縮刷版97年5月中旬号


【5月20日】 やっぱりお腹がユルくて頭に力が入らない。まともにモノが考えられず、朦朧としながら電車に乗って会社に入り、積み上げられたリリースの山から適当に適当なのを引っぱり出して記事にしていく。大日本印刷から届いていたのは、DNPが銀座で運営するギャラリー「ggg」の6月の展覧会の案内。今回は何と横尾忠則さんが登場するとゆー内容だった。

 村上龍さんの「5分後の世界」の表紙やスティーブ・エリクソン「彷徨う日々」の表紙なんかで見るような、サイケデリックな色彩に写真やら泰西の名画やらがコラージュっぽく張り付けられていたりする作品が、このとろこ多くなって来たよーな気がする横尾さんだけど、かつては唐十郎さんの「腰巻きお仙」を嚆矢とするアングラ演劇用ポスターで一世を風靡して、ポスターの世界に旋風を巻き起こしたことがあった。展覧会にはそんな横尾さんの「新作ポスター」がなんと30点も出品される予定。地階では近作のポスターも展示されるから、横尾さんの世界をまだ知らない人は、行ってその目で見るがいい、あの猥雑にして霊的な世界を。

 かのスクウェアから「ファイナルファンタジー タクティクス」のリリース。本当は担当ではないが担当が外出していたためリリースをみながら適当な記事を書く。なにせ一切の知識も愛着もないシリーズ。「ジョブシステム」が強化されたとか、3Dのバトルシーンに時間とゆー当たらしい次元を持ち込んだ「4Dバトル」とか言われても、ふーんすごいね、そうなのねとしか思い浮かばず記事をでっちあげるのに苦労する。

 たぶんテレビで予備校だか大学だかの先生が怒鳴っているCMが、この「タクティクス」なんだろーと思うけど、そのCMで「獅子戦争」がどーだかと言っていた意味が、リリースを読んで初めて解った。つまり戦争の時に大活躍したのに歴史から抹消されたキャラクターになって、史実に隠された真実を探るシナリオってことになってるらしー。だからってこれがいわゆるファンタジーRPGにおいてどれだけのインパクトを持つのかさっぱり解らず、やっぱり適当に盛り上げて記事をでっち上げる。ほんと、無知で不勉強な記者をダマスには刃物なんかいらないね。それっぽいリリースを出しときゃいーんだからね。

 大和堂の記事を書く「資料」として、別冊宝島316「日本一のマンガを探せ!」を買う。記事部分がほとんどなく、全編これマンガの紹介に徹しているのは潔い気がするが、内田美奈子さんの紹介で最新作の(っても終わっちゃったんだけど、雑誌が潰れちゃって)「BOOM TOWN」を載せておらず、「アニメ画風に変更、内容的にも大きく魅力を失った」って断じてくれちゃっていて、ちょいと怒ってみたくなる。

 まあ確かに「赤々丸」とか「GOOD BYE」なんかとは画風も作風も違いすぎるから、昔が好きな人には仕方のない反応かもしれないけど、でも僕は「BOOM TOWN」も「赤々丸」も好きなんで、どっちだっていーじゃんと弱腰の感想をポツリ。問題はそんなアニメ画風の作品ですら発表する場がないーってことで、雑誌関係者の方はいますぐ連載を頼みに生きなさい。「内田美奈子の作品が読めるのはCOMIC ON(CD−ROM雑誌)だけ」ってのはサビシイぞ。

 なんで大和堂の記事を書く資料かというと、大和堂のCD−ROM「少女椿」と「ねこぢるうどん」の原作本が、それぞれいつごろどこから出ていたのかを確認するための資料。しかしこれだけマイナーな作家だ、いくら宝島でも載っていないかもしれないとおずおずとしてページをめくると、しっかりあるではないですか。丸尾末広さんなんか「少女椿」のほかに2冊、計3冊も紹介されていて、同じ「ガロ」系で同じ「異端の作家たち」に入れられた蛭子能収せんせいの2冊を1冊上回っている。

 しかし解らないのは明智抄さんが同じ「異端の作家たち」に入れられていることで、おまけになんと5冊も(藤子不二雄Aさんと同じだぞー)紹介されている。たしかに最初の頃の「始末人シリーズ」は、相当なクセ球の異端コミックだったかもしれんけど、「サンプル・キティ」とか「砂漠に吹く風」は結構マジなSFだったじゃないですか。そりゃあ萩尾望都さんみたく真っ向ストレートって訳じゃなくって、ちょいナックルかかってたり、ちょいパームかかってたりしてズルリとズレたりグラリとユレたりしてるけど。もともとがズレた人間なので、明智さんのズレがぴったりシンクロして、普通に見えちゃってる可能性もなきにしもあらず、なのでここは是非ズレてない人の感想を聞いてみたい。でもズレた人しか読まないからなー。「キャプテン・コズミック」はいーぞー。とくに「ドクター・スケルトン」のお茶目ぶりが。


【5月19日】 月曜の朝9時はNHKの教育テレビがおすすめ。タイトルはすっぽりこんと抜けてしまって思い出せないけれど、とにかく出演しているコンパニオン、じゃなかったおねえさんの衣裳がちょっと昔のモリタカってて良い。ホンモノのモリタカみたいなスラリーっとした脚とは縁遠い、膝頭がポコンと突き出たちょっぴりフトメの脚だけど、「最強のコンビニ」って歌を唄いながらぴょこぴょこ飛び跳ねる場面なんかでは、フワリと舞い上がるスカートともども、男(僕だけだったりして)の目を惹きつけて止まない。ああ、ホンモノのモリタカが脚を出さなくなってから幾星霜、ついにパチもんで喜ぶ歳になってしまったか。月日は無慈悲に過ぎていく。

 オレンジジュースをガブ飲みしたのが祟ったか、妙にお腹がユルくなっていけない。六本木で開かれた記者発表に行く途中の、地下鉄の中で内蔵が雷に打たれたかのごとくキュンとなり、我慢二我慢を重ねて会場となった「TATOO」へとたどり着いて腰を下ろさねばと、六本木の交差点から防衛庁の方に向かって歩くが、いっこうに「TATOO」にたどり着けない。2度、3度と道を行きつ戻りつして、ようやくたどり着いた会場に這々の体でかけ込み、受け付けをすませたその足で、片隅にあるドアのある狭い部屋へと入り込み、しばしの至福を味わう。

 会見はインターネットで音楽の配信なんかを行っている、その名も「ミュージック・シーオー・ジェーピー」という会社が、配信に必要なエンコーダーとかサーバーとかプレーヤーを作っている、アメリカや日本のベンチャー企業と提携するって内容。しばしの休息の後、会場に戻って見渡すと、そこにはフランス料理屋のよーなテーブルがフロア狭しと並べられ、音楽関係者風のモボモガと、報道関係者風のヨレヨレおっさん(って僕もだ)が入り交じる、不思議な光景が広がっていた。前者はともかく後者は絶対に「TATOO」になんて来ない人種。最初で最後の経験に、天井や床や壁などをキョロキョロと見渡しながら、ステージの上で今始まらんとしている発表会が始まるのを待っていた(ってやっぱり僕もだ)。

