tour de tachikawa

(日程)
2004年4月10日(土) 天候:快晴

(テーマ)

恒例の春のチャリ企画。桜の咲き乱れるサイクリングロードをのんびりと走り、肉をたらふく食らう!

(参加者)

畠田さん:ALPSのリアルランドナー。泥除け・キャリア搭載。乗鞍でも富士の樹海でもどこでも行けまっせ!
康司くん:ant☆lesのロード。カーボンをふんだんに使いこの値段!165mmのクランクは父の愛情の証。
熊野さん:TREK7300FX。青いTREKと言えばアームストロングか熊野さん。3台目はMADONEか!?
松田さん:PEUGEOT CADET。赤い小粋なバイクにチェックのパンタロンは南仏のおしゃれな若旦那仕様?
稲葉さん:GIOS PURE。栄光のGIOSブルーのシクロクロス。イネ選手の情熱と膨大なウンチクが動力源。
江畑(克)さん:SCHWINNのマウンテン。エバの大出力と大食欲を受け止めるBig Fat Yakiniku Machine!
江畑(敦)さん:お昼の肉バトルのみ参加。旦那のアシスト役…ではなく二人分食べる意気込み。影の優勝候補?
金指さん:PANASONICのミニベロ。かわいい外見に本格派カンチブレーキ搭載の、しっかり「パナ子さん」。
清水さん:BIANCHI NAYALA。硬派羊のチェレステは一味違う。走りにこだわった本格スポーツ仕様!
益原  :SPECHIALIZED EPIC FSR。コードネームは「コブラ」。黒くて強い奴。でもダートは嫌い。

(記録)

Prologue

寒い冬が終わりまた熱いチャリシーズンがやってきた。皆、冬のオフシーズンも厳しいトレーニングを積んでいたと聞く。漢だらけの日光クロカン強化合宿上高地での地吹雪体験擬似遭難合宿など。

よりたくましくなったみんなと走ると思うと嬉しくもあり、身の引き締まる思いでもある。シーズン最初は手始めに桜を愛でながらサイクリングロードをのんびり走るというものだが、ツワモノ揃いのNSAの面々。果たしてどうなることやら…。

7:15 noodle-giro
NSA用に購入したマウンテンバイクのコブラ号に乗って最初の目的地点に向う。久しぶりにブロックタイヤとアスファルトの奏でる「シャー!」というハーモニーを聞く。

3ヶ月放置されていたコブラの怒りの咆哮か。金指さん(以下「キン選手」)との待合せ場所・荻窪「ラーメン次郎」前に到着。麗しきメッチェン選手との待合せ場所に、都内でも有数の油ギトギトのラーメン屋を指定する自分のセンスに少々あきれる。

ほどなくキン選手が登場。赤いジャケットにデニムのカジュアルないでたち。「パナ子さん」とのコーディネートもバッチリ決まっている。メガネだけなぜかシロガネーゼ風。アンニュイな雰囲気を漂わしているので聞くと昨日遅くまで飲んでいたとのこと。

このあと合流する予定だった瀧原さん(以下「たっき〜選手」)は激務による疲れから体調を崩し本日は急遽欠場することに、残念だがまたの機会に元気いっぱいのたっき〜選手と走りたいものだ。

<後日、“お月さんでしたぁー”、と明るくぼくのところに丁寧にご報告あり・・決して悪玉ドタキャンではありません・・・それにしてもタッキーもあるんだぁ・・>

多摩川までは荒玉水道道路一本で出られる。幹線道路に比べ車も少なく遥かに走りやすいお勧め道路。好天にも恵まれ、大変気分よく多摩川に向けてひた走る。後を走るキン選手を気遣いながら走るが全然余裕あり気だ。さすがNSA戦士。

世田谷通りのあたりでバリバリのローディから追撃を受ける。コブラと一緒に戦う決意を固めたところよく見るとNSAきってのイケメン戦士・熊野さん(以下「クマーニ選手」)だった。

この日はCOLOMBIAのレーシングジャージにスペシャライズドのパンツ。様になっている。今日は荒れると判断したのか、ロードバイクではなく走破性の高いクロスバイクをチョイスしている。3人揃って合流地点へと向う。

9:00 Odakyu-cross
余裕を持って待合せ場所の小田急線踏切に到着。ここで畠田さん(以下「ジミー選手」)宅集合組の松田さん(以下「マッチャン選手」・・・マッチー二)、稲葉さん(以下「イネ選手」)、江畑(克)さん(以下「エバ」)、康司君(以下「ジミーニョ選手」)、二子玉川合流の清水さん(以下「メリ選手」)を待つ。

今回、ようやく前リーダーにしてNSAきっての強化系人間・イネ選手に会える。色々な逸話・武勇伝を聞く余り自分の中でのイメージが黒王号にまたがるラオウ(*1)のように巨大化している。

