縮刷版99年4月上旬号


【4月10日】 ほんとーに栗林みえちゃんなのかそれともスタントなのかと心に葛藤を抱きつつも、いちおーは本人と信じて今週も炸裂した「ヴァニーイクスプロージョン」に、忙しかった1週間の疲れを癒した後で淡々とプレイステーション版「VIRUS」をプレイする。心配したスタンド本部クリア直後のブラックアウトは再プレイでは解消されて、マーカスも倒しいざ宇宙港へと乗り込んで、「かかってこーい」のかけ声も勇ましいレイヴェンがその身にまとったハルシオン・ブラックとの闘いに臨んだものの、流石にレイヴェンその強さは圧倒的で油断をすると連携攻撃を食らって体力を一気に50、70と奪われる羽目に。ついにはその夜のクリアを諦めて寝る。

 格闘ゲームだったら操作を練習すれば何とかなるんだろーけど、カードゲームってどー訓練すれば良いのやら。リアルな世界だったら金にあかせてカードを買いまくれるのにゲームじゃーそれは無理だし。チャレンジし続けるしかないのかそれとも裏技があるのか。果たして攻略本って出るんだろーかこんなマイナーなソフトにも。見終わった所までだと、ノベルズ版に登場したマーカスのパートナーのクリスが、ゲーム版のアニメパートに登場して多分初めてその動く姿を披露してたのが良かったかな。結構力の入ってたシーンでゲームの中だけってのはちょっと勿体ないんで、どーでしょースポンサーの皆さん次はノベルズ版を軸にしたアニメなんかを制作してなんかくれませんか。「わじわじー」と怒る若い頃のエリカも見たいし。

 銀座へと出向いて杉本博司さんの新作展覧会をギャラリー小柳で見る。入ると黒い垂れ幕で出来た入り口がはってくぐるとそこでは真っ暗闇の中で蝋燭が3本チロチロ。かけていたサングラスだと暗くて何だか解らなかったんで眼鏡を替えてしばし目を闇に慣らすと、蝋燭が何かを照らしているのが見えて来た。棒状になったガラスの上に乗った和蝋燭の光が照らしているのは、蝋燭と同じよーにガラスのスタンドの上に立てられた、何やら中央部分だけが透明っぽくなった黒い板。燃える蝋燭の炎がその黒い板の影と中央部分を抜ける光を反対側にある壁に映し出している。

 意味なんて解らないけど考えれば例えばこの世界は、光と影とがあって初めて成立するもので、光輝くことでその存在を満天下に知らしめている存在がいて、照らされてその存在を主張する黒い板のよーな存在があって、けれども照らされた黒い板はその背後にあるものを影の中に隠してしまう可能性があり、それでも一部の透明なところを持つことで背後へと光を導けるようになる、ってことを語ろーとしているんだと勝手な解釈も出来るけどどーだろー。パンフにはカメラの中を再現して写真って行為の中に観客を浸らせる装置ってな見方もあってこれもまあ気分。ともあれ幽冥の光の中に身を置いて、そとの喧噪からしばし身を離していろいろと考えてみよー。ダメだよ蝋燭の前に立って「揺れないでしょ」っとばかりに唄っちゃあ。

 外に出るとこの日が最終日となる東京都知事選の街頭演説で、民主党から鳩山邦夫さんが銀座は松屋前に登場。青島都知事に兄貴の鳩山由紀夫さんまで引き連れての最後のお願いは、銀座とゆー場に相応しいゴージャスさでこれは珍しい物が見られたとしばし演説に聞き入る。これまで国政選挙の場では選曲の違いもあるんだろーけど、頑なに兄弟での遊説を拒否して来た由紀夫さんが、邦夫さんと同じ選挙カーの上に立っていたのが珍しく、何枚か「ポケピィ」で写真を撮る。胡乱な風体をした兄ちゃんが、得体の知れないファンシーな面もちの機体を出してパチパチする様は、鉄板入りの鞄を小脇にかかえて細っこい目で辺りを睨むSPの人を緊張させてしまったかも。

 邦夫さんが演説している間中、なぜか拳を握りしめて「うんうん」と力を込める由紀夫さんの姿がちょっと印象に残る。手応えを感じているのかそれとも気合いを入れ直しているのかは解らなかったけど、雨中での結構な賑わいを見てカンドーしていたのだとしたら、丸まるとした弟と違ってスマートな雰囲気のある兄でもあれでなかなか熱血なお人なのかも。青島都知事も自分の選挙じゃ遊説しないから選挙カーの上にいる姿は大変に珍しいもので、それが邦夫候補にキスまでするサービスぶりを撮り逃したのがちょっと悔しい。月曜日には決まっているさて次の都知事は本当にいったい誰の手に。「どーせおれの本なんか読んだことがないだろー」ってな差別的発言におすぎが自宅にあった全集を燃やしたとゆー某作家にはちょっと、なって欲しくない気がして来たなー。

 神田神保町へと回って清涼院流水さんの「カーニバル」(講談社、1700円)を購入、もらったサイン会の整理券は150人先着で148番目。あれでなかなかに人気のある人だったんたと思って果たして正しいんでしょーか。事実か否かは来週17日の午後4時には判明するでよー。帰宅して午後の6時半になっていよいよ地上波での放送がスタートした「カードキャプターさくら」(第1期だけど)と、次第にツボが解って面白味の出てきた「神風怪盗ジャンヌ」のどちらを見たら良いんだと自分の中のスケベ心が激しいチャンネル争いを繰り広げる中で、かろうじてホエホエはすでに見ただろーとの声が勝って「ジャンヌ」を見る。

 衛星は見れなくってもLDで補完している自分はそれでも良いけれど、よーやっとの地上波放映が開始されて、発売されて知名度の足り無さ故にパッとしなかった「CCさくら」関連グッズを売るぞと意気込みたかったにも関わらず、同時刻に今春スタートの作品では1番くらいに力を入れている「ジャンヌ」があって、どちらの玩具も出しているバンダイの女児玩具の担当者さんたちは、さても一体どちらを応援したものかと、今頃深い苦悩に包まれていることでありましょー。でも心配ない、だって1番人気は「おジャ魔女ドレミ」だから。


【4月9日】 火之紀ちゃんのコスプレがたっくさん登場することを夏コミに望みつつ「ベターマン」をチラチラを見ながらメインは買った「VIRUS」のカードバトルをシコシコ。5つのミッションをまたたく間に勝利したのは良いけれど、「スタンド本部」ってミッションで3つの敵をバッタバッタとなぎ倒してクリアーしてさあセーブだと思った瞬間に画面がスーッと暗くなり、まんまBGMだけが流れ続ける奇妙な状態に陥ってしまったのは果たしてバグたそれともこちらの操作ミスか。某「ゲーム批評」のよればそれはおそらくはピックアップの問題だったりしちゃうのかもしれないけれど、短いとはいえ折角の時間をかけて敵を倒したのが無駄になってしまったのはちょっと業腹。原因の究明を望むしこちらでももー1度ミッションに挑んでみるけど、さても同じ状況が繰り返されたらここは築地の魚市場にある新聞にならって大々的に騒いでみるか。「VIRUS」への注目を集めるチャンスかもしんないし。

 まるでガウルじゃんと思いながら「ベターマン・ラミア」の暴走シーンを見た記憶を頭に入れつつ寝て起きて豊洲の会社へゴー。堅いことでは人後におちないデータ通信会社で何故か可愛いAICのキャラクターを使ったネットワークゲームのサイトが運営されているのを見つけて、その謎を探りにいったら理由は簡単、担当者がAICのファンだった。どこの会社にもいるそーゆー人たちってことで、けれどもそれを一言の元に指摘したこちらは堅いことでは人後に落ちない業界新聞の記者だったりするあたりに、世間の連中がジトジトとオタク化している現れを見ても良いんじゃないかと自分の事だからって割増も含めて考える。「藤崎詩織等身大フィギュア」だって稼働非稼働の各バージョンの価格で「ペーパームーンのでしょ」と聞けてしまった我が身だし。

 「ゲーマーズドリーム」の方は今はまだ「ダークアイズ」ってウルティマってるゲームくらいしかないけれど、夏にも登場する予定の、いろいろと潜水艇っぽい乗り物をアレンジして闘い合う内容の「ブルースフィア」ってネットワークゲームは、ミニ4駆っぽい改造の腕前が勝負の分かれ目になりそーでマニアの話題になりそー。潜水艇に勝手に名前を付けて良いんならやっぱ「グランパス」って付けるねえ、真弓ちゃんファンだしあたしゃ。「回天」とかだと行ったきりになりそーだから遠慮。それにしても現役で1つしか稼働していないゲームサイトを案内するAICが描いたオリジナルヒロインがすでに10人もいて全てが描き下ろしってのは一体何ちゅー贅沢さであろーことよ。1人でいーから僕ん家のサイトに貸し出しませんか、脱がしたりはしませんから。

