縮刷版98年12月上旬号


【12月10日】 「変身サイボーグ」問題はニフティの原えりすん主催によるパティオで反論が始まり舌戦が繰り返されているので関心あればそっちを御覧あれ。入り方と関連のログはコメディフォーラムの「おたくアミーゴス」に書いてありますぅ、ってことはさておき「E.G.コンバット2nd」(原作・イラスト・☆よしみる、著・秋山瑞人、610円)を明け方までかかって読了。いやもう面白い、って言葉も足りないくらいの面白さで電撃にしては結構厚めの物語を最後まで一気に連れていってくれる。

 優秀な成績で月の学校を出て地球に配属された女性仕官が戦果を残してけれども学校時代からのライバルの策謀で月へと戻され訓練学校の教官となって落ちこぼれ舞台を鍛え上げ、その隠れた能力を引き出してすっげー成績を収めたところまでが確か第1巻。第2巻ではその教官ことルノア・キササゲ大尉にぞっこんとゆー落ちこぼれ部隊とは正反対の超優秀部隊でトップを張るカデナ・メイプルリーフが、ルノアに自分たちの教官になってとお願いする場面から物語は始まる。

 実戦にはまるで役立たないペーパーテストをいかにこなすかでルノアの教え子たちとカデナたち優秀チームとが一緒に勉強をして云々、ってなエピソードが続いてなかなかホノボノ学園ストーリーじゃん、と思わせたところにまたもや悪逆非道なかつてのライバルからルノアを危険な地域に送り込もーと策謀をめぐらし、教え子たちの落ちこぼれ部隊が全滅する危機を回避するためカデナたち優秀部隊の教官になって偵察に出たまでは良いかったが…

 ってな展開のラストはまー読んで戴くとして、第1巻で自分たちでも信じられない成績をおさめた落ちこぼれたちがぼわーっとしてすっとぼけた朝飯を食べる場面を描く筆の転がり具合といー、間に挟まれたペーパーテストの解答用紙の記述といー、後半に起こる事件を経て落ちこぼれたちが尋問を受ける場面でのそれぞれのキャラの受け答えといー(ぱー、なペスカトーレの意外な1面も見られるゾ)、読み手を飽きさせない言葉のサービス、シチュエーションの大売り出しでページを置いて息を付く暇を与えてくれない。

 とどめはルノアほか一党が巻き込まれる大仕掛けとその結末で、物理的にどーかは非学故に検証の術がないけど、早川方面ですらあまり読んだことのない大仕掛けを舞台に、登場人物たちによって演じられるヒューマンドラマ(ヒューマンなんだろーなー外見はともかく心はあるし)にジワリと湧く感動と涙、そして本当の結末に至って解るおおいなる謎がますますもって次への期待を煽って止まない。

 これほどまでにリアルでシリアスな展開が出てくると、単にライバルを潰そーとゆー目的でルノアに意地悪とするライバルの存在が邪魔で鬱陶しく思えたりもするけれど、いないとルノアが落ちこぼれ部隊を指揮することもなかった訳でそれだとドラマも成立せず、となればここは必然と存在を認めて何故に彼女がルノアを疎ましく思うのか、んでもって彼女の言うことが何故にすんなり(地球の危機だとゆーのに)認められてしまうのかを、次巻以降で謎めいたラストとも絡めて大種明かししてやって戴きたい。第1巻まっぺん掘り返して読み返そー。

 男のパンツを履いた篠原涼子をフィーチャーした新潮の何考えてんだ的企画「月刊篠原涼子」(600円)を購入、「フォーカス」なんかでチラチラと紹介されていたたわわな胸がどばーっと出ているのかと思いきや、谷間こそ大盤振舞でマニアとしては楽しめたけれど、白もなければチリチリな黒は当然ない、きわどいけれどもエロティックだけれどもエロでもグロでもない写真集に仕上がっていて、泣いたファンも結構たくさんいただろー。僕はまー谷間でオッケーだったりするんだけど、あとあの言葉どーりに取って付けたよーな鼻とかも。

 涼子で谷間といえば「週刊ヤングジャンプ」にどーやら広末涼子物語って漫画が掲載されているみたいだけど、「サンケイスポーツ」の広告で見た絵だと何故か3割増量になっているよーで、ついでに目も2割増幅されているよーでこれのどこに「ヒロスエ」を感じたらいーのかオジサンとーっても悩む。まあまだ漫画自体を読んでないから内容までにはケチをつけられないけれど、某マガジンで掲載られた僕を主人公にした、空き缶は投げないで下さい謝りますえっとルナシーのRYUICHIを主人公にした漫画でやたらとRYUICHIの背が高く描かれていたのを思い出すにつけて、美化し過ぎるのもかえって滑稽だと思われ掲載した雑誌にとっても当の本人たちにとっても、逆効果になるんじゃないかと考える。

 まー考えたけれどでも漫画になったって「ヒロスエ」と呼ばれてさえいれば「ヒロスエ」なんだと叫ぶ人もここには1人いる訳だし(なーんだ)、胸もおっきく目もくりくりな「理想のヒロスエ」が見られてラッキーと思えないこともないんだから、ここはやっぱり大喜びをするのが正しい態度、なんだろー。って事で漫画は明日にでも買って読もー。駅前の茣蓙の上から100円で。

 アニメ雑誌は「AX」と「アニメージュ」。「AX」では王子様のお部屋ならぬ「広井王子のシネマイト・スコープ」に水玉螢之丈さんが登場して広井王子さんと対談をしているけれど、普通だったら写真が掲載されるところにどでんと例のグリグリ眼鏡な猫? が描かれていて仰天。次のページの見開きでも、いつもサングラスで広井王子のコスプレしている王子様の迫力な写真にも増して、コマ割りされた自画像漫画で激しく自己を主張していて壮絶な見開きに仕上がっている。

 最後の握手みたいな場面で色紙持った腕だけ写って広井さんに手渡しているのが面白い。「それ、いいすぎ」ってコメントは傍目にはすっげー失礼な言葉に見えても「ドラモン」な人にはツボだったりするあたり、読み手の濃度に合わせていかようにもより深い楽しみ方が出来る稀なる対談に仕上がっている。僕は水玉3級くらいだからまだまだ修行が足りません。対談の最後の方に出てくる若手編集者への「いきなりタメぐちきいてきたりとか」ってな苦言に、ちゃんと耳傾けよーね僕も含めて、って若手じゃないけどもはや完全に。

 「アニメージュ」は京極夏彦さんのコーナーで大森望さんがソニーの目ん玉VAIOをいじくっているのを発見、買ったんですかぁ? いいですね。OVA評で例の「青の6号」にあさりよしとおさんが☆2つと厳しい評価ながら「CGとセルアニメの違和感はばりばり」と言ってくれているのに比べて、他のメンバーの渡辺麻紀さんは「思いのほか違和感がな」かったと言い、むっちりむうにいさんも「ほとんど違和感なし」とのまるで正反対な評。オトナの世界ってフクザツだなー。


【12月9日】 火事と喧嘩は華いちもんめ、とは言っても巡回先でやたらと増えているのが不思議でこれってシンクロニシティー? なんてトンデモな思いを持ったりするけど順不同でとりあえずは仕事柄出入りしているタカラ絡みで、例の「変身サイボーグ」に今月登場する「片貝健一バージョン」に絡んで起こった騒動が、取材対象としてやっぱり仕事なキャラクタービジネスとも絡んで学ぶところ考えるところ多々あり。詳しくはニフティーサーブのコメディフォーラムにある「おたくアミーゴス」で今も続いているから会員の人は見てもらうとして、そうでない人におおむね客観的に説明すれば業界ではつとに有名な人形のドレスを作られる方ん所に業界ではつとに有名なおたくアナリストの人が仕切るイベントに出すために、「変身サイボーグ」の世を忍ぶ仮の姿なのかは知らないけれども片貝健一の衣装を作ってと依頼したそーな。