 発表会のあとには、かのハービー・ハンコックがライブをやる予定になっていたけど、忙しかったので30分ほどで会場を後にして、行きは苦悩に押しつぶされそうになって目にはいらなかった六本木の光景を目に焼き付け、綺麗なねえちゃんいっぱいやーと心の奥底で舌なめずりをしながら、おとなしく地下鉄に乗って会社へと戻り、資料をみながら20分ほどで40行ほどの記事を書く。結局六本木には、まん中に大きな穴の空いた椅子に座りに行ったってことですね。

 東京証券取引所の記者クラブで大日本印刷の決算発表を待っていると、ソニー・ミュージックエンタテインメントが役員異動の資料を投げ込んで来た。すわ去年の脱藩騒動再燃かと思って新任役員と退任役員をざっとみたが、退任についてはこれといって大きな変化は見られなかったみたい。いや単に僕がモノを知らないだけなのかもしれないけど。一方新任の方には、知った名前や聞いたことのある名前が取締役候補としてズラリ。まずはマルチメディアな人の堤光生さんに、SDの本部長を務めていた時に取材に行ったことがあるオシャレな野中規雄さんの名前が目に入る。

 ちょっと下がってEPIC・ソニーレコード本部長の2人、目黒育郎さんと小坂洋二さんの名前掲載されていて、聞くとこの2人、EPICの隆盛をほとんど2人で支えたってゆー超有名プロデューサーで、その功績が認められて揃って役員入りってことになったみたい。もしかしたら去年みたいな騒動が再び起こるのを嫌気して、辞められる前に役員にしてしまえって考えが働いたんだったら面白い芸能ネタになるんだけど、年齢的に見ても役員になって不思議ではないから、単に順送りの論功行賞なのかもしれない。本当のところや良く知らないけど、いずれウラ話が出てくるでしょー。

 月曜の夜9時半はNHK総合がおすすめ。「クローズアップ現代」であのジョンベネ・ラムジーちゃんの特集を組んでいて、おーこれはまるでテレビ朝日のワイドショーぢゃないかと、目を皿のようにして画面を見つめる。事件があっても依然として美少女コンテストは盛んなよーで、今でもあちらこちらで開催されて、年端も行かぬ少女たちが1日4回のステージに立っては、しりきに媚態を振りまいている。こんなに有名になってくると、そのうち日本でもしきりに美少女コンテストが開かれるよーになって、浜松あたりで開かれた日にゃあ、ステージで踊る娘を見つめる、ヒゲの助教授の姿がそこに・・・

 番組に登場した、テキサス州のヒューストンだかで開かれたコンテストに出席していたマギン・ミラーちゃんは、ジョンベネちゃんも足下にひれ伏さんばかりの美人ぶり。ストレートの金髪を後ろで束ねて踊る姿はまるで金粉蝶(実在の舞台女優とは関係ありません)。6歳だったジョンベネちゃんより2歳上のマギンちゃんは、その分「大人の色香」を漂わせていて、ぐグっと心をソソられた。しかし出演していた間、ほとんど言葉を発しなかったのが残念とゆーか不気味とゆーか、飼い慣らされたドレイのよーなその所作に、事件が内在するものの根深さを感じる。しかしやっぱり歌はヘタだねー、ジョンベネちゃん。


【5月18日】 清水厚さんじゃなかったけどいいじゃない「エコエコアザラク」。独特なカメラアングルはないけれど、吊された全裸の女性の背中をズバーっと切り開いて引っかき回す場面とか、魔法陣につかまってのたうちまわる女性の口から蠱がドバーと飛び出す場面といったら、これぞ真性「エコエコアザラク」って感じのグロぶりを見せてくれた。「ギルガメ」からそのままテレビつけっぱなしにしちゃってた青少諸君の中には、握ったままの”既確認飛行しないブットイ”が、シュルシュルと音をたてて縮みあがったって人もいるんじゃない。いや僕がそうだって訳じゃない・・・けど・・・ね。

 ここ何編か異様っぽい世界を造り上げていた黒井医院を出て、佐伯日菜子演じる黒井ミサはふたたび敵を求めて都市をさまようってのが来週以降の展開みたい。看護婦さん姿の黒井ミサが見られなくなっちゃうのはちょっと寂しいけど、もっともっと迫力あるシーンが見られるんじゃないかと思うと、今後への期待は否が応でも増すってもの。そろそろ季節の熱くなってきたし、どーせなら黒井ミサも夏服に着替えちゃったらいーのにね。スクール水着の黒井ミサってのもグー。だけどこんなこと書いてると夜中にバーンとドアが開いて、上目遣いの佐伯日菜子演じる黒井ミサが入ってきて、「エコエコアザラク、エコエコザメラク」とかなんとか言い出すかもしれないから、この返で止めとこー。

 黒井ミサじゃないけど朝方にドアチャイムを成らすヤツがいて、きのう来た近所の聖書屋さんかと思ってドアを開けて追い返そーと思ったら、束になった請求書をつきつけられて血の気が引いた。もういったい何カ月溜めてるんだろーってな「下水道料金」の取り立てで、財布に残っていたなけなしの1万3000円ばかりをむしり取って返っていった。まあ2カ月に1度の請求を、ちゃんとちゃんと払っていればこんな悪魔の所業(滞納するのは悪魔の所業ぢゃないのかい?)を受けなくても住むんだけど、使っちゃったものに支払うお金って、電話代も水道代もガス代もみんなみいんなモッタイナイ気がするんだよなー。しかし心の片隅にミクロン単位で引っかかっていた懸案事項もこれでスッキリ解消。次に支払うのは2年後か、って懲りてない。おやこれは先月の電話代の請求ぢゃないかやばいぞやばいぞ。

 とはいえ銀行に預金がある嬉しさよ、すでにマイナスとなった普通預金残高をさらに減らして(とユーかマイナス幅を増やして)お金を引き出し、本屋で勇んで買い物をする。もはや処置なしっていったところだね。で買ったのは「地上最強の男 竜」でお馴染み、でもないか、とにかく凄い漫画家の風忍さんの短編集「ガバメントを持った少年」(太田出版、1700円)と、こっちはお馴染み水木しげるさんの「定本 悪魔くん」(同、2000円)。ともに「消えた漫画家」で古い漫画家さんの発掘を一生懸命やっている「クイックジャパン」がきっかけとなって生まれた叢書「QJマンガ選書」に収められているもので、値段は高いがそのセレクトの渋さ、確かさ、カッコ良さが注目を集め始めている、ってこの2冊が最初の配本だけど。

