reku
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キャラクター設定
はじめに
この作品は高校時代の作品で少々手直しは入れなおしていますが、だいたいの感じはそのままです(余裕や遊びのないところなどはとくに…)。構想の長さはワタシの作品のなかでももっとも長く、高校生の時間大半つまってます(いまのわたしにこれ以上の構想はちょっとやそやでは…)。ペンネームも当時のままにしておきました。技術的には未熟ですが、当時の苦悩がすべて凝縮されています。当時熱狂していたサイレントメビウスとかエレメンタラーとかヴァグランツ(どれもなにかのために剣をふるい血を流しつつどっかんぱったんという話し)この三作品足してわたしで割るとこうなりまに。ちなみにヴァグランツをこえるのはひとつ目標です。レクスオウはガルディオン(構想はできてますが、実際にはキャラ設定しかできてません)という作品と同じ世界でそのうち両作品ともに披露できればと思っています。レクスオウはまだ完成していないので、順次続編執筆の予定です(すでにできた下の内容にも手を加えていく予定ですヒマあるそのかぎり)。
『レクスオウ』
プロロ─グ、ーーーーーーーーーーーーーー
冷たく響く悲鳴…輝く紅玉(こうぎょく)の瞳、砕(くだ)けちる我が肉体……俺は夢をみているのか?
ーーーーー崩(くず)れ落ちた廃墟(はいきょ)……、あれは…なんだ? まさか…あれが栄華(えいが)を極めた神の都なのか? 汚(けが)れた闇(やみ)の霊獣(れいじゅう)がうろつく、あれが…………、砂塵がすべてを記憶の彼方へと、うち流す…。
“あなたの望むままに”
美しい女性がうつむくように顔をむけ、語りかける。妖(あや)しい瞳が俺を捕え、かすかに微笑(びしょう)する。淡(あわ)く極光(きょくこう)を帯(お)びた裸体(らたい)がふわりと虚空(きょくう)に浮かぶ。背中からはえた美羽(びう)が緋天(ひてん)をつつみこみ、眩(まばゆい)い光の中で聖女(せいじょ)がゆっくりと離れていく。
いくな! いかないでくれ! 俺は必死に血を吐出しながら叫んだ。しかし響鳴の鎖は俺の声を打砕き、響はその存在意義をうしない、俺の叫びは虚しくきえた…。そして俺は繰返し声にならない言葉をつむぎだす……。
ーーーなぜおまえが、そこにいる…、去くのか……暖かい光脈(こうみゃく)……そうだ、おまえを手放しはしない………、逃がしはしない、行(い)かせはしない、おまえは我が命、我が屍(しかばね)、つぐないにはまだーーたりぬものがあるのだからーーーー。
刻(とき)が夢をきざむーーすべては幻影(げんえい)、すべては真実、すべては時の砂丘(さきゅう)に座した我が追憶(ついおく)の彫像(ちょうぞう)ーーー。すべては今、始まる………。
壱之壱(いちのいち)〜ヴィルナス〜
まぶたのすき間から光がもれる。俺は目をゆっくりと開けた…。夢を見ていたのか?
いや、そんなことはありえない。この世界にいる以上そんな事はありえないんだ…。だとしたらあれはなんだったのだろうか。…あれはそう、まるで遠い昔の思い出を見ているような感じだった…。木陰からのぞく日の光がまぶしくそして暖かい。日は動いていない…か。
「!」
殺気が走る。どこだ?…少し離れた草むらに人影が浮かび上がる。ヤレヤレあまり長くは考えさせてはくれないらしい……。奴が…漆黒(しっこく)の衣服を着けた魔導士(おっちゃん)が一人たたずんでいる。片手を無造作(むぞうさ)に振(ふ)りあげると奴は静かに言った。
「招喚魔流師(エテルフィル)きゅうごうななぜろはちのながれ…ヴィルナス、おまえの魂をもらう」と。
「剣帝(けんてい)に仕えし砂の臣神(じんしん)フェルナディ─ルよ! 我が刻みし魏(ギ)の紋章(もんしょう)に応(こた)えたまえーーーーー 狂い舞え嗷龍(ごうりゅう)の皇王(こうおう)達よ! 羅帝(らてい)! 流砂陣(りゅうさじん)!!」
ギャウッGYAUUU(ォオ)ーーー!