 んでもって作った衣装は春のイベントに展示されたんだけれどもその後半年たって吃驚したよ驚いた、その片貝健一バージョンが衣装を頼まれて作った人の何ら預かりしらないところで、何とタカラから商品として発売されるって事になり、雑誌なんかにも記事がバンバン掲載されて(手元にある11月だかに発売された「電撃ホビーマガジン」にも載ってるぞ)しまった。当然糺す衣装製作者にイベントを仕切った人がいろいろと釈明をしていて、知らなかったとも当事者どうして話は行われたとも言っているよーだけど、これは衣装を作った人側の言い分になると前置きをした上でタカラでサイボーグ関連を一手にやってるイベントに良くと前髪垂らして立っている兄ちゃんのAさん(安彦さんだね)から電話があって、そのつとに有名なアナリストの人からイベントを仕切ってる側で作らせたものだから使っちゃって構わない、と言われてそれならと商品化に踏み切った、ってことらしー。

 両者の言い分の正否はいずれ明らかになるとして、権利ビジネス関連で日々取材モドキをしている身と感想があるとすれば、タカラって少なくとも版権に関してはすっげーノウハウ持っているところにしては、なかなか脇の甘い対応だったなーってことがある。顔立ちとかの原形って解りやすい形ではなく衣装って点で難しかったかもしれないだろーけど、作った人がいてその事をちゃんと認識してたのだったなら、権利の在り所を確認した上で商品化するのが常道のよーな気がするんだが、あるいはノウハウを持っているところをしてゴーサインを出させるほどに確固たる権利に関するやりとりがタカラとイベントを仕切っていた側であったのかもしれないとも邪推が出来る。

 まーとりあえずタカラと衣装を作った人との間では双方に納得が得られて商品もちゃんと出るみたいなので、それはそれで目出度いことと言っておこー。残るは金成由美さんと原えりすんとのバトルだが、ってニフティ読めば瞭然だから名前を出すけど理論づくめの説得力でもって事態を包み隠さず暴露する金成さんに対して原さんは行動で示す派らしく落としどころは未だ見えず。ただし言葉の罵倒合戦にはならず事実での応酬は行われている点では読んでいて傍目に面白がれるので、マジで冗談っぽい敬称だと自己認識して使っていたのだとしたら別だけど、僕的には結構昨今の「おたく」を肯定しポジティブな風潮が生まれて来たなかで一種”権威”として通用した尊称でもって業界で名を馳せていた原えりすんの、今後の出方がちょっと気になって仕方がない。ってことでマニアじゃないけど買ってみたくなったぞ「変身サイボーグ ブルーサイボーグ、片貝健一 衣装BY金成由美」(4500円)。

 いきなり飛ぶけど「ブギーポップ」シリーズってのがあるならその第3弾な「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ」(上遠野浩平、550円、イラスト・緒方剛志、電撃文庫)がすっげー面白かろーとも、んで持って勿論面白いだろーことは納得できても何故か先に同じ電撃文庫から出た「E.G.コンバット2nd」(原作・イラスト・☆よしみる、著・秋川瑞人、610円)を読み始めてしまったりするのは、あまりにの世間様で「ブギーポップ」がそれこそ一般誌の「SPA!」でも紹介されてしまった(って最初のを書いたのは僕だったっけかなあ)のに比べて、書評誌とかでもあんまり紹介文を見なかった「E.G.コンバット」の第1作目への同情心だったりする、ってのは5割くらい嘘で単にルノア・キササゲ大尉のカデナ・メイプルリーフ伍長にも勝る信奉者だったりするから、でもないんだけどね。本当はやっぱり好きだから、ですわ。

 神経が磨耗していて感想文を書けない時期に読んだこともあって第1巻については書評のページで紹介出来なかったけれど、たぶんその時の感想として比喩とか挟み込まれるエピソードの面白さを挙げたよーな記憶があるけどそれは今作でも健在。まだ途中までを読んだかでなんだけどもぐいぐいとページを繰らせる筆力はやはり並大抵のものではなく、SF物としてもミリタリー屋つぃても中途半端どころか素人な僕にとって実に愉快でかつ説得力のある、宇宙時代の軍人養成学校生活を見せてくれている。口絵なんかのイラストの可愛さも一段を引き立ち、かつそれぞれのキャラクターに付けられた説明も秀逸でゲラゲラ。物語自体がどんな展開になっているのかは未読なんで言えないけれど、100ページ当たりまで読んだ身ではただただ「面白え」としか言えない。早く読み終えてぇ、んでもって「ブギーポップ」も行きてぇよぉ。幸せな12月になってます。

 池袋で「99年版このミステリーがすごい!」を購入。ランキングはどーでも良いけど(だって上位だからって読まないもん)例の話題沸騰な匿名座談会が今回で最後になるため批判な文章も含めて大特集が組まれていて、新たな論争の火種も見えてこれからが楽しみヤジ馬的に。とりあえずはやっぱりネット上でバトルの相手として名前の上がっている千街晶之さんの「右も左も一刀両断!」あたりが興味深さで突出していたのでとりあえずは紹介だけしておこー。まず思ったのが、匿名で批評することの問題ばかりを指摘していて匿名で批評することの功の部分についてよく見えない点。まあこれは編集側にも言いたいことであって、やってるんならその是の部分を高らかに唄う記事を載せても良かったんじゃないかと(批判する意見があるんだから)、思うんだけどそれを匿名で書くのか献名にするのかは解らない。

 とりあえず引っかかったのが、評論家と作家との関係で作家の方が強いから出版社に圧力をかけることもあるんだろー的前提を出した上で、覆面を破るとゆー選択権がどんな評論家にも保証されていると言っている点。最初は「だから匿名でやる意味があるんだ」って文脈になると思ったのに、ってのは匿名でやる意味が絶対的な権威を揶揄って相対化する事にあるんだと思っているからなんだけど、実際には作家に比して弱い立場にある評論家に、覆面を「守る」選択権があるとは言わずに「破る」選択権があると持って行っているのが、どこか前提として覆面の疚しさを衝いているよーな気がして仕方がない。

 ただし半ば誰が喋っているのかが透けて見えるよーな発言が増えて、匿名座談会が業界ゴシップ的な興味で読まれるよーになった事(僕みたいなヤジ馬的興味で読む人、って事だわな)は個人的な経験から言えば事実で、「自由な発言を保証する」(135ページ)と千街さん自身もその価値についてチラリと言及していた「覆面」が、「中途半端なものになってしまった」との指摘には一理ある。出来ればこうした「功罪」の「罪」ばかりではなく、「功」の部分についてもちょっとで良いから言及して戴きたいところだけどどーだろー。「一般読者が、例えば『ミステリマガジン』連載執筆者同士の喧嘩みたいな極地的な情報に飢えているなどとは、到底思えない」(134ページ)のだからね、ねっ。

 「ロフトプラスワン」で本多勝一さんとバトルしている岩瀬達哉さんと岡留安則・「噂の真相」編集長の2人が出席したトークライブを見る。本多さんも疋田桂一郎さんも当然姿は見えず、主に岩瀬さんによる事実経過への言及と岡留さんの本多さんとの8月以降のやりとりについて話があり、いわゆる本多勝一さんの熱狂的なシンパによるトークショウでのデモもなく、まるでサラリーマンと言っても通用するくらいにマジメそーな岩瀬さんと、アヤシげだけれど筋は通す岡留編集長とのかけ合いのなかで、ショーはおおむね静かに会合は進む。

