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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー 〜ヴァーダークラルアンティー 闇竜旋(やみりゅうせん)〜』


                 第三十旋承壁陣(だいさんじゅうせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






 エルフィールが転ぶ。
「なにやってんだよエルフィール」
 ジョルディーがそう言いながらエルフィールを助け起こす。
「なんだここは」
 足下には竜のウロコが無数にある。
「ウロコの道?」
 エルフィールが険しい顔をする。 「ヘクタスがそろそろ見えてくるはずなんだが」
 ダリルが思案気だ。
「道をまちがえたとか」
 ミラルが聞く。
「いや、まちがいない」
「そうですね。ここには国を感じます」
 ハイベルがそう言う。
「これがニンジャどもの行動と関係あるのか」
 エルフィールの疑問に「どうかしら」ミラルが疑問符だ。
「これより先に行かないでもらいたい!」
 女の声が響く。
「誰だ!」
 エルフィールの声に姿をあらわしたのは女ニンジャだ。
 布の覆面で顔は見えない。
「名を名乗れ!」
 エルフィールの声に「首領の娘ラミエールだ!」
「ほんとに名乗ったよ」
 ミラルがびっくりしてる。
「なに用とてヘクタスは閉鎖されている!
 帰ってもらおう」
「いやだ! と言ったら」
 エルフィールがケンカ腰で言う。
「おまえたちに自由はないと思え!」
「できるものか!」
 エルフィールとラミエールが戦いだす。
ガキン!
 ラミエールのくないとエルフィールの短剣がぶつかる。
 何度となく剣撃が鳴り響く。
「ヘクタスはどこにある!」
「おしえるものか!」
ガキンガキン!
 えんえんと戦っている二人。
 ラミエールは口に巻物をくわえる。
ドロロン!
 ラミエールは細長い胴の竜に変化(へんげ)する。
 驚いたエルフィールがバランスを崩してウロコの山から落ちる。
 ジョルディーが手をのばす。
 触れた手と手から光りが生まれる。
 竜はファイアーブレスを吹く。
ブアアアア
 光りの剣は炎をすべて吸収する。
 高層ビルほどもある竜は体当たりしてくる。
ドガガガガガガ
 大地が竜によって砕かれる。
 逃げるので精一杯のジョルディーとエルフィール。
 竜の腹にミラルが砂をかける。
 竜の体当たりが不発する。
 さらにバランスをくずしてすっころぶ竜。
 すかさずジョルディーとエルフィールは光りを振るう。
ザキン!
 と、なにも起きない。
 竜はニンジャの姿に戻る。
 ラミエールが驚いている。
「そうかおまえたちはそういうことだったのか。
 光りがおしえてくれた。
 よかろう。
 私の力を貸そう」
 ラミエールはおじぎした。
「まずヘクタスはどうしたのですか」
 ダリルが聞く。
「みんなが、この国そのものが竜と化してしまいました。
 どうぞお力をお貸しください」
「わかりました」
 ダリルがうなずく。
「なあミラル」
「なにエルフィール?」
「さっきなにをラミエールに投げたんだ」
「すべり止めの砂」
「……あーそうか。なるほどな」
 風が吹いていた。
 まだそれは始まったばかりだった。









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