入国手続き
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はじめて見るホルムスク港
とうとう樺太にやって来ました。
この街には、どんな人々が暮らしているのでしょうか。
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入国審査を受ける間宮弘文(伯父)
小窓の奥に税関の係官が座り、
私たちの一人一人についてパスポートを見て
確認していきます。
ホルムスクに着くと、私たちの乗った船は客船用の埠頭ではなく漁船用の埠頭に接岸しました。すでに、国境警備隊の隊員が埠頭に10メートルほどの間隔をおいて数人並んで立ち、厳戒体制を取っていました。私は、彼らが大変めずらしかったのでカメラを向け、写真を撮ってもよいかと手振り、身振りで訪ねました。しかし、彼らは、上司から写真を撮られることを止められているのか、あるいは職務中なので職務以外のことはできないのか、拒否の動作で答えてくれました。
入国手続きは、市内の中心部にある税関で行われました。私たちは入国手続きのため、始めてホルムスクの地に足を降ろしました。私たちは、下船するとすぐにバスに乗せられました。そのバスは、大変年代もので乗り心地も悪く、よく故障もせずに動くものだと感心するほどのものでした。バスには3人ほどの税関の職員が乗り込みました。彼らは腰に拳銃を所持し、無線で連絡を取り合っています。言葉が全くわからない私にとっては、これからどこに連れていかれるのかとても恐怖を覚えました。彼らの私たちに対する扱いは、まるで犯罪人を扱うようでした。
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入国管理事務所のある建物
壁の傷みが激しい建物です。
補修などしたことのない建物のようでした。
家族旅行となった船内
船員の子供達
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一緒に航海をした子供達
この写真は、お別れの前に全員で写したものの一つです。
可愛らしい子供達と一緒の旅は、
とても楽しいものになりました。
私たちがホルムスクの港に接岸すると、岸壁では船員の家族が出迎えていました。そこには久しぶりに合う元気な家族を見て、船の中も岸壁も明るい笑顔がありました。接岸しても国境警備隊の警備が行われているため、すぐに家族が一緒になることは出来ません。1時間ほど岸壁で国境警備隊の様子を見守っていましたが、手続きが終わると家族が船に乗り込んできました。抱き合って喜んで、荷物を一緒に降ろしたりと、にぎやかな光景でした。
私たちが入国手続きのために2時間ほど船を離れて戻ってくると、船員の家族は見送りのために岸壁で待っていました。船に乗り込んで、デッキを駆け回って子供達は遊んでいます。出港の準備も終わりいざ出港という時間になっても、子供達が船を降りる気配はありません。私は、「あれ?」と不思議に思いました。岸壁からタラップを引き上げる時になっても、子供達は船に乗ったままです。
そうなんです、子供達は、これから私たちと一緒に航海するのでした。ホルムスクからルポロボ(ナニヲー)まで、船員とその子供達にとっては国内旅行です。船に乗っている乗客は私たちだけ。船室はがらがらです。船員とその子供達にとって、私たちの旅が一緒に過ごすことの出来る絶好の機会だったようです。私たちが了解していたわけではありませんが、彼らにはそういうことになっていたようです。「うまくやられたな」とも思いましたが、子供達と大変楽しく過ごすことが出来たので、結果的にとても楽しい良い思い出となったわけです。
船上花火大会
潮待ちをすることになった夜、船上で花火大会をしました。花火は、わざわざ日本から用意して行ったものです。この花火は、事務局の岡谷さんがわざわざ用意してくれたものです。団員の岡谷さんは、稚内市の市議会議員として何回もサハリンを訪問、現地の人々と交流を持っています。さすが岡谷さん、友好を深める、楽しい交流会のためのアイデアをたくさん持っておられます。
ロシアの女の子は、結構大胆で、終わった花火をデッキにたたき付け、もう花火が出ないことを確かめるとそのまま海に投げ棄ててしまうのでした。間宮海峡に花火の燃え殻を投げ棄てるのは、大変心苦しく感じました。幸いなことに、程なく子供達の親が「海にゴミを棄てるな」と注意してくれましたので、ゴミ袋に片付けることができました。
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船上花火大会
こんな事してもいいの?
船長は問題ないと許可してくれましたが…
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この子は、一番可愛い女の子
ロシアの女の子は、とにかく可愛いです。
この子は7歳だそうです。
子供達と一緒に、「キャーキャー」言いながら約1時間ほどの楽しい花火大会をしました。船上で打ち上げ花火をしたのですが、これは船の規則には触れなかったのでしょうか?始める前に船長に確認はしました。船長は全く問題ないということでした。きっと問題なかったのでしょう。ただ、後で参加者の一人佐賀さんから聞いた話ですが、花火大会をはじめてすぐに大陸側の町ラザレフからライトが私たちの船に向けて照らされたそうです。対岸の町の警備の方は、さぞびっくりしたことでしょうね。