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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー 〜ヴァーダークラルアンティー 闇蘭旋(やみらんせん)〜』


                 第三十一旋承壁陣(だいさんじゅういちせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






「だからやめときゃいいのに」
 ミラルは女神アルテイアにそう言う。
「そんなこと言ってもさあ」
「それでどうなったの」
 美の女神ケフォルトが恋をした。
 男神ラクトールにだ。
神の「愛」など誰も操作することなどできない。
愛の女神アルテイアいがいは。
「ケフォルトを助けてあげたかったのよ」
 アルテイアはそう言う。
「やってしまったからにはしかたないわね」
 ミラルは白いテーブルの上のコーラを飲む。
 ギリシャ装飾のされたテーブルとイスにミラルとアルテイアは座っている。
「だからあなたの助けが必要なのよミラル」
「あたしはただの人よ。神じゃないわよ」
「あなたしかいないのよ」
「高いわよ」
「ボステカ特産の帽子」
「それと」
「まだ欲しいの」
「まだまだ」
「カヴォール産のカニを百匹!」
「もう一声!」
「ライトサン神殿の歌の神ホセイリアのチケット三枚!」
「いいでしょう。このミラル様におまかせあれ」
「たすかる〜ありがとーっ!」
 ミラルはカラルタル山脈を越え、アル村に着く。
 ここにはラクトールを祭る祭壇があった。
 ミラルはシャミルという植物の茎で編んだ網に棒でトラップをかける。
えさは愛の女神から借りた媚薬。
それからミラルは美の女神ケフォルトの祭壇があるハリハイ村へ船で行く。
 祭壇の上に捧げられている宝物にコケットの帽子という、女性には大人気の一品を置く。
 ミラルは神殿に戻ると愛の女神アルテイアの力を借りてラクトールの部屋に入る。
 たらいを天井に仕掛けるミラル。
 夜。
ラクトールはその思いをハリハイ村にある美の女神ケフォルトの祭壇に捧げていた。
「おお美しき神よ。その思いよ我に与えたまえ。それが力となる我が今の気持ちならば」
 えんえんとケフォルトへの思いを叫ぶ。
と、ラクトールの目が祭壇に捧げられたコケットの帽子に目がいく。
これはケフォルトへの贈り物にいいとラクトールはコケットの帽子を手に入れた。
その頃アル村ではラクトールの祭壇にケフォルトが思いを捧げていた。
と、罠にかけられた媚薬を見つける。
「誰かが罠をしかけたのか。見えない罠があるに違いない」
 ケフォルトはにわとりに変身する。
 媚薬をくわえるケフォルト。
棒を倒してしまう。
ばたばたばたと羽ばたいても後の祭り。
 村人がかごを開ける。
のどの乾いたケフォルトは媚薬を飲んでいた。
村人にほれるケフォルト。
ケフォルトを探してラクトールがやってくる。
「これを」
 コケットの帽子を差し出すが、ケフォルトはそれが自分への捧げ物であるのを見抜く。
「自分のものをもらってうれしいものでしょうか。それに私にはいま力があります」
 ケフォルトは村人を家来にすると去ってしまう。
途方に暮れたラクトールは自分の部屋に戻る。
帽子をかぶってみてもどうしたものかとベッドに座る。
 たらいが頭に落ちてくる。
なにがなにやら部屋の外に出てくるラクトール。
 と、アルテイアがいる。
「まあ、どうしましたラクトール」
 アルテイアは棒読みでしゃべる。
「私にはなにが起きたのやらわかりません」
「あなたは次に出会った人を愛すでしょう」
「ありがとう。いま、意味がわかりました」
 ラクトールは歩き去る。
アルテイアはたらいを持ち去る。
 ラクトールは少女に出会う。
「おお、力を貸したまえ」
 ラクトールにうなずく少女。
ラクトールは少女が大人になるまで待ったのだった。
「困るわね」
 運命の女神トロイラルフェンがミラルにつめよる。
「な、なんのことですか」
「運命を変えるとはどういうことになるか教えてあげましょうか」
「い、いえいいです」
「あなたにむくいをあげましょう」
「ふええ」
「あなたの戦利品は没収です」
「そんな〜」
「ミラル」
「はい?」
「次は私の力になってほしいのですが」
「あーはいはいなんですか」
 ミラルはトロイラルフェンと歩いて行く。
まだ神殿は春だった。




なかがき。
パソコンの不具合によりデータがとれなくなり、
書きかけのデータが〜とかありました。
そこでサイドストーリーとしてのミラル話しをまぜてみました。
ダーエレも長く続いてるなあ。
ダーエレは当初第一話目が短編投稿作品応募作品でした。
初の投稿作品だったような。
短編はいままでに四つ投稿。
ボツ。
いま長編を投稿中です。
ダーエレを書いた頃、きつねうどんさんがいま一番いい私の作品は
ダーエレだと言いまして、なら続編を書いてみようとあいなりました。
というわけで『ダークエレメンタラー』はきつねうどんさんと桑島法子さんに捧げます。
これからも読んでいただけるとうれしく思います。
なんか当初はダリルとずーっと戦っていく話しだったはずがこんな展開になってしまいました。
幻想史(ファンタジー)にある伝説の魔法使いミラル、らせん物語(これも投稿作品だった)にも登場してました。
ミラル自体はすごい能力があるわけでもなく、いわば人脈の深さが人とのかかわりかたが伝説な人です。
光りの剣もミラルではなく知り合いの賢者から受け取るわけですが。
光りの剣も物語を続けるにあたり考えて後から付け加えたものでした。
そのためしばらく続きを書かないくらい。
たまにサイドストーリーも書いていきたいです。
んではまたまたそのうちに。
では、失礼します。









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