 「接待されたとしても、それで筆を曲げない事の方が重要」との岡留さんの認識と、会場にもいたけれど「ジャーナリストは一切の経済的な便宜供与は受けるべからず」的な発想に近い岩瀬さんとの間で、これは企業経営を長年して来て商業的な部分で企業と付き合いもあり、かつ本誌とゆー批判するメディアも持って非道と言われよーともやる時には独りであって批判をやることを実践して来た岡留さんとでは、見解に相違はある。がそれで2人が激論を交わすことではなく、あくまでも認識の相違とゆー点で会場にも納得戴いたみたい。

 本多さんのシンパだった、とゆー人もいたよーだけどだからと言って議論をふっかけ相手を全否定する人もおらず、それは訥々と語る真面目そうな岩瀬さんの見た目に信じるに足る雰囲気をかぎ取ったのかもしれないけれど、割と最後まで冷静に、かつメディアがかかえる問題とその解決への道筋も示されていて有意義な3時間弱でした。こちらのバトルは法廷とゆー場で徹底的に争われるみたいなんで時間はかかるけどちゃんと白黒は出るでしょー。それまで当事者が存命か否かはあるかり知らぬ事とは言っても案外と重要な事になりそー。相手死去で未決、だけはロッキードじゃないけど避けて戴きたいものですね。


【12月8日】 ネットでは自爆する若者が増えているけど問題は今にも降り出しそうな天気で傘がないので三越南館のアウトドアショップでキャラバン製の超小型軽量3段折り畳み傘を買う。開いて1メートルは決して大きくはないけれど登山でも使える(使うの?)携帯傘だけあって軽くて丈夫で三角、ではない8角形としっかり傘をやっている。前に無印良品で買った携帯傘はフレームがスチールで骨も6本で風雨に弱くて半年も経たずにフレームがペチおれておじゃん。今度の製品はモノ好きオヤジの御用達雑誌「サライ」でも紹介の製品だけにきっと長持ちするでしょー。しかし未だ買い物でカタログ雑誌の功徳にあやかるあたりが僕ちゃんだよなー、30過ぎても僕ちゃんは。

 コナミかた届いていたリリースを資料の山から発掘して適当にでっち上げる。内容は「メタルギアソリッド」のトレーディングカードを出すってことに過ぎないんだけど、これがただのカードじゃない当たりにコナミの本気ってゆーか見境の無さぶりが伺われる。何が違うっていうとまず米国製って点でかつ、素材がアセテートって紙じゃなくおまけに全てに通し番号が入ってるとか。絵柄も「メタルギア」の原画やってる人の描き下ろしをはじめ世界でたった1枚って絵もあるそーで、トレカのユーザーにつきもののレア物に対する収集欲を極限までもー煽り過ぎな商品に仕上がっている。値段はちょい高めだったかな。35万枚限定ってのが果たして少ないのかそれとも多いのかは判然としないけど、極指摘な感想で言えば「メタルギア」のトレカはいらん、ギャルじゃないからってのがすべてです。同じスキームで「ときめも」出せー、あと「桃天」も。

 「ティディベア」って言えばドイツのシュタイフが陶磁器でゆーところの「ロイヤルコペンハーゲン」並な知名度と人気を誇っているけど、タカラが日本での権利を持っているシュタイフとは一線を画する別のティディベアを沢山作ってるサンアローって会社が今度箱根に「ティディベア・ミュージアム」をぶっ立てるってんで品川プリンスホテルまで行く。すでに伊豆と那須に同じよーな美術館を持っている会社だけど、今度はコクドが持っている箱根のピクニック場にドンと建物を立ててドカっとベアちゃん(のぞく多分シュタイフ)を持ってくるそーな。

 タカラの佐藤社長がシュタイフのベアを古い奴から最新のブランドベアまでオークションを回って買いまくっていて、こないだなんかテレビに「玩具会社のお勤めの」なんてギャグみたなアナウンス付きで紹介されていたけれど、こっちの会社もガンドって米国の老舗の会社の100周年記念ベアちゃんを1000万円超なんてどえりゃー値段で落札したとかで、開館のアカツキナガレには目玉のベアちゃんとして館内に展示するらしー。ブランドに弱い僕ちゃんは同時に値段にも弱いことがあって、ガンドってブランドにちょっと興味が湧いて来たので来年夏のオープンには暇ならのぞいてみよー。モモちゃんとかいないのかなー。

 ロイピンとかゆー中華料理の点心みたいな名前のスイス人グラフィックアーティストのポスター作品を見に銀座にある大日本印刷の「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」へ行く。広報な人が山といたけど美人な店員さんも谷といて目の保養をしきり。だって会社には…なんて言うと差し障りもありまくりなんで口には出さずに字には書く。同じやねん。さてもロイピンの絵は今の下品なポスター作品に比べると「お」が付く上品さで未寝られるウォーターやらハムやらコーラやらを宣伝していて昔はビックリじゃなくハンナリが受けたんだなーって事を知る。

 1937年くらいの歯磨きの宣伝ポスターが黒人の女性の口が白く輝くイラストでタカラのダッコちゃんしかり、カルピスのヘンな顔しかりな当たり前すぎるデザインで、かつ今となっては無理なデザインで懐かしさにむせぶ。これが例えば白い顔っていーいなぁー、ホワイト・アンド・ホワイトな鈴木その子さんだったら歯磨きの宣伝なのかそれとも洗顔料なのか解らなかったりするだろーから、やっぱり黒い人を使う意味ってのは今に至ってもありそーだね。ってことで冬でも黒いコギャルな人を同じ構図で歯磨きの宣伝に使いませんかサンスターとかいろいろ。

 珍しく誘われたので宝島社の赤坂プリンスは超ド級の宴会場を使った忘年会に潜り込む。入り口でもらったドル紙幣(ウソ)をちょっとは増やそーと1階に降りてフリースローに挑戦し、1回の練習を挟んで3投してパーフェクトなら50枚、1回ごとに10枚づつのドル紙幣(ニセ)が帰って来るってイベントにのぞんでまず1投、をを入ったぞ。続いて2投目、また入ったぜやっぱり俺はジョーダンだ、バードだジョンソンだジャバーだと勝手に内的に盛り上がったところに係の人が「あと1回でパーフェクトです」と言った途端に緊張がドッ。リングに当たったものの結局はずして20枚だけもらって会場を後にする。しかし久々で2投も入るとはやっぱり俺ってロッドマンだ岡山だ馬場正平だ(1人だけ違う人がいます)。

 宴会場へとって返して誰かいませんかー、と探したら入り口付近で大森望さんさいとうよしこさん御一行を発見。スタジオハードの偉い人とかパナソニックワンダーテインメントの竹内さんとかとデラデラ会話しふたたび場内を散策、やがてさっきは篠原ともえの意外と旨かったリサイタルに使われていたリング上に、春一番が登場していつもどーりの猪木もどきを実演し、山本小鉄さんほかプロレス関係の人が壇上で着席したところで始まりましたよJWPの女子プロレスが目の前で。リングサイドは普通だったらフェンスがあって近づけないのにこの日は防護マット分だけ隙間があいて後はリングサイドまで一直線。すかさずリングサイドへとにじり寄って、始まった試合をかぶり付きで観戦する。

 詳しくないので誰が誰だか解らないのが難点だけど、第1試合はどーやら今年デビューしたばかりの人たちのタッグだったおよーで、あどけない顔をしたショートヘアの多分彼女は佐井富子ちゃん? ほかには多分倉垣靖子ちゃんか春山香代子ちゃんか渡辺えりかちゃんかってな人たちが、若手とは思えないくらいにハードでかつちゃんと見せる(魅せる)レスリングをやっている。リングサイドかぶりつきってのも迫力に輪をかけきしむマットに波打つ肉体の醍醐味を、存分に味わうことができたよ宝島さん有り難う。

