第37話

アニばら観察日記





キタ━━☆゚・*:。.:(゚∀゚)゚・*:..:☆━━━!!!!!
・・・ただ一言、これほどロマンチックなラブシーンを私は他に知りません。


第37話 「熱き誓いの夜に」


皆さま、毎度ご無沙汰しており済みません ペコm(_ _;m)三(m;_ _)mペコ
いやー・・・梅雨が明けていないとはいえ、これを書いておりますのは、なんと7月上旬なんでございます。ということは、・・・あと少しで、運命の扉をたたかなくてはならない日が、やって来てしまうのでございます・・・。

アニばら第37話 「熱き誓いの夜に」 です。

こちら、私はDVDが発売されるずっと以前にビデオ(しかもベータ)でヘビーウォッチングしておりましたんで、10巻アタマの作品という印象が強いです。はい、ここから始まる最終章・・・壮絶というより他ありません。。。

といったところで、ビデオについてなんですが(注:ここから先しばらくは飛ばして戴いても構いません)これがビクターから発売された時、私は小学3年生かそこらでした。で、なんと言っても当時のビデオは高かった・・・アニばらも1巻10800円しましたから、それを総集編も入れて全11巻。とても小学生の小遣いで買える代物ではありません(レンタルビデオ店というのもホントに数少なかったです)。なので学校で友達から「雑誌にこんな広告が載ってたよ」と【ベルサイユのばら ビデオ化決定!】の切抜きを貰ってから、それはもう悩みました。で、自分でどうにかできる問題ではないということで母親に相談。そして・・・捨て身の交渉の末、なんと買って貰えることになったのです。
まさに、夢のような出来事でした!!うちは決して裕福な家庭ではありませんのでそんな高額な、しかもアニメーションのビデオという普通の大人なら眉をひそめそうな物を宝くじが当たったわけでもないのに買って貰えるなんて・・・信じられないと思うのと同時に親を心の底から信頼し尊敬した出来事でした。

我が家は両親ともに漫画やアニメといったサブカルチャーには無関心でした。そうかといって特に否定的というわけでもないので「漫画なんか読むな見るな」という事を言われたことはこれまでありません。その代わり、というとおかしいですが積極的にそれらについて情報を提供してくれるような事も、ありませんでした。両親はベルばらについて、その概要だけはなんとなく知っているムードでしたが、なにしろ週刊マーガレットの存在すら知らないような人たちなので、原作の魅力についてなんて当然知る由もなかったわけです。
そんな二人でも、ひとり娘のアニばらに対する心酔ぶりには普通じゃないものを感じてくれていたようで、教育熱心という言葉からは程遠く、基本的にあれをしろこれをしろと一切言わない親たちでしたが、アニばらにハマってのた打ち回った時だけは「なんだ?なんだ?」と関心を示してくれました。これについては40年近く過ぎた今でも本当に感謝の気持ちでいっぱいです・・・。
どんな素敵な習い事をさせて貰うより、可愛い洋服を買って貰うより、お友達をたくさん招いてお誕生会とかを開いて貰うより、私はアニばらを好きな時に自由に観れる環境を与えて貰えたことが嬉しかった・・・あの時の母の太っ腹な決断のおかげで、私の人生は格段に豊かなものになったと信じています。生きているって、成長するって、誰かのために頑張ることって素晴らしい・・・と、アニばらに夢中になった事で素直に思えるようになったような気がします。

これまで何度か書いているのでしつこいと思われるかもしれないのですが・・・
私には先天性白内障という障害(?)があり、生まれつき右目の視力がありません。
このことで両親、特に母はとてつもなく心配し、おおいに将来を悲観したらしく一時はノイローゼ気味だったそうで(そ、そんな大袈裟な!と思いますが、親と言うのものはそーゆーものなのですね:涙)
そんな理由もあって“事故や怪我だけ避けてくれりゃーいい”という大変ユルい生活環境の中で私は何も期待される事なく呑気に育って来れたわけなんです。そればかりか、アニばらのビデオを買って貰えたのだって母の中に「目を悪く生んじゃってごめんね」という負い目のような感情があったからだって言うもんだから・・・片目万歳っ!!!!!
幼かったため記憶にありませんがそれまで何度か手術までして全くよくならなかった右目のハンデ。
これがアニばらビデオGETで猛然とプラス思考に転じることが出来たので、人生いつ何が武器になるか分かりません。

といったところで、あんた・・・アニばら観察日記の冒頭でナニ自分語りしてんだよっ!という厳しい突っ込みをびしばし感じるのですが、ちょっと待って下さい!!

ここから先のアニばらの展開の仕方がもう本当に愛しくて、私にとっては人生を支えてくれている大切な台詞や仕草や音楽が溢れていて・・・もうホントに感動てんこ盛り状態なんです。それをですね、これから懇々と語らせて戴くうえで、まずは気に留めておいて貰えると助かるなぁと、思ったわけなんですね。私がアニばらを愛してやまない理由というか事情というか、ちょっとした背景を、です。

そーゆーことで、読者の皆様のニーズはさておき、先ずはこんなにも熱くアニばらを想い続ける自分の心を整理するためモノ凄い行数を使う私。そして改めて、アニばらライフを推奨(?)してくれた両親をいかに愛しているかということを噛み締めつつ、ここから先の愛情溢れる展開をみていきたいと思います。


以上、前置き終わり!いざっ感動の坩堝へ・・・・・・っ!!!



はい、予告編です。

これねぇ、私は再放送でハマッた世代ですから予告編を観たのって随分後になってからなんですよね。ちなみに『ベルサイユのばら メモリアルエディション』という超ガイド版ビデオがありまして、それにて40話分(第2話~41話の総集編まで)の予告編を一気に観ることが出来るのです。なんせ40話分あのオープニングの変奏曲を聴くわけですから相当耳に残ります・・・それに本山可久子さん、あの独特のナレーションを連続して聴くとなると加えられるボディブロー効果は絶大で、とにかく、これだけ壮大なストーリーなんで予告編のみのスーパーダイジュストで観ても、食らう衝撃はなかなかのもんでした。
そんな予告編、当然次回のストーリーを予告した内容を脚本家さんか誰か分かりませんが専門のスタッフさんがわざわざ考えて下さっているのでしょうから、ひとつ真剣に聞いてみようではありませんか。

「熱き誓いの夜に」・・・・・40話中、これはかなりグッと来ると思います。


市民たちが武器を取り、今まさに戦いの火蓋が切って落とされようというところに来て、「オスカルは血を吐き、アンドレの目も見えない」そして「そんな時だからこそ、二人は限りある生命を精一杯生きようとするのだった。っと光を・・・そして、胸を焦がす愛を!と」です。


オスカル様とアンドレは生きる為に愛を確かめ合うわけです。


病気をして初めて健康のありがたさに気付くとよく言いますが、絶望的な状況下で死を覚悟したことにより、二人はより強く「生きたい」と思ったんですね。そしてそれにはお互いの愛が必要不可欠だった。
このあたり、原作とは明らかにニュアンスが異なります。
異なるどころか・・・私は正反対といっていい程の死生観が存在しているなぁと感じるのです。
こーゆー部分、原作派の方と下手に議論すると宗教戦争みたくなってしまう恐れもあり、こわいのでサラッといきますが、アニばらはどのような流れであろうとも決して死を美化しないのです。それゆえ、容赦なしの展開がこの後訪れます。でも、そーゆー描き方をしてくれたからこそ、私はアニばらという物語を愛してやみません。

誰もが知る大ヒット作のアニメ化、そのクライマックスに思いっきり己の価値観をブッ込んで来た出崎監督始めスタッフの皆さん、ありがとう。その勇気ある決断に、私は永遠に惜しみない拍手と声援を送ります・・・っ!!


これはただ『流石は出崎、原作クラッシャーーーと謳われるだけのことはある!!』と茶化していい問題ではありません。37話から最終回まで4話ありますが、ここから語られる愛と革命の描写があまりにも原作の世界観を逸脱しているというので本放送時から今日まで、一部から壮絶なる批判を受け続けるアニばら。でもなぁ・・・その批判の出どころってなんなんだ?本気でアニばらを愛している私から言わせれば「原作ではこうだから・・・」という理由だけでアニばら叩きをする人間の言動なんかはそれこそ片腹痛いわといった感覚です。
ああ、すいません・・・別に戦闘態勢でいるわけじゃないんですよ。ただね、長年鬱積したものがあるにはあるのです。
要は、ちゃんとメッセージを受け取れた人にとってはこれ以上の感動はないという事です。そこに原作、アニメの優劣はありません。これだけは是非ご理解戴きたいところです。

と予告編にして早くも熱くなったところでいよいよ本編のスタートです。


朝を迎えた衛兵隊の宿舎、そして不吉のシンボル:大砲をバックに、アンドレが薄暗い寝床にて不気味なパリの様子を日記帳にひたすら書き記す・・・・・という出だし、どう思いますか!?
「熱き誓いの夜に」という結構分かりやすいサブタイトルだから、今日こそはロマンチックが止まらないLOVEな展開を期待しちゃってもいいのよね~~~っ♪とウキウキしていた視聴者の妄想を、これは軽く打ち砕くかのような重く厳しい始まり方でございます。
むむむ~・・・・・生唾呑んだところで、おぅっ・・・・・それでこそアニばらだ。決してお花畑ではない素晴らしいエピソードがこのあと用意されているのであろう。なんかもぅ、あえて暗いアンドレの独白シーンがかえって興奮させてくれるわっ!!!


