をしてホテルに戻る。
<写真説明>:上から
a.サバナ高原のロタ島最高所で(496m)
b.枝先にとまったコバシヒメアオバト
 額の赤もその気になれば見える??
c.この赤い花もプルメリアの1品種
 デービッドの果樹園で
d.この旅の最後の晩餐
 後ろの望遠鏡で土星や木星を見た
サバナ高原
コバシヒメアオバト
プルメリア
最後の晩餐

5月18日(日)

6:30 今日はデービッドは野球のためとかで来られず、稲葉氏の案内でバードサンクチュアリへ。朝からネッタイチョウも飛んでいて、カツオドリやアカアシカツオドリなどを再びじっくり観察。
朝食後は自由時間としたが、多くの人が海岸沿いの道をスイミング・ホールと呼ぶ大きなタイドプールまで歩いていき、帰りはホテルの車に迎えに来てもらった。 昼食をとってから12:30出発で空港に向かう。
 ロタ13:30(NW3802)14:00サイパン
 サイパン16:55(NW075)19:30成田
サイパン経由で成田空港には予定より20分程早く到着。解散。

<写真説明>:上から
a.バードサンクチュアリで定位置に
 とまるナンヨウショウビン
b.ロタ〜サイパンを結ぶ30人乗りの
 ショート360航空機
南洋翡翠

ロタの鳥の写真はロタ・サイパン島の鳥の頁へ

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