 「定本 悪魔くん」は、TVアニメに登場するよーな正義の味方の「悪魔くん」じゃない、資本主義社会を痛烈に批判して世界転覆をもくろむ天才少年「悪魔くん」の活動を描いた貸本屋バージョンの作品で、絵柄こそ今に通じる水木しげるさんだけど、ストーリーにこめられた社会への呪詛とか悪意とかは、読んでいる者の居住まいを正さずにはおかれない。一方、風忍さんの方は知っている人なら知っている、あの曼陀羅様式のマンガをいきなり表紙から見せてくれていて、ファンならずもと1度は手に取らずにはおかれない。

 絶対的確信のもとに素っ頓狂なことを言ってのけるスゴミが風忍さんのマンガには当初からあって、たとえば「地上最強の男 竜」で、冒頭から主人公が「おれは雷音竜、地上最強の男だ!」「武器はもたないカラテだ!」ってなバカなことを叫んでも、その剣幕におされてとても疑問なんか口にできない。表題作の「ガバメントを持った少年」でも、そのタイトルが示すよーに少年が「コルトガバメント」を手に取る少年が登場するが、どーして「コルトパイソン」でも「S&W44マグナム」でも「ルガースーパーブラックホーク」でもなく「コルトガバメント」なのか、そんな説明は一切ない。

 拳銃の種類を云々する以前に、どーして少年が拳銃を手にとって学園を危機と闘わなくてはいけないのか、その必然性すら描写されていないのに、「この日本で中学生で拳銃を扱えるのはあなただけ!」とゆー美少女のセリフに気圧されてしまった少年と同じく、読者もただひたすらにそうなんだと納得しない限り、1歩も先に進めない。すべてを受け入れて後に見えてくるものは、自らを抑圧する者、世界を脅かす者への激しい怒りであり、その怒りを昇華して後に立ち現れる至福の地平だろう。ともかくも1読あれ。ハマればここを先途と、角川書店から復刊された「地上最強の男 竜」を買いに本屋ダッシュすること請負だよ。

 神保町をウロウロしながら新古の書籍を売ってる本屋の店頭で、「淫獣学園」「淫獣学園2」のフィルムブック各上下組み4冊せっと1000円とゆーのを見つけて、ついフラフラと買ってしまった。タイトルを見れば内容は推して知るべしで、アダルト・アニメの傑作「淫獣学園」で展開される、アニメの美少女がアレしてコレする話が、セルをマンガのようにコマ割りにして見せるフィルムコミックのスタイルで綴られている。

 意外だったのは思ったよりアニメ「淫獣学園」の絵がしっかりしていることで、わざと崩したフリをしているのか本当に崩れているのか解らない最近のテレビアニメなんか比較にならないくらい、キャラといー動き(たぶんこう動いているんだろーとゆー予測だけど)といー、申し分ない仕上がりとなっている。本編も是非見てみたいって思うのは、アニメの研究の為であって決して美少女がアレしてコレするシーンを音声付きで見てみたいからじゃないからね。新古書屋さんにはあと5束くらい残ってたから、研究目的にどうぞ貴方もおひとついかが。


【5月17日】 懐かしいなー「証券不祥事」。損失補填だなんだと沸き立った91年当時にちょうど証券取引所の記者クラブにいた僕は、野村証券の大田淵こと田淵節也さんちとかに行ってあのブルドッグのよーな顔から発せられるスゴミたっぷりの声を良く聞いたものだった。ここ数日、その大田淵さんが渦中にある時にオープンな場で会見した唯一の映像なのかな、証券取引所の記者クラブで退任の記者会見をした時の映像が流されるよーになって、隅の方でしゃかしゃかとペンを動かしている僕の横顔がチラリと映っているのが改めて確認できた。いやー懐かしい。

 たった6年前のことなのに、当時は頬もげっそりとこけて静観な若者ーって感じの横顔をしてて、この6年でずいぶん太っちまったなーと、出っ張りかけたハラを見ながらほほーっと溜息を1つ2つ。そして何より髪がある。ボッチャン風に前に垂らした前髪がある。もちろんうしろで縛ってなんかないし、当時はまだ目も良かったので眼鏡もかけていないから、パッと見よーがじっくりスローで再生しよーが、これを僕だと認識できる人は僕以外をおいてきっと絶対にいないだろー。僕だって解かんなかったし。まだしばらく第2次証券不祥事は続きそーなので、田淵節也さんが東証で会見した映像がまた流れるかもしれない。田淵さんに向かって左の方に座っているはずだけど、まあ絶対に解らないから探さないで下さい。

 13日付けの産経新聞に股間モロ見えの男性ヌードが掲載されていたので驚く。読書面の下に、骨まで見えるくらい素っ裸の男性がすっくと立ってこっちを見据えていて、その股間にはムキ出しになったサオとタマがぶらりぶらりとぶら下がっている。体なんて半分くらい皮が剥けちゃっててあれは胃かな、肺かな、心臓かな、まあそんな類の内蔵まで見せちゃっているから、なかなか勇気ある男性ですね。頭なんて脳ミソまで見せちゃってるから。この男性、いま全国を巡回公演中で、6月には埼玉に来るそーだから、興味のある人は会いにいってあげて下さい。「人体の不思議展・埼玉」できっとガラスケースの向こうから、プラスティネーション化されて永遠の肉体を手にいれた、この男性が微笑みかけてくれるはず、です。筋肉なんて鳥のササミがケンタッキーみたいだよー。

 濃いめの情報を送ってくれる「むろたさん」とゆー人の情報を得て、初めて始めから「ウルトラマンティガ」を見る。どんな情報かとゆーと見た人はもう知ってるし、見なかった人だったらきっと天を仰いで無慈悲と叫ぶ、かの実相寺昭雄様が「ウルトラマンティガ」を監督するとゆーもの。オープニングこそこれまでどーりの「V6」だったけど、本編に入っていきなりな鼻のアップ、それから花見へとつながる洒落の効いた展開と、上から広角遠くからパンといったカメラワークに「エコエコアザラクそっくりだー」じゃない、「ウルトラセブンみたいだぜー」っと狂喜乱舞してブラウン管に食らいついてしまった。

 桜の花が舞い散る華麗な映像や、光学処理を多用した幻想的な映像に畳み掛けられると、そこにはもはや子供のおもちゃの「ティガ」はない。バトルの場面も最初はセットの上で闘ういつもどーりの展開、それが一転して舞台の上で両再度に分かれてたって、時には組み付き時には間合いをはかり、蹴ってはよけ殴っては受け、組み付き離れるこれは歌舞伎か狂言かといった展開に、過去あまた星の数ほど放映された、そのいずれとも違う様式美あふれる「ウルトラマン」をそこに見る。一瞬鳴ったカラータイマーもやがて途絶え、静寂の中で1つ、2つと光線のやりとりが行われて後、敵は斃れてウルトラマンは空へと還る。ああこれこそが「純粋ウルトラマン」。子供には解らない「大人のウルトラマン」。でも毎回やられると頭でんぐり返るから、2カ月おきくらいに撮って下さい実相寺監督。さて今晩の「エコエコアザラク」は清水厚さんだったっけか。