と言ったところで、アンドレ役の志垣太郎さんについてです。

アニメのアンドレは出崎監督の意向により、後半かなり革命戦士デフォルメされているので恋愛の成就の他に、彼はいろいろと考えている事があるようなんです。つまりは原作のようにオスカル様ばっかりを想ってはくれません。というか、想ってはいるんでしょうが女性が望むようなホットなアプローチをなかなかして来てくれないんです。たとえば「ここでもう一押ししてくれたら直ぐに貴方の胸に飛び込んで行けるのにっ!」と女が思ったとしても、そのようには行動してくれない男なんですよねぇ。
そうなると、イライラします。
ここへ来て女の子の興味や関心事といったことは全て恋愛にまつわる事なのに、あんた何やってんの!?と、原作のアンドレを引き合いに出してご立腹モードでいる方は少なくないでしょう。でも、現実の男はそう都合よく愛してくれないですよ。おまえも何言ってんだ?ここで妙なリアリティなんかは要らんのじゃー!!とか言われても、私はこっちの思い通りに動いてくれないアンドレの方が好きなんだからしょうがないです。

で、志垣太郎さんはアンドレという役をかなり吟味して演技をされているなぁと、今更ながら思います。DVD特典のライナーノーツ等でご本人も語って下さっていますが、彼はアンドレという役柄についてよく研究してくれていますし、実際、『アニメのアンドレ』役、とっても巧いです。
志垣さん、そりゃーもうハンサムだし、明るく朗らかでサービス精神旺盛!周りの人々からさぞや愛されて育った方なんだろうなという印象ですが、人柄はキャラに表れます。なので彼がどんなに暗い台詞を喋ったところで、情けない態度をみせたところで、アンドレは温かく、生まれ持っての華がある。いかなる状況におかれようと卑屈にならない、絶望しない、思い詰めない、ついでに愛が暴走し「この際恋しい人を殺してしまおう!」とは考えもしない・・・ちゃんとそーゆーキャラクターになっています。こーゆーのってテクニックは勿論あるんでしょうが、それより先ずは役者さんが本来持っている価値観とか人生観が滲み出るものだと思うのです。それに色男ですよね。アニメのアンドレ、きっとオスカル様の知らないところでモテていたと思いますよ。どんなにボケッと突っ立っていたとしても女に不自由してない男だけが醸し出せる自信と余裕みたいなものを常に感じます。

で、結論志垣太郎がやるんであれば、アニメのアンドレはどんな言動をみせようが愛すべき男』なんです。

志垣のアンドレがよくアニメを観ない人たちから不評を買ってて気の毒だと常々思っていたので、オスカル様の為にもここは声を大にして猛プッシュしておこうっと・・・・・
友達でも同僚でも恋人でも夫でも、彼は☆☆☆☆☆の男ですとも!最高のオススメ物件です。

そんなアンドレに愛されるオスカル様ですが、ご自分の身体が病魔におかされ余命幾許も無いことを悟り、改めて人生というものを見つめ直している・・・そんなムードが前回のBパートくらいから濃厚に漂って来ております。
死期が迫った時、この世でやり残した事はないか・・・言い残したことはないか・・・と誰しもが考えると思いますが、オスカル様にとってのそれは切実過ぎて、苦しい胸が益々ぎゅ~・・っと締め付けられるような、たまらない辛さが伝わります。。。

そこで私、思うのですがこの段階でオスカル様はタイミングをみて・・・とかはもう関係なく、できる限り早く、アンドレに告白しようと考えていたんですよ。
案外アニメのオスカル様ってねぇ、突拍子もない行動とか平気そうなんです。根拠は・・・まぁいろいろあるんですが割愛して、告白・・・「貴方を愛している」という事と、そして自分がもう長くは生きられないという事をです。その為に夜分ラソンヌ先生のもとを訪れハッキリとした命の期限を知りたいとおっしゃったんでしょう。それまで、アンドレのことを考え「自分が死んだ後、彼はどうなるのだろう」といったことを想像し心を痛めることは大いにあったでしょうが、長く生きられないこと自体は覚悟できているので、ラソンヌ先生に「長くて半年」と宣告された際も冷静なもんでした。実際「ありがとうラソンヌ先生、感謝します」には「気を使って長めに言ってくれているとして・・・でも、よし!まだ数ヶ月はあるのだな!」と思ったより猶予があったことをプラスに受け止めた雰囲気さえある。でも、問題はその後で・・・・・・思いがけず耳にした【アンドレ失明】の事実にショックを受け、取り乱す様子は残酷描写以外のなにものでもありません。。。

オスカル様が衝撃を受けるのは常に自分以外の人がどうにかなった時です。
今回はそれが愛するアンドレの身に起きた悲劇だったが故に、衝撃は大変な威力をもってオスカル様の心臓に突き刺さりました。

ラソンヌ先生、ここでは描かれていませんが自分の病状を告げられても平静を保っていたオスカル様がアンドレの失明を知ってこれだけ狼狽される様子を見てねぇ、何か特別なものを感じたでしょうねぇ。。。
赤ん坊の頃から窮地の際は駆け付け、救って来たわけですから、どうにも出来ない今回の事態、医者として、さぞかし悔しく辛いものがあっただろうなぁ・・・と、想像するにつけこれまた胸が締め付けられる思いです。しかし、ラソンヌ先生くらいなんですよねぇ~・・・アンドレ以外にオスカル様の裸みてる男ってのは。・・・羨ましいなぁーーー・・・・・

と、こんな時だからこそ煩悩でも精一杯パンパンになってみるのだった。
もっとお色気を・・・胸を焦がすエロスな展開をと・・・っ!!



さぁ、次いきましょう。
夜も眠れずアンドレのことで頭を抱える苦悩のオスカル様。そんな彼女から場面は革命前夜の物騒なパリの街をコラージュする感じで続いていきます・・・
い、嫌な感じだなぁー・・・一秒先が怖くてたまらんわ、もぉ・・・溜め息。
そんな一触即発のパリの警備を任されている衛兵隊。朝出掛けたら今度はいつ帰れるか分からないという生活が半ば常態化しているようで、ばあやさんが心配そうに声をかけます。アルマンさんがお描きになる肖像画がついに完成するようで、そうか、そうだったな・・・では、なるべく早く帰る。というオスカル様を私は「いやっ!今日はお休みして下さい!!」と引き止めたくて仕方が無い。
だけど、ここは“アンドレは宿舎に居るんだから這ってでも行かなければ~・・・”というオスカル様の心情を慮って・・・お気をつけて!道中ホントに危ないんですから~・・・と涙ながらお見送りするのです。。。。。。

で、衛兵隊:宿舎の様子です。
先ずは定番のトランプ遊びに興じるこいつらですが、心ここにあらずといった感じです。時間があるのでなんとなく遊んではいるけど実際問題いつ赤紙が来て戦争(ではありませんが)に駆り出されるか分からない、しかも闘う相手はパリ市民=自分の親、兄弟ということで・・・呑気でいられようはずもありません(トランプ持つ手は震え、汗びっしょりになってるんですよ。こいつの名前、分かりませんがね)まぁ、普段起こって欲しくない事はなるべく口に出さないようにして過ごしているのかもしれません。その中で「しゃあねえよ。給料貰ってるんだ」という冷めた言い方、内心どうなの?って心で突っ込みを入れて気が重くなります。迫り来る戦闘の恐怖を視聴者にじわじわと訴えかけて来るなかなか上手い場面ですね。

そこへオスカル様ご出勤。やけに静かな兵舎内の様子がかえって不気味です。そこへダグー大佐からA中隊が戦闘装備を整え出動したという報告を受けるオスカル様。これで近くB中隊も同じ命令を受けるであろうことを確信します。覚悟していた事とはいえなんと言うことだろうか・・・と思い悩むオスカル様・・・そこへ、ダグー大佐が去り際振り返ってかけた台詞が、これまた衝撃的でした。。。

「隊長・・・お顔の色が冴えません。だいぶお疲れのご様子ですね。よろしかったらお屋敷へ戻られて待機して下さい。何かありましたら使いを出しますから・・・」

それに対して「はははっ・・・何を言っている?大丈夫だ私は」のオスカル様。

田島令子さんっっ!!!これです・・・こーゆー、本当に何気ない台詞が彼女は抜群に巧いのです!ヘッドフォン着用でよく聴いてみて下さい・・・「隊長」と声をかけられ先ずは「ん?」と応えられますが、そこからして最高に巧いです。「ん?」ですよ。この一文字にこれまでのオスカル隊長とダグー大佐の関係性が詰まってますよ。なんつっていいか・・・泣きそうです・・・隊長~・・・。それにここの絵、荒木さんが描いておられるのかとってもいいですね。台詞と表情や仕草がバチッーと合っていて本当にオスカル様と言うキャラクターが生きています。アニばらの魅力はこーゆーところです。誰が見ても名場面!ではないかもしれない日常のふとした場面・・・そーゆー部分を実に人間らしく丁寧に表現して下さるので片時も目が離せません。

オスカル様が生きてすぐそこに居るのです・・・伝えたい思いは山のようにあります・・・その中で、これだけどうしても言っておかないと、きっと後悔する。ダグー大佐はそう思ったのでしょう。あくまで無理をしようとなさる隊長を見かねて「私の妻が去年死にました。胸の病で。ですから、分かります私には!・・・だいぶ前から気付いておりました。どうか・・・私の言う通りに・・!」と声を震わせながら訴えます・・・。

これ、オスカル様は相当堪えたと思いますよ・・・。
オスカル様は昨夜ラソンヌ先生から【長くて半年】と余命を告げられているのです。ところが、実際の状況はもっと厳しいのだということを瞬間的に思い知らされたのです。無口なダグー大佐が泣いて私の言う通りにしてくれと伝えて来る程に、自分には死期が迫っている・・・恐ろしい現実です・・・。更に、この場面ダグー大佐がオスカル様のことを女性として見ていることがハッキリと分かって、なんとも言えない切なさが溢れています。
「私の“妻”が去年死にました」と告白されたことでオスカル様は自分が今置かれている状況について改めて考えたと思うんですね。だって、この時点でオスカル様はアンドレの妻になりたいんですよ・・・彼を、決して悲しませたくないんです・・・。

で、立ち上がって・・・「ありがとう。貴方の言う通りにしよう」です。
ダグー大佐・・・貴方の涙、心からありがたいです・・・もう遅いかもしれないが、ご忠告通り、自分を大切にしますね。という思いが込み上げたに違いないオスカル様。そして、この場面、当然アニばらのオリジナルですが、こーゆーところが秀逸だと思えるような作りにちゃんとなっていること。それは絵コンテと脚本と作画と声優と、アニメ制作に携わる全ての方々の力が結集し見事に調和した結果であって、唯一、いま存在するアニばらだからこれだけの感動を呼んでいるわけです。
ホントに素晴らしいと思います・・・涙。。。。。


ダグー大佐との愛情溢れるこの名場面、ここを観て、私は胸のつかえがおりたような気がしました。
近衛ではジェローデルがいたけど・・・衛兵隊ではどう?アンドレは既に目が見えないので頼りにならない面はどうしてもあります。こんなに頑張って無理をして疲れきってるオスカル様の体調の変化に、どうして誰も気付いてくれないの・・・?どうしてそんなに無関心でいられるの・・・?そんなの辛い、辛過ぎる・・・。と歯軋りしながら観てましたから。でも、ダグー大佐はちゃんと見ていた。病気の事もだいぶ前から気付いてくれていた。それで本当にホッとしたんです。
もう手遅れなんですけど、ああ良かった・・・って思ったんですよね。。。
皆様の心境はいかがでしょうか・・・・・・?