森の木々をなぎ倒しながら流砂(りゅうさ)が襲いくる。間一髪! 俺はその場から飛び退いた。空間が歪み、砂が円剄陣(えんけいじん)を描く。 一歩でも遅ければ奴の陣(じん)に包まれ、殺られているところだった。
「なにしやがるんだ!!」
俺は奴から目をはなさずに言った。だが奴は余裕の笑いを浮べながら言った。
「おまえの魂は高く売れる、せいぜい稼がせてもらおう……」
奴はそう言いながら、まだ笑っていやがる。今日ほど運のついてねえ日は無い。闇狩り人(ダークハンター)にでくわすなんて、ほんっとについてねえ! 奴らは人の魂を狩って永遠呪抗師(ネリュウト)や高位の幻獣(ヴーディスムム)ども、あるいは死神達にさえお呼びがかかれば売りさばく嫌な奴らだ。魂といっても、人を多く殺している者の魂のほうが価値が高いらしく、命を狙うのも俺みたいな招喚魔流師(エテルフィル)ばかりだ。とっ、うんちくしている場合じゃなかった。
「ふざけるな!!」
俺は陣(じん)の流れ(ザルツィエ)にあわせ、奴にむけて詠唱(えいしょう)を解き放った。
「蓁締(シンテイ)の禊(クサビ)、漿締(しょうてい)の禊(クサビ)、齏天(せいてん)の鼇(ケイ)につきしは我が銖經(じゅけい)の絆(きずな)において混純(こんとん)の邪龍(じゃりゅう)を解き放てーーーー嶷召喚(ぎしょうかん)!!」
ギギュGIGYUN(コォオオオ…)!
俺が投げかけた九本の青く透き通ったくさび形のするどい刃をもつ挈神剣(けいしんけん)が、地に、空に、天に斑紋(はんもん)という名の亀裂を刻みこみ、三重に重なった複雑な文様をした陣形が、空と地とはざまの三咒界(さんじゅかい)を支配する。文様が地を裂き、その亀裂(きれつ)が金色に輝くと同時に九体の覇龍(はりゅう)が現れ、俺を中心に螺旋(らせん)をえがきながら旋回する。だが、これだけじゃ呪紋は完成していない。疾風陣(エエトービィル)が渦巻くなか俺は綺旒印(きりゅういん)をくんだ。
「鷲墾(じゅこん)の羲(ぎ)、麝篶(じゃえん)の黐(り)、敘
繋(じょけい)の熈(い)、そのすべての業(ごう)を、闇(やみ)を、糧(かて)とし生きる物達よ、汝(なんじ)ら、我が愚龍(ぐりゅう)の羲約(ぎやく)により龍麒帝(りゅうぎてい)の誓(ちか)いを果(はた)めかせろ、九龍雷鳴撃破(くりゅうらいめいげきは)!!」
ギュウァGYUAAAAAAA(ウ)!!