 デイビッド・スタウトの「カロライナの殺人者」(ハヤカワミステリアス・プレス文庫)と文・村上春樹さん絵・安西水丸さんの「村上朝日堂はいかにして鍛えられたか」(朝日新聞社)と椎名誠さんの「本の雑誌血風録」(朝日新聞社)と伊藤寿男さんの「マスコミとつき合う法」(テーミス)を買う。最後の本は企業の広報担当者に「マスコミって怖いと思ってるでしょー、でもこいつらたいしたことないから、ちゃんと対応すれば怖くないよー」ってなことを教える本で、「月刊テーミス」連載時から、おそらく大企業なら大半が読みかつ切り抜いて保存している。

 心当たりのことばっかりでなるほど改めなくっちゃいかんと反省することしきりだけど、だからといって広報担当者がこの本を「メンタツ」みたくマニュアル的に鵜呑みにして、「この程度にあしらっておけ」なんてやってきたら、その上をいくくらいに反撃してやるからそのつもりで。そう「新聞記者や編集者は(中略)逆恨みして、いつか報復してやろうと考えている人種」(159ページ)であり、「記者や編集者はプライドが高」(222ページ)く、「記者や編集者には傲慢で狭量で嫉妬深い人物が多い」(234ページ)のだあああ。はーっ、やるせないね。


【5月16日】 モンデックスとかマスターカードとか日立とか大日本印刷とかが出席したカタいカタい記者発表に行く。次世代の主要カードとなるであろーICカードのICに、ひとつのアプリケーションじゃなくっていろいろなアプリケーションを搭載して、それこそクレジットカードにもなれば診察券カードにもガソリンカードにもなるとゆーよーな、そんなマルチなカードを作れるよーにするOSができて、それを広めていくためのコンソーシアムを作ったとゆー話。普通のネットワークを使ってアプリケーションをやりとりして、カードに書き込んだり消したりできるよーになるとゆーから、それこそ1枚ICカードを持っていれば、他にどんなカードも持つ必要がなくなるって、10枚のカードがすっきり納まります的ウォレットを作ってる会社が聞いたらひっくり返って悶絶しそーな、画期的なテクノロジーといえるだろー。とここまで書いて、実は何がなにやらさっぱり解らなかったので、ぼわーんとしながら発表者の頭を観ていて、ある不思議な事実に気が付いた。

 それは普通の人が言えば差別になるよーなことだけど、僕に限っては同情でも揶揄でもなく真に共感として発言できる内容で、つまりは発表者4人のうちの3人が、ものの見事に禿頭であったとゆーことだ。ひとり日立の磯辺専務だけがロマンスなグレーを頭皮に貼り付けていたが、ほかの3人は天井のライトが後の金屏風に当たって跳ね返り、ゆるやかな曲面の頭皮に当たって得も言われぬ輝きを放っていた。それでも3人が3様に違いがあるもので、一番な禿度のモンデックスの人は、まるで「ハンマーナオ」(誰か解らない人は現在少年マガジンに連載中の「はじめの一歩」を読むこと)ってな顔をしていて、禿度も極めて高かった。100%のうちのそうね98%くらい、かな。残りが87%に69%っていったところ。まあでもそのうちにみんな100%になるんだから、卑下とか萎縮とかしなくてもいーんだよ、って結局僕の自問自答自画自賛になっちゃった。やっぱ気にしてるんだ。あーあ。

 地下鉄に乗って恵比寿へ。大和堂とゆーCD−ROM制作会社に行く。もともとは出版プロダクションから始まって、DTPをやったりインターネットをやったりしながらデジタルのノウハウを蓄積し、いよいよ自社タイトルのCD−ROMを出すことになって、せっかくなのでってことで話を聞かせてもらった。しかし自社タイトルの第1段がねこじるさんの「ねこぢるうどん」と丸尾末広さんの「少女椿」ってあたりが、ちょっと(いっぱい)渋い。渋すぎてホントに大丈夫だろーか、誰が買うんだろーかと心配になってくる。

 作品自体はよくあるCD−ROMコミックのよーにページをまるごと読み込んだものじゃなく、スキャナで取り込んだ原稿をコマにバラして色をつけていき、それを映画が紙芝居かって具合にマルチメディアっぽく並べ替えたものだけど、色を塗る時に「×印だけスミベタねっ」て訳にはいかなかったよーで、特に「少女椿」の方は、グラデの部分とか影担った部分とかを1枚1枚手作業で塗っていったから、相当に手間暇かかったとのこと。スタッフも丸尾さんのはもうやりたくないって言ってるそーだから、それだけ渾身の作品だってことなのかも。「ねこぢるうどん」はあの巨大なぎょんぎょろ目をしたねこちゃんたちが3次元になってぐりぐり動く優れ物。ミッフィーちゃんの3DCGよりは可愛いけど、やっぱちょっち不気味だなー。

 社長の人としゃべっていて、「でしょー」と語尾につけるそのアクセントを聞いてピンときた。「名古屋者だな」。あとで聞き返して納得、やっぱり高校までを名古屋で暮らした純トロな名古屋者であった。20年近くも東京で暮らしてアクセントが抜けないとは、やっぱり名古屋弁て頭に染み着くのかなーとも思ってみるが、しかし僕は発音で名古屋者と指摘されたことがあまりないのでなんとも言えない。もっとも普通に話しているよーで結構名古屋的アクセント、名古屋的表現を使うことがあるよーで、社長の人ももしかしたらと感づいていたとのこと。しばし名古屋港のペンギンの話で盛り上がって、1時間ちょいで退出、暑い中を恵比寿の駅へととって返す。

 アミューズビデオによって「ニューリリース」用の記事資料を宣伝の人から頂く。「アプローズ・レーベル」ってミニシアター系の作品ばかりをビデオ化していく企画が進んでいて、これまでにラリー・クラークの「KIDS」だとか実録物の「フェティッシュ」だとかがビデオ化されている。6月にはメグ・ライアン主演の「恋の闇 愛の光」が登場し、7月には去年の夏岩波ホールで観ながらオイオイと泣いた(は大袈裟だけどジンときた)「フィオナの海」が登場する。現在絶賛公開中お「奇跡の海」や「エマ」も年末頃から来年にかけて続々とビデオリリースされる予定になっていて、これだけ話題の作品を集めるなんて、ちょっちマイナーかもしれないけれど「アプローズ・レーベルあなどり難し」と、心の奥で拍手をささげるパチパチパチ。

 たまたま持っていた「B−CLUB」とゆー雑誌のとあるページを宣伝の人に見せて驚かせる。そう、アミューズビデオが渾身の力をこめて送り出したオリジナル・ビデオ・アニメーション「ヴァンパイアハンター」をプロデュースしたアミューズビデオのプロデューサーの人が載っていて、宣伝の人は「えーっ、知らなかった」と言って「今いますから」と言って二人を連れにいった。しばらくしてやってきた2人のうちの1人を見て今度はこっちが驚く番。さっき入って来たときに宣伝の人を呼び出してもらうために呼び止めた人ではないですか。そんなエラい人を伝言板に使ってしまったわが身の尊大さを反省し、「ヴァンパイアハンター」をそのうち取りあげたいと思いますのでその折にはよろしくお願いしますと頭を下げる。ってことで、そのうちアミューズビデオのアニメの話がカタい工業新聞の紙面を飾るかもしれないと思うので、ファンの人はしばし待たれよ。でも「ねこぢる」の話の方が先だからね。