 会社で見たよ「逆A」な奴。っていったいどんな会社だと訝られそーだけど新聞屋ってだいたい昼間中ずっとテレビ付けっ放しになっているから映るんですね。加えるにグループが満を持して獲得した「ガンダム」って事で応援しなくちゃいけない、って正当な良いわけもあるし。でもって第1話を見た限りにおいては、評価をどうこういうレベルじゃないって事だけは言えるかも。とにかくこれが肝心な例のヒゲは、土に埋もれたハゲた頭した見せておらずその「ごはん3倍食べられる」(by氷川竜介inアニメージュ)デザインの動いた時のカッコ良さ(或いは悪さ)を確認し切れてないのが評価を出しにくい理由。後はどうにも動きがギコちなかったよーに思えた事があるから、かな。

 これが最近の富野さん的な手法なのかは実は「ブレンパワード」を1度も見ていない自分には何とも言えないけれど、「逆A」を見ていて思ったのはどうにも動きのシーンで節約ってる雰囲気が感じられたこと。階段の影に隠れてオカッパなお嬢ちゃんが顔を出すところは1枚絵がすーっと出て次に別の角度ですーっと伸びてってな雰囲気(覚えてないけど本編ではちゃんと動かしていたかもしれないから雰囲気ってごまかしておく)があって今風の絵なのに昔のアニメっぽかった、よーに感じたけれどさてどーだたか。アーリー・アメリカン調にまとめたれた街並みやファッション、車のよーなメカ類は流石に描き込まれてますね。「ブレンパワード」のオープニングほど炸裂はしていないけれど、第1話じゃ冒頭から少女キャラのヌードが満載。こーなるのって富野さんに感じるところがあるからなんだろーか。誰か研究しませんか。

 しかしやっぱりキャラクターの動きの不思議さは一体何だったのか。川っぺりで1歩2歩進んだ途端に水面が腰の上まで来てしまったのはきっとデフォルメの手法を採り入れたからなんだろー。オカッパのお嬢ちゃんの髪が天使の輪なのかこれまた節約なのか或いは意図的なのか、まるでザビエルのよーに途中からてっぺんにかけて薄い色で塗られていて、かつ普通の色をした髪の部分との境目がキッチリし過ぎていて、おまけに歩こうが回ろうが光の加減が変わろうが一切境目が動かない、そんなダイナミックな塗り方が第1回目とゆー意気込みを示してしかるべき回で披露されているというのもやはり、作品の記号的な部分を云々するより止め絵だろーと劇アニだろーと物語で見せるんだて主張の現れだと、超絶好意的に解釈しよーと思うんだけどこれって許される考え方? なのかな。


【4月8日】 よく知らない「クリムゾンコミックス」の新刊2冊を適当に買って読む。そもそもが「コミッククリムゾン」なんて隔月刊の雑誌があることすら認識してなかったんだけど、これっていったいどんな傾向の雑誌なの? キング・クリムゾンのファンジンってこたーまさかねーわな。それは実際に買った漫画を読めば瞭然で、例えば1冊の西澤暁さんって人が描いた「人形工房美月 第1巻」(創美社発行、集英社発売、505円)は、その名のとーりいささか謎めいたけれども腕前だけはやたらと良い人形師と、その弟子でやっぱり不思議な能力を持った女の子みたいに可愛い男の子とが明治末期の東京を舞台に様々な事件に巡り会っては、これを解決していくストーリー。言ってしまえばホラー・ファンタジーってとこですね。

 絵柄良く物語り哀しく不思議な味わいのする漫画。どーゆー出自の人だか知らないけれどしっかりした物語を紡げる腕前は十分なよーで次にいったいどんな奇譚が描かれるのか、ちょっぴり興味が出てしまった。また買う漫画が増えたってか? ま、しゃーねーな。もう1冊は狭霧家薫さんて人が描いた、異世界が舞台の1つとなりながらも異世界の描写がほとんど出ないって点で異色ともいえるやっぱりホラーっぽいテイストのファンタジー「夏至前夜祭」(創美社発行、集英社発売、505円)。いきなり何か起こって突然消えてしまった学生たちが現世へと復活してから物語がスタートするあたり、小説はともかく漫画だとあまり見ない展開で読みつけないと「何だこりゃ」って投げてしまいかねない。

 けれども読むうちに飛ばされた異世界で起こった出来事が見えて来て、故に彼らが次々と現世で奇妙な現象に巻き込まれる理由も解って来て、そこに人間の生きたいとゆーエゴイスティックな物語と、優しさが身を助けるとゆーまるでコインの裏表のよーな物語が絡んで哀しいエンディングへと向かっていく。絵への印象は勘違いかもしれないけれど無慮10数年前に読んだ佐々木淳子さんの「那由多」を異世界からやって来た美少年の悪役キャラって被りもあって思い出してしまう。1読した時点でのいまいちなわかりにくさも「那由多」と同様で、けれども何度か読み返すうちにその深さが解って来たよーに、「夏至前夜祭」の意味も読み返して噛みしめればもっと解りもっと残酷なラストに感動できる、かもしれない。心にひっかかる1冊。

 暇じゃないけどこの僕が外す訳にはいかないと、ホテルオークラで開かれた「ホーホケキョとなりの山田くん」の製作発表会に潜り込む。やたらと大勢の人間を集めた前で徳間康快・徳間書店社長が気炎を上げるのは前作「もののけ姫」の時と同様。ただしあの時は配給収入で「60億円」と言って苦笑を誘ったのが、今回は「60億円、上限なし」と言って笑いはあったものの決して失笑と言ったニュアンスではなく、もしかしたらとゆー曖昧さすら薄い「まーやるかもな」ニュアンスをそこに込めた、親しのある笑いだったのが大きく違う。たった1本のヒットが印象をガラリと変えてしまう、これがソニー・コンピュータエンタテインメントの新社長が「無から生まれるビジネス」と言ってこれからの日本の中核産業になるんだと断言した、エンターテインメントの凄みだろーな。

 じゃあ本当に60億円を稼げる映画なのかとゆーと、個人的にはまだまだ不透明な部分が多すぎてはっきりと言えないし言いたくない。第1に「順調に遅れてます」のコピーがマジだった場合。某ガンなんとかみたいな事態だけは絶対にやらないと考えれば当然のことながら封切り延期って事態を取るだろーと予想がつく。今日の時点で高畑勲監督が会見の席にさ登壇できるって事が、修羅場ってないのか修羅場る前なのかどちらの段階にあるのかで大きく変わって来るから、ソコン所を確認したかったけどプロデューサーはつかまらず結局聞けず。しかしこれまでに白っぽい部分は出しても延期のなかったジブリが、ここまでガッチリと組まれたスケジュールを落とすとは思えないから多分大丈夫でしょー。

 第2にアニメの質自体の問題。前の製作発表会の時に見せられた、エンピツで描いた絵コンテのよーなキャラクターが、アニメになって線がユラユラと揺れながらちゃんと動いて表情まで持っているとゆー見かけは地味で内実奇跡のよーな絵は、今日魅せられたプロモーション映像でも基本は変わっておらず、むしろ水彩絵の具でペタペタと塗ったよーな淡いタッチの色がついてなおかつ同じよーに動き演技するとゆー、奇跡を3乗したかの如き内容になっていて、それがすべてデジタル上で制作されたと聞いておそらくアニメをやってる人たちや、CGをやってる人たちの大半がひっくりこけたんじゃなかろーか。

 ほのぼのとしたテンポとペーソスでいっぱいの内容は、いしいひさいちさんの原作の激しいテンポに激しいギャグとは対極を行ってるんだけど、それでもいしいひさいちらしいテイストが残っているとゆー、演出面脚本面でも奇跡のよーな作品に仕上がりそーな予感がする。それがウケるかとゆーと誰も見たことのない映像だけにやっぱり不安な気持ちは否めず、仮にもう少しして世にプロモーションフィルムが出回るよーになった時、プロなアニメの人たちと、ただのアニメが好きな人たちと、家族ドラマが好きな普通の映画ファンがそれぞれにどんな声を挙げるのかと今は注目を持って見ています。しかし本当に当たるのか。当たらなかったらこれで終わるぜ松竹は。