先日会社のエレベーターで偶然二人きりになった時、話しかけようと思ったが蛇に睨まれたカエルのようになり脂汗を流すしかなかった。しかし年次も年齢もこちらの方が上だ。会ったらまずガツンと言わねばならない。何事も最初が肝心だ。

その時背後から「おはようございま〜す!」と力強い声。振り向くとイネ選手の姿が。「は…畠田さん宅にお集まりではなかったのですか?」へりくだるマチョハラ。聞くと、寝坊してしまいジミー選手に連絡の上集合地点を変更したとのこと。

それにしても思った以上のオーラだ。スキー競技で鍛えたその体はいかにもキレがありそうだ。ラグビーで鍛え上げたエバが鉈(なた)とすればイネ選手は日本刀か。また一人強敵が現れた。

その後、定刻通りみんなが元気に到着。早速ジミー選手がみんなのバイクのチェックを始める。プロチームのメカニックも務まりそうなそのノウハウが心強い。ご本人の愛車も相変わらずピカピカに磨かれ完璧に装備されている。

今回の一つの目玉はご子息ジミーニョ選手とその愛車ant☆les号であろう。ツヤ消しのカッコいいフレームにカーボンフォーク&カーボンバック。重量は8kg台前半。上級車と遜色ない。身長を考慮してクランク(*2)とシートポストもジミー選手自らチョイスしたものに変更してある。

ジミーニョ選手もバイクに負けない位立派に成長した。体も大きくなっているが顔つきが一段と精悍になっている。女性選手たちの熱い視線が注がれる。ねたましくもうらやましい。しかもロードレース出場わずか2戦目のバイクナビ・シリーズ開幕戦でなんと4位に入る快挙。
修善寺で行われた伝統のチャレンジロード47位のマチョハラ、もはやなにも教えることはない。逆に教えて欲しい。今日はジミーニョ選手(以下「ジミーニョ師匠」)の走りをじっくりと研究することにする。

(*1)世紀末覇王。「ラ王」ではない。
(*2)ペダルのくっついてる棒。身長に合せて長さを選ぶのが理想。

10:00 drunken monkey
全員揃って多摩川サイクリングロードを1列棒状のフォーメーションでひた走る。去年のヤキニクランのような向い風もなく、陽射しも風もとにかく優しい。走っていると自然と顔がほころぶ自分に気付く。

1年の中でもこれほどのサイクリング日和は数えるほどしかないだろう。それに案外桜が残っている。もちろん満開とは程遠いが枝垂れ桜がなんとも風情を醸し出している。散り行く桜の中を進む9人のNSA戦士たち。

それにしてもいつになく集団のペースが速い。小田急組を待たすまいと二子玉川から疾走した余韻が残っているようだ。なすすべなく置いていかれる極太タイヤ愛好家・マチャ&マチョ。必死にこぐも「シャー!」とか「ガー!」とかタイヤが悲鳴を上げるばかり。うるさいことこの上ない。早々と追撃を諦めて談笑モードに入る2人。

それにしてもマッチャン選手の走り方はどうだ。右へ左へとまるで千鳥足。一瞬お酒を飲んでいるのか?と思うもそもそもマッチャン選手はお酒を飲まない。後を向いて「この前エバがさぁ…」とか言いながら多摩川へまっしぐらのマッチャン選手。

あ…危ない!しかしあと1cmで危険を回避する。どんなバランス感覚だ。ジャッキーチェン顔負けの「酔拳」走法といったところか。やはりただものではない。

1時間ほど走ると枝垂れ桜のきれいな公園が。そこで休憩兼恒例の即席試乗会が始まる。注目はやはりant☆les号。メリ選手が一際熱い視線を送っている。メリ選手は一見可愛らしい普通の女の子だが、実は6pack(*3)のボディに憧れる強化系人間。今年は自転車愛好家最大の祭典・「マウンテンサイクルin乗鞍」への出場も決めており、並み居る漢どもを倒そうと燃えている。

そんなメリ選手にとって無駄を削ぎ落とした純競技バイクであるant☆les号は魅力的に映ったのだろう。その乗鞍、メリ選手の他に最後の大物・F選手の参加も噂されており、多いに盛り上がりそうだ。
(*3)6つに割れた腹筋。仮面ライダーやフジさんのようなお腹。

11:30 meat meat meat
順調に距離を重ねほぼ予定通り立川公園に到着。今回の肉バトルの舞台は、桜のきれいなとても感じのよい公園。桜が残っている割には花見客は少ない。先週だったらこうはいかなかっただろう。

ジミー父子が炭をおこし、それ以外は調達のため近くのスーパーに。本日退治する肉どもを次々とかごの中に閉じ込める。おいしそうなサイコロステーキを見つけ手を伸ばすと、同じ肉に手を伸ばすエバの手を握ってしまう。顔を赤らめる二人。いや、火花を散らし合う二人。戦いは既に始まっているのだ。

