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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー  〜ヴァーダークラルアンティー 闇螺旋(やみらせん)〜』


                 第三十三旋承壁陣 (だいさんじゅうさんせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






あらすじ
エルフィールは魔王ダリルの命令で勇者ジョルディーの命を狙う。
エルフィールはジョルディーの暗殺に失敗。
ジョルディーの命を狙いつつ、 しかし命をとれないでいるエルフィール。
エルフィールはジョルディーとともに命を狙われる。
エルフィールとジョルディーの命を狙うかつての仲間たち。
ダリルの魔法、「封印の魔則」によって争う者は氷に閉ざされる。
かつての仲間たちは封印の魔則に凍りついていく。
ダリルと直接対決するエルフィールとジョルディー。
だがまったく歯がたたない二人。
そこに、ミラルに世界の策定をした一人の賢者へと導かれる。
賢者はエルフィールとジョルディーに特殊な剣の力を授ける。
その剣の前に倒れるダリル。
旅を続ける二人に鳥人たちが二人の力を求める。
帝国が鳥人を徴兵しょうとしていて、 それは戦いに備えているためだという。
鳥人のアベルとエルフィールとジョルディーは 帝国の兵士と戦いながら王都を目指す。
王都では新兵しかいなかった。
ベテランの兵隊は葉の国の異変に出兵して戻ってこなかったのだ。
エルフィールとジョルディーは葉の国に向かう。
死の国から戻ったというダリルと神の子だというハイベル を仲間にしたエルフィールとジョルディーは葉の国が 神々に捧げられたことを知る。
神々が大神ハーバイトの不在のため、 次々と人や国を捧げ物にしないと神の存在が成り立たないことを 知ったエルフィールとジョルディーとダリルとハイベルは ミラルを仲間にして死の国へとおもむく。
死の国では大地の神竜を攻撃する忍者がいた。
忍者の国では人々が次々と竜になる事態に、 大地の神竜を攻撃する忍者がいた。
大地の神竜が攻撃から助かるとハーバイトは神竜の防御から 解き放たれ、神殿に帰っていった。
忍者の国の姫ラミエールとエルフィールたちは 村人を元にもどすために歩き出した。