 いつも豪勢な記念品(実はこれ狙いってのが真相)では、プレスキットに入っていた「とりなしの山田くん」って小冊子がちょっと傑作。髭面で眼鏡をかけて背広じゃないサファリジャケットっぽい服を来た「スズキプロデューサー」がボロちいアパートへとなぐり込んで「記者会見ぐらいは出ろー」と叫ぶコマが表紙の1冊は、当然にしてあのスタジオジブリの映画になっても一切表舞台には出てこない、原作者に対する一般の不思議な感情を逆手にとったいしいひさいちらしいギャグになっている。鈴木さんは笑えないのかもしれないけれど。このままだったら完成披露記者会見にだって出て来そうもないし。

 お台場へと取材に出向き帰りがけに新橋のディスカウントでプレイステーション版の「VIRUS」を買って家にかえってプレイする。謎めいた評価した得られなかった同じ名前のゲームソフトとは無関係な、アニメ版の「VIRUS」を題材にしたカードバトルゲーム。盛り込まれたアニメのシーンはテレビの部分と新しく作ったっぽい新キャラの出る部分とがあって、ゲーム機での再生なんで動きこそぎこちないけど質自体はホッペ膨らみ顎とんがり目ぱっちりキャラがいっぱいで、かつ無意味にカッコ着けるポージングやら下からあおったアングルやらが満載とゆー大張テイスト炸裂の良い出来。ファンだったらそれだけを見るためにきっと買うし、そもそもファンだったらすでに買っているだろーと確信する。どーですそれなりの出来でしょ?

 音楽についてもアニメ版のサントラからの流用が大半。ゲーム性の善し悪しについては実はカードゲーム初心者なんで良く解らないけど、適当に切っていくだけでそれなりに勝ち進んでいけるってことは、それほどテクニックはいらないのかも。あのブレイイリザードだってアッサリ片づいてしまったし。それとも選んでいるのがノーマルモードだからって事もあるのかな。クリアした後でデータベースのコーナーに出現するるミニアニメの1つに涙、だってメロン胸のエリカに西瓜胸な新キャラが風呂から上がったその後で、ミレイが実に可愛く哀しい仕草表情をするんだもん。仕方がないよ若いんだからと行って慰めてあげたい。頬すり寄せながら。背中からジョウイチロウにケリを入れられる覚悟を持って。


【4月7日】 最新鋭のステルス機を何故にユーゴスラビア軍が落とすことができたのかを考えるうちに、そーかあれはストイコビッチがやったんだとゆー事に気付く。ってゆーかストイコビッチを中心にしたユーゴスラビア代表サッカーチームの面々&ミロシェビッチ大統領が。つまりは大統領官邸の奥底にしまい込まれている輝く金色のサッカーボールを大統領が取り出して、「いーわねいくわよ」と言って蹴る。それを例えば受け取ったユーゴビッチあたりが「ミヤさん!」と言ってミヤトビッチにつなぎミヤトビッチはそれを「ピクシーっ!」と言ってストイコビッチに渡す。

 受け取ったピクシー、「まかせてちょーよ」と嗤いながら妖精のよーなドリブル突破で空爆の網をかわしてステルスの真下まで突進。究極のラストパスを天才・サビチェビッチに出してこれをサビチェビッチがズドンと打ち上げステルス機はドカン、ってな実話を本当だったらもっと世界に喧伝してユーゴサッカーの実力を示したいんだろーけれど、こんな攻撃をバレたら今度はクロアチアがボバンやらスーケルやらプロシネツキを担ぎ出してユーゴ攻撃を始めるし、NATO軍でも急遽フランスからワールドカップの優勝メンバーを集めて似たよーな攻撃を始める、かもしれないから黙っているだけなんだろー。

 日本はほら海外派兵も問題以前にフォワード陣に決定力がないから参加させてもらえないけど、スーパーサブな森山だったらお隣の国に居るから呼ばれるなり浚われるなりしてレッドスターに移って、密かに前線に投入される可能性があるかも。あと世界的に評価の高い日本のゴールキーパー陣は、ステルス機に乗って飛んでくるイガイガなボールをキャッチする役割を任せてもらえるかも。「川口、楢崎相次ぎ渡欧、セリエA、プレミアリーグ、ブンデスリーガ入りか」なんて記事が乗ったら要注意だ諸君。

 インターネットよりFAXが素晴らしいなんてトンデモな企画がどーゆールートでか掲載された紙面にレジスタンスするべくインターネットは素晴らしい的記事を書きまくってページを埋めて企画を取り囲む。さていかな反応があるものやら。それはともかく横浜の日吉へといって嗚呼我が母校とは絶対的に無関係な学校の正門に若人が集う姿を羨ましいと思いつつ、てくてくと坂を降りてゲーム会社の偉い人に偉くなっちゃいましたねインタビューを敢行する。本当はやりたくなくっって別のもっと業界を俯瞰した仕事をしたかったとの由。叶わずしばらくは本業に奔走するよーだけど、何せバイタリティーが服を着て歩いている人だからきっとあちらこちらで相変わらずのテンションの高さを見せつけて戴けることでしょー。

 何故かたくさんおいてあるイレーヌ・メイヤーの絵とかミュシャのポスターとかを眺めつつ帰途。帰りがけにギンギラギンな装丁と、ポテトチップスかブラジャーのよーなタイトルに惹かれて買った、野村正樹さんて元サントリー広報部長で今はコンサルタントやらミステリー作家をやっている人の新作書き下ろし小説「5/8(はちぶんのご)」(マイストロ、1500円)を読む。半分でもなく4分の3でもない「ほどほど」さ加減を表す8分の5とゆーキーワードを軸に、ある食品会社の広報室員たちを巻き込んだリストラと殺人事件を描いたミステリー。だけど不穏な話題の割には肩の力が抜けた文体で描かれる、肩の力を抜いた登場人物たちの姿には、ユーモアさえ感じてクスクスと嗤いながら一気呵成に読んでしまった。

 経歴を読むと50はとうに超えている作者が何故に30代になったOLの心の揺れやら生活の雰囲気やらに詳しいのかは流石にサラリーマン経験者と納得してもいささか納得し足りない部分もあって、取材力を誉めたらいーのかそれとも別のリサーチ手法を使っているのかとご本人に聞いてみたい気分になる。事件の開かされた謎がこれまたばかばかしさの漂う、けれども説得力すら感じてしまう画期的なものでなるほど人は幸せの為なら何だってやるんだとゆー事を、改めて強く思い知らされる。読んで社会人OLなら損はない1冊。関係ないけど「イワシの煮付け定食」「アジのひらき定食」が出る社員食堂僕は好きだな。

 もう1冊は個人的には「吸血姫美夕」のシナリオで知っている早見裕司さんの久々の長編小説「世界線の上で一服」(プランニングハウス、800円)を読了。ジュニア小説家としてパッとせず「おとなの小説」を書いては出版社に持ち込んでも没が続いてヘノヘノになっている29歳の小説家のところに少女が現れ夢を現実に変えてしまう能力を持った怪人があらわれ夢がいーかい現実がいーでしょと鎬を削るドラマ。その中で小説家は道を選んで先へと1歩を踏み出していく。

 読むだに多分に早見さん本人の考えが盛り込まれたある意味私小説っぽさも感じる小説でかつ、ジュニアノベルの世界で活躍しつつも「いつかは文学賞を」なんて思っている作家の怨念願望その他諸々の感情を代弁する小説として注目を集める可能性は大。とはいえそーいった面で語られる以上に「振り向くな明日はきっとやってくる」的な前向きの意識を持たせてくれる小説としての味もあって、ダウな気分の時に読めば励まされることもありそー。しかし自分でやっておいて語尾を「ごめんねー」「ほんとーに」と伸ばす話し方(書き方)はダウな時だと鬱陶しいねー。


【4月6日】 今市子さんの新刊が出ていたんで買う。「五つの箱の物語」(雑草社、819円)ってタイトルだけが見えたけどビニールがかかっていて中身は不明。ファンタジーなのかホラーなのかとドキドキして開けたら別の意味でドキドキする内容で腰が抜ける。そりゃもーガクガクになるくらい。5つの箱を巡るエピソードを集めた表題作の例えば「落日」は天才ながら夭折した美形の画家と画商との心と体の交流を描いた物語。「君といつまでも休日」は何故か10数センチのサイズに知人でしまった少年を手に入れて喜び世話する少年の物語。表題作じゃない単独の作品「きみといつまでも」はバイトでやっていたバーテンダーを客として現れた青年が毎夜誘ううちにバーテンダーの心が青年に惹かれてしまう物語。説明無用だろーけど言えばここに絡んだ出演者たちはそろってみーんな男です。

