ホルムスク市内の様子
市内観光
船員の車に乗り市内観光
私たちがホルムスク港に到着したのは、21日の夕方、現地時間で15時頃になってしまいました。出国手続きを行うまでの僅かの時間私たちに、ホルムスクの市内を見る時間ができました。それは、たった2時間ほどでした。通訳のワレリー氏とシューピン郷土博物館副官長は、接岸すると船を降り、私たちと別れることになっていました。移動手段もない、通訳もいない中で私たちは、どうやってホルムスク市内を観光したらよいのでしょうか?
考えに考え私は、船員に市内まで連れて行ってもらおうとお願いしてみました。ロシア語は挨拶しかわからない私ですから、「市内まで連れて行って下さい」とロシア語で言うことはできません。手帳に港からホルムスク市内を絵に書きました。これを見せながら身振り手振りで「あなたは一度家に帰るのですか?もしそうであれば、私を一緒に連れて行って欲しい」と頼んでみました。
私は、美しいオルガさんに前日のお別れパーティーの時「もし家に帰るのであれば、私を家に案内して欲しい」と頼んでみました。オルガさんは、快く「家に招待してくれる」と約束してくれていたのでした。ところが、オルガさんが家に帰るため下船しても、田上団長をはじめ日本人は、おっかなびっくりで船を降りることが出来ませんでした。下船していいものか、誰も確認することも出来なかったのです。船の周囲は、相変わらず国境警備隊の兵士が取り囲み警備をしていました。オルガさんは見えなくなる、他の船員達も一人、また一人と船を去って行きます。残された時間もどんどん、少なくなっていきます。「市内を見ることも出来ないのでは?」気ばかりが焦ります。
私はとりあえず下船し(入国は済んでいるので下船してもいいはず…)、国境警備隊の反応を伺うことにしました。恐る恐る船を降りて、岸壁を歩き出しても、国境警備隊は何も言ってきません。ほっと胸を撫で下ろし、近くにいた船員(バーの主人)に私を連れて行ってくれと頼みました。こちらも絵による会話です。幸い船員は、快く引き受けてくれました。
船員を迎えに来た車に乗り込む
果たして彼らは、
私たちを市内観光に連れて行ってくれるのでしょうか?
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私は、船員を迎えに来た三菱パジェロの荷台に乗り込むことになりました。一人では危険と聞いていましたので、佐賀さんを誘っての市内観光となりました。言葉も全くわからない状況で、車に乗って市内へ向かう!今考えると何と危険な事でしょうか。ひとつだけ言えることは、彼が船員で私たちの出国手続きの時間までに必ず船に戻るということです。しかし、彼を迎えに来た友人はその必要はありません。「だいじょうぶかしら?」不安のまま私たちは、彼の車に乗り込んだのでした。