【5月15日】 明け方にかけて「ミニスカポリス」とか「MAZE★爆熱時空」とか「HOUNTEDじゃんくしょん」とかを観る。一時期フジテレビの深夜帯が元気いっぱいで注目を集めていたけれど、最近は評判になっている番組があるってことをあまり聞かない。いや単にこちらが世間の言う「評判」を「評判」として認識したくないと天の邪鬼になっているだけなのかもしれないから、フジテレビの深夜帯がツマラナクなったと明言することは避けたいが、気分的にはどーもテレビ東京の深夜帯の方がエッチ度数でもオタク度数でも群を抜いて高いんじゃないかって感じてる。つまりは単にエッチでオタクな人間だってことなんだろーけど。この僕が。

 「少女革命ウテナ」の有栖川樹璃も「MAZE★爆熱時空」の女メイズも声は月野うさぎの三石琴乃さん。けれども役柄はまったくといって良いほど対称的で、闘いが嫌いでいつも泣き言ばかりいってる割には身内とか自分に危険が及ぶと秘めていた力を爆発させて相手を倒してしまう女メイズが、どっちかってゆーとセーラームーンに近いのと比べると、高貴で冷静で沈着な雰囲気ながらも怒ると怖いし闘いだって厭わない有栖川樹璃は、「美少女戦士セーラームーン」ではじめて知って「新世紀エヴァンゲリオン」のミサトさんでちょっちオトナな声をはじめて聞いた三石さんの、新しい方向性を示唆する役柄のよーな気がしてる。「鉄腕バーディー」の声はミサトさんに近いのかな?

 ちょっと寝て起きて昨日に続いて「東京国際フォーラム」へ。世界の乗っ取り王、じゃなかったメディア王のルパート・マードック氏がFIPP「東京会議」の全体会議でスピーチする姿を見に行ったもので、去年の今頃だったかに「東京会議」の概要が発表になった時、「マードックを呼ぶつもりです」と日経BPの永田晨さんだとかゆー人が計画を語って、僕はともかく周囲のおそらく文化部と思われる記者さんたちがさして興味なさそーな顔をしていたのが、1年経ってテレビ朝日の問題だとか今度のフジテレビとジョイントだとかいった話題て一躍時の人になってしまい、数百人は軽く入る会場が会場30分前でほぼ満席とゆー、今回の会議1番の盛況振りとなってしまった。いやー、晴れの舞台にタイミングをあわせていろいろと話題を作って集客力を上げよーとするマードックの”芸人根性”には頭が下がる。まあそんな訳はないだろーけど。

 あるいはFIPP側が会議に一般の関心が集まるよーに、来日の折には何かでっかい発表でもして下さいよとマードックに頼んでおいたのかもしれず、そーなれば広報委員会の担当副理事長である角川歴彦社長あたりがウラでいろいろ仕込んだんじゃないかって、そんな邪推の1つもしてみたくなる。マードックのスピーチにもやっぱり角川さんは来ていて、来場者の人たちと挨拶なんかを交わしていた。おかしかったのは、通路に立っている角川さんと長テーブルを挟んで座っていた5人ほどのオジサンと、その後ろの長テーブルの座っていたやっぱり5人ほどのオジサンが、起立して手を組んですっておろして青リンゴも好きだ的にかしこまっていたこと。オタクな出版社のオタクな社長だと思っていたけど、あれでなかなか角川さん、政治家なんですねー。お友達になりたい。

 肝心のマードックは別に「プレイステーション」の宣伝もせず「JスカイB」のピーアールもソニーとかフジテレビとかソフトバンクへの御礼くらいに止めて、聴いていてくどさは感じなかった。印象的だったのは「コンテンツは王様」ってことと、それから「ローカルコンテンツが大切」ってことの2点。その上で、日本とゆー土壌に根付いた仕事をずーっと続けて来て、知識も経験も豊富な出版業界が、デジタル衛星放送ってゆービジネスの上で要石になるって出版関係者をオダてる当たりは、国際的とは言われながらも自慢話ばっかりだった顔の大きな会長さんとは、老練度合いが倍も3倍も違う。あっちはただの厚顔で、こっちは鉄面皮、ってところですかね。

 スピーチを終えてそそくさと別のホールへ。とにかく腹の立つ作りだこの「東京国際フォーラム」は。隣にあるホールに行くのにいったん地下までエスカレーターか何かで降りて、地下コンコースを移動してから再びエレベーターかエスカレーターの乗って上がる必要のある作りは、とても人の流れとかを考えて設計されたものには見えない。名古屋の某公園内にある市営美術館も人の導線がいまいちだったりして、観ながらちょっちむくむくイライラが募ってくるけど、そんなん「東京国際フォーラム」の足の爪にも及ばないイライラだってことが、2日続けて「東京国際フォーラム」を訪れて何となく解って来た。

 移動先のホールでは日本が世界に誇るコンテンツの1つ、「マンガ」についての世界各国の識者によるパネル。フランスとかアメリカとか香港とかからマンガビジネスに関わっている人が出席していたけど、朝生的な大討論会はほとんどなく、日本代表として登壇した講談社の山野勝さんとか米マーベル社の副社長とかが順繰りに自分とこの事情を話していくだけの、モデレーターがかの鬼編集長と呼ばれ恐れられた小学館の白井勝也さんとは思えないくらいに、エキサイティングさに乏しいパネルだった。

 内容も漫画ファンならひととおり知っていること(「らんま」に「銃夢」に「ドラゴンボール」が欧米で人気、ってこととか)ばかりで、眼からウロコが落ちるか眼にウロコが飛び込むよーな気分大ドンデン返しは受けなかった。それでも例えばマーベルが子供を意識して英雄がまだ少年だった、少女だった時代を舞台にした「キッズマーベル」ってシリーズを立ち上げたがってる話とか、ドナルドダックやミッキーマウスといったキャラクターが登場するコミックスを「マンガ」風にして日本の雑誌に掲載させた仕掛人による日米マンガ絵柄比較とかが面白く、それなりに楽しくためになる話を聞けた。それにしてもカワイクねーなー「超人ハルク」の子供時代って。

 「本の雑誌」6月号で鏡明さんが「SFマガジン」等での「SFクズ論」への反論を読んだ感想を綴っている。面白く魅力たっぷりな方法論が用いられたコンテンツ(小説とは限らない)を「SFだー」と名付けて楽しんでしまおーって姿勢には共感すること大だけど、こーゆー姿勢を「SF」を序列の最高位に置く尊大な態度だと「SF」とう護符をあげるから大事にするんだぞって感じの尊大な態度だと指摘されてしまうと、理論武装をしていないから切り返すのが難しい。結局どっちつかずのまま「それでもこれは『SF』なんだ」と一人つぶやく程度の軟弱な「SFシンパ」に過ぎないんだろーね、この僕は。