 いやいやお礼はまだ早い続く第2試合はやっぱり覚えてないけど結構有名らしー女子プロレスラーのシングルマッチで片方はえっと宮口知子? んでもってもう片方は本谷香名子? 前の試合にもまして迫力とファンタシーでいっぱいの試合に大森望さんもいつの間にやらリングサイドかぶりつき。美人系のレスラーの試合に目の行きどころも多々あったけど、それよかやっぱり叩けば痛いラリあっとに蹴られればしんどいドロップキックの応酬を、目前で見られて最高でしたよ。でもどっちが勝ったのか覚えてないのがやっぱり素人の浅はかさ。えっと本谷が負けたんだったっけ? 次があるならちゃんと名前も技もついでにハチ切れんばかりのコスチューム(と中身)も目にしっかり焼き付けるぞー。

 そしてメーンは3人タッグに登場するレスラーの名前紹介で、好試合相次いだ後だけあって場内の興奮も最高潮に達し、青コーナーから登場した御大デビル雅美の巨体に場内ドッと沸き立つ。一方の赤コーナーに登場した選手には集まった男たちの完成もさらにオクターブが高くなる。何故ならJWPが誇るアイドルレスラーにして今月27日で引退が決まっている我らの(いつからそーなったんや)キューティー鈴木が白いコスチュームで颯爽と登場。写真で見ても綺麗なお顔がナマでカクテルライトの下Dえさらに映え、もう本当に足下に跪いて「踏んで」をお願いしたくなった。蹴られたら死ぬけど。

 試合はデビル雅美と今日2度目の登場で頑張る多分春山香代子に久住智子だったかな、んでもってもう一方はキューティーに天野理恵子だったかなあ、そしてキッド・ボリショイって覆面のミクロ系なトップロープを綱渡りするレスラーの組み合わせだったよーな記憶があるけどカードについては判然としないんで詳しい人は怒らないで下さいね。さても美しいキューティーの躍動する肢体に目だけでかぶり付きも良かったけれど、20年とゆーキャリアのデビルのパワーとそしてキレにはやはり感嘆することしきり。軽量な女子とはいえ相手をリフトアップしてマットに叩きつける技たるや、マットの揺れが伝わってくるだけにその衝撃のほどが伺える。

 試合はキューティー組の人が2試合目となる春山を4回連続のバックドロップでしとめて3フォール勝ち、だったかな。これも含めて3試合あったうちの2試合で、試合後選手がしばらく立てない事態となって、間近な観客の要求と時間が決められている会場の都合に合わせたレスラーが、テンポよくスピードアップして試合した結果インターバルをとらずに一気に畳み掛ける技の応酬となって、結果厳しい試合になたのかもしれんと想像するけど、いつもはどーなんだろー。とにかくエキシビションとはいえ密度の高い試合を見られて良かったよかった。しかしこの試合明日の日刊スポーツとかに載るんだろーか? 載らなかったら工業新聞で書いちゃおか??


【12月7日】 半分寝とぼけながら会社へと向かう月曜日の電車で課題図書の町田康さんは「屈辱ポンチ」(文藝春秋)を読む。爆裂する言葉の洪水が溶岩のように読む者を融かして殺す小説と、読まないうちから町田さんの作品の事を勝手にずっと思ってたら、初めて読んだ最新作は言葉こそ確かに毒ガスのよーにムヤムヤと沸き立っては読む者を半死半生にさせるけど、ガスはガスでも笑気のガスが脳をスポンジのよーにブワブワにしてはとろけさせては狂気の淵に人を追いやる。ヤスタカっぽいスラップスティックさを持ちながらも、まとまらずオチもしないエンディングが今っぽくってブキミで怖い。この路線で突っ走れば望んでなくても人気作家になっちゃうな。

 まだまだ寝とぼけながら届いていた日販の週報をペラペラ。プランニングハウスとゆー出版社から「ファンタジーの森シリーズ」って叢書が刊行されるそーで、ラインアップになかなかぶりが出ていて大いなる期待と少しの不安が頭をよぎる。第1回目は「ドラゴンファームはいつもにぎやか」久美沙織さん、「風の名前」妹尾ふゆ子さん、「スバル星人」大原まり子さんに「火龍面舞」の朱鷺田祐介さんのラインアップ。それなりな人たちだけにそれなりに安心出来るお話が上がって来るのは確実だろーけど、どこまで売れるのかどれほど知られているのか見えないだけに、かつてのハヤカワの新鋭ノベルズみたく途中でペケ、とならないことを今は祈って宣伝に務めて読者を増やそー。だからいかにもな話ばかり出すんじゃねーぞ。

 東映で「おもちゃ」見る。深作欣二さんの映画って前にえっと何を見たっけか? 「仁義なき戦い」シリーズは1本も見たことがなくって見たのは「柳生一族の陰謀」に「復活の日」に「蒲田行進曲」くらいか。時代活劇にSFに人情喜劇といった具合のてんでバラバラな3本に、いまひとつ深作さんのモードが読めずにいたんで「おもちゃ」も正直”空”な気持ちで見たけれど、結論から言えばいっそうモードが読めなくなってモードが無いのが深作流なのかと、そんな気にすらなって来た。面白がらせて止まないサービス精神はいずれにも共通の要素ってことになるのかな。「宇宙からのメッセージ」は見てないから面白がらされたのかを聞いてみたいところです。特撮な人たちに。

 さてはい「おもちゃ」はまあそうですねえ。色が綺麗な映画でしたとくに赤い色たちが。京都の祇園を舞台に芸者の置屋で住み込み奉公に励む時子が女将さんやら芸者さんやらの愛憎入り組んだ生活に触れつつ自らも困窮にあえぐ実家を助けんと舞妓から芸妓への道に向かって歩み始めるまでを描いた物語には、舞台が舞台だけに着物や帯やら口紅やらに赤い色が頻出し、それらが日本家屋のシックな色との間に対比となって下品さが飛び鮮やかさだけが浮かんで来る。水揚げされる場面で時子変じて舞妓の「おもちゃ」が来た浴衣? の何たる色鮮やかなことやろか。黒だグレーだとシックで無難な色が流行る世の中に、日本の色彩感覚は世界いちぃぃぃぃぃ、とシュトロハイムの語法で言ってやりたくなった。

 あと時子の先輩芸者の3人を演じた、南果歩に魏涼子に喜多嶋舞の何とチャキチャキした芸妓ぶりだことよ。おっとりのんびりが取り柄のよーな南果歩があんなに喋れる役者だったとは知らなかったし喜多嶋舞の忘れていたけど美人ぶりにも改めて感嘆、そして魏涼子のドスのききぶりも結構なもので、3人がそれこそ手練手管で男たちを手玉にとり、あるいは邪見にした男たちに啖呵を切って袖にする場面の迫力たるや、新藤兼人さんの脚本のきっぷの良い演技振りが重なって、見ている人を飽きさせない。主役の時子を演じた元宝塚らしー宮本真希ちゃんも顔立ちはともかく(舞妓にするとふくよかで良いけどすっぴんは、ねえ)キレのあるテンポ良い立ち居振る舞いがなかなかです。

 でまあ、お話の方はとえいば貧しい少女が金の為ならえんやこら、ってなビジネスライクぶりが今に通じるところもあって面白いけどエンディングに近くなってカメラがソフトフォーカス、ってんでしょーか知らないけれどうっすら靄がかかった映像になって、幻想のよーな雰囲気のなかで水揚げ場面へと続いていくその恣意的な演出がちょっぴり気にかかる。まあだからこそ生々しく痛々しくならずに見ていられるんだろーけれど、痛みとか苦しみとかが覆い隠されているかもしれないとの非難を受ける可能性もあるだけに、判断に迷うところでありますか。