輝く九体の覇龍(はりゅう)が、原次元(げんじげん)どころか高次元(こうじげん)さえ切裂(きりさ)く光雷(こうらい)の刃(やいば)と化(き)し奴に襲いかかった。超次元(ちょうじげん)を超えて現れた皇雷龍(こうらいりゅう)に襲いかかられ、奴の体はなにものこらず消し飛ぶはずだった。しかし次の瞬間「鑼(ラ)淨(ジョウ)・澪(レイ)薨(コウ)壁(ヘキ)!」
その声が聞えたとたんに、奴のまわりの咒界(じゅかい)が砕け散った。んなバカな! 原子核さえ分解しそうな、無限の澪薨壁(れいこうへき)がつらなってる。時空壁(じくうへき)が咒界(じゅかい)の虚無(きょむ)を包みこみ、次元にあがなわれた亀裂が、次々と皇雷龍(こうらいりゅう)達を飲込みはじめた。だが一条の光が次元結界をさけ、奴の左肩を深く切裂(きりさ)いた。奴は呻(うめ)きながら血みどろの左腕をおさえる。その一瞬のスキを見逃すほど、俺は甘ちゃんじゃない。
「クソ魔導士が地獄にいきやがれ!!」
手を交差させ、咒(じゅ)の紋章(もんしょう)を虚空(きょくう)にえがきだす。
「煉結陣(レンケツジン)!」
ズギュウZUGYUUUUYUn(ギ)!!
完ぺきに俺の陣(ワイマー)が決まった。俺を中心に7ディール以内の空間を黒炎(こくえん)の渦が支配する。 奴は空間を支配する炎帝の煉結陣(レンケツジン)に縛られ、焼かれながら動くこともできずにうなだれている。 俺はゆっくりと魔導士の前にいくと、神剣(しんけん)を喉(のど)にあて、うすく笑いながら奴とおなじセリフを皮肉まじりに言った。
「命をもらおうか…」
奴は呻いていたがすぐに横をむいてしまった。
「けっ、だれがてめえの命なんかほしがるかよ!」
俺は右腕でおもいっきり強く、奴の黒衣のエリをにぎりしめながら言った。だいたいこんな奴を殺しても一文の得にもなりゃしない。 やるだけムダだし、運悪くこのことが組合いのダ─クハンタ─に知れれば、家業の名声を守るために奴らから命を狙わねとってもつえーーかねないからな。なんせ奴らは最強無敵(笑)、完璧が売りだからな。そこでこいつをここで逃がすと、奴はなにもしゃべれないことになる。自分自身の名声を、おとしめる事になるからな。俺は笑顔を作り、一段と皮肉を込めて言った。
「逃がしてやろう……か?」
奴は…苦痛に耐えながら命ごいをするはずだった。……が、すばやく身をひるがえすと短剣を俺の右胸に突立てた。激痛が全身を貫く。
「な、なぜだ…なぜうごける……」
俺は血を吐出しながらかろうじてそれだけを言った。奴のまわりを黒雲の陣が渦巻く。さきほどと寸分変わらぬ笑いを浮べ、奴は言った。貴様(きさま)の陣(ワイマー)が決まる寸前、対陣剄(たいじんけい)である冥蓊陣(めいおうじん)を張っていたのだ」
ーーそんなバカな! こんなところに対陣剄を使える者がいるはずがない。いるはずがないんだ……。俺はかすかに消えかかる意識の中で、奴の背後に妖しく光る、紅玉の瞳を確かに見た。
「ー貴様(きさま)は強く……、強くなりすぎたのだ…」
奴は不思議と悲しげにそう言うと、俺に対して静かに死の呪紋をつげた。
「天に祟(たた)えし業魔(ごうま)の封印、呪われし結晶の剣(つるぎ)をあがなえ! 開け邪龍の門、開放せし咒天(じゅてん)の命(めい)を砕け! 烈帝! 烈聖天號蕾破(れっせいてんごうらいは)!!」
キュウィKYUIIIIIIIII(ヒュー)ーーーヴェギュゥウVEGYUUUUUUUUn(ギグン)ーーーー!!
咒界(じゅかい)自体が裂け、天空が水結晶の粒剣(りゅうけん)でうずまり、號蕾(ごうらい)が俺の体を縦横無尽(じゅうおうむじん)につらぬいた。俺は絶叫(ぜっきょう)しーー、二度と息をすることは無かった……………。
壱之弐(いちのに)〜シュミレ─ションゲ─ム〜
BEEE(ヴィイイ)! BEEE(ヴィイイ)! BEEE(ヴィイイ)! BEEE(ヴィイイ)! “ゲ─ムオ─バ─”ゲ─ムオ─
バ─”
バBAn(ン)!