 つまりはそんな話ばっかりがぎっしりとつまったそっち系の短編集ってことだけど、まー読んでキツいかってゆーとそーでもなく、はんなりと交わされる登場人物たちの心の揺れに納得できるだけの説得力があるから唐突感も違和感もそれほど感じないで読んで読み通すことができる、よーな気がする。後書きにあった担当さんが一番分かりにくい話とネームにケチつけた「雪の下の柩」って話が、個人的には1番面白かったってゆーか、読んでミステリーな要素と耽美な要素とエンディングでの落としが決まっているよーに感じたんだけど、言われてみれば母の敵に恋をするっぽい登場人物の愛憎入り交じったフクザツな感情に解りづらい部分もあるのかも。自分の中の要素を発見できる、かもしれないからまー読んで驚くなり脅えるなりしてみましょ。

 B2ポスター5枚プラス表紙の6枚セットになったポスターブックを4000円で買うかどーしよーか悩んでいるのは「週刊プレイボーイ」を読んだからだけど当該のポスターに写っているのが安達佑美だってのは内緒。それはさておき原宿にあるゲーム会社のキャラクター関連グッズの事業部に行っていろいろと情報を仕入れる。最近は等身大の詩織ちゃんなんて出してますますヤバげな方向に拍車がかかってんじゃないかと心配して(なんかいない、むしろ喜んで)いたんだけど、実体はお得意の音楽ゲームを小さくした携帯ゲームに注力していく考えとかで、とりあえずは「ビートマニア」の携帯ゲームの第2弾をブチ込んで、かつダンス物とかリズム物とかも投入して一気に市場に火を着けるとか。とはいえしっかりアニメ音楽の「ビーマニ」も出すってゆーからそっちな人へのケアも怠りないってゆーか。「タツノコビーマニ」「スパロボビーマニ」なんて欲しいぜ。

 「第四の母体」(スタンリー・ボティンジャー、高見浩訳、2700円)って本を読む。なるほど「臓器移植、妊娠中絶、連続猟奇殺人…。驚愕の生命倫理ミステリー」って帯の煽りに間違いはないけど、期待していたよーな科学の最先端をいく医学ミステリーかと思ったら大間違い。とゆーよりそんなミステリーな仕掛けなんてどーでもよくって、むしろ女性に固有の能力に対する男性の無理解を諌めなじるよーな主張のたっぷりと込められた、読み手によっては深い感嘆を覚え悔い改め、あるいはウンザリとするくらいの鬱陶しさを感じ、さらには新井素子さんの「チグフリ」と対極を成すよーな内容への別の意味での気色悪さを覚える作品に仕上がっている。著者の立場が見えないことと、導き出された事態が二律背反な面をはらんでいることが悩ましいけど、どっちにしたってどうしよーかと考えさせる意味はあるから良いのかも。傑作じゃないけど異色の書として記憶されるかな。

 本を読みながら町田へ。シグマが町田にある「ゲームファンタジア」の地下にあるフロアを改装して、車椅子の人でもゲーム機が遊べるよーにメダルゲーム機の下に挟む台を低くしたりビデオゲームでもお金じゃなくってメダルで遊べるよーにしたりといった配慮を加えたってんで実物を見物する。なるほどその意味では「バリアフリー」になっているけど、地下でわざわざエレベーターを使わなければ降りれないところをそーしたのか、って疑問を突き詰めるとつまりは全ての施設をマイノリティ向けに改装することで、マジョリティからの収益が減ってた挙げ句にマイノリティへの配慮も難しくなるとゆー、経済効率の問題が発生する為妥協点を探った結果なんだとゆーことが見えてくる。1歩進んだことを是とするか、1歩しか進んでないから否とするか、難しいけど現場で楽しげにゲームをする人たちの姿を見ると1歩の前進を是としても良いように思えてくる。もちろん次の1歩があることを期待しつつ今は進んだ1歩を評価しておこー。たれぱんだはとれなかったけど。


【4月5日】 向山貴彦さん著で宮山香里さん絵のファンタジー「童話物語」(幻冬舎、2000円)を読み終える。世間をひねて自分の殻へと閉じこもり周りのすべてが自分に敵対していると考えていた少女が、優しさと出会い理解と出会い友情と出会い自分を見つけて立ち直ってついでに世界も救う話、とゆー点でその物語自体に画期的ってーか目新しさはそれほど感じないとの最初の印象は、読み終えた今も大きくは変わらない。がしかし、描かれる物語世界の緻密さ重厚さ、そして積み重ねられる人々の感情の機微が長い物語にも関わらず読み手をつかんで離さず、哀しみを超え波瀾をくぐり抜けて感動のラストシーンへと連れていってくれる。酔っぱらってたせいもあっておじさん涙が止まりません。

 「誰だって、自分が思っているよりはすごい人間だよ」。とゆー主人公のペチカが旅の途中で出会った蒸気機関車の女性運転士から言われたセリフが、物語のテーマを表す言葉として解説の巽孝之さんと同様に1番ピッタリするなーと思えたのは、虐め抜かれたせいもあって自分に自信をなくしてオタオタとし、全身にハリネズミのよーなトゲトゲを立ててすべてを拒否していた主人公が、最後には大きく変わっているるとゆー物語において、大きな転換点になっているよーな気がしたから。翻って褒め上げ自信を持たせるよりも貶して自信を殺ぎ、叩き落としたその先で這いあがってくるだけの余地もあたえず、叩き抜き落としまくった挙げ句に麻痺した精神だけが残るのが今の世の中。それだけにいささか気色悪くっても予定調和であっても、真正面から誰にでもある可能性を高らかに肯定する物語は大きな意味と役割を持つ。まだ無垢な世代も、汚れ錆び剥がれ落ちた世代もとにかく読め。道が見える。

 GAGAで「カラー・オブ・ハート」を見る。テレビで放映されて人気の50年代だかの平和な街に住む平和な住民達の平和な暮らしを描いたモノクロの番組「プレザンドヴィル」が大好きな学校ではモテないってーかイケてない少年が、ひょんなことから学校でモテまくりなイケてる双子の妹ともども「プレザンドヴィル」の世界に送り込まれるとゆー一種のファンタジー。番組そのままにモノクロで、両親はあくまでも優しく家庭はあくまでも平穏で男女交際はプラトニック以下で性欲はなし、バスケットボールをやればボールはどう投げてもすべてゴールに入るとゆー、まさにテレビの舞台のよーな世界で2人は最初とまどうものの、イケてる妹は兄貴の心配もお構いなしに概念すらなかったセックスを「プレザンドヴィル」に持ち込む。その結果世界は最初は少し、やがて加速度的に変貌を遂げていく。

 テレビさながららに愛し合い理解しあっているよーに見えた(それが当たり前だと信じてたんだからね)夫婦に亀裂が入り不必要だった知識欲に住民が芽生えていく。そのプロセスをビジュアルが肝要の映画として見て解るよーに描いているのが面白い。それは藤原カムイさんの「COLOR MAIL」(エニックス、1800円)にも通じる描き方で、もらったプレスに書いてあるまんまを説明しても良いけれど、初見の吃驚感をいささかでも殺いじゃいけないと思いここではとりあえず黙っておく。映画評論家たちそこんとこバラしてもテーマを伝えるのか、全バレだったのに紹介記事では黙ってる人が結構いた「トゥルーマンショー」と同様一切を沈黙するか、どっちが多いのかこれから出てくる記事がちょっと楽しみ。

 とりあえず言うは易しなその表現を、実際に全編でやってしまったエフェクト陣の頑張りに拍手。物語の方は、大きく変わったとは言え未だ古き良き時代の名残があって人々は自己主張はするものの「愉快に」生きる価値観を失っていない世界をもって、良しとしてしまった結論部分に中途半端感が残って仕方がない。変化の行き着く果てが何でもありな現代だとすれば、変化した以上は「プレザンドヴィル」もいずれは同じ世界へと辿り着く。けれども映画だと、すべてがイケイケな現実ではなく、かといってガチガチの過去でもない、お互いの良い所を採り入れていこーってな主張があって、そこに中途半端さを感じるんだよね。