必死で頑張ってきた自分、ずっと見守っていてくれた人が居たんだという事を、折れそうな程に弱ったとき優しく伝えて貰えたら・・・「報われた」と気持ちがふと楽になるのではないかと思います。オスカル様だってきっとそう・・・。

こーゆーサブキャラとの温かく血の通った人間関係、こういったエピソードをアニばら内では無限に想像できるのです。奥が深い・・・ホントに素敵な人間ドラマだなぁと思います。

さて、まだAパートだというのに早くも涙でハンカチ2枚くらいを駄目してしまいましたが、ここから先は更なる感動エピソードの連続投入で、やわな涙腺では目玉が大変なことになります。


ダグー大佐の気遣いに感謝をしつつ、オスカル様はアンドレを連れてお屋敷に帰ろうと考えます。でも、そこは原作と設定が違っていてアンドレは隊員の一人。なので、勤務中に特別に用を言いつけるとかならまだしもプライベートで行動を共にするというのは、この二人にとって不自然な行為なわけです。そこがポイントなのですね。

『常に一緒』が当たり前じゃないアニばらの二人だからこそ、こーゆー場面で壮大に萌えることが出来るのですっ!!!
じっくり見ていきたいと思います。

ケツアゴから隊長が呼んでると聞いて司令官室へやって来たアンドレ。
「アンドレ・グランディエ入ります。何かご用ですか?隊長」とか言って敬礼までしてちゃんと一兵卒感を出してから「パリの状況は益々悪化。民衆の声がこの宿舎まで聞こえて来るようであります!・・・な~んて、はははははー・・・♪」と、その他大勢では到底口に出来ないような事を言っています。厳しい現実をあえて冗談風に聞かせてくるところが、かつての無駄口が多いアンドレを彷彿とさせて愛しいなぁ~。これもねぇ、志垣アンドレだからこその味ですよ。人間トランキライザーとして、どんな時でもオスカル様の前では極力明るく振舞おうとするんですね・・・なんとも心憎い気遣いです。

で、その後、・・・あんた、それだけ言って帰るのか!?
びっくりしました。オスカル様、けっこう近くに居ますよ!?いくら部屋が薄暗く目がかすんでいたとしてもこの距離、普通はドアを開けた時点で人影に気付きませんか?というか、目が駄目でも嗅覚とか、愛しいオスカル様の気配・・・感じるでしょう?
でも、彼は気付かず行ってしまいました・・・・・。悲劇です(がっくり・・・)。。。

「アンドレ・・・お前にはもう、私すら見えないのか・・・?」
と愕然とするオスカル様、これは可哀相過ぎます。

でもね、私はここでちょっと意地悪な気持ちにもなる。
オスカル様、これが現実ですよ。アンドレの目はあの日負傷して以来悪化の一途を辿ってきました。目だけじゃありません。失明に伴っていろいろなところに不具合が生じています。貴女が彼に注目してさえいれば簡単に気付けたはずなんです。彼は当然隠そうとしただろうけど、それ以上に貴女が彼に目を向けていたなら、もっと早く気付けたんです。それをそれを~・・・『気遣いのひと』である貴女らしくない!と、嗚咽しながらこの場面、「アンドレもオスカル様も、ばかぁ~~~・・・」と呟いてしまうーーー。

で、どうなるのかと思っていたら、オスカル様の気遣い。
遅ればせながら大炸裂!なんですね。

この時オスカル様の頭にあるのは“アンドレには自分の失明が私にバレているという事を絶対に悟れてはならない”ということなので、きっと先回りするため窓から飛び出して来たんでしょう。それ目撃した隊員がいたとして、あの二人・・・一体何してんだ?って感じですよ。何してるんだと思いますかー?・・・くっ・・・お前らに、この二人の深い深い愛情物語が分かってたまるか~!?と、節操なく妄想に泣く私。とにかく胸が熱い。んで、オスカル様=田島令子さんのお声の調子は本当に素晴らしいので、健気でいじらしい女心というものを絶妙に表現して下さいます。

「アンドレ!私の部屋へ行ったのか?」から始まり「今日は勤務はない。命令待ちだ。一緒に屋敷へ戻ろう」まで、静かで優しくて・・・大好きなトーンです。それに対して「・・・しかし、命令待ちならば俺はみんなと一緒に此処に・・・」とか言って一緒に帰るのを断ろうとするこの男!!
神をも恐れぬ鈍感ぶりに一瞬「こらっー!」と思いますが、一兵卒としてこれは妥当な返答かと思われ、今だったら逆に二つ返事でホイホイ付いて来るよりも好感が持てる態度だと考えられます。
という事で、オスカル様、彼と一緒に帰りたいんだったら、もう少し積極的に頑張らないとね。さぁ!!・・・と思っていたら、、、

キタ━━━━━y=-(゚∀゚)・∵.━━━━━ン!!!!!! 
オスカル激萌え・・・っ~~~・・・

彼女ったら目の見えないアンドレの手を優しく取って、実に素直に「供をして欲しい。たまにはな。屋敷までの道はもう独りでは物騒だからな。はははっ・・・」と来ました。
なんて・・・なんて・・・可愛いひと(感動)!!!
嗚呼、辛いご自分の心を隠し思いやりに溢れた貴女・・・本当に素敵なひとです。。。

そしてこの場面、大変胸を打つ大きな理由は、愛してやまない女性からこのように誘われ手を握って貰っているにも関わらず、喜ぶどころか「・・・え?・・・」と困惑した表情を見せるアンドレの描写があるからなのです。
アンドレの心理としては初めてこんなこと言われて「一体どうしたんだ・・・オスカル?」という感じなんですよ。緊迫する情勢の中で普段されない事をされ、嬉しいというよりどことなく不吉な予感すら漂わせている・・・。というわけで、この場面、男を誘うオスカル様の図。というとこだけに注目していてはいけません。アンドレ同様、浮かれてちゃ駄目だーーー・・・

愛の結実を描く今回、ここぞと言う場面で何ともいえない物悲しさを漂わすアニばら。クライマックスに来て「よっしゃ!強引に盛り上げてやろう」等とは露ほども考えない制作者の誠実さを感じます。これはいつにも増して大人の鑑賞に堪え得る素晴らしい展開が期待できそうだ・・・ということでオスカル様の深層心理と言うもの、妄想を膨らませながらしっかり掴んでいきましょう。

あ・・・その前に、いつも以上に何処まで長くなるか分からない観察日記。長過ぎるので初めて前編後編に分けてみようかなと思ったのですが、止めました。どこで区切っていいか分からなかったので・・・ご迷惑おかけしますが一気に参ります。

んで、さっき話の途中で場面展開してしまったのですが、本来ならばオスカル様はアンドレに直ぐにでも気持ちを打ち明けるつもりでいたんです(何故か断定)。ところが、彼が失明の危機に直面しているという事実を知ってしまった事で、言い出せなくなってしまったんですね・・・。それは何故か?オスカル様の性格ですと当然、気付けなかった自分を責めているわけです。もうねぇ大変な葛藤が生じていると思われます。アンドレが怪我をする原因を作った自分・・・そして負傷した彼を冷たく突き放した自分・・・傍にいながら進行する病状に気付かなかった自分・・・そーいった事を夜通しぐるぐる考えるうち【こんな私では彼に相応しくないのでは?】という発想に至ってしまっているのです。
アニメのオスカル様は普段決してマイナス思考の方ではありません。ですが、今回の事はショックが大き過ぎたんですね。それにこれは出崎監督がイメージするオスカル様ですが、彼女はアンドレへの愛に気付いた時「アンドレの為に美しくなりたい」と思うような女性らしいです
(インタビュー記事にありました)。

アンドレの為に美しくなりたい・・・。
そんな風に思ってくれるなんて、私がアンドレなら嬉しくて嬉しくて、泣きそうだ~・・・。。。

で、それで解ったんです。好きな人の為に精一杯美しくなって・・・残りの人生、もっともっと深く愛されたい!という願望が急激に沸いて来た時に、“彼の目は光を失いかけていた”というのは、彼女にとって大打撃だろうなぁーーー・・・ということを。

本当にねぇ・・・「お前にはもう・・・私すら見えないのか・・・」という台詞が発する絶望感、半端ないのですよ。。。

そんな泣かせる場面のあとは革命の嵐に沸き立ち暴走するパリ市民たちのコラージュ再びです・・・。
義足の吟遊詩人のおっさん、盛り上がってんなぁ~・・・シンガーソングライタースピリット大炸裂ですね・・・。

場面展開。肖像画の仕上げの場面です。きっとこの時もオスカル様は進行するアンドレの目の病状について考えていたのでしょう。「恐れ入りますが、お目をお開き下さい」←なんて優しい言い方なんだろう・・・とアルマンさんに言われ「すまん・・・」と微笑を返されるオスカル様。その美しいサファイアのような瞳に筆を入れ、ついに肖像画は完成しました。



本日のBパートです。

「完成でございます」のアルマンさんの厳かな宣言を聞いて、ギャラリー(内海ラオウ&ばあやさん)が「どれどれどれ~!?」と寄って来ます。あら?こーゆー場面でさえも母上は出て来ない・・・となると、もう亡くなったのかもしれません。いや、もうそこの安否確認はどうでもいいです。

アニメでは後半オスカル様が紅一点の存在だと言っても過言ではありません。
それで全然いいのです。このオスカル様には優しさや思いやりや強さといった女性の持つ魅力の全てが備わっていて、もはや他の女性キャラの出る幕なんて無いに等しい。当然、今更母上に教えて貰わないと分からない事なんてものも無いのです。

で、完成した肖像画を見て色めき立つ・・・特に内海ラオウ。
冷静に考えると肖像画を描いて欲しいと依頼をし、事前に何の相談もなしに完成でございますとこの軍神マルスのコスプレ絵を見せられたら・・・「へ・・・?なんでこんな風に描いちゃったの・・・?」とビックリすると思う。。。
ところが、そこは案外ストライクゾーンが広く、しかも軍ヲタクでブルボン王朝に命を捧げる覚悟のジャルジェ将軍にとっては武運を守る神:軍神マルスはなかなか士気の上がるモチーフだったと思うので。静かなる大絶賛・・・っ!!原作のように喜ばれるオスカル様の様子がない代わりに、此処はジャルジェ将軍にテンション上げておいて貰いましょう。ちなみにこの肖像画、描いているのは美術監督の水谷氏でしょうか・・・?アニメらしい実線で描いていない、非常にアンティークな仕上がりで渋いわー・・・荘厳な雰囲気のBGMと相まって、誠に神がかった出来映えです。
で・・・オスカル様ですがね、この軍神マルスな自分を見て勿論感動したと思います。感動したとは思うのですが・・・軍神・・・。これまで生きてきた人生と、これから取らねばならぬ道。その両方に思いを馳せた時、軍神のコスプレははたして自分に相応しいのかどうかー・・・という、なんせ葛藤のカオスにいらっしゃるのでいろいろと考えられたのだと思うのですね。だからこそのこの複雑な表情・・・・・その胸の内に寄り添うにつけ、そこにはまた深い深いドラマが在るのでございます。

