2004日光XCスキーハイキング

1日目 2日目

(日程)
2004年2月7日(土) 〜8日(日)

(テーマ)
恒例の日光XC。大雪原の風景&豪快な雪上ランチ&温泉を堪能。加えて前泊組は男の大宴会も堪能!

(参加者)
前泊組:熊野、羽佐田、松田、江畑(克)、益原

プロローグ
NSAの冬。戦士たちに休息はない。自転車の替わりにスキー板を履き今日も闘う。スキーといってもただのスキーではない。硬派のスポーツ・クロスカントリースキーだ。「私をスキーに連れてって」とせがむ女性もいない。参加メンバーも真の漢(「おとこ」と読む)たちが集う。

NSAのイベント殆ど総なめの鉄人・熊野さん(以下「クマーニ選手」)、タバコがよく似合う孤高のアルピニスト・羽佐田さん(以下「ユーチャン選手」)、柔らかい関西弁で切れ味鋭いギャグを繰り出すNSAの頭脳・松田さん(以下「マッチャン選手」)、最良のパートナーに恵まれた上待望の後継者も授かる幸せお腹いっぱい・江畑さん(以下「エバ」)、5台の自転車と5匹の愛犬(のぬいぐるみ)と暮らす孤独のサイクリスト・マチョハラ。

明日になれば平井隊長・大嶋Qさん、そして畠田さん&康ちゃんが合流する。まさにこれぞ漢祭り。雪深い冬の日光戦場ヶ原、最後に立っているのは果たしてどの漢だろうか。

7:00 集結
漢たちの朝は早い。予定通り7時に葛西駅に到着すると、ザックを置き無言のまま機関車のようにタバコをふかすハードボイルドなクマーニ選手とユーチャン選手の姿が。皆、一様に表情が険しい。漢たちに言葉はいらない。

無言のまま他のメンバーを待つ。すると仲良くエバヤヤが登場。「ヤヤちゃ〜ん、やっぱ来てくれるんだぁ(はぁと)」
はしゃぐ漢たち。エバ「ヤヤちゃんは見送りだけです。」とキッパリ。また無口な漢たちに戻るクマ&ユー&マチョ。

マッチャン選手はもう車で到着しているとのことで、早速合流する。するとそこには屋根に棺桶を載せた車が。不吉な・・・。マッチャ「マッチョハラさんは棺桶の中ね」冗談になってない。ヤヤちゃんの慈母のような優しい笑顔に見送られ、5人の漢は戦場ヶ原へと旅立つ。

9:00 謀議
日光へと向かう車の中殺伐とした雰囲気の漢たち、と思いきや、ヤヤちゃんの笑顔で呪縛が解けたのか、和気あいあいと語り合う漢たち。過去のNSAクロカン激闘史を興味津々で聞く初参加のマチョハラ。何でも上高地クロカンでは3月ということもあって、恋の決算話が恒例となっているそうだ。去年はエバヤヤの大型合併、今年はさゆりさんがストップ高の大幅増益、とNSAにも色々なトピックスがある。
う〜ん、このマチョハラ何を話すべきか。何にもないなぁ。この際粉飾決算でも…などと思いを巡らせていると10年入社限定企画である由。早く言え。

11:00 挑戦
いろは坂を登り中禅寺湖を過ぎると、決戦の舞台となる戦場ヶ原が近づいてくる。ここをスキーで縦横無尽に…と思うと胸が高まる。ひとまず宿営地であるアストリアにて装備を整え、いざOK牧場、いや光徳牧場へ。

生まれて初めて見るヒールフリーの世界。まずスキー板の細さに驚く。ビンディングは普通のスキーよりシンプルにできているようだ。スキー板を装着し恐る恐る動いてみる。

まずは歩くような動作でいいです、その内滑走できるようになりますよ、とエバ。
滑り系が全く苦手なマチョハラ、ひとまず歩くことに。あらかじめ轍がついているところは進みやすい。難なく光徳牧場を1周する。クロカン見きったり!自信をつけみんなと一緒に三本松へと向かう。

三本松までのルート、ほぼ平坦で轍もついていて進みやすい。周囲を見る余裕も出てくる。むぅ、みんなうまいなぁ。寡黙に進むユーチャン選手。このメンバーで最も漢のダンディズムを体現しているのはこの人だろう。