 少女を子供の時から囲って芸を覚えさせ、デビューさせて女の魅力で稼がせる花柳界をモデルにした映画を、ライジングプロダクションが企画・製作したってあたりになかなか含蓄を感じるが、さて真意はいかに。芸術文化振興基金助成事業とのマークがラストに出て来たのを見るにつけ、日本の舞妓芸妓の姿を今に伝える社会科教材、として捉えればなるほどなんだかなーってなエンディングも含めてストンとまとまって良いのかも。1月15日から東映系で公開。


【12月6日】 冬の香りに誘われて、やって来るのが秋葉原とは情けないったらありゃしない。おまけに行った先がメッセのえっと何号館だったっけ、狭いエレベーターで3階に上がって入るとレジ前には馥郁(ふくいく)たる冬の香りを放つ冬コミのカタログが山積みになってデイン! 1冊求めて中を読み、発火装置の話が実害以上の衝撃となって怯えと震えを与えていることを知る。もしも仮に冬コミで模倣犯が出たるとしたら、果たしてどれだけの報道陣が詰めかけるのかと良くない予感もするし、児童ポルノへのプレッシャーもこれありで当局のマスコミ操作も増すかもしれず、かくなる事態に如何なる抵抗如何なる防衛がなし得るのかがマジで問われる5秒前、はベタ過ぎるからさておきマジで問われるコミケになるかもと、知ったかぶりで評論する奴が多分たくさん出るんだろーね、ってそりゃー自分の事だ。

 危機感とゆーのは注意書きあたりから見えてくるもので、今回はそれが「グッズ」に出ているよーな感じぃ。27ページのコラムでは「グッズについて…」で「参加者が自主的にこの問題にしっかりした考えを持ち、行動してほしい」と言ってるし、巻末の漫画では新田真子さんが「グッズが多すぎる!」と怒鳴ってる。それは「同人誌即売会」だから「グッズはだめー」と言いってるんじゃなくって(ちょっとは言ってる、みたい「まず本ありき」とかって)、グッズとゆープロの会社がプロの会社の版権を獲得するためにライセンス料を支払って作って得っている品物を、アマチュアが勝手に作って堂々と売って収入を得ている(赤字だって収入は出る、んだ)状況を、プロな人たちがいつまでも黙って見逃してくれるかって事だろー。

 浦安あたりに棲息しているネズミを誰もマネできないのはやっぱり厳しいからだろーし、それが嫌な言葉で「グローバルスタンダード」となった時、グッズはおろか同人誌すら認められない状況だって来かねない。それは新田さんがいくら漫画で「異常に反応する人」と揶揄っても、逆に利権を脅かされることに鈍感過ぎると異常扱いされかねない。

 「表現の自由」とか「パロディ」とかって精神性文化性の高い理由で出版活動を行う事は可能だし闘っていけるよーな気がするけれど、まんま同じキャラをペタペタやってるグッズはやっぱりマズいって事なのかもしれん。だったら例えば緑で尻尾が3本あるピ○○○○モドキだったら良いんだろう、って単純に考えてしまう僕だけど、一方でキャラクタービジネスの興隆を仕事で応援しちゃたりしてるんで二律背反する心境が悩ましい。さてもいかな結論が出るか。冬コミで「CCさくら」グッズ山ほど買って考えよう(ってをいをい)。

 んな「CCさくら」グッズはそろそろ市場にも鈴なり。秋葉原の奥にあるショップでショウワノートだかから発売されている筆箱にエンピツに色鉛筆セットに鉛筆削り器を見てすんげー欲しまる。とくに筆箱と鉛筆削り器が心をゲッチュー、アタッシェケースにキャワイイイ(死語)筆箱を入れて中を「CCさくら」の鉛筆を放り込み、それらがずぇーんぶ「CCさくら」の鉛筆削り器でトキトキに削られている様を、想像するだに心はウキウキ毎日の仕事が楽しく思えて仕方がない。

 そこで心の砂防ダムが働いてかろうじて踏みとどまれる僕だけど、心の佐久間ダムが崩壊して水びたしな浜松あたりじゃー、講義の黒板を「レリーーーィズ!」と叫ぶ杖で指す助教授が、お馴染みのディパックに鉛筆削り器を入れて講義の机にデンと置き、試験用だと「CCさくら」の鉛筆を削って配ってるんだろーなー。期末試験には絶対に(期待してます)。

 同じ鉛筆ビルにあるLDショップで廃盤なLDを観察。そーかートモロ氏苦手な劇場版「ファイブスター物語」のLDは4万円もしやがるのかとたったの1000円で買ったビデオの価値を今さらながらに知る僕だけど、「ロボットカーニバル」が確か1万4000円もしやがるのにはさすがに吃驚仰天だなー。「トーキングヘッド」は1万円しなかったから買っても良いかなー、と思ったその目を別の棚にあった鶴田謙二さん原作の「チャイナさんの憂鬱」がレリーーーィズッ! 定価が9800円が売値7800円がお買い得なのかどーかは知らないけれど、見たいんだったらそれが適性価格とゆー信念で望めばむしろお買い得だと思って即購入。まんま飛び出て家へととって返し、LDプレーヤーに突っ込んで数少ない動く鶴謙ワールドに浸る。

 何ちゅーか淡いトーンのほんわりしっとしとした鶴田さんの世界がまんま表現された色使いに結構良ーじゃんと思い、原作をまんまなぞった展開にファンとして嬉しさを覚え、日高のり子さんの「ある」的チャイナ弁に脳天とヤられてときどきのぞくチャイナ服の下の「白」に官能を刺激され、42分と映画としては短いけれどもビデオとしては長めの個人的には丁度良い時間を、実に有意義に過ごす。個人的には「白」度の高い第3話の「チャイナさんの逆襲」を映像として見たいんだけど、弱まった東芝EMIにそんな力があるはずもなく、他の会社じゃー今の不景気な現状では適うはずもなさそー。残念至極。

 とは言え「はれぶた」に「ポポロクロイス」なんて良質なTVシリーズに「ヨコハマ買い出し紀行」なんて良質なOVAを作ってる会社もある事だし(ちなみに「銀河の魚」もDVD化するそーな)、提案したら応えてくれるかもしれないなー、ってんで白川隆三SPE・ビジュアルワークス社長様さま様、「チャイナさん」ビデオにしませんか?