そして!!アルマンさんとギャラリーが去り部屋にはオスカル様とアンドレが二人っきり。
こちらの場面・・・まったくヲタクではないうちの母と一緒に観ていた時に、号泣されました。。。
「大人がこんなに泣いている・・・凄い・・・」と、小学生当時それはそれは驚いた。
という鮮明な記憶が私にはあります。

といったところで片目の見えない私の日常生活なんですが、見える方の目を塞いだとします。真っ暗になります。でも家の中や近所やよく行くスーパーなんかなら、多少不自由ながらも活動できるのですよ。それは記憶に残っているからなんですね。印象的な風景や家具などのレイアウトはしっかり脳に刻まれているので見えなくても“見える”のです。勘と言うか、本能で見ているような感じです。ところが、初めて行く場所や経験のない状況ではまったく対応できなくなります。知らないことは思い出せないのでホントに見えないんですね。でも、記憶を総動員してその場を想像する形でなら、見えないながらもなんとなく“見える”ような感覚になることがあるんです。
それと似たようなことがアンドレに起きているんだろうな・・・と思います。

完成したオスカル様の肖像画を前に必死で目をこらすもその絵を見ることが叶わないアンドレ。でも、彼の中にはオスカル様の記憶がしっかりとありますので・・・ちゃんと見えているのです。
この場面、普通にみれば「おいおいおい・・・見えないのにそんな適当なコメントしちゃって・・・・あ~墓穴掘りまくりのアンドレをこれ以上見ていられない」と思うかもしれません。でも、ここは墓穴掘りまくりのうっかり野郎のミステイク、その言動すべてがどれだけ愛情に溢れオスカル様を感動させたのかという・・・その一点に絞って描かれた本当に素晴らしい名場面なのですよ!!

「・・・美しい・・・!たとえようもないほど。輝くおまえの笑顔がこの世の光をすべてその身に集めているかのようだ」
から始まるアンドレの台詞はオスカル様を称える言葉で溢れています。
この世で一番優しく美しい俺のオスカル・・・そして、美しさに纏わるものを次々と連想し『素敵だよ』とコメントしていく姿は涙なくしては見れません・・・そして、ノッて来たアンドレは魂の還る場所、想い出のパワースポット:アラスの妄想へと続けます。

ここで黙って相槌を打つばかりか咄嗟に話を捏造しアンドレの言葉を肯定するオスカル様・・・そのお優しさと彼への愛情の深さときたらっ!!!

まさしく、輝く貴女の笑顔がこの世の光をすべてその身に集めているかのようだ・・・
はい・・・憎らしいまでのアニばらクオリティーに涙が止まりません。。。
神々しいまでの美しさを画面一杯に放ちながら刻一刻と過ぎてゆく二人の時間・・・たまらない焦燥感で胸がいっぱいだわさ・・・。

「そうだよ・・・アンドレ・・・画家のアルマンはわざわざアラスまで行ってスケッチをして来たと言っていた」

ぼろぼろと涙を零しながらそうアンドレに語りかける田島令子さん。
泣いていることを悟られないようにと、この時だってきっと必死で気を使っているのに違いない。そのお声はとてつもなく優しく、深く、温かいです・・・。

アンドレの為に美しくなりたいオスカル様。それなのに彼の目にはもう自分は映らない・・・と一時は絶望しかけたオスカル様ですが、そうではなかったのでしょう。
彼はオスカル様を美しいと言い、この姿を決して忘れないと誓ってくれました。思えば彼の言葉ひとつひとつがオスカル様のためにあり、オスカル様を支えて来ました。当たり前に、それはずっと傍に在ったものです。その無限の温かさに改めて触れた時、もぅ~~~~~むっしょーに込み上げて来る熱いものがあったのでしょう。・・・嗚呼・・・アンドレ・・・・・好き過ぎる~~~~!!!という感情がそろそろ大爆発してもいい頃だと思いますよ☆


といったところで、田島令子さん、とってもクールで凛とした印象を受けますが実際はすごく感受性の豊かな方なのだと思います。

アニばらよりお若い頃ですがNHK「おかあさんといっしょ」の『おはなしこんにちは』という・・・令子おねえさんがテレビの前の子供たちにお話を読んで聞かせてくれるコーナーがありました。それはもうぴちぴちヤングで可愛いらしい令子おねえさんがヘンな人形に囲まれ(2体くらい居たはず)、チビッ子に聞かすにしては時にヘビー過ぎるお話を丁寧に朗読してくれるという内容でした。そこで、ある時、お話を読むうちその展開に声を詰まらせ、涙声になる・・・ということがありまして(勿論リアルタイムで見てませんが・・・)。その時、読み終わった後にはうつむいて、本当に泣いてしまったようなんですねぇ。。。そしてヘンな人形たちになぐさめられる令子おねえさん・・・なんだか、お話の内容よりも本当に泣いてしまったおねえさんの姿に子供たちは衝撃を受けそうですが、とにかく、そのようにピュアで、がっーーーと気持ちが入り込んでしまう面も、お持ちの方なんですね。
・・・と、そんな田島令子さんなので、この第37話以降、脚本読みながらの悲しみはいかばかりであったことか・・・っ!!

オスカル様の心情を見事に表現したこの演技の数々・・・・・決して作り物なのではなく、令子おねえさんのリアルな感情の動きであったはずなんです!だから巧い・・・めっぽう巧いです・・・

凄いぜ、令子っ・・・マジで。うっうっうっうっうっ・・・・・・・・

と、しとど涙にくれているところにこいつがやって来ます。
ケツアゴ・ド・ソワソン。今回はオスカル様とアンドレの愛情エピソードなのだからして流石に存在感ないわ~・・・と、殆ど忘れていたところへダグーちゃんから伝言を仰せつかったらしく、やって来ちゃいました・・・。

このアランという人物、原作とはすっかり別人キャラに成り果てておりますが、その設定の大変更をものともせず、アニばらファンの間では結構な人気を博しているようです。確かに・・・28話から登場して来たわりに最終的にその存在感たるや、物凄いものがありますね。それもそのはず、こいつは出崎監督なんですよ。彼のベルアニメ化に対する姿勢らしきものをこの男は如実に物語っています。。。

とにかくアラン=出崎監督なので自らオスカル様に惚れて来るという分かりやすい描写はありませんが、大人目線でオスカル様の言動をつぶさに観察し、じっくり見守るといった様子はなかなか魅力的です。そして、大事な局面ではクリエイターの視点でもってオスカル様をグイッと民衆側に引き寄せるかのような行動をしてみせるのですね。アンドレのそれとはまた違う強引なアプローチに、オスカル様も多かれ少なかれきっと影響を受けたことでしょう。
というわけで、連隊本部よりの運命の通達を、こいつ以外に伝えに来れる奴はいないのです。。。



ついにその時がやって来てしまいました。余命何ヶ月とか、そんなことに一喜一憂している場合ではもはやありません。命令通りチュイルリー広場へ進撃し、己の良心に従って行動しようものなら死への直結コースをまっしぐら!!という事になるでしょう。
今この瞬間、・・・明日をも知れない命なのだと誰もが足の竦む思いでいるに違いないのです。。。

オスカル様は結局アンドレへの押え切れない胸の内を伝えられぬまま、隊へ戻ることになりました。
アランを帰した後、言葉通り直ぐに後を追うつもりで支度をされ、厩へ行った時・・・内海ラオウの姿を見て“はっ・・・まずい・・・いま父上と顔を合わせたら、さすがに動揺が隠し切れないかもしれない・・・どきどきどき・・・”と一瞬焦ったかもしれません。でも、それは父上だって同じ心境だったに違いなく、お父さんがアンドレに、思いを吐露する感じが非常にいいのです。なんて言ったらいいのか【THEアニメのジャルジェさんち】なこの場面、五臓六腑に染み渡る良さがありますよねぇ~~~。。。

内海さんも志垣さんも、本当に役に合ってます。特に志垣さん、最初オスカル様と思ってかけた声と旦那様だと認識してからの声の切り替え方。そのちょっとしたトーンの差がなんとも言えず巧いです。更に、「万に一つ、おまえとは今日限りということも有り得る」に対する「・・・はい・・・」の言い方とか、これだけなのに凄くいいよ・・・。
いやーーー・・・田島令子さんもそうなんですけど、台詞とは言えないような短い言葉「はい」とか「うん」とか「はっ」とか「え?」とか、もはや声ではない息を呑む音とかですけどね、それらが見事です。一文字入魂の演技と言いましょうか・・・素晴らしいなぁー!!あと叫び声ですね。マイクの前で録音する際に叫び声って難しいと思うんですけどね・・・それが二人ともめちゃくちゃ魅力的なんです。
もうホントに、あらゆる意味でこのキャスティングしか考えられないや。

父:内海ラオウも「(35話ではついついキレてしまったが)オスカルの結婚相手はおまえ以外には考えられん。だから、必ず生きて戻って来い!」というようなことを言い、これには素直に喜ぶアンドレ。
いつだってオスカル様を置き去りに盛り上がる、すっごく波長の合う理想的な義父と息子の図・・・
肝心な部分は恐らく聞いてはいらっしゃらないのでしょうけど、二人の対話を垣間見たオスカル様。彼女の胸にも相当熱いものが込み上げたであろう、珠玉の名場面なのでした。


あーーー・・・もうたまらん。37話、いつにも増して全編名場面だよ。そして観察日記のこの恐ろしい文字数!!ちょっとした短編小説を読めてしまうくらいの時間と労力を強いてしまっていると思うのですが、すいません・・・もう少しお付き合い下さいね☆


さぁ、一方ならぬ覚悟をもってお屋敷を後にされたオスカル様とアンドレ。道中テロリスト集団と見分けがつかない程に凶暴化した民衆に襲われアンドレが負傷、どころか気絶します・・・アーメン・・・。

ちょっとーーー・・・しっかりしてくれよっ!