 「限りなきは空の憩い
次元は果てなき川のしらべなりて
おおその歌にうたわれるはエルフィール
昨日は謎に満たされた
その日々は竜に埋め尽くされ
崩壊の秩序だけが残された
夢よ愛をうたえ
崩落の起源よ
魂に眠れ」
 詩人がいた。
道の石垣に腰掛け、竪琴を弾く。
緑の帽子に緑の服。
ハーメルンよろしく歌をうたう。
気にするでもなくエルフィールは前を通りすぎる。
ダリルもジョルディーもハイベルもミラルもヨーステイアも通り 過ぎる。
「おいおい、通りすぎることないんじゃないかなエルフィール」
 顔をあげたのは美形の男、それも耳がとがっていた。
 それでも歩いていくエルフィール。
「呼ばれてるぞエルフィール」
 ジョルディーが声をかける。
「知らん」
 エルフィールはそれだけ言うとさらに歩く。
 男は歌をうたいながら一行に着いて来る。
「うまい歌ね」
 ミラルが言葉を吟遊詩人にかける。
男は無言で歌う。
「どこの吟遊詩人さんだい」
 ハイベルが男に聞く。
 男は歌い続けている。
「エルフィールの知り合いかな」
 ダリルの言葉にも歌い続ける吟遊詩人。
 ラミエールは無言で歩く。
「どこまで着いて来るのかな」
 ジョルディーが聞く。
「きみがいなくなるまでだよジョルディーくん」
 男はそう言うとにやりと笑った。
エルフィールの歩みが止まる。
ジョルディーはしかめっつらをすると 「それはずいぶん長いつきあいになりそうで」と言った。
 また歩き出す一行。
「エルフィールさん、私はダミエールという者です。以降 よろしくお願いします」
 エルフィールは横を歩くダミエールには無言だ。
「これからどこへ行こうというのですか。 知識の神にでも話しを聞くとか」
 ダミエールがそう言ってにっこりと笑う。
「それはいい考えだ」
 エルフィールはうなずきながら言う。
「でもね、エルフィールさん。私がいればだいじょうぶ。 吟遊詩人は情報記者のようなものでもあるのですよ」
「なにを知っている。話せダミエール」
「この村人が竜になってしまうのは螺旋竜がかかわっているのですよ」
「冗談ではなかろうなダミエール」
 ラミエールも歩みを止めてダミエールの話しを聞く。
「みなさん私の話しを聞いてくださいよ。つまりですね、 螺旋竜が動けないでいる。その影響で村人が竜になってしまった ということです」
「それで」
 エルフィールがうながす。
「大地の竜、ユグドラシスとカテドラルは螺旋竜の分派にすぎません。 螺旋竜こそが時を次元を司る神竜の中の神竜なのですよ」
「それで」
 エルフィールがうながす。
「動けない螺旋竜を時のはざまに導いてやればいいのですよ」
 ダミエールはそう言って笑った。
「どう思う」
 ダリルの問いにミラルが「確かめる価値はあるわね。 筋は通っているわ」
「行こう」
 ジョルディーがそう言うと歩き出す。
「腰にさわるな」
 エルフィールから離れるダミエール。
「ここがそうですよ」
 ある山中の洞窟に一行はいた。
「あれが螺旋竜ですよ」
 時り共鳴が鳴り響く。
 宝石の竜がいた。
体は透き通っていて、まるで装飾石の芸術のようだ。
「手を」
 エルフィールとジョルディーのあいだに光りが生まれる。
ザキン!
 螺旋竜を斬る。
螺旋竜は傷が癒される。
だがそれだけで動こうとはしない螺旋竜。
「それで、どうすれば螺旋竜を時のはざまに戻せるんだ」
 エルフィールの問いにダミエールはエルフィールの手をつかむ。
「こうするのさ」
 エルフィールとダミエールの手から赤い光りが生まれる。
赤い光りは一降りで次元を斬りさく。
 そのはざまへ螺旋竜は消えていく。
「これは……」
 エルフィールは赤い光の剣を見る。
「エルフィールきみが必要だ。そう思わないかい」
 そう言うとダミエールは赤い光りでジョルディーを斬ろうとする。
なんとか光りの剣でジョルディーとエルフィールは受け止める。
「ジョルディーくん、きみはジャマだね。きみの本分を知りたまえ。 エルフィールは偉大な女性だ。そしてジョルディーくんは必要のない 人間だ」
 エルフィールの右手とダミエールの左手の赤い光りが ジョルディーを狙う。
 それをエルフィールの左手とジョルディーの右手の光りが 受け止める。
 エルフィールは動けないでいた。
 まるで男二人と踊っているかのようだ。
 白い光りと赤い光りが螺旋と舞う。
 まるで回転する花火のようでもある。
「炎よ応えん……」
 ダリルが魔法を唱える。
「あぶないわ。エルフィールに当たる」
 ミラルがダリルの魔法攻撃を止めに入る。
 ハイベルがケリでダミエールの足をからめとる。
転ぶダミエール。
 立ち上がるダミエール。
赤い光りは消えていた。
「ジョルディーくんはエルフィールさんの力を知らない。 私こそがエルフィールさんにふさわしい男なのですよ。 エルフィールさん。いつかあなたを手に入れてみせましょう」
 そう言うとダミエールは歩き去る。
国に戻ると村人が人の姿に戻っていた。
「よかったな」
 ジョルディーがラミエールに言う。
「そうだな」
「私も帰るとするか」
 ダリルがそう言う。
「送ります」
 ジョルディーがそう言う。
「それはありがたい」
 エルフィールとジョルディーとハイベルとミラルとダリルは 歩き出す。
 一行はダリルの国へと歩き出した。
 途中の道の石垣にダミエールがいる。
「私も連れて行っていただけないかな」
 誰もなにも言わない。
ダミエールはエルフィールの横を歩き出す。
一行はダリルの国へ向かった。




なかがき
次回からタイトルを変え、 少しリニューアルというかタイトル変わります。 話しは続きます。んでは。








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