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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー  〜ヴァーダークラルアンティー 闇螺旋(やみらせん)〜』


                 第三十二旋承壁陣 (だいさんじゅうにせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






「ヘクタスはこちらか」
 ジョルディーはラミエールに聞く。
「そうだ」
 ジョルディーの脇でそう言うラミエール。
 ラミエールは腰まである金髪に白いレオタード風の忍者だ。
 端正な顔にどこか気品と気高さを感じさせた。
少なくともミラルはそう思った。
 首領の娘というが、それは証明していない。
「おまえは道案内だけでいいんだ」
 ジョルディーとラミエールのあいだにわって入るエルフィール。
「困っている。仲間はみないなくなってしまった」
 ラミエールは空を見る。
「戦えばいい」
 エルフィールはそう言う。
「それしかないのかおまえは」
 ジョルディーがそう言って笑う。
「それで道はどこへ続くんだ」
 ハイベルが聞く。
「我が城都ヘクタス、 世が世なら時代は我が国を世界の中心としただろうに 口惜しいことだ」
 ラミエールは声高らかにそう言う。
道は緑に包まれていた。
丘のような道の先には城壁が見える。
「それでなにが起きたのだ」
 ダリルが聞く。
「それは悲惨の落葉のことだった」
 胴長竜が大地をくだいた。
飛びのくジョルディーたち。
 ビルディングほどの大きさの竜がいた。
「まさか……」
 エルフィールが叫ぶ。
 空に幾多の竜が、無数の竜がいた。
「なんだこれは」
 ダリルはそれから攻撃のための呪文を言葉に飾る。
「待て! あれはヘクタスの国民だ」
 ラミエールは叫ぶ。
「なに?」
 ダリルの詠唱が言葉の咆吼が止まる。
「どうする」
 エルフィールはジョルディーを見る。
「ならこれだろう」
 ジョルディーは手を出す。
エルフィールが手をつないだ。
光りが生まれた。
 竜はその光りにうろたえ、空に逃げる。
「どうする?」
「我が背に乗れ!」
 ラミエールが竜になる。
 ジョルディーとエルフィールはラミエールの背に乗る。
 竜たちが空に舞う。
ラミエール竜が竜の絨毯(じゅうたん)と化した空に躍り出る。
ザキン!
 竜が一体光りに斬られる。
それは人に戻り空に落ちていく。
「まかせて!」
 ミラルが地に手を当てると、地面はマシュマロのようにやわらかくなる。
元竜の人はマシュマロのような地面にやわらかく包まれた。
キュアアアアア
 竜は咆吼とともに逃げまどう。
「逃がすか!」
 エルフィールが力技で斬りたおす。
エルフィールの力技をジョルディーが柔軟な動きに変えている。
 竜は斬られ続々と人となり落ちていく。
「数が多いな」
 ジョルディーの言葉にエルフィールは。
「よしっ」
 と光りを球体にして広がらせる。
ズバババババババババ
 竜が消えていく。
 人となりマシュマロに包まれる。
「おしまいっ」
 エルフィールが叫ぶ。
ゴゴゴ
「なに!?」
 ミラルは人々が鳴動するのを驚きを隠せなかった。
 ヘクタスの人々はまた竜になり飛び立ってしまう。
「どうしたんだこれは」
 竜はまた空を絨毯と色彩の洪水に変える。
「原因を取り除かなければ人々はまた竜に変わる」
 ラミエールは竜の咆吼と言う。
「なんだ原因とは」
「それが大地竜であるカテラグルが問題だと討伐しょうとする者たちもいた」
 エルフィールの質問にラミエールが答える。
「うーんそうかどう思うジョルディー」
 エルフィールが聞く。
「とにかく出直したほうがいいなこれは」
「そうだな」
 ミラルは風が自分を空に浮かんだ瞬間。
 それはラミエール竜だった。
気がつくと背に乗っていた。
ミラルの気を感覚を空が包む。
このままどかへ飛んでいきたいとミラルは思った。
竜のうろこはすべすべしていてそれでいてプラスチックのようでもあった。
――いがいとすべらないねえ。
 ミラルは竜の背に乗っているのが他人事のように思案した。
 空を飛んでいるというよりは大地が振動しながら空を飛んでいくという感じなのだと、ミラルは思った。
 ラミエール竜はダリルたちもひろうと飛び去った。









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