【12月5日】 みかん星人が怖い会社のプレッシャーに立ち向かう山形浩生さんの「クルーグマン教授の間違いだらけの経済学選び99年版」(嘘)は3版が出てベストセラー街道をまっしぐら。それはさておきボーナスも出た土曜日を家で過ごすのも勿体ないので電車を乗り継ぎ京都へ、行くほど金も時間もないので手近に日本橋の丸善へとゴー。お金が無くって半年ばかり貯め込んでいた「佐藤春夫全集」を6冊まとめて引き取って、5万円以上の金が一気に吹っ飛び泣く。うーわんわん。

 聞こえて来る情報では決して売れているとは言えない全集、だけにあと2年以上もある刊行期間の途中であるいは刊行停止なんて事態も考えちゃう。けど行かなかった間もちゃんと毎月1冊づつ出ていたよーでエラいぞ臨川書店とその豪毅ぶり、及び使命感の高さに感じ入る。デカいブランド手に入れたからって折角育てたオピニオン誌潰しちゃう新聞社もあるってーのに、出版の魂衰えず。でも会社衰えたら本末転倒なんで皆さん買ってちょーでゃーせ。

 ドトールで180円のドロ水珈琲を飲みながら「おごってジャンケン隊」(現代洋子、小学館、780円)の1巻と2巻とまとめ読み。芸能人とか映画監督とかプロレスラーとかってなゲストは偉い人凄い人がたくさんいよーと普通だなって思うけど、まさか小学館の社長の相賀昌宏さんまでその毒牙にかけていたとは知らなんだ。つき合ってくれる社長のたとえ漫画で脚色あったとしても語る内容の鷹揚さにはただただ羨望の眼差し。それに引き替え、って自虐になるから言わないけれど、やっぱり儲かってる会社ってのは良いですねぇ。衣食足りて礼節を知る、ってーか。金の切れ目が縁の切れ目、かあ。

 ヤングアダルト2連発。まずは「天夢航海」(朝日ソノラマ、490円)が実に良かった谷山由紀さんの期待の新作「こんなに緑の森の中」(朝日ソノラマ、490円)から。肩を壊してスポーツ特待生で入った高校をドロップアウトした主人公が、不思議な猫の住むアパートで心に同じように傷を持って生きている人たちと暮らしながら自立するまでを描いた物語。子離れ出来ない親の鬱陶しさには感じるところた多々あるけれど、夢を描くばかりで現実に対面しよーとしない人たちの姿に我が身が重なる所も多々あって、どっしゃりと冷や水を浴びせかけられた気になり沈思する。20代には青臭いけど、段落を1つ越え、なおも進めない身にはとても痛い。秀作。売れろー。

 もう1冊は黒沢哲哉って人の「鋼鉄都市アガルタ」(小学館スーパークエスト文庫、570円)。57年生まれのワセダミステリクラブ出身って言えば結構重なる年代のプロなミステリー関係者も多いかもしれないけれど、黒沢さんの作品は実に良質なアクション小説に仕上がっていてその才に深く感じ入る。大地震で突如東京湾内に浮かび上がった島を舞台に、レアメタルを巡って争う島のドンと権力者と正義感との闘いの中に、親子の情愛欲望の醜さそして子供の純粋さがぎゅうぎゅうに詰め込まれてとてつもなく密度の高い、それでいてスピード感のある物語に仕上がっている。余韻を残したラストに次巻への期待も大。急ぎすぎの感もある本書の轍を踏まず次巻は世界規模での壮大なバトルをじっくりと描いて戴きたいです。

 録画しておいた「ジェネレイター・ガウル」をまとめ見る。シリアスでかつ重厚な内容に来ていささかその正義漢ぶりが鼻につく部分もあるけれど、迫り来る危機に向けてドライブ感のあるストーリーが展開されて残る数話への期待も増すばかり。ガウルはともかく残りの美形2人もジェネレイト出来るとは知らなかった驚いた、けど変身してもやっぱり髪型は一緒なのねガウルは弁髪が出来るのに。世代が違うのかな。次回はいよいよイオニア(コリント?)様式の雲形ヘアも美麗な彼女がイジられりゃうみたい。あの髪型がどんな形にジェネレイトされるのか、ヤジ馬心も増すばかりです。


【12月4日】 思えば長い道のりだった「ドラゴンクエストモンスターズ」でようやっと「ほしふりの大会」を勝利して、誰が敵だったのかを見てハッピーでユーモラスなラストに感動して、流れて来たエンディングを見てさあ終わったやっとゼルダに取り組める、と思ったら何だいこれってまだまだ続きがあるんじゃない。再びタイジュの国へと言ってそれまで入れなかった扉に進んでモンスターを粉砕していったら途中でドえりゃー強くなって返り討ちを喰らわされた。これは負けてはおれんと再びしゃこしゃこ鍛錬と配合の日々に突入の予感がたっぷりで、「N64」に差しっぱなしの「ゼルダ」も「PS」の「lain」も「DC」の「バーチャ3」もやる暇がない。サターンは何故か「ウテナ」が入っ放しで「『街』をやらんかまだ2日目だろー」との怒りが飛んで来そーだけど聞こえない。ともあれ年内は「ドラモン」にかかりっきりかな、おっと「GB」版の「ゼルダ」も出るだ大変だタイヘンだ。。

 買っても読んでない度ナンバー1作家、トマス・ピンチョンの新刊がどぐわぁーっと本屋に山積みになっていて読めない可能性が9割の癖して買ってしまう。とはいえチラリと読み始めた「ヴァインランド」(新潮社、佐藤良明訳、3600円)はまだ30ページながら文体は平明とゆーより超ポップで内容もメタっておらずヒッピーなため、結構サクサクと読めてついでに中身が頭に入って来る。ただし現代用語の基礎知識もかくやと思わせる(それ言い過ぎ)膨大な注釈とも言える訳者ノートが巻末に掲載されていて、頻出するポップなイコン、ヒップなガジェットの理解にページをめくる手をフル回転させちゃてくれやがる。栞が色違いで2本もついているのは1本を本文でもう1本を訳者ノートに入れろってことか。有り難い配慮だけれどテンポよくとりあえず本文を始末してからじっくりとノートを楽しむ方が本文に飽きないための方策かも。年末年始はピンチョンで「ヴァインランド」でキマリかな。

 鼻はさらにじゅぐじゅぐになったが我慢して会社へ。キオスクで表紙の文字を読んで即座に250円を出して雑誌を購入、本当だったら10冊は買って1冊は家用1冊は会社用残りは真空パックにして永久保存したいところだけど、それはさすがに拙いと思って1冊で我慢し、電車が来ているにも関わらず手早くページを繰って当該のページを貪るように見る。嗚呼これは肉でもなければハンカチでもない、紛うことなき「白」を見せつつ我が君がブスったれた顔で睨んでる。まま踏んで、と足下に跪きたいところだけれど所詮は雑誌の1ページ、跪こうと傅こうと踏んでも蹴ってもくれいないのがちょっと哀しい。隣りのページには石田ゆり子さんも写っているけど3年前ならいざしらず今だと別にどーだっていーや。ありがとー御座います田中麗奈様さま様。増刊ではカラーで掲載を希望します「FRIDAY」様さま様さま様。

 久々かもしれない若菜等+Kiさんのイラストが入ったヤングアダルトな文庫は風野真知雄さんって人の「ベイシティ忍法帖Z」(小学館スーパークエスト文庫)を読む。江戸時代から続く服部半蔵の一族と公儀お庭番との確執が、後に半蔵の末裔である3姉妹と顔は良いけど天然ボケな主人公の少年との出会いへとつながり、激しいバトルの果てに友情が芽生えけれどもそこに学園を巻き込んだ巨大な陰謀が立ち現れ、といった具合の実にまあアレな展開の物語となっている。

 最後までを一気に繰らせるテンポの良さは買うけど、キャラが立ち過ぎってゆーかどこかで読んだこと見たことあるな的ってゆーかサプライズがあまりなく、物語そのものもオチを含めて小じんまりとし過ぎていて、楽しいけれど楽しいだけってな感じしか持てなかった。まあこれを名刺代わりに美人3姉妹なキャラを使って壮大稀有なお話を組み立てていくことも可能だし、学園ラブコメとして奇妙な敵を倒しつつ付いた離れたを繰り返していくのもありだろーから、作者の人もせっかくな美女3人を潰さず若菜さんのイラストともども復活させてやってくれい。激ヤセの術な霙ちゃんがイラスト的には好みかなあ。