 ガチガチにイケイケが交じって理想の世界へと変わった「プレザンドヴィル」のよーに、イケイケな今の社会に昔ながらのガチガチを若干なりとも混ぜ込んで、現実の社会を変えるのはちょっと無理な話。とは言え女性には奥手で(ってもちゃっかり声はかけてたりするのがオープンなアメリカ風でちょっと悔しい日本人)、テレビばかりに耽溺しているオタク兄ちゃんが、他人の心をくみ取れるよーに「変化」する物語って部分に映画の主題を見て取れば、イライラしてたっぽかった主人公がラストシーンで大きく成長を遂げてるストーリーは実にピッタリ。イケイケでもガチガチでも極端な人間に中庸を学ばせる映画として見せましょー。

 「ゲーム批評」の5月号。「ファイナルファンタジー8」についての批評はプレイしていない自分には是とも非とも判断はつかないけれど、携帯ゲーム機特集での「FF8」みたいな人と金と時間をかけた超大作へのアンチとしての携帯型ゲーム機の隆盛といった視点には気分として同感。後は今の携帯型ゲーム機向けソフトに主流なスケールダウンばかりじゃなくって、携帯型ゲームのアイディアがキャラと結びついて高性能家庭用ゲーム機へと発展していくパターンが出るのが、どちらがではなくどちらも栄える道筋になるんだろー。けど128ビット「GUNPEY」はちょっぴし見たくないかも。まあ考えないだろーけど、「64テトリス」みたいには。

 しかし何だろーセガ・エンタープライゼスの入交昭一郎社長が斉藤由多加さんの質問状に誌上で解答を寄せている。「次世代プレイステーション」の登場にも臆することなく、インストール・ベースの拡大が前提とは言え現実に高い性能のプラットフォームを提供しているのはウチだけだから作ってね、ってな当たり前っぷりばかりが目立つ答えだけど、わざわざ1クリエーターの質問に大会社の大社長が自ら答えたってことで、感嘆する人も大勢いるのかも。客よりお花見が好きな会社の人とかさ。

 どマイナーな新聞社が去年の末頃から散々っぱらインタビューを広報を通してお願いしているにも関わらず今に至るまで梨の礫だったりする一方で、それなりの名前が通った既にDC向けにタイトル開発を表明しているクリエーターの質問に分かり切った内容の解答を出して安心せよと言い、同じグループに属するメディアのインタビューに出てハードの可能性を強く訴え、明日には広井王子さんのインターネット番組にゲスト出演までして自分の考えを語りまくる。傍目には親派とも見えるルートでのみ発言を行い、ネガティブな要素から極力その身を避けよーとするそのスタンスも、「DCを普及させること」のみを至上の命題と位置づけている企業家としては、当然の行動だと好意的にとらえて差し上げるのが、資本主義社会に生きる身として正しいのかも。ゲキレイのメール、出しちゃおかな。


【4月4日】 DVDプレーヤーの粉砕で未見のまま溜まっていた「機動戦艦ナデシコ」のDVDを第4巻から最終の第7巻まで一気に見る。放映時にはそのハシャギぶりに半ば湯気ポッポさせて見ていた記憶もあるけれど、放映が終わり一段落が付いてこれまた過剰すぎる物語&蛇足的な物語だった映画も公開されて半年以上が経過して、ようやくにして気持ちが落ちつき冷静になって見られるよーになった感じで、その文化祭盆踊りフリーマッケット的なハシャギぶりを堪能しつつ、描かれている実はとてつもなくシリアスな要素を、「ゲキガンガー3」が語っている様々な暗喩も含めて咀嚼して、あーそーかーいー作品だったんだー、ってな結論へと至る。

 複雑怪奇な人間関係も「結局女性はアキトが好き」で集約すればウラヤましいけど解りやすい。つまりは頑張る男の子は好かれるって事で、頑張らない勇気を出さない前を向かずに逃げてばっかな我が人生のポリシーが、何故に世間(とりわけ女性陣)に受け入れられないかが解ってそれはそれでちょっと哀しい。とはいえこれでも少しは人間らしい心が残っているのか、はたまた単に酒かっくらいながら見てたからなのか、イネスさんことアイちゃんが20年を経てよーやくアキトお兄ちゃんと対峙するシーンで目頭を熱くする。単なる泣き上戸だけなのかも。女性陣ではちなみにエリナ・キンジョウ・ウォンが好みだった事がようやくにして判明、理不尽に威張ってて悪役っぽいけどどこかカワイさの感じられるタイプが好みなのか。「Z」でもハマーン様がツボだったしなー。

 その「Z」にも絡んだ「機動戦士ガンダム」のイベントが東京ビッグサイトで開催中だったので取材で行く。午前の9時からとゆー開場に間に合うよー午前の8時半に到着するとはや開場にはビッグサイト前の広場を抜けて国際展示場駅へと続く階段付近にまで長蛇の列が出来ていて、未だ衰えない、とゆーより年を追うごとに広がりつつある「ガンダム」への人気にちょっと驚く。だって行列に並んでいる人にどー見たって今の若いガンダムファンに絶賛を持って迎えられている「Gガンダム」ですら見ていなかったよーな、小さい子供たちが交じってるんだぜ、一体どこでどーやって「ガンダム」を知ったのやら。ファーストなのかSDなのかGなのか、それともお姉さま方に人気のWなのか、どのガンダムが小さい子供たちのツボなのかを考えると、次の展開が発展へと繋がる道筋が見えて来るよーな気が、しない?

 したがって実のところ原点回帰っぽい雰囲気があり、ファーストでハマった30代のプロデューサー連によって作られてる「逆A」に、個人的な嬉しさは別に商業的な恐さも感じてみたり。まあ10代後半から20代から30代のコアだけ固めれば、狭い世間(つまりはアニメを見ている人たち)ではすっげー評判になってるよーな気がして成功だと勘違い出来るんだろーけど、今回パートナーに選んだフジテレビジョンってのは10%程度の視聴率で満足するよーな甘い局じゃない。

 意欲ばかりが空回りして数字がとれず挙げ句にファースト或いは「イデオン」な端折られかたをしないんじゃないかと、心配もするけれどだからといってガキに媚びた作品を出されるとファーストのハメられたオジサンとしても困る訳で、そのあたりを上手にこなしながら予定していた話をキッチリ、決めて頂きたいと強く願う。まー富野由悠季さんあれで作品だけは壊さず降板もしないから、まとめてはくれると信じてるけど。

 イベントの方はプレスで入ったんで物販で何が売られていたのかは不明。どーやら限定品のプラモデルらしかったけど、お兄さんたちが箱を5つも6つも袋に入れて、中には段ボールごと買い占めていく人もいて(プロか? 故売屋か?)、そのあまりの混雑ぶりに1時間が経っても外には同じだけの行列が出来ててブースとか展示イベントだけ見たい人には結構大変だったかも。入り口分ける訳にもいかんかったんかなー。

 とはいえブースもコスパのガンダム関連Tシャツに、企画をパクったのかどこかダサめのテイストがキャッチィな(シロイヤツってカタカナで書いてあるんだもんあ)バンダイのTシャツとかが売られていたけど恥ずかしいから買わない。展示の方では全プラモデルを一気に並べたり、実寸代のガンダムの手とアムロの人形、再現されたザクのコクピットを飾ったりとあって、ファンなら楽しめた、かもしれない。舞台では「G」が上映されててキマリなシーンで若いファンから拍手がパチパチ起こるのを聞き、世代のギャップを深く感じる。「逆A」やっぱり大丈夫かなー。

 そのまま会場を出て電車を乗り継ぎ今度は幕張メッセへ。4月4日が実は「ヨーヨーの日」だってことは周知の事実じゃないけれど、バンダイの言によればそーゆー事らしくこの日を記念しての「ハイパーヨーヨー」の全国大会が開催されるとかで、いそいそを会場に乗り込む。去年あたりまでだったら、すでにして駅を降りた時点でヨーヨーを両手でブン回している子供が大勢いたけれど、不思議と駅前に1人のスピナーも姿も見えず、これはブームも完全に死んだかと思い会場に入ると、意外やそれなりの人数がいて結構な賑わいを見せていて、ブームは去ったけどホビーとして一応の定着は見たみたい。「たまごっち」の2の舞は避けたいと願うバンダイも、今日を見てまずは一安心っと言った所だったかも。

 この日は実は「アクティブトイ」ってカテゴリーの玩具が一同に介するイベントでもあって、「ハイパーヨーヨー」の他に物理学者もお好きな「ジターリング」にナイナイが火を着けた、訳じゃないけど密かに大道芸で流行ってる中国独楽の現代版「ハイオアーディアブロ」の認定会やら大会も実施中。さすがいジターは少なかったけど、ディアブロの方が小さい女の子がヒュンヒュンと回してトリックも決める姿を見て、あるいは流行るかもとの期待を抱く。「ハイパーヨーヨー」でも女の子スピナーの姿が結構目立っていたし、性別を超えて遊べるホビーとしてうまくプロモートできれば、まだまだマーケットは広げられるのかもしんない。しかし上手かったよなー女の子、ひょっとしてプロ?

