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バグ報告

バグ報告は、 GCCの信頼性を向上させるのに重要な役割を果しています。

バグを見つけた場合、 まずそれが既に発見されているバグかどうかを調べてください。 GCCの既知の不具合原因を参照してください。 発見されていないバグであれば、 その問題を報告する必要があります。

バグを報告することで、 その問題の解決につながることもありますし、 何の解決にもならないこともあるでしょう。 (解決しない場合は、 サービス・ディレクトリを調べてみてください。 GCCに関する援助の入手方法を参照してください。) いずれの場合でも、 バグ報告の主な役割は、 次のバージョンのGCCをより良いものにすることによって、 コミュニティ全体を支援することにあります。 バグを報告することによって、 GCCの保守作業に貢献することになるのです。

保守作業は負荷が大きいので、 すべてのバグ報告に回答することはできません。 しかし、 バグがまだ修正されていない場合には、 バグの報告者にパッチを送付して、 バグが解消されるかどうか尋ねることになるでしょう。

バグ報告が、 その目的とするところを達成することができるようにするためには、 バグ修正を行うための情報を必ず提供しなければなりません。

本当にバグを見つけたのかどうかを知る方法

発見した現象がバグかどうかよくわからない場合には、 以下のガイドラインを参照してください。

バグの報告先

GNUコンパイラ・コレクション(GNU Compiler Collection)のバグは、 `gcc-bugs@gcc.gnu.org'に報告してください。 「foo」という名前のツールに対するバグ報告は`bug-foo@gnu.org'に送るという GNU全体の慣習にしたがい、 `bug-gcc@gnu.org'というアドレスも使うことができるようになっています。 このアドレスに送られたメールは、 上記のアドレスに転送されます。

バグ報告を送信する前に、 `<URL:http://www.gnu.org/software/gcc/faq.html#bugreport>' にある、 バグ報告に関する指示を読んでください。

メーリング・リストではなくニュースグループにバグ報告を流そうと考える人がよくいます。 これはうまく機能するように見えますが、 1つ重大な問題があります。 ニュースグループへの投稿では、 送信者へのメール・パスが分からないことがあります。 したがって、 もっと多くの情報が必要になったときに、 バグの報告者と連絡を取ることができません。 こういうことがあるので、 バグ報告は常にメーリング・リストに出すべきです。

最後の手段として、 バグ報告を紙に書いて下記に郵送するという方法があります。(20)

GNU Compiler Bugs
Free Software Foundation
59 Temple Place - Suite 330
Boston, MA 02111-1307, USA

バグの報告方法

バグの報告方法に関する追加情報や最新情報は、 `<URL:http://www.gnu.org/software/gcc/faq.html#bugreport>' にあります。

役に立つバグ報告を行うための最も根本的な原則は、 すべての事実を報告することです。 ある事実を書くべきか省くべきかよく分からない場合は、 書くようにしてください。

事実が省略されてしまうことがよくありますが、 これはバグ報告者が自分には問題の原因は既に分かっていると考え、 いくつかの細かい点は関係がないと仮定してしまうからです。 したがって、 例の中で使った変数の名前などは重要ではないと、 報告者は考えます。 おそらくそうかもしれません。 しかし、 完全にそうであるとも言い切れません。 メモリの参照がデタラメな場所を指しているというバグで、 それがたまたまメモリ上においてその名前が置かれている箇所から値を取り出しているということがあるかもしれません。 名前が異なれば、 そこの内容は、 バグが存在するにもかかわらずコンパイラが正しく動作してしまうような値になるかもしれません。 このようなことがないよう、 特定の完全な実例を提供してください。 バグの報告者にとっては、 このようにするのが最も簡単なはずであり、 かつ、 それが最も役に立つのです。

バグ報告の目的は、 未知のバグを修正することができるようにするという点にあるということを頭に入れておいてください。 そのバグが既に発見されているものであればどうなるのかということは、 重要ではありません。 ですから、 バグ報告は常に、 そのバグは未知のものであると想定して書いてください。

ときどき、 2、3の大雑把な事実だけを記述して、 「何か思い当ることはありますか?」と聞いてくる人がいます。 このようなバグ報告をもらっても、 バグ・フィックスの助けにはなりません。 ですから、 このような報告は無駄です。 このような報告を受け取ると、 私たちは、 調査を行うために十分な詳細情報を送るよう、 報告者に返信します。 最初からこのような詳細情報を送ることによって、 処理をはかどらせることができるでしょう。

バグ報告にはすべての情報を含めるようにしてください。 私たちがさらに情報を要求することになった場合には、 返信の中に、 不足していた情報だけでなく、 以前に送った情報もすべて含めるのが最良の方法です。

バグは、 1つずつ別のメールで報告してください。 こうすることにより、 どのバグがフィックスされたか追跡したり、 バグ報告を保守担当者に転送することが容易になります。

バグを修正できるようにするためには、 報告者は以下の情報をすべて含めるべきです。

以下に、 バグ報告に必要ではない情報をいくつか列挙します。

GCCに対するパッチの送付

GNU Cコンパイラのバグ修正や改良を進んでやってくれる人がいれば、 とても助かります。 提案する修正は、 パッチのメーリング・リストgcc-patches@gcc.gnu.orgに送ってください。

以下のガイドラインに従って送信してもらえれば、 私たちはパッチを効率的に調べることができます。 ガイドラインに従ってもらえなくても、 情報は役に立つでしょうが、 余分な作業を発生させることになります。 GNU Cの保守作業は、 最良の状況においてもたいへんな作業量ですので、 皆さんが手助けしようとする際に最善の努力を払ってくれるのでなければ、 続けていくことができません。


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