「グリーンフラッシュ(緑閃光)について」

                 2003.7.16.  高野 凱夫

5月の同期のロタ島旅行の初日、サイパンのマリアナリゾート・ホテル越しに フィリピン海に沈む夕日を眺めていたときに皆で見た「緑閃光」に関して、 高田マサル君から下記のようなFAXをもらいました。
(緑閃光が見える直前の夕日の写真は、「ロタ旅行会の記録」にあります)


高田マサル君からのFAXの一部
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ロタは楽しそうでよござんした。
驚いたのは竹川のビデオに写ってた緑閃光(GreenFlash)。極めてまれな現象で、 おもに極地で見られるというんで、これまで南極でも北極でも朝日・夕日を目を 皿のようにして見つめてきたけど、カスリもしなかったのが、まさかロタで発生 しようとは・・・!
家でも可能性ありってことか。
ところでこっちは例年になくオホーツク海高気圧の勢力が強く、霧がやたらにか かって太陽なんてどんなものだか忘れそう。緑閃光どころじゃないやね。
おかげで気温も低く、6月以来最高気温が20度に達したのはわずか1日だけ。 ここ4〜5日は13〜15度で、夜はストーブの世話になってます。
11月発刊予定の羽図鑑が追いこみにかかっているというのに風をひいちまうし、 さんざんですわ。(後略)


以下は、インターネットで探した「緑閃光」の関連記事です。
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グリーンフラッシュ
(毎日新聞2002年5月11日北海道夕刊から)
水平線に沈む寸前の太陽の上部が緑色に光る「グリーン・フラッシュ」と呼 ばれる珍しい現象が石狩市で見え、札幌市中央区の公務員、長尾康さん(46) が写真撮影に成功した。
「空の色と光の図鑑」(草思社刊)によると、赤系統の光より大気中の屈折率 が大きい青系統の光が浮き上がり、沈みかけた太陽が最後に放つ光が緑色に見 える現象。地平線ぎりぎりの厚い大気層を通過する際に青色光より緑色光の方 が残りやすく、大気の状態によって色の濃さが変わる。
札幌管区気象台によると、水平線や地平線のかなたまで見渡せる場所で、大気 が澄んでいることが観測の条件。長尾さんは「気温が低く、夕暮れ時の寒暖差 が大きい北海道は観察できるチャンスに恵まれている」と話している。
【山本建】

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"http://www4.airnet.ne.jp/mira/begin/sun.html"
グリーン・フラッシュ
 非常に珍しくも美しい現象,“グリーン・フラッシュ”(緑閃光)について ご紹介しましょう。
 グリーン・フラッシュとは,ごく稀に条件が揃った時,太陽の縁が地平線に 姿を消す瞬間に見える緑色の閃光のことです。色は純粋な緑色。
スコットランドでは,その緑色の光を一目見る幸運に恵まれた者は,心の中の 偽りがぬぐい去られ,自分の心の奥底をのぞき込むことができるようになり, また他人の気持ちを悟ることができるようになるという民話が伝えられています。

 太陽の最後の光が緑色に見えるのは,太陽の光の屈折のいたずらによるもの です。太陽の光は屈折すると虹のように分かれますね。その七色の光の中で, 赤色は屈折率が大きく早く見えなくなります。青色は屈折率が小さいのですが, 波長が短いため地平線付近の分厚い大気の層にはじかれてしまいます。残った 緑色の光が最後に私たちの目に届くというわけです。

 なかなか見られない珍しい現象ですが,日没を見る機会があったら是非思い 出して見てみましょう。

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"http://www.ic-net.or.jp/home/s-iino/hiro/gal-e.html"
夕日ギャラリー  グリーンフラッシュ(緑閃光) / 1993年9月
水平線上の名残りの光は大気のいたずらで緑色に輝いてフェイドアウト

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(高野追記)
人の眼には色を感じるセンサーとして、それぞれ赤緑青(RGB)の三つの波 長帯に感じる、3種類の視細胞があります。
太陽が沈む瞬間、太陽の光の中で波長の長い赤と、短い青の部分が屈折や反射 で無くなり、緑に感じる視細胞だけが受け取ることができる波長帯の光のみが 残って眼に到達する結果、鮮やかな緑に見えるのでしょう。

でも理屈はどうであれ、初めて見た我々には神秘的な一瞬の天体ショーでした。
そういえばロタでは、土星の輪や、木星の縞模様や衛星もよく見えました。

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