オスカル様の「アンドレ、私から離れるな!」の台詞で「・・・え?何?俺の目のことバレてんの!?」と軽く動揺したのが原因かどうか知りませんが、あんたがやられたら困るんだっつーの!!
オスカル様はもうアンドレのことが好き過ぎる状態なので彼がガクッとなったのを見て、心底「きゃーーーっ(/□≦、)。。。!!!!!」だったと思いますよ・・・もうあんたはかすり傷ひとつ負ってはいけないカラダなんじゃ~!!自覚してくれ頼むから。。。と危うい彼の状況に動悸が~~~・・・・・。


ふっー・・・結ばれるどころかこんなに時間が押し迫ってもまだ野犬のような民衆に襲撃され棒切れ投げ付けられ目を回して慌てて逃げる!とかゆー展開なんですけど・・・あのー・・・・・一体いつになったら・・・?と不安に駆られている間に、良かった・・・アンドレ、復活してくれたみたいです♪



軍との衝突を前に気勢を上げる民衆から逃れ、気が付けばどうやら此処は薄暗い森の中・・・?
衛兵隊宿舎への道はそこかしこに暴民が潜んでいるとみえて、なるほど、森に逃げ込んだ二人は閉じ込められた格好になったようです。
推察するに(フランスの日没時間は日本と違うなんて事は無視します)今は19時半~20時くらいでしょうで、夜明けがだいたい5時くらいだとすると・・・けっこう時間ありますよね!?
ムッハーーー(〃▽〃)ーーーーーーーーーーーー・・・・♪

で、どうするの?どうするの?とテンションは急上昇!自然とテレビに近付き正座をして息を殺しつつ二人の会話に聞き入る私・・・・・。


「大丈夫か、アンドレ・・・頭の傷は・・・?」とオスカル様。

「ああ・・・大丈夫だ。どうということはない」
確かにアナタ、サイボーグ並の脅威の身体治癒力を誇ってはいるけれど、その・・・血が傷口から結構どくどくと流れた跡があるので心配です・・・

「・・・よくも今まで私を騙し続けていたな。右目のことだ。ラソンヌ先生に聞いた。もう殆ど見えないんだろ・・・?」

「・・・・(アンドレ、沈黙)」

「やはり・・・もう一度屋敷へ戻ろう。明日のパリへの出動に、おまえを連れていくわけにはいかない。おまえをばあやに返し、宿舎へは私だけ戻る。・・・そうしてくれ、アンドレ。おまえに万が一のことがあってはいけない・・・」

「・・・俺は行くよ、オスカル。今までもそうだったが、これからもそうだ。俺はいつも、おまえと共にある」


うんうん・・・アニばらの二人が言いそうな台詞ですね・・・。



オスカル様は大切なアンドレを死の危険から遠ざけようとした。自分はどうなっても構わないがアンドレだけは安全な場所へ戻そうという、その発想・・・よく解ります。
で、それに従おうとせず自分も行くよ!なアンドレ。「俺はいつもおまえと共にある」とは「生きるも死ぬも一緒さ!」と同じ響きがあり、今まさに生死の狭間に在るというオスカル様のハートをガシッと掴む台詞ですね・・・と感心するのです。でも、アニメのアンドレが本領を発揮するのはこの後なのですよ!

暴徒に襲われ怪我を負ったアンドレを連れて森に迷い込んだはいいものの、今でこの有様なのでは来たるべく戦闘にたえられるはずもなく、一緒に出陣するなど自殺行為でしかないわけです。それを分かっていながら、アンドレは「俺はいつも、おまえと共にある」と言う。この時、オスカル様の心にはまだ“私など、アンドレに相応しくないのではないか・・・”という思いがあったはずなのです。
アニメのオスカル様はよく「私ごとき・・・」という言い方をされますね。それは謙遜してそーゆー言い方をされるわけなんですが、見ていてアナタはもっと素晴らしい人なのに、ご自分のこと、ちょっと過小評価し過ぎなのでは・・・?と思う場面もホントにあったりするんです。それは何故なのか?この人って、視聴者の想像する以上に無理をして、自分を偽って、やっとの思いで生きて来たと思うんですよ。アイデンティティー云々とか、そういったものが形成されるよりずっと前、誕生直後から男として生きる事を決められていたわけです。それを疑問に思う思わないに関わらず、そうしないと生きて来れなかったんですね。オスカル様は周囲の人、特に父親から愛されたいが為に必死で頑張って来ました。多少屈折しながらも、なんとか期待にこたえようと努力に努力を重ねて来た人なんです。だから、他者の為に身を犠牲にすることはこの人にとって自然なことなのかもしれません。一方、ありのままの自分を曝け出して堂々と自己アピールしたりという行為は、苦手・・・というか、してはいけない環境の中で育って来たわけなんですね。
このあたり、原作とは大違いです・・・あちらは当たり前の貴族のお嬢さまとして育っていたなら出来なかった経験が出来た、非常に有意義な人生だった。という男装に対して前向きな結論のようですが、アニメのオスカル様を縛り付ける不自由さは平均的な貴族のお嬢さま以上・・・一国の女王陛下クラスだったと思います。それゆえ、オープニングテーマからも濃厚に漂うドMな薫り・・・・・その絶妙に虐げられた感がアニメのオスカル様のたまらない魅力のひとつなのだ!と私などは信じて疑わないわけなんですが・・・実際どうなんでしょうか?

とにかく、このオスカル様は他者に対して非常に寛容である代わり、自分には謙虚過ぎるくらい謙虚で時に痛々しいくらい自己評価低めだったりするわけなんです。

さて、そんな彼女・・・愛するアンドレに“たとえ何があろうが、おまえと俺は一緒だよ”と言って貰えたことで感極まり、直ぐに抱きついたりとかするのかと思いきや・・・心の奥に抱えた鉛のように重たいものをついに言葉に出してしまいました。

「アンドレ・・・私はかつてフェルゼンを愛した。おまえに愛されているのを知りながらも、フェルゼンを愛した。・・・そんな私でもなお、愛してくれるのか・・・?」
ですって・・・っ!!!

オ・・・オスカル様ぁ~・・・この状況で『フェルゼン』の名前を出すんですか・・・?
十分感じていましたけど、貴女は本当にフェルゼンのことが好きなんですね・・・。
今この瞬間だってきっとフェルゼンのことは忘れてないし、これから先もずっとフェルゼンを想って生きていくんだと思います。それ程にフェルゼンに恋していた時間は長く、そこで得た感動や苦悩は貴女の血となり肉になっている感じです。
嗚呼・・・世紀のオンナ殺しハンス・アクセル・フォン・フェルゼン・・・っ!!誰もが貴方のこと忘れて完全に場外のひとだと思っていたけれど、よもやこんな大事な場面でオスカル様が貴方の名前を出そうとはっ・・・・・・主人公の底力、改めて思い知ったわ。。。

というわけで、生真面目かつ誠意の塊が軍服着て歩いているような人=オスカル様なので、別に二股かけていたわけでもないのに愛する人に「他の男性を愛してしまった過去がある自分なのですが、それでもいいのですか・・・?」と訊いてしまうのですね・・・。

好きな人なんて何人いたっていいじゃないですか・・・泣っ
これぞ本物の恋と呼べる出逢いだって、何回もあると思います。
でもって、それは不誠実なわけじゃない。
なのに、オスカル様ったら言葉に出して「そんな私でもなお、愛してくれるのか・・・?」って訊かないと駄目だって思うくらい、アンドレのことが特別大事で、大事で、大事で、たまらなかったんでしょうねぇ~~~・・・。
この人のこーゆーところ、見ていて本当に涙が出てきます・・・。。。


ああ・・・田島令子さんは『オスカルは潔い人物ですよね。正義感があり、打算もなく、純粋。』とコメントなさっているんですが・・・ホントにねぇ・・・その通りだと思います。

というか、そのように田島令子さんが創り上げられたのです。

あ~~~・・・オスカル様、心からアナタを愛しています・・・っ!!
と画面にへばりつくようにして萌えているところへアンドレが答えます。


「すべてを・・・命ある限り・・・・・・」


あーーーん*+:。.。…。oо○゚+*:;;:**+:。.。…。oо○゚+*:;;:**+:。.。…。oо○゚+*:;;:*
もうダメぇ~~~・・・・・・・

オスカル様の瞳から大粒の涙がぽろぽろぽろぽろ~・・・・・と零れ落ちる描写の美しさよ!!
本気で泣いている・・・令子おねえさんはきっと、本気で泣いている。。。

オスカル様のこの涙・・・第1話からのストーリーを振り返って、本当に熱く尊いものがあります。
一言でいうと“愛への渇望”というか・・・オスカル様、誰かを愛したり愛されたりすることによって、きっと自分自身のことも深く愛したかったんだと思うんです。アンドレとようやく想いが通じ合って、孤独でなくなる瞬間ですよね・・・きっと生きてきた人生すべてが愛おしく感じられたのだろうと思います。
そして、はい・・・

「ああ・・・アンドレ・・・愛しています(←敬語になる。ここポイント☆)、私も・・・
心から・・・」

とおっしゃるわけですが、最高なのはそれに対するアンドレの台詞です!!


「分かっていたよ、そんなことは。もう何年も前から。
いや・・・この世に生を受ける前から・・・」


すごーーー・・・い・・・・・。感動したわ、マジで(震(*゚Д゚*)ェ…っ)。



これはもう・・・一朝一夕の付き合いでは到底出て来ない台詞です。

出逢いの日から約30年、愛し抜いた者だけが口に出来る珠玉の響き。
.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。.:*・゜+.。

というかこの男、直前に聞いた「フェルゼン」という単語にひとつも動揺する素振りを見せないところが流石です。動揺しないどころか、なんとアンドレという男は目の見えない自分が戦闘に参加することによってオスカルの足手纏いになるのではないか?といったマイナス面については一切考えていないようなのです。ついさっきフライングして暴れたパリ市民に棒切れ投げ付けられて気絶してオスカル様に運ばれた挙句、今だって頭から血を流しているというのに!偉大なる愛の前では彼にとってはそんなこと「大丈夫だ。どうということはない」の一言で全然スルーしてしまえる話らしいのです。
そんなところも含めて、凄い男:アンドレ。第37話にしてこの堂々たる愛されっぷりに視聴者は「おーーーーー・・・」と唸るより他ないでしょう。
や~~~。涙を零して愛を告白してきた愛しい女性に「分かっていたよ、そんなことは・・・・」という台詞!オスカル様の性格を熟知しているアンドレならではの本当に素敵な答えだと思うんです。この世に生を受ける前から、結ばれる二人の運命を分かっていたなんて・・・人生で起きたこと全てをひっくるめて愛してるということですもんね。フェルゼンのことなんかもコミコミで全然OK!!むしろそんな風に一生懸命なおまえだからこそ、愛してるよって言ってくれてる気がします。

見つめ合って(ここ、オスカル様ってばどんな美しいお顔をされているのか・・・妄想♪)、
接吻・・・・・抱擁・・・・・・・
ああ~・・早く貴方とひとつになりたい・・・っ!!という感じじゃないでしょうか?