【5月14日】 録画しておいた「新・天地無用!」を見てひっくり返る。てっきりTV版「天地無用!」の続編かと思っていたらまったく別の設定だっとは。魎呼と阿絵霞が追っかけっこをしていて地球に激突して天地と出会って惹かれあうって設定は、これまでの「天地無用シリーズ」と似てないこともないけれど、「天地無用!魎皇鬼」では2万年も生きてる神様で、「天地無用!」では岩屋に閉じこめられていたマッドサイエンティストだった鷲羽が、いきなり海賊になって魎呼と同じ宇宙船に乗ってるし、魎呼の相棒だった魎皇鬼(だから「魎」の字が共通してるんだよ)は、なぜか砂沙美のペットになっている。

 ビデオとテレビで同じキャラクターを使い回していろいろなストーリーを作るってケースが過去になかった訳じゃないけれど、同じテレビシリーズで同じキャラクターでまったく別の話を作ってしまうのってのは珍しい。「新」が初めての「天地」体験な人ならハマれる内容かもしれないけれど、OVAからずっと追っかけて来てTV版「天地無用!」で愕然とした人は、もはや呆然とするしかないのでは。キャラクターの世界観を頑なに守るディズニーと、キャラクターはビジュアルのみを重要視してそのバックグラウンドは無視してはばからないニッポンの、どちらがいったい正しい姿なのか。30年経ってもディズニーが残っていることだけは確実と言って置く。しかし夏の映画版「天地無用!」は、いったいどの「天地無用」の設定が用いられるのだろーか?

 寝て起きて東京国際フォーラムへ。国際雑誌連合(FIPP)の世界大会が開幕して開会式があったので、記事にするために取材に行く。入り口で通訳機を配っていたが外国からの参加者向けだと思って無視して取らなかったのが間違いのもと。司会進行の人(日本人)がいきなり英語でしゃべりはじめてイヤーな予感がしていたらそれが的中。後を受けて挨拶に立ったFIPP会長で日本雑誌協会理事長の田中建五・文芸春秋会長も慣れない日本語英語でスピーチを始め、何を言っていたのかさっぱり理解できなかった。田中会長の英語力じゃなくってこっちの英語力がないのが最大の責任なんだけど。でも田中さんもご苦労なこった。

 しかしさすがだ日本の皇室は。特別来賓として臨席賜った三笠宮崇仁親王殿下はちゃーんと日本語でお言葉を述べられた。いくら英語が話せても、あるいはオリエントが好きな殿下だから仮にエジプト語がペラペラだったとしても、日本の国体を象徴する皇室の人は公の場では決して英語を使わない。国際大会だからって日本で開かれる会議なんだし日本からの参加者の方が圧倒的に多いんだから日本語を使えば良いものを、良いところを見せたいのかすべて英語で通してしまう事務局の姿勢に日本人として哀しみを覚える。英語ができないヒガミじゃないぞ。絶対に。

 それにしても顔が巨大だ大賀典雄・ソニー会長は。物理的にも大きいが、精神的にもとっても巨顔、とゆーかとっても厚顔なそのスピーチに、知性のカタマリである雑誌界の人々はきっと戦慄を覚えたことだろー。「メディアの多様化はプログラムの多様化やコストの低下につながる。多チャンネル化が進めば、雑誌の人がユニークなコンテンツを提供するチャンスができる」とは至極当然もっともな弁で、膨大なコンテンツを有しながらもいまいち電子メディアに消極的な雑誌界・出版界の尻を叩いた姿勢に、心からの共感を覚えた。しかし新しいメディアが成功した例として、ゲーム機「プレイステーション」を自画自賛しはじめたのには驚きを通り越して呆れてしまった。

 おまけに「プレステーションのヒットで新しいチャンスが生まれた。ゲーム雑誌がいっぱい売れて、攻略本もベストセラーになった」とやられては、使命感に促され、己の企画力で崇高なる雑誌を造り上げ、世論や文化をリードしてきたんだと思ってる雑誌界の人々は、「おまーらはゲームってすっげーコンテンツにぶら下がる雑誌やムックを作ってりゃーいーんだよ。その方が儲かるんだよ」って、愚弄されたと思ったことだろう。もちろんゲーム雑誌やムックにも作り手の崇高な意志、読者から付託された使命感が込められていない訳じゃないけれど、だったらなおさらゲームの作り手側の人から「雑誌やムックが売れてるでしょ」って、したり顔で言われたくないよね。だからって「俺たちが雑誌やムックを作ったからゲームも売れたんだ」って言い返せるかってゆーと、うーんてなもんで、その当たり突っ込まれないためにも、矜持ある関係をソフトメーカーと出版社は保ち続けて頂きたいものです。エラそーだけど、でもお願い。雑誌が(活字が)メディアの王様であるためにも。

 今市子さんの「百鬼夜行抄3」(朝日ソノラマ)は暗い顔して実は小ボケであったことが判明してしまった司ちゃんが、すっかりレギュラーになって収録された全話に登場していた。ファンだからまあ嬉しいんだけど、主人公の律クンの影がどんどんと薄くなるのは気にかかる。2人の掛け合い漫才的な展開に、クスッてな笑いも覚える今日この頃だけど、ときおりゾクッとさせられる内容もあるから、その時だけは「ネムキ」つまりは「眠れぬ夜の奇妙な話」のコミックスなんだとゆーことを思い出す。第4巻はしばらく先かなー。待ち遠しーなー。


【5月13日】 「美術手帖」5月号を見ながら「夏への扉」の美藝リンクをお手入れ。グッゲンハイム美術館にMoMAにメトロポリタン美術館に原美術館を追加する。メトロポリタン美術館っていやー思い出すのが大貫妙子さん。なるほどって思った人はよほどの(よほどでもないけど)大貫さんファン。そうかの名曲「メトロポリタンミュージアム」ってのが、確か大貫さんの歌で「みんなの歌」でかかってた。「タイムトラベルはたのし」ってやつね。大貫さんといえば最近某洗剤類無店舗販売会社のCMに大貫さんの昔の曲が使われていて、なんかとっても気持ちの良い雰囲気を醸し出しているから、これがきっかけになって大貫さんファンが増えないかなーって思ってる。某洗剤類訪問販売ファンは別に増えなくてもいーけど。鍋釜浄水器は売るのが大変みたいだし。(注・某洗剤類口コミ販売は表の新聞がお世話になってるから匿名にさせて頂きました、ってバレバレか)

 有楽町の電気ビルに行ってUCIジャパンの発表会。9月に金沢、来年2月に札幌に新しいマルチプレックスを出店するとゆー話で、札幌でパートナーを組む藤田商店、とゆーよりは日本マクドナルドと言った方が早い藤田田会長もいっしょに出席していた。たしか大津が7面で、今度金沢にできるのが9面のスクリーンを持ったマルチプレックスだけど、札幌の「サッポロファクトリー」に出来る「サッポロファクトリー・シネマ」は何と12面もスクリーンを持っている。座席数も3000席くらいあって、おまけに場所も札幌の中心部から歩いて10分ほどとゆーから、市内の映画館の打撃たるや金沢の比ではないだろー。奮起するだろーなー札幌の館主たちはこれから絶対に。

