治安状況

 ホルムスクの治安は、はっきり言って悪いようでした。というのも、いたる所にある仮設の店舗の、窓という窓はすべて鉄格子を入れています。大通りに面した店舗や行政機関の建物も総て1階は、頑丈な鉄格子が窓に取り付けてあります。特に仮設店舗では、商品の受け渡しを中央の小さな窓で行うのです。これは治安の悪さ、特に物資の不足から来る治安の悪さを物語っているのでしょう。

中央の小さな窓から商品を受け取る
店舗に陳列されている商品


 私たちがホルムスクの大通りを歩いていると、3人の20歳代の男性の一行とすれ違いました。しばらく歩いて振り返ると、さっきすれ違った男達が後ろにいました。私たちは、そろそろ時間が来たので港へ折り返し、男達とすれ違いました。しばらく歩いて振り返ると、先程の男達が後ろにいるのです。「つけられている」私たちは、念のため道路を横切り反対側を歩くことにしました。彼らは、私たちが気付いたことであきらめたのか、もうついて来ませんでした。
 サハリンでは、日本人は狙われているのだそうです。というのも、日本人は豊かで、お金を持って歩いているからなのです。既に説明したように、サハリンに住む平均的なロシア人の月給は、日本円で約3万円ほどです。日本人を襲えば簡単に、月給の2、3ヶ月の現金が手に入るのです。まだまだ経済状態の安定しないサハリンの、日本人にとって少し危険な現状がそこにはありました。


 港への帰り道、私たちに日本語で車から声をかけてきた青年がいました。車は日本製、まだ新しいトヨタのタウンエースに乗っていました。彼は、船乗りで、日本に何度か行ったことがあるのだそうです。彼は、私たちに観光案内を買って出てくれました。しかし、彼の様子から親切な観光案内を期待することは出来ません。私たちは、彼を写真に収め、丁重に断り別れました。
 彼らの車の中には、ロシアの若者が5、6人乗っていたのです。私たちが乗るスペースは、全くありません。サハリンでは、定員などあってないようなもの、先程までジープの荷台に乗っていた私たちでしたが、危険な思いはしたくなかったので、彼らの車に乗り込むことはしませんでした。彼らは、私たちを適当に案内して、法外なガイド料を請求するか、最悪の事態を考えれば、私たちをどこかに連れて行って襲うつもりだったのかもしれません。これは、あくまで推測ですが…

誘いをかけて来た若者
彼は、僕達に日本語で声を掛けて来ました。
誘いをかけて来た若者


ガソリンスタンド

 ロシアのガソリンスタンドは、セルフサービスになっているようでした。その店舗は、大変質素なもので貨車を並べておいただけのものでした。私たちが通りかかったとき、1台の車(日本製の中古車でした)を運転してきた家族がガソリンを入れていました。カメラを構えると、彼らは気さくに手をあげてくれました。

ガソリンスタンドを知らせる道路標識
ガソリンスタンドの標識


セルフサービスのガソリンスタンド
気さくなお客さんが手をあげて応えてくれました。
セルフサービスのガソリンスタンド


ホームへ戻る
 前へ戻る   次へ続く