アンドレ・グランディエ
あなたがいれば、私は生きられる。
・・・いえ、生きていきたいっ・・・!



この時代、アニメーションで全裸のラブシーンというのは初の試みだったらしいです。
懐かしアニメ名珍場面集等の番組でアニばらをよく知らないゲストの方々が「うわっ、なんだ!?・・・エロいっ~!」等と叫んで色めき立つ様子をテレビで過去何度も見る機会がありましたが・・・いやいやいや、よく知ったらもっとエロいから。

エロいという表現が適当かどうかについては議論の余地ありですが、まぁハッキリ言って【オスカルとアンドレ】日本アニメ史上この二人のエロさは特筆に価するということだけは間違いないでしょう。
いや~・・・最後の5分で驚きの展開でした。期待した以上のアニばらデフォルメでしたよ。


めっちゃ、ときめいたわーーー・・・
アンドレの流血心配してる場合じゃないかも、鼻血出そ~~~(〃▽〃)~~~~・・・




この回、脚本を担当した杉江慧子さんのインタビュー記事によると原作のお部屋セックスから場所を森の中へ変更した理由について、まぁいろいろと書いてあったりするんですが、それはまた他のところでご紹介できたらと思います。

ってところで、この場面をご覧になった皆さまは何処まで想像されたのでしょうか?
まさか野外で?と思って、これはアニメという媒体において最大級の表現であって・・・美しいイメージとして見せただけだろう。したがって本当に結ばれたかどうかまでは深く考えない。という方も結構いらっしゃるんだろうと思います。

私は、本当に心も体も結ばれたんだと思っていますとも!!!
だって「今、オスカルはアンドレ・グランディエの妻となった」って言ってるじゃないですか。

妻になったんだわーーーーー・・・・
妄想に次ぐ妄想で夜が明けてしまうよオスカル・・・。。。。。

で、その際は全身蚊に食べられてさぞ痒かろうとかは考慮に入れません。そんな事はリアルに想像しなくてもよいのです。愛し合ってる最中を誰かに見られたらどうするんだ?とかの突っ込みも気にしません。アムールの鐘が鳴り響くフランスではいくら革命のさなかとはいえ愛こそが至上のものであることは間違いなく、たとえそういった現場に遭遇することがあっても当然のマナーとして見逃してくれたのだろうと思うことにしています。それにです、オスカル様とアンドレはお互いの愛を確かめ合って今まさに幸せの絶頂にいるのだからして人目なんて気にならないんです。途中消えた馬のシロちゃんだって、きっと見張りに行ってくれたのだと思われますし、問題無しです。

と書いてみましたが・・・都合よく考えると、やはり此処は現実世界とは隔絶された超空間、愛の聖域なのだと思いますね。蛍状のオーブが飛び交い、この世のものじゃないくらい穏やかで美しい場所なんですよー・・・きっと。。。
ああ・・・素敵・・・・っ!そんなところに私もいつかイッてみたいです!!



と、萌えに萌えたところで場面展開(もっと見ていたかったのに・・・くっ・・・)。
ワインを持った内海ラオウが完成したばかりの肖像画の前にやって来てオスカル様に静かに語りかけます。

「オスカル・・・おまえに別れを言うのを忘れてしまった・・・。いや、言わぬ方が当たり前か・・・また、ここへ戻って来るのだからな」

オスカル様を見送らなかった父上の気持ちを思うと胸が張り裂けそうになります・・・。
愛する娘を出陣させてしまったという失意にも似た感情の中で精一杯気持ちを奮い立たせ「生きよ、オスカル!おまえの心の命ずるままに!!」な内海ラオウ。その台詞に万感の思いが込められているようで、胸にずっしり響きます。そこへばあやさんが父上に宛てたオスカル様からの手紙を持って登場します。そして読み上げた内容は・・・・・・


わたくしごとき娘を、愛し、お慈しみ下さって、本当にありがとうございました。


たった一言、そのように書かれた手紙は父の涙腺をブッ壊しました。
押し殺していた感情が堰をきったように溢れ出し・・・
この後、内海ラオウは泣きに泣いたのだと思います。

もう二度と生きて会うことのない愛しい娘、オスカル・・・完成したばかりの肖像画の中から優しく自分に微笑みかける彼女を見て、父上は号泣したはずです。
観ている私たちも、どうにも感情が抑えられません・・・・BGMの「優しさの贈り物」の入って来るタイミングとかもう絶妙過ぎるだろ~・・


テレビを見てこんなに泣いたのは初めてだというくらいに、わんわん母と泣きました。。。



アニばら第37話。オスカル様とアンドレの衝撃のラブシーンは打ち合わせからシナリオ完成まで、通常の3倍の時間をかけてじっくりと練り上げられたそうです。
物凄いクオリティーの高さだぁーーー・・・そしてラブシーン以外も、のめり込むように観て、涙に暮れてしまいましたよ・・・。
その結果、観察日記もいつもの3倍(!?)近い長さになっちゃいました。。。

ラスト、固く結ばれたオスカル様とアンドレは、二人にしかできない決断をし、待ち構える運命に向かって馬を駆ります。
そして・・・皆さま気付いておられると思いますが、妻となったオスカル様はアンドレの少し後を走っているんですよ。これは次回エピソードの暗示です☆
大切ですから、どうぞご注目下さいね・・・。

ではでは・・・・・つづく!!





アニばら観察日記 + プラス




本編(?)に書ききれなかった分をこちらで。
この調子で観察日記、一体どこまで長くなるやらです。。。


第37話 「熱き誓いの夜に」 ~R‐18指定編(嘘です)~


ただでさえ非常に長ったらしく暑苦しいわたくしのアニばら観察日記でございますが、この度普通にUPしたものに書ききれなかった分を、このように『アニばら観察日記 + プラス』として、改めてお目にかけてしまおうかな~~~といった次第です。
あ、予定は未定なのですが、コレとは別に、もはや本編には登場しない人物に関して妄想が止まらなくなった場合などは、突発的に沸き上がった想いを臨時にご報告する『アニばら観察日記 号外!』とかも考えております。(しかも、そーゆーことを話数遡ってやってしまうかもしれません)
・・・そんなことはワイド劇場内でやってりゃーいいじゃねえか・・・というお声が聞こえてくるようだ・・・ですが、観察日記は書いてて楽しいのでこっちでもやりたいんです。。。

そーゆーわけで、本編からはみ出た分を、これからお話していこうと思います♪
その前に、何故はみ出たのかというとですねぇー・・・・・

一言でいうと、妄想がキツいからです 壁|▽//)ゝ。。。。。。照れ。


特に今回は上に~R‐18指定編~と銘打ってあるように、男女のホニャララについて気になる部分を重点的につついていきたいと思っているわけで、まぁ、本来めちゃくちゃ清純派の私がそんなどぎつい事を書けるわけもなく、R指定というのも冗談なんですが、ところどころSEXがどーのこーの言いますので、興味のない方は見なかった事にして、どうか優しくスルーの方お願い致します。

改めまして、第37話 「熱き誓いの夜に」です。
当然ですが、このエピソードはかの有名なオスカル様とアンドレの“夫婦の契り”の場面にあたる回なわけです。

ゴールデンタイムの全国放送において夫婦の契り、すなわち主人公ふたりがSEXしているところなんかを公開した日には「どーゆーつもりなんじゃ~~~!?」とお茶の間から抗議の声が殺到するのは必至・・・そしてプロデューサーは「お母さん。これまでのアニばらを全部観て、それでも文句があればベルサイユにいらっしゃい」と集英社のよく出来た編集者さんを見習った対応をせねばならない事態になるのでは?あいや~~~・・ここまで来て打ち切りは絶対に困る・・・あまり無茶をしないでくれ!いや、でも、最高のクライマックスシーンなんだから思い切った展開を期待してしまうのもまた人情。
てか、こちらのオスカル様とアンドレ、キス(合意の上での、ね)すらしていないのにいきなりSEXって、何かこぅ~ワンクッション欲しいような。。。

と、リアル放送を毎週ドキドキしながらご覧になっていた女の子たちの間では、いろいろと悶々するところがあったのだろうと思います。
あ、私は当時まだ2歳とか3歳だったんで何も考えてなかったです(観てはいましたよ!誰がなんと言おうが覚えてますもん!!)

そーいったことも踏まえつつ、“アニメ=子供が観るもの=いろいろと配慮しなければ放送できない”という厳しい制約の中で「熱き誓いの夜に」を作り上げられたスタッフさんの心意気!!
コレについて存分に憶測を盛り込みながら、場所も新たに懇々と語らせて戴きたいと思うわけなんです。


さて!アニばら第37話、「熱き誓いの夜に」を紐解くにあたって当時のアニメ雑誌を読み返してみました(勿論、私がリアルタイムで入手して来たものではありません。これまでご縁があったアニばらマニアの方々からその都度、貴重な資料を提供して戴いた結果、結構いろんなモノを揃えることが出来ました。お声をかけて下さった皆さま・・・ありがとう!本当にありがとうっ!!)
で、そこにですね、こんなことが書いてありました。


インタビュー <プロデューサー:本間一行氏 抜粋>
キレイなラブシーン

「オスカルとアンドレのラブシーンがね、どこまでアニメで描いていいのか心配もあったんですが、二人の長い間の関係の頂点として、絶対描かなければならない重要な場面です。しかし、生々しくなくキレイな画面にするよう、脚本や演出にお願いしました」


というわけで、お願いされたスタッフの皆さま。
蛍のシーンを作り上げる為、並々ならぬエネルギーを注ぎ込みました。

「まず、プロットを組み立てる為、打ち合わせとハコ書き繰り返すこと4回。更にシナリオ書きで3回の書き直し。通常30分番組を作る場合に打ち合わせからシナリオ完成までは1週間と言われているが、この回に限っては3週間近くもの日数をかけている。最後にはスタッフ同士、電話連絡を取り合いながらの仕上げになったという・・・」

お~~~・・・いや、なんですか・・・凄まじい話し合いの末、ボツになったシナリオ・・・というのがございまして、これがまた物凄いことになってて、ある意味度肝を抜かれるわけなんでございますが、そちらをご紹介するのはまた今度・・・。まずは決定稿について徹底的にみていきたいと思います。


この回、脚本を担当されたのは杉江慧子さんです。

杉江さんが担当された回・・・ざっと上げさせて戴きますと、、、
6、7、12、13、18、19、24、25、30、31、36、37話
・・・ということになります。
そこで・・・是非ともご注目戴きたいのがこちらですっ!!