クマーニ選手も去年から始めたとは思えない。今や立派なローディのクマーニ選手、さすがの運動神経だ。
エバは相変わらずのパワフルさ。それに結構器用なやつなんだなと感心する。何より驚いたのは、マッチャン選手。ストックを使わず進んでいる。邪魔くさそうに2本とも片手に持ってスケートのように滑走している。NSAの頭脳はスキーの達人でもあった。

マッチャン選手を見ていて自分の致命的な弱点が分かった。絶望的に滑れていない。とにかく脚を目まぐるしく動かしているだけだ。格好良くいえば「ピッチ走法」だが、せわしなく脚を動かす姿はカサカサと進むゴキブリのようだ。いつの日か白鳥に生まれ変わることを夢見て今はゴキブリ走法に徹することにする。

12:30 酒池
三本松にて昼食をとる。マッチャン選手以外全員がビールを所望し4本注文。お昼からそんなに飲めるはずがない、と訝しがるマッチャン選手を尻目に、10分後には空ビンが4本転がることに。

メニューを見ると「合戦鍋」との文字が目に入る。素敵な響きの名前に惹かれて注文すると、ほぼ同時に「合戦鍋」を注文するエバの姿が。ほら貝の音と共に恭しく運ばれる戦国時代の豪快な料理を期待したが、普通の鍋焼きうどんだった。

マッチャン選手は「ゆば、ゆば…」とゆばに異様な執着を見せる。頼んだ定食にゆばが一つしか入ってなくてマッチャン選手ご立腹。対照的に何の変哲も無いラーメンと親子丼を注文するマイペースなクマーニ選手とユーチャン選手。腹ごしらえは終わり、本日の目的地・湯滝を目指して出発する。

14:00 肉林
完全に平地に自信を持ち、ゴキブリ走法に磨きをかけるマチョハラ。カサカサ進むも正しく滑走するエバとの差は開くばかり。視界から消えつつあるエバを追いあせりながら前進すると、道の左側に何やら赤い物体が・・・。

なんだろう。よく見ると鹿の頭部ではないか。内臓まできれいに食べつくされあばら骨が完全に露出し、手足が散乱している。道を隔てて反対側にももう一体同じような鹿の屍骸が。Oh!スプラッタ!ふと気づくと両側の屍骸にはさまれ、道の真ん中に立ちつくすエバの姿が。

マチョ「エバ、ま、まさかお前・・・!」
エバ「グフフ・・・」

不気味な笑いとともに振り返るカニバリスト・エバ。

マチョ「小腹が空いたからって、お前まさか鹿を・・・」
エバ「やだなぁ、マチョハラさん、そんな訳ないじゃないですかぁ。いくら私だって生肉は食べませんよ。」

うーんそういう問題ではない気もするが、鹿食い犯人がエバではないことが判明し一安心。そう、ここは人間のテリトリーではないのだ。大自然の中何があっても不思議ではない。貴重な体験をした気分になる。

湯滝に到着。曇天模様だった天気は少し崩れ気味。しかし湯滝の豪快な瀑布と吹きつける雪がマッチしている。でも寒い。さっさと記念撮影だけして帰ることに。

ここぞとばかりにこの日のために用意した新型デジカメを取り出すマチョハラ。しかし、マッチャン選手もデジカメを持ってきている。明らかにマチョハラのそれより新型かつ高級品だ。しかもロボットアームのようにフレキシブルに曲がるミニ三脚まで持っている。負けた…。

敗北感でショボンとしているマチョハラの横でマッチャン選手がしきりと首をひねっている。マッチャン選手のデジカメには三脚の穴がなかった。

結局マチョハラのデジカメとマッチャン選手の三脚のコラボレーションで無事記念撮影終了。

16:00 完走
湯滝から宿営地までのルートはなだらかな下り基調。ここでマチョハラ馬脚をあらわす。下りでは滑走が嫌いなマチョハラも滑走せざるをえず、得意のゴキブリ走法が使えない。転ぶ転ぶ。雪だるまならぬマチョだるま状態。