 しかし訳解らない「アクティブトイ」も多数。笑っちゃいけない「ジャンピングロープ」は言うまでもなく縄跳びで、こっちはセガ・トイズの方が「ナワトビート」とかって脱力系の商品名ですでに発売してたりするけれど、負けじと送り出している以上はあるいは世間に「縄跳び」の愛好家が増えて来ているのかも。昨日見た「神風怪盗ジャンヌ」でもまろんが新体操のトレーニングで夜に縄跳びしてたしなー。情報求む。あと投げると近所をグルグルと回って絶対に手元に帰ってくるYの字の形をしたブーメランなんかがちょっと面白そー。いかにもアメリカンな外国人が投げてトリック決めてたし、紀行が良くなったらやってる人が増えて来るかも。今から練習しとくか。

 謎系のオモチャが「フィンガーボード」。何って言われれば端的に「ミニチュアのスケボー」と答えるのが正しいけれど、「それで何するの」と聞かれるとちょっと答えが難しい。一応はちゃんと山を越えたりアーチになった場所を行ったり来たりして遊ぶだけど、何しろ「フィンガーボード」って言うくらいだだから、操作するのは上に載った人間じゃなくってボードを抑えている2本の指。これでもってボードを滑らせ坂道を上って谷を越えて再び坂道を降りるプレイをやってみたり、アーチを上って上で向きを変えて今度はアーチをすべり降りるプレイをやってみても、見ている分には迫力の一切も感じられずただの児戯にしか見えない。

 そこは一応ジャーナリストの端くれとして、試してみるべーと1つを1500円で買って帰って遊んでみると、まずはその作りの細かさにちょっと吃驚。まるで本物をそのまま小さくした形に滑り具合(っても本物触ったことないんだけど)があり、上に2本の指を両脚よろしく載せてそのあたりをすーっと滑らせてから、段差を越えてみよーとするとこれが全然持ち上がらない。デモだとちゃんと載せていたからやればやれるんだろー、ってことでしばらくはご近所を持ち歩いて平たい場所があれば指の下でスケボーを滑らせ練習に励む、おっさんの姿が記者会見場なんかで見られることでしょーから、嗤わないで下さい同業者の人たちは。

 おっとノーチェックだったぜアニメ版「To Heart」が千葉テレビの日曜深夜12時半から放映とは。たまたま偶然テレビをつけてて千葉テレビお得意の再放送にしてはキャラの表情美術設定で結構立派なクオリティのアニメがやっててこれは一体何だ? と眺めていたらどこかで見たことのあるあのキャラが。真っ赤な髪をしたこれは有名な神岸あかりちゃんじゃーないですか。幼なじみが高校生になってからも付かず離れずの関係で、どっちかと言えばあかりの方が浩之に想いを寄せてて席替えがあって初めて隣同士の席になって、でも発展するとか言ったことはなくとりあえずは平凡平穏な学園生活が進んでいく、他愛のなさでは「センチメンタル・ジャーニー」にも劣らない恋愛学園ドラマに仕上がっている。

 ドタバタもなければジタバタもない、盛り上がりって言葉の対極を行くよーなドラマはけれども夜中のノベーッと見ていると、なかなかにあの甘くも酸っぱくもなかったけど甘くありたかったし酸っぱくありたかった学生時代を思い出して後悔やら慚愧の念がムクムクと起こって来て、それなりにツボにハマる。とにかく絵が丁寧なのが今んところは良い。実はプレイしたことのない原作のゲームと一体どーゆー関係にあるのかは知らないし、おそらくは原作ファンから非難も結構出るとは想うけど、ゲームやったことなくキャラにも萌えてない身としては、今んところ破綻も損壊もなくありきたりの学園生活をはんなりをちょっぴりチリチリとした雰囲気も感じさせつつ描いたアニメは支持できる、このアニメが「To Heart」である必要があるか否かは棚上げにして。オープニングの中司雅美さんエンディングのSPYの歌がグッド。関西弁だけど暗めで髪ひっつめな委員長に個人的には注目。マルチはちゃんと出るのかな?


【4月3日】 独りっきりのフライデーナイトは「千年王国3銃士ヴァニーナイツ」でキマリ! って言っちゃって良いーんですか良いーんです×10。「仮面天使ロゼッタ」が火を着けた、とはとても言えないけれど関心だけは引き寄せた深夜実写美少女被りモノ特撮ドラマに、いきなりもって登場した真打ちこそが「千年王国3銃士ヴァニーナイツ」なのだよ諸君。アニメのゲームをやってた主人公の男の子。翌日勤めていた会社をクビになってボーゼンとして家に帰ると、そこには朝の通勤途中で、衝撃のぶつかりを演じた(当然ながらトランクからこぼれたウサギちゃんパンツを握りしめるシーン有り)女の子が、お手伝いさんよろしく食事を作って待っている。

 何だと解らないまま妹から外に呼び出されて行くと、そこでラッキィ池田演じる(動きと喋りが安っぽくってこれまた深夜風)怪人に襲われ危機一髪、のところに颯爽と登場したのが我らが「ヴァニーナイツ」ちゃんたちだ。どうだい参ったろう? 説明も何もないままに襲われた男の子を説明も何もないままに助ける3人娘。全然CGに凝ってなくってエロさも「サイバー美少女テロメア」にすら及ばない変身シーンを経て、仮面を被った3人娘が足を振り上げ足を振り回して見えるのもお構いなく、逆に見せてやるわと言わんばかりのサービスシーン満載なアクションを演じてくれて、真夜中に官能の血がたぎる。

 とりわけ必殺技、らしー「ヴァニーイクスプロージョン」のシーンは必見! だって真正面を向いて飛んで来るヴァニーナイツの白い股間がまる見えだもん嗚呼大笑い。ちなみに演じているのはイベントなんかでコナミからポスターをもらった記憶のある栗林みえちゃんで、聞くと変身語も”原則的”には本人が演じているとゆーからこの必殺技はどっちだろーと考えて、もしかしたらと欲情するもあるいはと萎縮する、フクザツな気持ちに視聴者を観賞後にどっぷりと浸らせれる、ある意味とーっても哲学的なドラマに仕上がっている。そのあたりはマスクだけ外した格好でアクションを演じるシーンもあるそーなんで、追々確かめていくことにしよー。

 なんだか謎のありそーな襲われて栗林みえちゃんら3人の「ヴァニーナイツ」プラス妹と1軒屋に同居することになったシアワセな男の子を演じるえっと渡辺慶クン? が尊大っぽさも嫌味っ気もない中居クンみたいで結構役柄ハマってます。説明も何もないまま男の子を襲う怪人のおそらくは視点をそのままモニターしている女性が見ているのが、あのスケルトンなアップルの液晶モニターだったりしているのがちょっとヘン。怪人だってアップル使いたいのかしら。エンディングだけが無駄にも林原めぐみってのはどーゆー訳だ。

 川原由美子さんの「観用少女 第4巻」(朝日ソノラマ、760円)を買う。可愛くって自分だけを慕ってくれる女の子が登場するストーリーを、読む度に妄想ドップリなモードへと浸らせてくれる貴重な漫画の久々の登場に午後の一時をムモムモと胸もやけさせながら有意義に過ごす。今までのヘンな兄ちゃんが売ってた観用少女とはちょっと違って水槽の中でマリモよろしく育てる「珊瑚」って名前を付けた少女のエピソードのエンディングが面白いやらおかしいやら。「ジュッ」って音たてて目の前で縮んで床にへばりついた「珊瑚」の様をさて、目の当たりにしてそれでも「そだてよー」と思えたら貴方も立派な妄想家。もちろん僕はそーでしたけどね。