第13話「アラスの風よ応えて・・・」と第25話「かた恋のメヌエット」、
このふたつのエピソードを書かれたのが杉江慧子さんなのだ!!!
というところなんでございます。

私も今回はじめて気付きまして『うわっ・・・世紀の大発見をしてしまった・・・!!!』と超今更ながら興奮が止まらず、どうしよう~という感じです。←この興奮、アニばらに関心薄い人にはまず分かって貰えないんだろうなぁ・・・(遠い目)。。。

そう・・・そうなんです。杉江さんの脚本だからこそ、今回のエピソード、アラスやフェルゼンという単語が自然と出て来たわけなんですね。
ご自分の担当された回にはそりゃ思い入れがあるでしょう。しかも、それが永遠のアラス!凱旋フェルゼンと夢のダンス!!ときた日にゃーーー、これらをアニばら屈指のハイライトシーンに盛り込まずに私は死ぬわけには参りません。というご心境だったに違いない
(勝手なこと言ってごめんなさい・・・杉江さん)。
嗚呼、この事実に気付いたからには第37話のまた違った側面も見えてきそうな勢いです・・・。だってね、杉江さん、第30話の脚本も書いておられるんですよ。ならば・・・なんらかの形でジェローデルが出てきたっていいじゃないか!?
すいません。話が複雑になるので止めときます。
実際杉江さん、ジェローデルのジェの字も思い出してないだろうし(泣。。。)・・・

とにかく、・・・なんか物凄く納得したわ~~~・・・。


<その他、魂のアニばら作家さん、篠崎好さんと山田正弘さんがもしも37話を担当されたのであれば・・・オスカル様とアンドレが結ばれるまでにまた一味違ったプロセスがあり、お二人ならではのドラマチックなラブシーンが見れたのかもしれないですよね~(別バージョン、さっそく妄想しよう!!)・・・>


そんな感じで放送から34年も経つのにまだまだ発見の尽きないアニばらの秘境っぷりに驚きを隠せない私、サクランボ・・・調子よくテンション上がったところで杉江さんの当時のインタビュー記事を見に行くとしましょう♪

『ラブシーンに至るまでの経過を原作とはだいぶ変えています』

(・・・はい。でも、それは今に始まったことじゃないですよね・・・至るまでの経過どころか初っ端から二人の関係性、違ったものですよ・・・?)等と小声で突っ込んでみましたが、
そんな事はどうでもいいんです。

問題はここから、杉江さん独自のベルばら観、というかラブシーンにおけるポリシーをお聞き下さい。

『原作では「アンドレ、あとで私の部屋へ・・・」、そして「今夜・・・ひと晩をおまえ・・・と・・・」と、オスカルがアンドレを寝室に誘っていますよね。でも、これはつらい。(つ・・・つらい・・・!?)原作なりのよさはあるんですが、これだと金持ちのお嬢さんが下男を寝室に引き込んでいるみたいになってしまうのでは・・・と思うんです。(は~!?そ、そうなんですか・・・)ですから、このシーンで一番工夫した点といえば、オスカルの気持ちの動きなんです。オスカルを欲しいというアンドレの気持ちは前々から分かっているんですよ。そこで女であるオスカルがどんな風に燃え上がっていくのか。ことに、女の方から話を持ち込む時には、女の生理として、なんらかの激情がなければいけない。内から燃えてくる熱い気持ちの高まりが必要なんですね』←続きがありますが、とりあえずここまでにします。


おいおい・・・当時のアニメ雑誌の読者層にこのインタビュー記事って
アレ過ぎるだろ・・・苦笑。。。


なんと言うか、プロの脚本家として「ラブシーンとはこうあるべし!」と熱弁をふるう杉江氏を前にタジタジとなる出崎監督、本間氏、荒木さん、その他男性スタッフの皆さん・・・のお顔が想像できて大変楽しい気分になりますよねっ♪


あ、念のため申し上げておきますが、杉江氏のこれは決して原作否定の意味ではありません。

関係者の誰もが否定なんてするわけないんですよ。ただ、漫画とアニメでは表現方法がまったく異なりますので、たとえ同じ台詞を喋って同じように動かしてみたところで人に与える印象には差が生じてしまうということです。アニメにはアニメの流れやルールがありますので、より美しく感動的に魅せるテクニックというものがあるのだと、そーいった事がおっしゃりたいのだと思います。
とはいえ、まぁ~原作命の方は逐一、こーゆーの面白くなかったのかもしれないですね。しかし、アニばらの蛍だって非現実的だのムードに流されてるだけだのいろいろ言われて私なんかからしたら「なんだかなぁ~・・」と悲しく思うことが多々あったわけです。要は好みの問題ですよね。好きなシチュエーション、それぞれあるでしょう?お互いの趣味にとやかく言うのは野暮というものです。

というわけで、激論の末、決定稿となったのは森の中、蛍の飛び交うあのシーンなのでした。
あ、お嬢さんが下男を寝室に云々だからってあんた、二人で野外エッチは極端過ぎるだろ~とかいう突っ込みなら無用です。とにかくオスカル様は相当な決意をして、父の元を出て行くわけです。そうかといって、この時点で民衆側に寝返るにあたっての確固たる信念が彼女にあったかどうか・・・なんて事についての議論は更に必要ありません。
ひと場面だけを切り取って見比べてあーだこーだ言うのはまったくのナンセンス。アニばらはここに至るまで数々の伏線を張ってオスカル様の苦悩を視聴者に伝えて来ました。根本的にそこを理解できていない人にオスカル様の心理状態についてなんだかんだ言われる筋合いはないのです。

改めて、第37話。私たちファンにとって、ここで語られることに不自然なことは何ひとつありません。本当に素晴らしい出来だと思います。


オスカル様はアンドレに告白こそしていないまでも、心の中は彼を想う気持ちでいっぱい・・・。彼と離れて生きていけようはずのない事は分かっているのです。一心同体というやつですね。それに、貴族と平民の身分の差が彼らの愛の障害になると思われたのはもう過去のことです。生きるか死ぬかの時に身分なんかよ~・・・んなちっぽけな問題どーでもいいわいっ!てなもんです。でも、オスカル様は父上のことは最後まで気にされていたと思うのです。
もうね・・・彼女にとって父の存在、どうしようもない呪縛ですよ・・・。
何があろうと、お互いをとても愛しているのだけど、どう考えてもまともな親子関係ではないですよね。身分制度とか絶対王制とか以前に、内海ラオウの威圧感、第1話からモノスゴイものがありましたー。思えばアンドレも、この親子の間に立ち、よくやって来ましたよねぇ・・・とか言いつつも、私は内海ラオウのこと大好きなのでオスカル様とアンドレに去られた後の彼を思うと胸が痛みます・・・。
うっうっうっ・・・・・・・
と思いっきり感傷に浸りつつも、オスカル様が自由を手にする為には物理的にも精神的にも先ずは父と決別するしかないのです。


そーゆーわけで、お屋敷=父のテリトリーなので、そこでアンドレと結ばれるのはよろしくない。本当の意味で地位も身分も捨て、ただの男と女として・・・というなら、兵舎に戻ってからでは隊長と部下という雰囲気を拭いきれないのでNGでしょう(それもイイですけどねぇ)。となると、もう“外”しかないわけです。それに、アニメのオスカル様は大変女らしく、たおやかな風情のお方でありながら、徹底したアウトドア志向の持ち主でもあるので(これはなんですか・・・父上となるべく接触しないよう幼い頃から出来るだけ外で過ごして来たんじゃないでしょうかね?そのわりにシミひとつないような綺麗なお肌の理由は・・・雨女だから、あまり紫外線には攻撃されていないのです。きっと)、視聴者が心配する程にはあの状況に対して抵抗がなかったのでしょう。

とにかく、激しく抑圧された環境を飛び出して、再び兵舎に戻るまでの間、ようやく二人っきりになれた場所・・・・・というのが、あの蛍の森だったわけです。

美しい星空と神秘的な浮遊物のもと、何ものにも属さない、
あそこは本当に“二人だけの空間”なんですよね・・・。

考えれば考える程に素敵な演出じゃないですか~・・・
.+゚*。:゚+( ノ∀`)ポッ.+゚*。:゚+感動!!


と、心底うっとりしたところで・・・オスカル様の台詞について考えてみたいと思います。


「アンドレ・・・私はかつてフェルゼンを愛した。おまえに愛されているのを知りながら、フェルゼンを愛した・・・。そんな私でもなお、愛してくれるのか・・・?」


この期に及んでフェルゼンの名前が出て来たことに先ずは驚くのですが、それより「え!?え!?」と思うのは・・・おまえに愛されているのを知りながら、フェルゼンを愛した・・・の部分なのです。
オスカル様ってば、一体いつの頃からアンドレに愛されている事を知っていたのでしょうか?
その答えは、物心ついた時から・・・だと思います。(これは私の解釈でしかないので、いろいろなご意見の方、適当に読み流して下されば助かります。)


出逢ってすぐに打ち解けた二人は一緒に過ごすうちに兄弟のような親友のような心強い関係を築き上げていくのですが、成長するにつれて、主人と従僕であるという少し不自由な空気をも否応なしにその周りにまとっていくようになるわけです。このちょっとした(本当にちょっとしたですよ、アニばらの場合)障害がねぇ・・・いろいろな意味でかえって「好きだ」という気持ちを加速させたのでしょうね。たとえば、ばあやさんに怒られるからという理由ばかりでなく、気まぐれに「オスカル様!」なんて呼んで呼ばれてした時の「なんだ?もうー・・・」な感覚。

濃厚な関係性の中、でもやっぱり相手は別世界に住むひとなわけです。

なんとも歯痒く、新鮮ですよね・・・貴族同士、平民同士では味わえないドキドキ感が二人の間には常に漂っていたわけで、これって決してマンネリ化しない素晴らしい状況です。
羨ましいな~・・・なんならオレだって、貴族の身分なんていつでも捨ててやるのにぃ~
(呟き:ジェローデル)。。。


で、そんなドキドキ感の中で、思春期を迎え好奇心でいっぱいの若い二人がさっさと恋に落ち、結ばれてしまったとしても、それはそれでとっても自然なことだと私は思うわけです。

