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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー 〜ヴァーダークラルアンティー =闇転機(やみてんき)〜』


                 第十二旋承壁陣(だいじゅうにせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






 「待っていただこう」
「またか……」
 エルフィールが、だるそうにそう言う。
 ここのところ引き留められてばかりだ。
 そしてその理由というと……。
「我が帝国に力を貸していただけないか!」
 灰色のローブをかぶり、長剣を構えた中年の男がそう言う。
「お断りだ」
 エルフィールの言葉に、男は……
「力づくでも来てもらう……」
 男は剣をエルフィールに向ける。
ギンッ!
 その剣をジョルディーの剣が受け止める。
 ジョルディーの後ろから別の若い男が迫る。
ボンッ!
 炎がその若い男を包む。
 たまらず倒れる男。
「ミラルじゃないか」
 そこにミラルがいた。
 どうやらミラルの魔法に助けられたらしい。
「それっ!」
 ミラルは中年の男も魔法の一撃で倒す。
「ダメじゃない油断したら」
 ミラルがエルフィールを怒る。
「最近はどこの国も争いが耐えない……」
 エルフィールが疲れたようにそう言う。
「ダリル様の目指した争いのない世界は無理だったのか……」
「そうねえ……とりあえず、ディグラウドに行ってみたら?」
「ディグラウド?」
「あたしが案内してあげるから……」
 ミラルがそう言って笑う。
「そこになにがあるというんだ?」
 エルフィールが質問する。
「伝説の魔法使いがいるわ」
「伝説の……?」
「待て、行かせないぞ……!」
 先ほどの中年の男が仲間を十人ほど連れてそう言う。
「まだやるつもりか……いいだろう」
 エルフィールとジョルディーの手が光り、クリスタルの剣が二人の手をつなげる。
 二人はクリスタルの剣を相手に向けた。
 複数のクリスタルの短剣が、男たちを一瞬で貫いた。
「やるわね……じゃあ、出発よ」
 ミラルが先陣をきる。
 エルフィールの冒険ははじまったばかりだった……。









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