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神々の剣
グラウディアソード




まえがき
タイトルが長いわりに意味がないので、タイトルを変え、リニューアルスタートということにしました。内容も変わるといいな。うんうん。では。


第一話 エルフィール、闇の竜との出会い



 道の分かれ道。ダリルが立ち止まる。
「私はここで別れようと思う」
 ダリルがそう言う。
「残念です」
 エルフィールがそう言う。ダリルがエルフィールに言う。
「出会いがあれば別れもある。それは出会いの鉄則だからな。こればかりはどうしょうもないのだから、な。まあ、笑ってくれよ。また会うこともあるだろうさ」
 ダリルの言葉にうなずくエルフィール。
ドクン
 エルフィールの体が揺れた。
 エルフィールが風船のようにメタモルフォーゼしていく。  エルフィールはみるみるうちに竜に成っていく。
 巨大なドラゴンに変身するエルフィール。
 二階建てのビルくらいはある。
 ひょろっとした顔にでかい太鼓っ腹。小さな手足。指は恐竜のように爪となっている。蝙蝠(こうもり)のような羽が申し訳程度についている。色は深い緑色である。
「コーヒーをどうぞ」
 ダミエールがジョルディーに鉄のカップを渡す。
「ありがとう」
 ジョルディーは感謝する。
 カップを口に当てるジョルディー。
 と、カップを草に近づけるジョルディー。
 ちょっとコーヒーを垂らす。
 草はすぐに枯れた。
「あはははは」
「はははははは」
 ジョルディーとダミエールは笑う。
「ジョルディーにダミエール。なにをなごんでるんです。エルフィールがこんな時だというのに」
 ハイベルはそう言う。
 ダリルがミラルの前に出ると一言うなる。
「ミラル。こんな姿になってまで、私と別れたくなかったのか」
「違いますって」ハイベルは困っている。
 ジョルディーとダミエールは一緒にお茶している。
「呑気ねみんな」そう言うミラルは大地に横になっている。
「これは私が大神に聞くしかないのか」ハイベルは悩む。
「ふむふむ」
 ミラルが立ち上がるとエルフィールの前に行く。聞いたこともない言葉を竜となったミラルに言う。ドラゴンはうなずくと喉を鳴らして音楽を奏でる。それは人の心に浸透していく。ダミエールの卓越した歌も叶わない素晴らしさであった。
「エルフィールが古代神竜の言葉を話せるとはな」ダリルがそう言う。
 ミラルは話し終わる。
「なんだって」ジョルディーが聞く。
「喉がかわいたって」
 川を探して歩く一行。
 川に着く一行。そこは干上がっていた。
「仕方ない、私が住む国の町がもうすぐある。あそこならば井戸もある」
 ダリルの提案に誰もがうなずいた。
 道幅はどんどん広くなっていく。
「でもね」
 ミラルが話し出す。
「この竜を売ったらすごい金になるわよ。一生遊んでいられるかも知れないくらいよ。想像もつかいなような大金よ」
 そう言うミラルの頭をエルフィールドラゴンはでこぴんする。
「あいたー」
 まるでハンマーで叩かれたように痛い。
「冗談よ冗談だってば。やあねえ最近の子はジョークも通じないんだから」
 町が見えてくる。町は三十くらいの白い石の四角い家が建ち並んでいる。
 町人はエルフィールを見るとみんな去って行く。
 家の窓は次々と閉められた。
 エルフィールドラゴンが立ち止まる。エルフィールが歌う。
「なにか聞こえると言っているわ」
 ミラルが通訳する。
「誰かが呼んでいるようだってさ」
 老婆が道を歩いてくる。黒茶のフード付きマントをしている。とがった鼻。しわだらけの顔。目は閉じていた。
 ミラルたちの前まで来ると立ち止まる。
「私には光も見えなければ歌も聞こえない。だが、あんたがここにいると感じるよ。竜の子どもだね。まだ竜に成り立てだね。声が聞こえるんだね。声の聞こえる方に行ってみなさいな」
 エルフィールは歩き出す。どすどす地が響く。その後に仲間も続いた。
 平原が続く。そこに岩が折り重なっている。
 エルフィールは岩を蹴りどかす。
 岩の下には竜の骨があった。ずいぶん小さい。エルフィールは歌う。
「ここから声が聞こえたそうよ」
 ミラルが訳す。
 ジョルディーがエルフィールドラゴンにさわる。
 ダミエールがエルフィールドラゴンに触れる。
 光の螺旋が舞った。暗闇に人のエルフィールが一人でいた。
 いや、もう一人誰か気配がする。それは小さな竜だった。その子供竜はじっとエルフィールを見てる。
「なにかして欲しいの?」
 エルフィールはそう聞く。
 ドラゴンは空を眺めている。
「飛びたかったのか。空を」
 竜はエルフィールを見る。
 エルフィールは竜に近づく。竜を抱きしめるエルフィール。
「どうかしたの?」ミラルが聞く。
 そこは元の平原だった。
 エルフィールドラゴンは羽ばたく。
 気がつくとエルフィールは空を飛んでいた。
 雄大な雲を越えてさらに飛んだ。
 風は竜の召使い。
 神楽舞う空が永遠に広がっている。
 風が気持ち良かった。
 エルフィールドラゴンは音速を超える。
 それでもさらに飛んだ。
 心に竜の子供をエルフィールは感じた。
 世界を一周した。
 エルフィールドラゴンは光に包まれる。人の姿になるエルフィール。光ながら地面にゆっくりと降りていく。
 ジョルディーがエルフィールを抱きとめた。
「だいじょうぶか」
 ジョルディーの言葉にうなずくエルフィール。
――ありがとう。
 エルフィールの心に声が響く。
「どういたしまして」
 エルフィールはそう言って空を見た。竜が飛んでいる姿が見える。竜は透き通っていた。竜は飛んで行ってしまう。
「良かったな」
 ジョルディーがそう言う。
 エルフィールはうなずく。
 エルフィールたちはまた歩き出す。
 道はまだ続いていた。



























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