そうですねぇー・・・その場合、アンドレ18歳、オスカル様17歳くらいではどうでしょうか。フェルゼンが登場する直前くらいのタイミングで、二人で「青い珊瑚礁」のように必然的に《初体験》してしまったとします。そしてそれは1回では終わらず何度か経験を重ねていくわけで・・・そうなると、当然アンドレとのSEXによってオスカル様の色気もグングン増すことになるのです。
そう、第8話でオスカル様は飛躍的にお美しくなられて私などは本当に目を丸くしたものですが、ちょうどあの頃、二人は既にデキていた。と妄想してみるわけですね。そうすると、あの回やたら「オスカル・・・おまえにはもう俺なんて・・・」と卑屈になっていたアンドレの様子にも「あ~そうかそうか」と妙に納得できたりするのです。
もうね~あの時点でオスカル様はアントワネット様よりオトナだったんです。男女のあれこれについて、そこらの貴婦人方なんかよりもよっぽど詳しそうじゃないですか。誰よりも早く経験すること経験してるのでオスカル様はアントワネット様とフェルゼンの恋の板挟みになって様々な気遣いが出来た。
そう考えても、私としては特に不都合なくアニばらという物語を楽しめたんですよー・・・。

で、もう少し私の勝手な妄想にお付き合い戴くと、だいたい第16話くらいまでオスカル様とアンドレはブルーラグーン状態(青い珊瑚礁の続編:主演のミラ・ジョボビッチが超キュートです)で初々しいカラダの関係は続くのですが、その後、オスカル様はフェルゼンのことを本格的に好きになってしまうので、二人は一旦離れることになります。

春に草木が芽吹くよう、ごくごく自然にエッチに至った二人の関係は北欧の貴公子の劇的な出現により、長い長いお休み期間に入ることになるのでした。。。

と、ひとしきり妄想を愉しんだ後、やはり「・・・おかしいなぁ・・・」と思う私。
おかしいも何も、こんな設定では『ベルばら』じゃないのですが、私は原作を読むより先にアニばらを全編通して観てしまい、しかもそれが五臓六腑に深く深く染み込んでしまっている為、そもそもアニメを見て原作派の方が感じる違和感というものが全く無いのです。なので、おかしいと思うのはすべてアニばら内で整合性が保てなくなった時・・・それが先ず、第20話で訪れました。

アンドレが言う「愛し愛されて何が辛い・・・打ち明けることすら出来ない恋だって、この世にはごまんとあるんだ・・・」の台詞を聞いて、
二人がデキていなかった事を確信するに至ったのです。

ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・不届きな妄想をして。
オスカル様、ホントにごめんなさい・・・っ!!

と平謝りするも、こんな誤解してしまうのはオスカル様が女性として魅力的過ぎるからなのですよっ!!

いや~~~・・・若き日(というかガキんちょ)の私がなんでこのような妄想をしてしまったのかと言うとですね、一番の理由はあらゆる場面でオスカル様が処女に見えなかったからです。

オスカル様の前ではアントワネット様は勿論、あのデュバリー夫人だって小娘に見えてしまう・・・。唯一色気で張り合えるのは作中ジャンヌ姉さんくらいでしょうか?
オープニングで惜しげもなく裸体をさらし、当時のアニメ界において掟破りのラブシーンでもって妖艶の2文字を欲しいままにする(?)オスカル様が・・・あの瞬間まで男を知らなかったなんて考えられない!と、性に興味津々だった頃の私はそのへん変にこだわって、嬉々として頭を悩ませていたのでした♪
そう、女の子だって年頃にればSEXのことでアタマがいっぱいになったりします。でも、男の子のそれより「はしたない」とかってタブー視され、エロ本だって気軽に読めるところに無いし、ましてや自分でこっそり買ったりも出来ないから余計気になってしょうがない・・・。
誰もが知るところですが、そーゆーところ、絶妙に突いてきたのもベルばらの素晴らしい点なのですね★
とにかく、他の少女アニメと一線を画するこのエロ妄想提供度ときたら!!


保健体育の授業で中途半端な性教育受けてる暇があったらオスカル様の経験値をあれこれ夢想し、いろいろシミュレーションしたうえ勝手に参考にし、実戦に備える方がよっぽど自分の為になりました。とこの年になった今、私は言い切ってみようかと思います。
ふざけてるわけではなく、マジですよ。


んで、処女に見えないオスカル様なので、第37話の前に絶対経験がおありのはずだ!となると・・・素人の妄想とはいえアンドレ以外の男との処女喪失なんて事態が金輪際あっちゃなるめえ!!という、とても厳格(?)な性格の私でしたので・・・苦笑・・・、ティーンエイジャーの時分に、実は彼とオトナの階段を上られていたのでした!という事にしよう。めでたし、めでたし!と思っていたわけなんです。
ところが、実際に年齢を重ね、それなりに経験を積んでから観返すと、その設定ではイケないという事に気付きます。細かいところを挙げれば20話より前にも二人がデキてるわけがない場面、たくさんありますし(当たり前だよ)・・・第一、こんな話では37話の感動が大幅に薄れてしまいます。『初めて』と『久しぶり』では感情的に全然違うもんな~~~~~・・・

そーゆーわけで、今では基本素直に「こんな処女も世の中にはいらっしゃるのだ」と思うことにしております。

で、オスカル様の経験値についてなんですが・・・やはり全くの生娘だとは思えないわけで、苦肉の策として近衛連隊長時代に上官や王族や身分が上のスケベ貴族なんかから数知れないハラスメントを受けて来て、その中には危機一髪という事態も何度かあり、ギリギリ貞操は守っているものの男性器とか余裕で見てるし、見てるどころか押し付けられたりとかのえげつない被害にも2、3回は遭遇されている。という設定にして、一応バランス取っています。
あ・・・そういえば一度ワイド妄想でサワリの部分を書いたりしたことがあるのですけど・・・あの程度の出来事は何度も何度も経験されているのです。で、もっとヤバい状況でこりゃ流石に大ピンチだ!という時は、きっとジェローデルが飛び込んで来て力ずくでお助けしたり・・・そんな事もあったに違いないぞ♪と、ジェローデル愛推進委員会の会員である私は日々、彼のファインプレーを称え、一人ニヤニヤしてたりするのですね。(なんですか・・・?人間ひとりの時は恥ずかしい事、考えるでしょうが!私だけがおかしいわけではないはずだ・・・)

と、おまけでありながら此処まで結構長く書いております。しかも、こんなしょうもない内容。。。
読んで下さる皆様にどう思われるか若干気になるところではありますが、わたくしのアニばら愛の一端ですので、物好きな方はどうぞ笑って「へ~~~・・・」と呟いて下されば嬉しいです。

いや、しかし、つくづく人間とは考える葦であるなぁー・・・と、私はアニばら妄想に身を委ねるにつけ深く物思うのでございます。(あ~ぁ・・・いっちゃってるよ、この人。とか思ったら駄目よ☆)
これまで膨大な時間をこれに費やし、ある時は妙に納得してみたり、また「いや、待てよ」と釈然としない思いに沈んだり、自分一体ナニしてるんだろうね?と不安に駆られた事も勿論ありましたし、アニばら以外のことに気持ちがブッ飛んでいた時期もありました。でも、・・・たとえ何度挫折しようがふと気付くと水辺に生える葦のように起き上がり、しぶとく新しい妄想に励んでいるのですね。
嗚呼、アニばら萌えで培ったこの不屈の精神力と飽くなき探究心・・・他に活かせよ~とはよく言われますが、ほっといてくれ。

で、もはや第37話の観察日記でも何でもなくなっていることに驚きます。
でもこれ“おまけ”だから!!・・・そろそろまとめに入りたいと思います。


そーゆーわけで、観察日記本編も含め長々と語らせて戴いたわけですが、
アニばら屈指のハイライト「熱き誓いの夜に」!!

総監督の出崎さん、脚本を担当された杉江さん、素晴らしい絵を描いて下さった荒木さん、姫野さん、そして珠玉の音楽で盛り上げて下さった音楽担当のスタッフさん、本当にありがとうございましたっ!!!
そして、この方々すべてのご尽力を生かすも殺すも、それは最終的にオスカル役の田島令子さんの演技力にかかっていたという事を、忘れてはなりません。

そう・・・私がアニばらにこんなにも夢中になり、人生の大半をオスカル様を想って過ごしてしまう結果になったのは、全て田島令子さんがオスカル様を演じておられるからなのです!!

中には誰がキャスティングされようが出来栄えに大差の無い作品というのがあるのかもしれませんが、アニばらに関してだけは田島令子さんじゃなきゃ駄目!他の人じゃ妄想の広がりようがなく、私の人生も今に比べだいぶ味気なく退屈なものになっていただろう・・・と自信を持って推察できます。

ああ、隊長の呪縛・・・・・・・父上のそれ以上に凄いよ・・・この気持ちよさ、最強です。。。



田島令子さんのお声だからこそ、愛しくて、エロくて、たまらないオスカル様・・・

妄想ではなく彼女を抱き締める栄光を手にした男:アンドレ・グランディエ。彼は視覚不良、野外などという悪条件をものともしない情熱と愛情で、ふたりにとっての最初で最後のSEX、1789年7月12日の夜を熱く狂おしく盛り上げたことでしょう。奮闘し過ぎて、たとえそれで関節どうにかなろうとも、全身擦り傷だらけになろうとも、彼は世界一幸せな男です・・・
そして、自分になるべく負担がかからぬようにとキビシイ体勢でいるのにも関わらず、どこまでも優しく丁寧なアンドレに、オスカル様は一晩中胸きゅんきゅんで、きっと女性に生まれた事をお星様に感謝されたに違いない・・・★

生まれた瞬間、父が言い放った「女などいらぬわっ!」のキツ過ぎる一言・・・・・
あー・・・、女に生まれて猛烈スベッた私。。。でも、それって私のせいなのか?

理不尽な運命に翻弄され、間もなく散る命ではあるけれど・・・でも、良かった。
今ならすべてが肯定できる。生まれて来れたことが嬉しい。
そして、この先1分でも1秒でも・・・この人の為に長く生きたいっ・・・!!

と、こういったことを一晩でオスカル様に思わせたアンドレの仕事ぶりを妄想するにつけ、・・・エロスで頭がいっぱい!!いい年こいておきながら興奮が止まらなくなります(〃▽〃)ぽっぽっぽっ~・・・
私もまだまだ若いなぁ。。。


あ・・・最後になんですが、フェルゼンね。ただでさえ人妻好きな彼ですんで、アンドレの妻となったオスカル様と再会していたら、その美しさに真面目な話、ヤバかったかもしれませんね・・・♪