しこたま買いこみ公園に戻ると、パオパオ父子(*4)がいい感じで炭をおこしている。そして本日最後の参加者・江畑(敦)さん(以下「ヤヤ選手」・・ヤヤアッチッチ)が合流する。

ヤヤ選手はこの日の桜のようなきれいなピンク色のブラウスを身にまとっている<ことのほか、ふぁーとしてファジーなウーパールーパーみたいだった!>。エバジュニアもお腹の中で順調に育っているようでなによりだ。今日はお腹の子の分も合わせて2人前、いやエバの子だから3人前は食べそうだ。

役者が揃い、いよいよ肉バトルが始まる。ジミーニョ師匠をはさみ宿敵エバが陣取っている。今日こそこの漢と決着をつけねばなるまい。

12月のうどんバトルの時も使っていた鉄製の「決戦ばし」をギラつかせ不敵に笑うエバ。それに比べこちらは、「さかいや」でスプーン・フォーク込みで390円の「お値打ちばし」。いかにも分が悪い。その上「近いうちチタン製の武器も手に入れるんですよ。」勝ち誇るエバ。チ…チタン!食に妥協のないこの漢を倒すには、軽量高剛性の最高級「カーボンばし・・究極の自転車馬鹿!」しかない、と思うも肉と一緒に燃えてしまいそうなのでやめることにする。

野菜を洗いに行った献身的なキン選手の帰りも待ちきれず、肉バトルの火蓋が切られる。散りゆく桜の花びらが食材やお酒にふりかかり大変風流だ。買ってきた食材以外にみんなが持ち寄ったつまみ類がうまい。

「メリ食堂」は健在で、今回はイカとトマトのイタリアン風味。イネ選手はせんべいをチーズにつける独特の食べ方を披露。つまみと酒で勢いをつけた後は、網の高さで火力を調整するジミー選手持参の優れものBBQセットでにっくき肉どもを次々と退治していく。

豪快かつ風流な食事風景に通りがかりのおじさんもうらやましげにこちらを見ている。そのおじさん、レーサージャージに身を固めたクマーニ選手をつかまえて「かっこいいね!」。日光のピグモン仲居さんといい、野口健似のイケメンは人目を引きやすいようだ。

疲れた戦士が一人また一人倒れていく(*5)中、中腰の態勢を崩さず最後まで覇を競うエバとマチョハラ。肉がほぼ底をつき今回は引き分けかと思っていると、エバ「ねぎ、モ〜ンチ!」見境のないエバの前に力尽きるマチョハラ。

3時間超のロングランチを終え、散りゆく桜に見送られながら決戦の地・立川公園を後にすることに。(メリ選手は家へ直帰のため、ヤヤ選手は電車で帰宅のため、ここでお別れとなる。)

(*4)映画「茄子 アンダルシアの夏」の主人公着用のチームジャージを着るジミー父子。
(*5)昼寝です。

15:30 restart
帰りは行きに使った多摩川サイクリングロードをまったりと流す、はずが向い風で思わぬ苦戦を強いられることに。キン選手がシロガネーゼメガネを現地に忘れたことに気づき、探すため2人で引き返すと、一足先に現地に探しに戻っていたクマーニ選手がメガネを見つけて帰ってきた。素晴らしい連係プレイだ。

集団から離れてしまったので、エバに電話で先に行っててもらうように告げ、3人で向い風に抗いながら進む。ひいひい苦しみながら走っているとコンビニ地点でみんなが待っていてくれた。思わぬ再会に感激するマチョハラ。みんな優しいなぁ…。

「マッチョさんたちを見捨てていけませんよ〜。」ソフトクリームを豪快に食べながらエバが笑う。お前はソフトクリームを食べたかっただけとちゃうんか…いや、やめておこう。友情を疑う自分に恥じ改めてみんなに感謝する。

17:30 good-bye
その後向い風も弱まり、みんなで一列になって家路を急ぐ。キン選手、クマーニ選手、イネ選手、マチョハラは小田急線踏み切り地点にてみんなと別れ、荒玉水道道路で帰ることに。名残惜しいがジミー選手を先頭に颯爽と走り行く集団を見送り帰途につく。

夕闇が迫り車も若干増えているが、声を掛け合い無難に走る。井の頭通りでクマーニ選手、五日市街道でイネ選手を別れる。キン選手と最初の待ち合わせ場所である「ラーメン次郎」に戻ってきた時にはすでに薄暗くなっていた。

キン選手は「パナ子さん」で65kmを見事走破。さすがに疲れていたようだが、しっかりした足取りで帰っていった。みんな、ジミー選手のご指導のもと「楽しく安全に走る」という意思統一ができており、今日のチャリ企画も無事終了した。次のチャリ企画は何を食べるか、いやどこを走るか、想像に胸を膨らましながら家路につくマチョハラだった。

おしまい