「くそっ! せっかく237(にぃさんなな)セクションまで行ったのに!」
俺は思いっ切り鋼鉄のゲ−トを叩きながら言った。右胸がま─だ痛みやがる。ほんっと─についてねえ。…ふと、血塗られた紅い…紅玉の瞳が脳裏をよぎる、あれはなんだったのだろう…。ゲ─ムシナリオにはなかったものだ。まさか…な。トントン、後ろから誰かが肩を叩く。振返ると、彼女が……フィ─ニア・K(ケイ)・ミリネアが立ってる。
「ここでなにしてるのよ!」
彼女は美しい長髪をふるわせながら、いかにも怒ったようにそう言った。
「なにってみりゃわかるだろ」
俺は動揺(どうよう)した。大のゲ─ム嫌いの彼女が転移(エブラブト)ゲ─トにいるはずがない。
「あんたねー、まさか約束忘れてたんじゃないでしょうね」
黄金色の美しい瞳が俺を捕らえる。
「な、なにいってんだよ忘れるわけないだろ」
俺はあたふたしながら言った。
「27(にじゅうしち)日の10(じゅう)時にいつものところだろ。」
「ええ、そうよ」
「だったらい─じゃん、まだ26(にじゅうろく)日の…8(はち)時くらいだろ」
「あっのっねえ─」
彼女がにじりよってくる。
「バカ言わないでよ! いま27(にじゅうしち)日の11(じゅういち)時すぎよ、1(いち)時間もまたせといてよくそんことが言えるわね」
「なんだって!」
確かにかなりやったが、でも1日以上たっていたなんて………。
「だいたいあなたはゲ─ムのやりすぎなのよ!」
彼女は憮然(ぶぜん)として言った。俺はどうやっていいわけをしょうかと頭をフル回転させたが、灰色の頭脳ってやつは、うんともすんとも言わなかった。
「いやつまり、そのなんだ、まさかそんなに時間がたってるなんて思わなかったから」
ーー「ごめん!」
俺は両手を合わせてあやまった。必死に! これ以上ないってぐらいに、懇願(こんがん)の表情をした。はっきり言って自分でもふがいないと思うが、彼女には借りはあっても借しは1g(いちグラム)さえないんだ。この状態で大きな顔などできるはずがなかった。 彼女は横にうつむくと、ほんの…、ほんの少し笑いながら言った。
「もお! そんな顔されたら怒れないじゃないのよーーーずるいんだからっ」
ネアは笑いながら右手で、俺の頭をこづくようなまねをして言う。
「そのかわり今日の夕飯代あなたもちね!」
「OK(オーケエ)! そうゆう事ならまかせてくれ」
俺は満面の笑顔を見せながら言った。内心ヤレヤレと思っていたが、なんせ今回も俺がぜーんぶ悪いんだからしかたない。でも今さらながらに不思議なのは、彼女みたいな性格も顔もいい娘(こ)が俺みたいに平凡、ボンクラ、月並グ─タラ男とつきあってるって事だよな、うん。いったい俺のどこに魅力があるっていうんだろう…。
「速く外に行こ!」彼女がかわいい声で語りかけるように言う。
「OK(ほうやっ)!」
俺も答えかえす。彼女はすでに白光に染まる銀ぶちのコ─トを着けて出口で待っている。 俺は彼女と
一緒にゲ─ムポッドの外にでて歩き始める。金色の太陽が排気ガスと放射能の中で、遠くうっすらと……さびしく輝く。
「今日は太陽が良く見えるね」
彼女が俺の腕を引寄せながら言う。
「ホントにめずらしいな……」
全身をつつみあうふれあった透(す)きとおった電滋(でんじ)コ─トが小さな火花をあげる。まだ昼だというのに空は黒煙でうずまり、太陽のまわりだけが虚しく黄昏(たそがれ)にゆらぐ。酸性(さんせい)をたっぷりと含んだ霧が1(いち)メ─トル先さえ、視界を灰色の闇に閉ざす。まったくこんな所は誘導型短型地図内臓の特殊サングラス、通称ミニアトラスでもなければすぐに迷子になっちまう。