 しかしUCIジャパンの代表取締役の人は日本語がうまいんだか下手なんだか解らない。「ワタシタチエイガカンタクサンタクサンダシマスデス」的な喋りの割には記者が日本語でした質問の意味をちゃんととらえて日本語で返すから、きっと理解してるんだろー。もっとも日本語的なオブラートに包んだ表現は難しいみたいで、日本の映画料金が高いことについて「高すぎると思っていない」と有り難い答えを返してくれたそのすぐ後で、誰もが高すぎると思った理由の一つであるボロボロな映画館施設を非難するよーに「今までの映画館は値打ちがない」と身も蓋もなく言ってのける。金沢の館主や札幌の館主が聞いたら激怒じゃすまないだろーね。でも本当だから仕方ないか。だってUCIジャパンのマルチプレックス、椅子はフランスから輸入するってんだよ。バネは飛び出してないけどヘタってる座面とか、宣伝文句が入ったビニールの枕カバーが哀しいからなー、ニッポンのエイガカンは。

 東芝が自社でDVDタイトルを出すとゆーリリースを処理。米ワーナーや身内の東芝EMIの尻を叩くだけじゃータイトル数がたりないのか、ご本尊が自らタイトル数の拡充に乗りだしたってことになるけど、その割には発売タイトルがあまりにもショボい。イタリア国営放送と日本テレビが共同製作した「手塚治虫の旧約聖書物語」とゴルフのレッスンビデオ(とゆーかDVD)の2タイトルで、いったい誰が買うんだろーかと頭を悩ませてしまった。まあゴルフのほうは正面と側面のスイング場面をマルチアングルで収録してDVDらしさを出しているんだけど、手塚治虫さんの方は字幕と日本語切り替えができるってだけ(それでもビデオでは不可能だけど)のタイトルだから、別にビデオでもいーよーな気がする。

 それにビデオでもそれほど売れるとは思えないタイトルが、もっともっとオタクなハードであるDVDで売れるはずがないじゃない。アニメファンがDVDに期待するのはもっともっとコアだったりレアだったりする作品で、例えばバンダイビジュアルが7月25日に発売する「未来少年コナン プレミアムBOX」のよーに、持つ価値があるってタイトルしか売れないんじゃないかって思ってる。いっしょに発売する「アルプスの少女ハイジ プレミアムBOXパート1」はちょっち苦しいかも。でも4万円しないから買っておいて損はないかな。

 手塚治虫さんと言えば朝日新聞が主催して選考に当たっていた「手塚治虫文化賞」の受賞者がやっぱりな藤子・F・不二雄さんに決まったみたい。存命者では萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」とどっかの漫画図書館の企画者が受賞。後者はいかにも朝日っぽい選択だけど、萩尾さんの方は受賞作が受賞作だけに英断って気がしないでもない。何せ少年が母親の再婚相手に姦(や)られちゃうって話だからね。んでもってそいつを殺しちゃうって話だからね。耽美でサディスティックなストーリーは、「トーマの心臓」当たりの少年愛物とは一線を画する、萩尾さんにとっても冒険的な作品だと思うし。いずれ選考委員から理由が発表されるから、目利きでなる岡田斗司夫さんや古川益造さんや荒俣宏さんやいしかわじゅんさんが何を理由にこれらを選んだのか、ちょっと楽しみに(てぐすねひいて)(舌なめずりして)待ってる。

 午後から帝国ホテルで日本経済新聞社とコンデナスト社の共同発表会。コンデナスト社ってのは米国の出版社でかの「VOGUE」「GQ」「VANITY FAIR」なんかを出している。共同発表の内容は「日経コンデナスト」って会社を合弁で設立して、来年の春に日本版「VOGUE」を刊行するってもので、あれっ「VOGUE日本版」ってどっかが出してなかったっけと頭をめぐらし「でもどこが出してたっけ」と考え込んで、結局結論が出なかった。「GQ」を中央公論社が出しているのは確かな記憶で、これが負担になって中央公論社がカタムキかけてるのも記憶に新しい。

 いっそのこと「GQ」のライセンス提供をやめちゃって、日本版も日経コンデナストで刊行すればいーのに、だって親会社は経済が得意なんだから「GQ」にもビジネスマン向けの情報をバンバンと入れられるじゃないって考えるが、日経コンデナストが刊行するのはとりあえず日本版「VOGUE」だけみたい。あと来日して会見したコンデナスト・インターナショナルのニューハウス会長は「VOGUE UK」「VOGUE France」にならって、「VOGUE Nippon」ってなタイトルにしたい意向をもらした。別に間違いじゃないんだけど、でも「『う゛ぉーぐにっぽん』読んだ?」「ううん、『エルジャポン』なら読んだよ」って会話の時の「う゛ぉーぐにっぽん」って言わなきゃいけない当たりがかなり恥ずかしいー気がするから、これがネックにならなきゃいーけどって他人事だから興味津々で見ている。いひひひひ。


【5月12日】 早起きして新横浜へ。シグナルライトとゆーゲームソフトの開発会社が新しいインターネットサービスを始めるとゆーので話を聞きに行く。ほとんど表だって知られていないシグナルライトとゆー会社は、実はメディアワークスから去年の末に出たギャルゲー、じゃなかった育成シミュレーションの「エターナルメロディ」を開発した会社で、そこそこの知名度はあるらしー。話を聞きに行くのに何も予備知識がないのは失礼と、とりあえずは代表作の「エターナルメロディ」を土曜日から今朝にかけてしこしこと2度ばかりプレイ、込み入っておらず単純に(ちょっと単調に)サクサクとエンディングまで進む軽さがオヤジなゲーマーにとっては有り難い。

 聞けばこのソフト、プレステとサターンでそれぞれ5万本くらいは売れているとかで2本で10万本なら開発費用さえバカかけていなければ、十分に元の取れる数字じゃないかと思う。案の定社長の人も「利益は出てますよ」と話していて、3年もかけて延べ何百人もの人材と何十億円もの資金と投入してグリングリンなCGを使ったど派手ーなRPGや、有名プロデューサーに有名シナリオライターに有名キャラデザイナーを起用して有名声優ばっかりが登場する浪漫なアドベンチャーが、その投資に見合ったリターンを得るために一生懸命ソフトを売ったりマーチャンダイジングへと進展していくのを横目に、半年くらいでサラサラっと作ってほほほほほってな具合に何万本かのソフトを売ってしっかり稼ぐスタンスは、見ていてなんか肩の力が抜けてくる。