【12月3日】 ぐずぐずと鼻をすすりながら「ゲーム批評」を読む。「ダークシティ」の死体に付けられた渦巻きが「ドリキャス」に見えるのは小島秀夫さんだけじゃありませんよと言いつつ岡本吉起さんの新連載にゲラゲラ。「プレステ2」の発表はなかったからもう美人の秘書の人に「全身に金粉を塗りたくって裸踊りをしながら10分おきにタバスコ1リトルづつ一気呑みして、そのまま1日カプコン本社の受付を務めて」もらう訳にはいかないけれど、ここは頑張ってNECのチップの歩留まりを悪くして、3月末で100万に乗らないよーにして「全身に金粉塗りたくって裸おどり」させましょう。もちろん美人の秘書の人に。ついでに新宿の春麗さんも。

 東京會舘で「逮捕しちゃうぞ ザ・ムービー」の制作発表会。テレビ版は良い回もあったけど崩れた回もあってウキウキいらいらしながら見ていたけれど、予告編だけなら劇場版はウキウキ出きそーな予感でいっぱい。もらったプレスの表紙に描かれている夏実と美幸とトゥデイの絵も、緻密で美麗で大人っぽく、質問に答えてくれた西村監督によれば美術もリアルな東京の街を表現しているとかで、楽しい中にもシリアスな雰囲気が盛り込まれた、一大活劇になるだろーとの確信を持つ。メジャー度で湾岸署には勝てないだろーけど、墨東署だって結構頑張りそー。特車2課には勝てるかも。今年の東映で最大にヒット作になったら面白いよなあ。なりかねなかったりするんだけど。

 映画も良さげだけどパイオニアLDCから発売されるゲームもデモだけなら相当に期待が持てそーな予感。無理に3Dにしてイメージを崩すキャラゲーもあるけれど、「逮捕しちゃうぞ」のゲームは基本は2Dのイラストそれもセル塗り風のイラストで、かつ本編のイメージをまんま使った美麗さがあって、ファンの気持ちをガッチリ以上につかむこととりあえず請負だね。マンガを掲載していた講談社でも、映画を作るバンダイビジュアルの親会社のバンダイでもなく、ゲームを作るのが何でパイオニアLDCなのかがちょっと解らないけれど。

 夏実と美幸と頼子が順繰りに質問に答えてくれる場面では、画面を切り替えることなしに、同じレイヤーにいる3人の姿にカメラをシームレスに移動させてパンする技法が使われていて、おまけに手とか目とか口とかを動かして表情や仕草をつける懲りよう。街並みを移動する3Dの場面でも、チビキャラが結構良い味出してる。絵はオッケー残るはストーリー性ってとこで、システムの斬新さ(だけ)で鳴るLDCが果たしてストーリーを作れるのかが目下の懸念。でもまあ絵は可愛いから僕的には全然気になんかしてないんだけどね。劇場版の公開と同じ頃に発売の予定。ちなみに劇場版の前売りは12日からスタートで、最初はポスターとプラス700円で限定のテレカが付く予定。来年1月にはグッズ付きチケットっての出る予定なんでファンなら財布をはたこう。

 「メフィスト」を読む。ふーんってな感想は話題の千街晶之さんと記事では「あるプロの物書き」とされている福井健太さんとのバトル。千街さんの言いたいことは解った。プロの読み手の人たちが大変な作品が応募されたことに呆れたという客観的事実を、プロたちがそう思ったんだからそうなんだろうと現状を認識したという、それは客観報道を建て前にして、オーソリティーのコメントを繋いで主観に近い記事を仕立て上げる新聞屋として、決して解らない手法ではない。あるいは信頼にたるオーソリティーが言ったので、ニュートラルだった判断がそちらに傾いたのだとしても。

 だから読まずに批評することはともかく、読まずに状況を説明できる可能性はあるんだと理解した上で、「読まずに批評をしている訳じゃない」と言ってくれれば福井さんの「読まずに批評するな」とのツッコミへの釈明になる。「それでも読んでない作品を持論の傍証に使うな」とのツッコミがあったのなら、論点がスレ違ってるなあと思いつつも、一応のケリがついたなあと納得出来たところを、なぜか千街さん福井さんに向かって「ポンコツゆうたんお前やないか」的な、本来の論点とは違うところへと意見を発展させてしまって、話をややこしくしている。

 「一応の説得力はある」意見でかつ「全くの正論」と認めているんだし、提供された情報は作品そのものへの批評ではなくあくまでも危機的な状況を説明する上での客観的な傍証として使ったとも明言しているのだから、千街さんは別に福井さんに「陥れ」られてなんかいない。にも関わらず激しい反論を展開しているのを読むと、やっぱり読まずに批判していた事を衝かれて弁明に懸命なのか、それともお互いに含むところがあるのかと、邪推が頭をよぎって仕方がない。

 「仮にも商業誌に連載を持たせてもらえるほどの席を与えられている」人間が、スレ違いが明かな「本格の危機」も「ニューウェイヴ・ミステリへの提言」にもなっていない文章を、3カ月に1冊しか出ない雑誌の、貴重な連載の4分の1、大森望さんへの釈明も入れれば4分の3も使って書いてはもったいない。まあ自分みたいに喧嘩読みたさで「メフィスト」買っちゃう人種がいるから、編集部は諌めもせずに喜んで掲載するんだろうけれど、ちゃんとした評論を期待している読者も論評をされたがってる作家もいるんだから、ここはプロとして自制して自省もして、次はちゃんと評論を書いてね。


【12月2日】 でりゃでりゃと飯田橋に向かい雨の中を歩いてトーハン本社へ。新しい雑誌を創刊するのでその取り次ぎをお願いに、なんてことはなくって普通に中間決算発表をのぞきにいっただけで、案内された部屋でエラい人たちから説明を受け、出版不況だって言ってる割には売上で1%の減収で踏みとどまり、利益にいたっては経常利益で2割増くらいを確保してるって内容に、なんだ儲かってるじゃんってな印象を持つ。

 まあ儲かるためには返品の量を減らして運送コストを圧縮するとかいった努力も背後にあるけれど、業界で1番とっても飛ぶ鳥ガツンな角川ですら厳しい収益環境にさらされている出版界からしてみれば、羨ましいを通り越して憎々しいってな思いすら浮かぶだろー。だからかなあんまり増益をほこらず努力の結果と控えめにエラい人たちが話していたのは。「いやー儲かってたまりまへんわ」なんて言ったらヤスケンさん、「リテレール」での仕打ちを思い出して切れちゃいますもんね。新雑誌とか考えている人ならなおさら。

 業界的には数年前にトーハンを抜いた日本出版販売が依然として売上で首位(っても2位のトーハンとの差はさほどないんだけど)を突っ走っているのが話題だろーけれど、日販トップ奪取の原動力となった開発商品すなわちビデオやらCDやら文具も入るのかなあとカードとかってな本や雑誌以外の商品が、たぶんTSUTAYAみたいな大口顧客の抑制基調を受けてダウン傾向著しく、これが売上の足を結構な比重で引っ張ったみたい。本業の書籍はベストセラーがほとんど皆無で壊滅的。雑誌も廃刊に休刊が相次いだくらいの厳しさで、コミックも軒並みダウンじゃーマイナスもやむなしか。

 書籍も雑誌も低迷気味、に対してトーハンは書籍こそダウンだけど雑誌はなぜか堅調で、こっちはMM商品ってゆー開発商品もまあ底堅いため減収率をわずかに抑えることができた。下期がどーなるか業界はますます暗雲たなびき不透明だけど、日販は増収増益なんて言ってるらしーからよほどの公算があるんだろー。マジック・ザ・ギャザリングでも売るのかな今ごろ。それとも「仮面天使ロゼッタ」のトレカとか。でも出版社の人には取次が儲けてるのってやっぱり妬ましいんだろー、ね。