転んでばかりで次第に気持ちも荒んでくる。

エバ「マチョハラさん、多摩川でも転んでましたしねぇ。」 慰めになってない。

「もうやだやだ!」と雪の上を転げまわって駄々をこねたくなってきたが、みんなの親切なアドバイスのおかげで辛くもアストリア到着。明日が思いやられる…。

それにしてもアストリアはいい宿だ。落ち着きというか風格がある。泊り客も大人が多く、浮き足立った雰囲気は見られない。すると、クマ「今、女子大生4人組を見たよ!」浮き足立つNSA戦士たち。
「じょしだいせい」という言葉で思考がロックしてしまう我々も我々だが、クマーニ選手は何を根拠に4人組を「女子大生」と断定したのか。今もって謎である。

その後白濁した素晴らしい温泉で疲れを癒し、いよいよ漢の大宴会が始まる。

19:00 狂宴
宴会場は広いお座敷。テーブルのレストランで食事を取る宿泊客が多い中、我々がこちらに案内されたのは、マッチャン選手の指示によるものだそうだ。

宴会なら当然テーブルよりお座敷。舞台は整った。食事も素晴らしい。
ゆばとフカヒレの和え物、ゆばの刺身、ゆば茶碗蒸し・・・ゆばだらけ。狂喜乱舞するゆばマニア・マッチャン選手。三本松のゆばの方がうまい、と断言する違いのわかる男・クマーニ選手。ゆばだろうがばばだろうが何でも食べる勢いのエバ。ここでも独特のマイペースぶりを発揮するユーチャン選手。

ユーチャン選手を見ているとつまらないことで右往左往する自分にダンディズムは100年早いなぁ、などと思う。マイペースこそ究極のダンディズムへの近道か。

宴もたけなわ、ますます盛り上がりを見せつつあるその時。クマーニ選手の横で「あ〜ら、いいオ・ト・コ(はぁと)」と艶っぽい声が。な!?これが噂の「温泉逆ナンパ」か!?もしかしたら先ほどの女子大生4人組か!?

みんなの視線がいっせいにクマーニ選手に集まる。と、クマーニ選手に寄り添う山田花子とピグモン(*)を足して2で割ったようなとてもかわいらしい感じの仲居さんの姿が。

この仲居さん、他の4人には目もくれない。クマーニ選手の顔だけに熱い視線を投げかけている。「いや、この人は実はアルピニストの野口・・・」ギャグを飛ばそうとするマチョハラに一瞥もくれず、スタスタと次のテーブルに移る仲居さん。「ぐぬ・・・!このピグモン・・・!」

(*)ウルトラマンに出てくる怪獣。とても愛らしくてマスコット的な存在。悪い怪獣に踏み潰される

しかし、このピグモ、いや仲居さん、面白すぎる。隣のテーブルの外国人客がなめこの食感に「oh!」と甲高い声を発すると、「oh〜 just like a crow!」等と返事する。じゃ…じゃすと…何?耳を疑う漢たち。翌日ジミー選手に話すと、英会話のできるアストリアの名物仲居さんとのことで、ジミー選手もよくご存知だった。納得。

その後、部屋に戻るも宴会は続く。布団はひいてあるが誰も寝ようとしない。メンツ的にやはり恋の決算話には発展せず、漢くさい話に花が咲く。マチョハラ持参の立春初搾りの極上の日本酒はあっという間になくなり、クマーニ選手のウィスキー、エバの焼酎もどんどん減っていく。おそるべしNSA戦士たち。そんな中、コカコーラ一つで他の酔っ払ったメンバーと互角に渡り合うマッチャン選手はやはり大物だと思った。

時計を見るとあっという間に0:00。楽しい時間はあっという間だ。昼間の疲れと満足の宴のおかげでよく眠れそうだ。消灯して15秒でエバが沈没、30秒でクマーニ選手が沈没。いびきのハーモニーがはじまり今晩は眠れないかな、と心配するも1分後にマチョハラ沈没。翌朝聞くとみんな良く眠れたようだ。

2月8日 朝 目覚めると、前日と打って変わって快晴だ。今日はいよいよNSAの主力ともいえる日帰り組が合流する。豪快な雪上ランチが楽しみだ。しかし、マチョハラのゴキブリ走法で今日の行程をこなせるかと思うと少し弱気になる。期待と不安の漢のクロカン2日目が間もなくスタート!


2日目へ続く>>>