「今日は星が見えるといいね」
「大丈夫、見えるさ……たぶん」
最後の一言はつぶやく程度の音量でささやいた。
カチャ…ァ…ンと、グラスの中の氷がはじける。スクリ─ン一杯に夜の星空が広がり、渦巻く黒煙に対抗するかのごとく輝いている。彼女と食事を終え、映画を見終わったのはもう日が落ちる頃だった。今は一人さびしくベッドの上でワインを飲んでいる。…ふと、昔の事を思いだしていた。
「なに考えてるの?」
彼女がベッドに入ってくる。
「昔の事をね…それより仕事はもういいの?」
「まあだいたいね…そっちの大学の課題こそできたの?」
「まあ…ね」
「あたしも卒業しなければよかった」
彼女が溜息をつく。この州の大学はほとんど八年制だが、単位をかなりとれば四年でも卒業させてくれる。彼女は大学を四年で卒業したが、俺は今五年目ってわけだ。今は二人でマンションを借りて暮らしている。(俺はアルバイトをしてちゃんとお金をだしてるから。断じて“ヒモ”じゃないぞ!)地下七百三十四階に
住んでるから空を見るにも立体映像が必要になる。天井に設置された立体スクリ─ンを通して見る空は格別にいい。
夜空に星が美しく瞬いている。まるでダイヤモンドを打砕いたかのようだ。はるか昔、星を神として崇めた種族もいたそうだが、その気持ちもなんとなくわかる気がする。しかし黒煙が無ければもっと良く見え
るってのに。
「あの星に行けたらいいのに…」
彼女がうやらましそうになにげなくひそやかに言う。
「俺も昔はそれが夢だったなぁ。宇宙飛行士になって、未知の星々へ行って、死んじゃいそうなほど怖くってそしておもしろい…とにかくハチャメチャな冒険をする事が夢だったんだ…」
「いい夢じゃない」
「そうかな?でも…もうそんな事はできないって解かっちゃったからなぁ…」
そう人類は太陽系から外へ抜出す事ができなかった。ワ─プ航法なんてもんは当然の如く発明されなかったし、それどころか今だに地球以外の星には移住さえできやしない。まったくもって退屈な時代に生れてきてしまったもんだ。昔の時代の人は宇宙に夢が持てて、いい時代だったんだろぅなぁ。彼女が笑いながら近ずいて来る。
「ねえそんなことより──にゃん、いいことしお─よ、ね 」
彼女がにじみ寄って来る。そ、それにしてもネコ柄のパジャマってゆ─のはかなり…まずいんじゃないかな…と。な、なぜかシリアス路線がはずれっぱなしだなぁ…、俺ってこんなに軽い奴だったかな?まあ、とにも、かくにも俺が数少ない理性と、とっくみあいをしていると、彼女が驚いたような声をだした。
「ねえそのキズど─したの?」
「え?なに、何?キズ?あ、え─と、このキズか」
俺はビックリポーズのまま左手の脇ばらの下の刃キズをだした。
「なんか生々しいキズだけど痛くないの?」
「ああ、このキズなら心配ないよ、なんたってひろわれた時からあるから…、案外俺の母親が俺を捨てる前に殺そうとしてつけたのかもな…」
「…そんなことないよ、生んだ子をそんなに簡単にころせるはずないよ……ちがうと思うな…」
彼女は悲しそうな顔をする。
「そうだね…ごめん」
「あたしがこのキズも心の傷もみんな癒(いや)してあげる…」
彼女がやさしくキズをさわり、そこにキスをする。俺も彼女をやさしくつつみこむ。夜がふけていく………。昔の俺は…いつもさびしくて泣いてばかりいる子供だった。そしていつも“暖(あたた)かいなにか”を探し求めていた。それが…そのすべてがいま、俺の物になった気がした…。
夜が…ふけていく………。
壱之参(いちのさん)〜幻影(げんえい)の皇帝(こうてい)〜