 4番目の「メランコリィの花冠」はちょっぴり意味深なエピソード。「甘美な憂鬱」を知った少女がなるものそれは? ってところが残酷な現実とシワシワな未来を想起させてなんか寂しい。でもまーいっか目先はしばらくは美人なんだし、ってことですぐさま立ち直るあたしゃ結局どれでもいーって事なんすね、幼児少女年増を問わず美人なら。「前略 ミルクハウス」の頃くらいからしか知らないけれど川原さん、それでもますます絵の巧さに磨きがかかって、登場人物たちの表情や動作を描いた1コマ1コマの、全てに丁寧な仕事がしてあり1ページたりとも気が抜けない。とりわけプランツの少女たちの仕草表情の無垢さといったら、単に可愛く描けば良いってんじゃないってくらいに絵からにじみ出ていて引きずり込まれる。第1巻から読み返したくなったけど、さてどこに埋まっていたかなー。

 珍しく立ち寄った近所の古本屋の店頭のワゴンに100円均一で早川SF文庫の白背がドンと出ていたのでまとめ買いする。エドモンド・ハミルトンの「キャプテン・フューチャー」シリーズが途中抜けての7冊に、レイ・カミングスの「宇宙の果てを超えて」「時間を征服した男」「月面の盗賊」、ヴァン・ヴォクト「宇宙嵐のかなた」、A・メリット「蜃気楼の戦士」、ジェリイ・ソール「異次元への冒険」、マレイ・ラインスター「青い世界の怪物」、キース・ローマー「突撃!かぶと虫部隊」、ジョン・ボイド「最後の地球船」、クリス・ネヴィル「ベティアンよ帰れ」、フレッド・セイバーゲーゲン「バーサーカー皆殺し軍団」(初版なんで表紙がカールビンソンしてないの)、そしてこれは有名ポール・アンダースン「天翔ける十字軍」。ほかが大体スペオペってる表紙の中で、深井国さんの表紙は今見てもホントに美しく素晴らしい。

 SFオンライン方面でも話題のジュブナイルとして「キャプテン・フューチャー」シリーズはどれかを読んだ記憶があるし、「ベティアンよ帰れ」もどこだったかなー確かジュブナイルの単行本だか短編集だかに入っていた記憶があるけれど、その時のタイトルも体裁も忘れてしまっていて思い出せない。思い出せるのはこのあたりの本って、自分が本屋通いをせっせとし始めた中学生の頃にはちゃんと、店頭にどれも並んでいた本ばっかりなんだよなーって事。手に取りそれでも買わずにおいたら今じゃーほとんどが無くなっていて、これが文化を経済のせめぎ合いかと改めて嘆息することしきり。とはいえ古本屋で見たほとんどが初版ってあたりにきっと、近所の熱狂的SF(あるいはスペオペ)野郎が売ったもんとのアタリをつけるがさてはて如何に。半分は気の迷いで買ったんだけど価格的に妥当だったか否かはまー100円なんて関係なし。ペラい奴ばっかりなんでお風呂のお供にでもして春につらつらと読みませう。


【4月2日】 「VIRUS」のカードバトルゲームは8日発売に延期らしーからちょっと安心、でも8日に改めて行った店頭に皆無だったらショックはデカいかも。アニメ部分にちゃんと色ついてるのかなー、中抜けしてないかなー、絵とセリフあってるかなー。ちゃんと当たり前だけど感性しえいたのがサンライズが贈る「ベターマン」。いきなりの大量死に地下世界を蠢く謎の怪物、そしてラストに登場した人か、化け物か未だ判然としないベターマンラミアの活躍と、第1話を終わって次回への期待を煽られる。まるで「ガオガイガー」なキャラと動きのテイストでホラーっぽい物語をやられてもって違和感がちょっぴりあるけれど、コスプレム難しそーな髪型色の彩火乃紀ちゃんのハードな魅力と、喋りが拙く大人心をソソされる紗孔羅ちゃんのどちらもオッケーなんで気にしません。しかし何故にビスタサイズ?

 たまには真面目な本も読む。北海道新聞の記者たちが書いた「拓銀はなぜ消滅したか」(北海道新聞社編、北海道新聞社、1500円)は1つの都市銀行が何故に消滅してしまったたのかを遠因近因から分析し、かつ消滅へのカウントダウンを関係者の動きから綿密に描き出してよくぞここまで調べたとの感嘆を覚える。って実んところ拓銀がヤバい道を突っ走ってた当時に日銀の記者クラブで金融を担当してた身として誉めてばっかりもいられないんだけどね、我が身の不甲斐なさを嘆く方が先だんだよね。まあそれはともかく1つの銀行がどうやったら死ぬかを知るケーススタディとしては最適な本、かつ1つの銀行が死ぬ時にどんな人や金の動きがあるのかってな勘所かを知って取材に役立てる手引き書としても一級品。僕はもー金融なんて担当したくもないけれど、経済記者を死亡する人は買って読め。

 チョコレートは義理でもらっても未だ本だけはプレゼントされた事のない「サン・ジョルディの日」が近づいて、たぶん本屋さんあたりで作ってる「サン・ジョルディの日」実行委員会ってのが送って来たリリースを読んでSF的に喜ぶ。だってプ心が揺れた本のトップがSFの金字塔たる「アルジャーノンに花束を」だぜ、これでSFが死にかけてるなんて誰が言える? とか思ってリストを下までずっと読んでもいわゆるSFとして考えられる作品は頑張って拡大解釈をして食事時にもコーラを飲むとゆーSFの神の許しを乞うた上で挙げて20位の「モモ」までない。さらに下がれば42位の「ループ」に67位の「リング」くらいしか100位以内に入っていない。112位によーやく「夏への扉」が入ってるけど、これとてSFの代表作だっていうにはいささか感傷的だもんなー。

 とはいえ安心するなよミステリー。10位以内はおろか30位以内ですら堂々とミステリーだって言える作品なんか入っちゃおらず、下がって42位に宮部みゆきさんの「火車」、60位に赤川次郎さんの「ふたり」(これはどっちかってーとSFっぽい方かな)、71位に松本清張さんの「砂の器」、88位に高村薫さんの「レディ・ジョーカー」が入っている程度。100位以下でも106位に桐野夏生さんお「OUT」が入っている程度。いわゆる新本格な人たちなんて島田荘司さんですら入ってない。まー「心が揺れた」って定義から言えば単なる人気投票とは違ってどこかに「カンドー」が入ってないと上手くなく、その点「カンドー」の質が「すっげー」と等しいミステリーだと選ばれにくいって点は否めないかも。とはいえ島田さんの作品でレオナとの関係を描いた「水晶のピラミッド」とか「アトポス」とかから得られる感動は結構なもので、それでも選ばれないってあたりにSFにしろミステリーにしろいまいちメジャーとなりきれない遠因が隠れているのかも。浅田次郎った泣かせたっぷりなSForミステリー、出ればランクインも可能かな。読んで多分さぶいぼ立つけど。

 「怪物くん」を原初と讃えるのは無理があるからやっぱり「ポケットモンスター」を最初に数えて2番煎じの「デジタルモンスター」がまずまずの人気を獲得しつつあるアニメ業界に、神をも恐れぬ3番煎が登場。その名も「モンスターファーム」は80万本を売り上げたテクモの人気ゲーム「モンスターファーム」を題材にしたアニメーションって事だけど、少年が異世界へと飛ばされそこで出会ったモンスターと一緒に度をして悪と倒すって展開はまるで先行して始まった「デジタルモンスター」と一緒。少年少女がモンスターを連れて歩くのは3作共通で、ゲームをやりまくってる子供はともかく初見な大人だったらきっとこれっていったいどのアニメのキャラ&モンスターなのか、解らなくなりそーな気がしないでもない。

 手堅くヒット作を出す東京ムービー新社にしては何故にこーもバッティングする企画でやっちゃったのかってのが疑問の1つ。CDをかけるとモンスターが飛び出す基本設定を踏まえてオリジナルなストーリーにするなら、例えば時を文明が滅びた近未来としてそこを旅する少年少女が廃墟から見つけた銀色のディスクからかつてないモンスターが登場し、危機に瀕している人間たちに圧政を強いる権力者と戦うってなまー類型的だけど異世界スリップの共通項からは外れる展開だってあったのに。見つけたCDが美空ひばりだったら強いモンスターが生まれるとか、主人公の少年の声を当ててる人にちなんで「恋愛の才能」あるいは「激 帝国華劇団」だったら最強のモンスターが登場するとかってのは、アニメじゃ無理なんでファンジンか何かでやって下さい。

