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『メルティルコルフィルバルトローリルトフェンフォンココココット』

「メルティルーッ!」
「」


メルティル
伝統法(アーガイーブ)リリットの使い手。継承者でこそないものの、使い手の数がけっして増えることのないものなので、その力を受け継ごうとする者につきまとわれることもしばしば。威力は絶大なれど、対象者を笑わせないと発動しないため、実情を知ると実戦では使えないと継承をことわる人続出。

コルフィル
フィボ(小人の足族)。

バルトローリルト

フェンフォン

ココココット
液体種。


 広大な 「それは聞くも涙話すも涙の話しなのでございます。人が村の南西の端にある魔岩(まがん)から落ちることで発動する魔法フィルエーは夢をかなえるとしても知られ、挑戦する者達は地に触れるまでに決められた呪文を唱えなければなりません。しかしその者達の過半数は地にたっするまでに言えず足を骨折する者が耐えません。おかげでウチの妹がやってる魔法病院は大繁盛!……失礼いたしまして、申しわけありません。村おこしも成功して穴の開いた靴下をトレンディーなどと言わなくてすむようになりました。しかし、いいことがあれば悪いことがありまして、神聖な石はいまや魔岩と呼ばれるようになってしまいます。また、村にフィルエーの力を使ってやりたいほうだいやってやるという連中が住みつき、魔岩に挑戦しておりますれば、連中がなにをしでかすか途方に暮れる次第。おとずれる者も減りはじめ、このままでは去年でがでかとうったフィエレーの宣伝費もとれない始末。どうにかお力をお貸しいただけませないでしょうか」

「メルティルーッ、たいへんだよっ! ボルゲーの連中が……」
「安心してくれ、その件なら手を打ったところだ」
「遅かったな。おれらはもうフィルエーを発動させた。おめえ達は自分で夢を実現したまえ。若いうちから楽してはいけねえな」
「発動するまでには時間がかかります。それまでに別の人が力を発動すればだいじょうぶです」
「ちっ」
「まて! はな…」
「話しなんかすっか!…おめーらっ、昨日打ち合わせしたとおり、かえる討ちだっ」
「プ…お、おうっ!!」
「くっくっくっ昨日寝ないでベルドアの世間話をみんなで読んだのだよ…。みんな悲しくって笑うことなどできん。やぶれたり、リリット」
「悲哀の騎士への花むけだっ、やっちめえ…!」
「なにか変じゃないかメルヒィル……なにか…」
「そうだな…」
「まてよ…」
「ベルドアの話しは悲劇ではない、二人とも助けられたんだっ!」
「ほ、ほんとうかっ!? 悲しくってその後読めなかったが…、そうだったのか」
「さらに、ベルドアは封印され、二人は静かに暮らしましたとさ」
「……よかった…よかったなぁ…」
「よかった…」
「ははっそうだったのか」
「いまだっ!」
「よし、いまのうちにフィエレーにチャレンジだ。ココココットたのむっ」
「ギャオウ!」
「なんでみんな寝ちまったんだ…」
「寝むらなければ夢は見れない。フィルエーとはそういうものだったんだ。君達はどんな夢を思い描いた?」
「私達は…それぞれの子供の頃の夢を実現しょうと誓った……」
「あんた噂どおりの腕前だ。なあ…、ほんとうにふたりは助かったのか…?」
「騎士は四人の子供を生み育てた。その子孫達には代々同じ場所に同じ封印のアザを受けついたのだ」
 メルヒィル達の額には、確かに文様のようなアザが見てとれた。
「そ…れが……」
「成功報酬たりないよ」
「いえ、いまある蓄えがこれしかないわけでして…またおよりになってくだされば、残りの三百リーダはその時にかならずや、はい」
「ねぇパパァハワイ旅行来月行かない。六日の休みとれなくて」
「パパ?…六日の旅行?」
「…二人で約三百リーダだ」
「年をとるとトント物忘れがひどくなりましてなぁ…そうだ、祭りが近かったな準備準備……」
「」 「老人は大切にしよう。いたわりの心を大事にしよう。罪を憎んで私を憎まず。たかさきはやとを大事にしょう」「それを言うなら罪を憎んで自分を憎まずだろう」「そうそう」 「連中、どうなっちゃうんでしょう」「夢を見続けるだろう。子供の頃に思い描いた夢を実現するまで十年でも二十年でも眠り続ける」「ちゃんと起きることができるでしょうか」「わからない。起きることができたなら、その時は自分の力で立つこともできよう」 「我々の戦いは五万年におよんだ」「エルフの戦いは気が遠くなりそうだな」「一言で言うと」「一言で言うなっ!!」 「土台(どだい)もと暗しとはこのことだな」「まったくだ」「…………」 「しまったぁ!…さんじゅうよ年間昼夜をいとわず保ち続けていた私の精悍でニヒルなイメージが……」「だいじょうぶ、だれもおまえを精悍でニヒルだなんて思っていないから」「そうか、よかった」 「ええ、なんでもですね、我々のことにとても興味をもたれたようで根ほり葉ほり聞いていかれました。なんでも学者だそうで、まあそうでしょうな。ホビットなんぞ調べても鐘になるわけではないですによって。名前はええと……そう思いだしましたよ、トーヘンボクさんと言っとりましたよ」

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