へ つづく
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西暦3492年 統合扉歴(アナザーイエル)211年
ヴィルナス・ラングレー
第二層(だいにそう)に住む青年。21才。蒼い短髪に青い瞳を持つ。 落ち着いているが明るく、誰にでも好かれる性格をしている。
バイトをしながらクライスファークトの企画制作者を目指している。 フィーニアとマンションに同姓している。彼女のヒモではないと、いつも言っているが彼女に食事を作ってもらったりしていて、随分負担をかけているのは確かである。
次元帝神(じげんていしん)としてじょじょに覚醒し始める。その時の名はヴィルディーク。愛剣はディール・ド・ディルシス。 自自分、フィーニア、王ウォンさん、リィーズさんレスクフィードさんそのうち樺奈恵(かなえ)、カリュシア、グレス。
フィーニア・K(カルフィ)・ミリニス
同じく第二層に住む女性。22才。長い金髪と金色の瞳を持つ。
活発で、ちょっとノー天気なぐらい明るい。どんな時も相手のことを考えられる、やさしい心を持つ。機嫌が悪い時は誰とも逢おうとしない。
ク・ティーナの時の記憶は封印されており、別に普段の生活に支障はない。
王(ウォン)・赴墅(フォンヤン)
28才。短い黒髪に黒い瞳を持つ。
性格は温和で、ゲーム以外でめったに怒ることがない。 強いカリスマ性を持ち、会社内でリーダーシップをとっている。リィーズの前では、ヤンのように愚痴ることもある。
ゲーム会社、リッグ・エスクランドの社長である。
クライスファークトの企画制作者であり、いくつか技術資格までも持っている。有名なゲームをいくつも世に送りだしており、その道では有名な人。漫画の原作や小説まで書いてしまうオールマイティな人物。
彼女にするならおとなしく、おもわず守ってあげたい人がいいと言っているが、とうの彼女のリィーズは逆に守られてしまうほど強い女性である。
羅帝神(らていしん)ディアスでもある。策略を得意とする。
リィーズ・フォーグラー
26才。長い赤髪をポニーテールにしている。茶色い瞳を持つ。 強い精神力を持ち、ちょっとのことでは弱音を吐かない。 サイバーシステムのエンジニアで、結構いい給料を貰っている。一年程フォンヤンを食わせていたこともある。
樺奈恵(かなえ)・レスクフィード 幻帝神(げんていしん) ラウス・ニーク
歳は一億才以上。現在も女性体である。人間としての歳は14才。長い茶髪に哀眼の容貌である。父はドイツ人、母は日本人である。
無口であまり弁舌ではない。
凍結系の魔法を得意とする。愛剣はラグ・ア・シグザード。氷系上級精霊であるギィーヴィスが硬質化したのがシグザードである。
カリュシア 炎楴神(えんていしん)
二百年前までは男性体だったが、現在は女性体である。 金髪に赤のメッシュが入った短髪をしており、瞳の色はレッドである。
かなり活発で、男っぽい言葉づかいをする。なんでもこなす頼りになる奴である。ヴィルディークに好意を持っている。
現在の名はグリフィス・ラーグ・グリスナーである。 火炎系の魔法を得意とする。愛剣であるヴィーズ・ローをいつも大事そうに持っている。ガルサの火山に眠る火炎龍をしもべとしたのがヴィーズである。
他人親しい人オマエ普通アンタ。
ギリィ・カイザース 烈楴神(れっていしん)
24才の男性。パーマの短い黒髪と黒い瞳を持つ。
厳格な性格で、人にもそれを求めてしまう。正義感が強く、間違っていることは正さないと気が済まない。
烈楴神の時の名はグレス・アルフ・ラニングスである。