 ともあれ明日3日からスタートって割には実は制作が間にあってなかったのか去年の11月に企画を立ち挙げたスロースタート故の計算づくの事なのか、放映される第1回は半分メイキングでゲームやらキャラの紹介ってな感じの言ってしまえば拡大予告編みたいな位置づけになるそーな。とりあえずは声がズレてたりお好みが減らなかったり歩いても肩が揺れなかったりモンスターが1色ベタ塗りって自体にはなってないみたいなんで、映画館で「ガンドレス」見逃した腹いせにテレビで「ガンドレス」の再来を、ってな期待をして見ても無駄ですよ。もちろん本放映が始まって以降に起こらないって保証はないけどね。

 声優さんは先ほど告知したよーに主人公の男の子、ゲンキくんを担当するのは横山智佐さんでゲンキくんが扱う桜餅みたいなそのなも「モッチー」ってなモンスターの声は白鳥由里さん。2人並んでのご登場では相変わらずのスリムな肢体と目パチリな美しいお顔の横山さんにしばし釘付け。記者会見中に何度か目があった(よーな気がした)けど、その度におじさん心臓がバクバクと音をたてて胸の中を跳ね回ります。「モンスターファーム」で1番くらいに知られたモンスターの「スエゾー」も重要な役所で登場の予定、で声は高木渉さんなんだけど関西弁を喋るんで千葉県出身な高木さんにはまだまだ勉強の余地があるそーな。とはいっても第1話のダイジェストを見た限りでは非ネイティブには違和感のカケラもなかった辺りに、声優さんってーか役者さんの凄みをちょっと覚えたり。

 「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が受賞したらしーコンピュータエンタテインメント協会(CESA)が策定する「CESA大賞」の授賞式はブッチしてひたすら横山さんの肢体を愛で、「モンスターは友達。無理強いして戦わせるんなんてことはしたくねー」ってな主旨のプロデューサー連からの他のモンスター物アニメとは違ってる点なんかを聞いてから帰社。もらった中から「モッチー」の姿にちなんだらしー桜餅を頬張り適当に原稿など仕上げて家へと帰り見たは新番組の第2弾ってことになるのか「ゴクドーくん漫遊記」。いきなりなゴクドーくんの女の子モードいトキメいたりするおじさんはは既に作品の虜。案の定な(庵野定、とも言う)終わり方をした「彼氏、彼女の事情」をほとんど見なかった金曜日夕方だったけど、これは頑張って見てもいーかな。あとは逆Aがどれだけビデオ撮りしてまで見たいってな価値を持っているかでビデオデッキの追加購入を考えよー。


【4月1日】 向山貴彦って人が文章を書いて宮山香里って人が絵をつけているファンタジーらしき本「童話物語」(幻冬舎、2000円)を読み始める。いわゆる架空の国を舞台にしたファンタジーって事で難しい言い回しも物語もなく、虐げられても自立していた女の子が心を溶かして幸せっぽくなりそーな展開の中に、言い伝えの世界の最後に現れるとゆー妖精が絡み、好きだから虐めたっぽい男の子の慚愧と謝罪の行脚が入りといったストーリーはいたって読みやすい。生き抜くためには子猫だって見捨てる筋金入った主人公の女の子の行動を、最初は仰天し残酷と思い目を背けながら読んでいたけど、そうした反発心が激しかった分、周囲に理解してくれる大人が現れ心を開く、みたいな展開が暖かく明るく感じられ、そのあたり若いのに上手いなーと感嘆する。

 巽孝之さんの超絶誉めっぷりを是とするか非とするかは趣味の問題だから個人的には判断保留。言うよーに「21世紀の新しい童話」になりえるのかも、展開やら小道具やらに圧倒的な目新しさをよく覚えられなかったし、展開もまだ理解の範疇だったりするため20世紀の童話の結実した姿としか今はまだ見られない。最後まで読んで目が開くかどーかってところで判断はまー明日の夕方には読了って雰囲気だからその時に。それにしても「童話」の「物語」なんてなんだか奥深くひねくれていそーなタイトル。このタイトルがじゃー本編の構成に絡むかも未定だけど、頭脳明晰で巽さんすら感嘆する脅威の新人ってことだから、何かをきっと考えて付けたタイトルだろーと信じたい、けどさてはて如何に。

 秋葉原をうろちょろ。「ときめきメモリアル」のドラマっぽいゲームの第3弾「旅立ちの詩」があちらこちらのショップで発売されていたけれどどの店でも上条恒彦が「さーいま、ぎんがーの向むこーに」って唄ってなかったのは当然と言えば当然か。意味不明な人はお父さんに聞いて下さい。それはどうでもプレイステーション版は山と見るのにセガサターン版がなかなか見えず、何軒か探してよーやく発見したよ、ニッポンの卒業証書入れと同じっぽいパッケージに入った、藤崎詩織の巨大ポスターも付いた初回限定パッケージを。今さらこれだけの豪華なバージョンにしないとサターン版は売れないのか否かは不明。ショップにそれほど入ってないのが売れたからなのか売れないため入荷を手控えたのかも不明です。

 どちらにしてもギャルゲー命とか言いながら「ときメモ」関係の商品は、あらゆるバージョン及び関連製品を含めて1つも持ってない身としては例え今世紀末に割いた徒花「セガサターン」の末期を超えた死に際に見る走馬燈のよーなタイトルと言えども、欲求が起きずまーこんなもんかとブツを確認した上で見逃す。とはいえ何故か手元にはサンプルの「旅立ちの詩」が。恥ずかしい言葉で言えば「ときめも童貞」な人間をして、触っても良い「ときメモ」の世界への理解を壊さない商品なのかどーなのか、このシリーズをこよなく愛する方々の意見が出そろうを待って久々に「PS」を稼働させてみたいと思う。

 とまで書いて思い出したのが実は見てたんだっってこと、あの幻影が蜃気楼な映画「ときめきメモリアル」を。でもコナミですらOVAの「ときめきメモリアル」を初映像化ってな感じで宣伝したいっぽい雰囲気があってつまりは映画の存在を抹殺したいっぽい意向が感じられるから、「マクロス2」とかみたく歴史から消されて存在しないって事になっているのかもしれず、だとしたら言葉としての「ときメモ処女」はあながち間違いではないのかも。見始めは流石にのけぞってもラストではまーそれなりにスッキリとした映画だったよーな記憶もあるから、超絶酷い映画じゃなかったよーに思うんだけどなー。まーあの塗り絵アニメを見た後だからどんな映画も素晴らしく思えちゃうんだろーけど。

 秋葉原だとやっぱり人気は「サガ・フロンティア」みたいでレジ前に並ぶ人のほとんどが手に持っていた感じ。探したのはそれでも「ときメモ」でもなくってアニメ「VIRUS」を題材にしたカードバトルだったんだけど、確か1日発売だったと聞いていたのにどこのショップのどの場所にも、終ぞパッケージを見かけなかった。単に発売日間違いならいーけれど、新作がすべて店頭に並ぶ訳じゃないって事が、現実にあるって事が解り全盛期なれども末期へと来ているPSビジネスの負の一端、つまりはソフト数が多いが故にマイナーとらく印を押されたらショップにすら見向きもされないって事を初めて我が身の事として理解する。本当に今日が発売日だったのかなー。

 いつものお店で「機動戦艦ナデシコ」のDVDの第6巻と第7巻をゲットしておれで全巻が揃う。店頭だと中古のLDの全巻セットが18000円で売ってたりして(ちなみに「少女革命ウテナ」のLD全巻揃いは巻数も違うけど3万円。どっちにしても結構お買い得な気がしないでもない)昔だったらそっちに惹かれたかもしれないけれど、こうも部屋の中が狭く苦しくなると少しでもパッケージの容量を減らしたいとの思いがあって、高くてもDVDへと手を伸ばしてしまうよーになった。音とか画質以上にやっぱり日本人には小さいのがラッキーって事の方がセールスポイントになると思うぞ。

 バンダイビジュアルの「メモリーズ」とか「パトレイバー」とかで使ってるLDサイズジャケット入りのDVDはとおバカな製品として未来に語り継がれそーな気がするからそれなりの価値は認めるけれど、大判のプラケースすら置場所探しに窮する現状で、CDサイズを続けているキングレコードとパイオニアLDCのスタンスは有り難い。大判ケースへと転ぶ会社が多いし海外でもDVDは圧倒的に大判ケースだったからそっちが世界スタンダードだろーとの察しは付くけど、日本人には日本人のサイズと主張があってよい。だから転ぶなよキングにパイオニアLDC。バンダイビジュアルにも回帰を促す。


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