 思い出した角川書店といえばハナダさんでハナダさんと言えばワタナベさん(どーゆー繋がりだ)の渡辺直樹へんしゅうちょーが、今は新企画編集部にいる(いるのか?)アスキー、ってゆーかアスペクトから荒木経惟さんを取りあげたルポルタージュ「荒木経惟の『物語』」(桐山秀樹著、1800円)が刊行中。講談社新書からは自伝も出てるし飯沢耕太郎さんの評論も出てるし最近では伊藤俊治さんの「生と死のイオタ」(作品社、3800円)も出たばかりだけど、自伝や表現をキツくすれば”御用評論家”たちが比較的礼賛しているのと比べると、桐山さんのは篠山紀信さんとのやりとりとかを、荒木さんにおもねらず(ちょっとは傾いてるかな)に割とページをさいて紹介している。

 自伝的な部分については前述の著書と重複するところも多く引用転用も結構あってそれらを読んだ身にはちょっと辛かった。陽子さんとのやりとりも同じ。けど数々の写真集の仕掛人とか編集者とかモデルとかに逐一当たって「その時のアラーキー」を掘り起こしていく作業は、過去の多くの人たちが必要と感じなかったか面倒だったかしてあまりやっておらず、素顔(それは自身とゆーフィルターと通して描いたものではなく他人が目で見て感じた素顔)が結構客観的に描かれていて人となりを理解するのに大いに役立つ。僕もファンとしてやってみたかった仕事だったけど、これがあるなら当分はいいや。女性モデルへのインタビューはさておいて。

 新刊といえば年の瀬の資金繰りへの苦労を逆説的に吹き飛ばしてくれる痛快無比な本が登場。その名も「社長失格 ぼくの会社がつぶれた理由」(日経BP社)は、インターネットに広告を流して強制的にユーザーに見せるシステム「ホットカフェ」で一世を一瞬だけ風靡した板倉雄一郎さんが自ら筆を取って会社が生まれ育ちそして潰れるまでを克明につづった日本ではちょと異色の本。「おれが書かなきゃ誰が書く」とは帯の文句ながら誇張はなく、社長として知りうることをいささか自己主張が強すぎて辟易するところもあるけれど、総じて余さず描いている。

 とにかく最初はその自信家ぶりが鼻につく。持てる者、能ある者への嫉妬ももちろんあるから割り引いて欲しいけど、自分で稼いだ金だから良いだろうとろくすっぽ売上も出してないのにフェラーリを買い白金のマンションに住み女性をそばに侍らせる。ビル・ゲイツが来たといっては先のアポをキャンセルし、アメリカ店頭市場に株式を公開するといっては手広く事業を延ばそうとし、売上が伸びないことにイライラを爆発させるは経営者としてすべてを我が手に置こうとする。良く言えばワンマン、悪く言えば有頂天な性格が下り調子になった時にすべて裏目に出て挙げ句に会社を潰してしまう。

 アイディア自体は悪くなかった。銀行の貸し渋りもあった。アスキーの左前にベンチャーキャピタルの崩壊にその他もろもろの外部環境が重なったのも事実だろう。けどやっぱりどこかに何か問題があって、チャンスを逸し救いを拒否して挙げ句に崩壊の道を突き進んだ。ベンチャー企業をないがしろにする金融や社会への警鐘も含むし、ベンチャー企業の経営者への天狗になるなとの警鐘も含む貴重な書。聞けばどうにか仕事もボチボチ初めているよーだし(それが敗軍の将が敗因を語る的番組であっても)、債権者には言語道断かもしれないけれど、挫折を知ったアイディアマンの復活に、結構期待をしてみちゃったりしたいですね。


【12月1日】 「私でよろしいんですの」な仕事を昨晩やろーとして力つき明け方から再会してどうにか仕上げてファックスして会社に行ったら昼だった。嗚呼サラリーマン。道中に読んだのは何かここんとこ毎週買ってる気がする「週刊プレボーイ」で、今週の目的はそーです「仮面天使ロゼッタ」で大ブレイクは無理でも中ブレイクくらいはした吉井怜ちゃんの「主プレ」登場に、深夜の眠たい目を醒ましてくれた巨大なバストに再び見えて官能、じゃない感動する。

 ふーん胸も高いけど堤防の方も結構高かったりするんだなー、とは白いワンピースの水着姿に思った感想。何でもハドソンは「桃太郎伝説」のCMに桃太郎姿で登場しているそーで楽しみではあるけれど寅のビキニの鬼姿も見たかったなあ、頭に角つけて語尾はもちろん「だっちゃ」で、ね。今週号では他に竹内結子ちゃんのピタパン姿に目パチコ。浅香唯はどーでもいーや、歳だしさ。

 来週の予告に菅野美穂の名前を見つけてまた買っちゃうなー、と今から予想しつつ菅野を「NUDITY」で撮影した人だったけかな宮澤正明が再びやってくれた中嶋美智代さんのモジャモジャが噂な写真集「nudes(ヌーズ)」(スコラ、3200円)を見つけて早速ゲット。スパッツ姿で短髪で光る剣を振り回していた時代にはとても思いも及ばなかった立派なバストとご立派過ぎるモジャモジャに、成長した妹の姿を見てお兄さん熱くなった目頭を抑えて喜ぶ。

 ポーズ写真とかないありのままの(といっても不自然に裸だったりするけれど)姿を写しているのは菅野と同じ手法だけど、淫靡さでは菅野の方が上かなって感じ。あの「落下する夕方」の演技を見ると役者もあっちがとりあえず上みたいだし、ここは中嶋パチもんで終わらずバッタもんになることなく、ベタだけど文字どおり裸一環でさらなる成長に励んで欲しいもんですね。今週土曜日の午後6時は赤面しながら番組見よー。

 森下一仁さんが83年から書いてきたSF関連の書評をどばーっと集めた超分厚い「現代SF最前線」(双葉社、3800円)を購入。すべてが書評って本は珍しくないけど700ページ以上に及ぶ書評集ってのはちょっとなく、コツコツと重ねた仕事の文字どおりの重みを強くつよーく実感する。財布はとーっても軽くなるけどね、ってヌード写真集を買ってるからだよとツッコミ。まあえーやん趣味なんだから、SFもモジャモジャもどっちも。

 人名索引を見ながら森下さんが取りあげた人たちの取りあげられ度なんかをチェーック、する人の悪い僕ですが神林長平さんに大原まり子さんはこの20年近くを先頭で突っ走ってきただけあって、結構な頻度でとりあげられている。日本人では筒井康隆さんの34回が多分トップで、翻訳ではやっぱりな浅倉久志さんが28回で伊藤典夫さんの16回を大きく話してダントツ、かな。ちなみに大森望さんは12回でこれも結構な頻度、ちなみに巽孝之さんは7回と評論では多く小谷真理科さんは2回だったりして、さらに山形浩生さんは1回で柳下毅一郎さんの2回をも下回っているあたり、SFの人とゆーよりバロウズの人で最近ではクルーグマンな人だとゆーことを如実に見る。そか結審も近いかぁ。

 全日空ホテルでCSKのエラい人たちが揃っての記者会見があってのぞく。大川功CSK会長のマサチューセッツ工科大学に寄付をしたとか子供サミットで活躍したとかってな自らの活動を総括する長いながーいお話に輝きを感じて目が眩んで気を失い、しばらくして意識を取り戻したらまだ喋ってた。セガの湯川専務もCSKの福島社長も今日は白いカッターシャツだったアスキーの鈴木社長もその間ずーっと額テラテラさせながら拝聴していたあたりに、素晴らしき哉サラリーマン社会の定めを見る。サラリーマンは強くなければ生き残れない、んだね。


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