 肝心のインターネットのサービスの方はその名も(この名か?)「競馬ホームページ」。世の中に数百はある競馬データベースの中にあって、たぶんほとんど唯一、日本中央競馬会(JRA)から提供されている「JRA−VAN」のデータを直接公認で利用している競馬DBってことらしく、その情報量たるや過去10年分のすべてのレースは言うにおよばず、馬ごとの過去のレース結果の検索やら血統をもとにしたランキング付けやらいろいろな使い方が、ほとんどマウスによるクリックだけで出来てしまうよーな工夫がされている。実際競馬のDBを使う人って、競馬が好きなおじさんが多いじゃない。そんな人がキーボードにありゃこりゃ打ち込んで検索をかけるのって結構うざったいから、そんなユーザー層にとって、なかなかに利用しがいのあるサービスなんじゃないかと思う。分かり易いインターフェースは流石ゲーム屋、ってところだね。

 横で「悠久なんたら」とかゆーゲーム作りをしているパソコンがあって、これが結構秋葉原あたりで話題になっているのを見かけたことがあったので、ますます会社を見直す。「だって気合いいれて頑張りたくないからみんなゲーム業界に来たんでしょ」ってゆー社長だから、仕事の内容はともかく雰囲気はなんか春の日差しそのままって感じ。もっとも来客中のパフォーマンスかもしれず、僕が「エタメロ」のマウスパッドをもらって帰った後に、ちゃぶ台がひっくり返されていたかもしれないので、詳しくは触れない。新横浜から横浜経由で会社に戻り、さっそく原稿をでっちあげて1日の仕事終わり、って訳じゃないけど、青筋たてて出世街道をばく進したくないからブンヤになった身、ここはゲーム屋さんをみならってノホホン、ノホホンと行くことにしよー。

 しかし不思議だ12日付け日本経済新聞のメディア&アド面。ページの3分の2を潰していまさらながらの「エヴァンゲリオン効果」について検証している。まあ劇場公開も一段落して、夏の続編公開まで大袈裟な動きはないよーなので、ここいらでひとまとめって発想はよく解る。それに何より日経がこれだけのスペースを裂くのって、やっぱり相当なことだと記者だけじゃなくってデスクも編集局長も認識したってことなので、とりあえずは良しとしよー。ってもテレビ東京は日経系だからいわば身内のホメ合いか。だったらこっちも気合いを入れて「中華一番」でもホメるか・・・ホメたくないなー。だってアレってどう見ても「ミスター味っ子」に勝ってないもん。ガンダム以降の盛り上がりが若干衰え始めた中にあって、アニメファンにアニメの表現の可能性とそのスゴミを存分に見せつけてくれたからなー、「味っ子」は。

 お台場にはほかに、「るろうに剣心」や「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や「ちびまる子ちゃん」があるけれど、アニメファンだからって見たいとも見なくてはとも思わない番組ばかり。「サザエさん」に至ってはもはや評価する云々の次元を超えた高みへと登ってしまっていて手が出せない。深夜帯に凝った番組作りが目立ったお台場テレビだけに、あるいはテレビ東京が頑張って放映しているよーな深夜アニメをもっとばんばんを作って流せば、こっちもそれなりに興味を示してやったのにい(ってエラそーだね、オレ)。せいぜいがちょっち寄り目の「ローラ」さんでは、平面コンプレックスのオタク記者が出る幕はまるでない。多チャンネル時代はあまねく一般ウケするソフトよりもほんの数万人が興味をもってくれればいいってな感じのソフトをいっぱいいっぱい持ってた方がトクなんだよー。だからマードックさんなんかと組んで洋画とかバンバンもって来るよりも、そのお金の端っこでいーからアニメを作ってちょーだいな。応援するからさー(ってやっぱりエラそーだね)。


【5月11日】 起きていられたので放送中の「エコエコアザラク」を見る。前回に続いて映画「ねらわれた学園」の清水厚さんが監督、やっぱりな画面となるほどなストーリーで、しばらくダルな展開が続いていた「エコエコ」をググッと引き締めてくれた。人を跳ね殺しておいて悪びれもせずに被害者にピエロなメイクをしてしまうヤツらがとにかく凶悪。そんなヤツらを復活した被害者が襲うシーンにも緊迫感と迫力があった。黒井ミサってずーっとフトモモに付けたナイフを使ってたっけ? 佐伯日菜子が見えない程度(何が?)にスカートをめくってナイフを取り出すシーンだけでも、午前2時過ぎまで起きて見る甲斐があるってももんだ。黒井医院の院長がヘン。舞台あたりで有名な人なんだろーか?

 寝て起きて天気が良かったので大久保の「ブックオフ」へ行く。2階の文庫売場、3階の漫画売場とさしたる収穫はなかったが、1冊、かつて早川書房が中途半端にも参入した挙げ句に数年で撤退してしまったヤング・アダルトの文庫「ハヤカワ文庫ハィ!ブックス」から出ていた、井辻朱美さんの「トヴィウスの森のものがたり」を見つけて購入する。「SFマガジン」の別冊っぽくスタートした雑誌「ハィ!」は創刊から数号で頓挫し、文庫もたぶん数10冊ってとこで刊行が止まってしまって、書店ではもちろん古本屋でもあまり見かけることがなかっただけに、井辻さんのを含めて10冊くらい置いてあったのにはちょっと驚いた。サンリオSF文庫がバカ高い値段で取引されているのに比べると、「ハィ!ブックス」の方は全然格安なよーだから、これから古本屋で見かけたら、ちょくちょくと買いまして行くことにしよー。

 いわゆるSFプロパーな会社がヤング・アダルトを出すことに懐疑的になっていた人も、当時の自分も含めて結構いたんじゃないかって思うし、一方でヤング・アダルトプロパーな人からは、SFなハヤカワのヤング・アダルトってなんかカタそーって見られていたかもしれず、「ハィ!ブックス」が続かなかったのも、そんなコウモリ的な雰囲気がどこかに感じられたからだろー。もっとも今、これだけヤング・アダルトが賑わっているんだから、早川だってもうちょっと我慢して刊行し続ければ、ヤング・アダルトの分野でもグインサーガのよーなベストセラー・シリーズを出せたんじゃなかろーか。巻末の広告にある羅門祐人さんの「元祖羅門堂病院」(イラストは弓月ひかるさんだあ)とか、神月摩由璃さんの「花輪竜一郎さんの優雅な生活」(イラストは吾妻ひでおさんだああ)なんて、読んでみたくないですか。

 小森健太朗さんの「バビロン 空中庭園の殺人」(ノン・ポシェット)を読むがどーもピンとこない。史上最年少での乱歩賞ノミネート、「コミケ殺人事件」に代表されるヲタク趣味、デビュー作以来に共通するメタ・ミステリ的要素といった前評判ばかりが耳に入って来てたから、そんなことを期待して読み始めると意外にも普通のミステリーで、トリックにも謎解きにも驚天動地のアクロバットは見られない。探偵の女性も楚々とした美貌を持っている割にはガッチリしてるとゆーほかは、今のところはとりたてて魅力がなく、帯にある「推理ファンを、刮目して見よ!」との惹句も、新保博久氏絶賛とゆー文字も、どこかそらぞらしく見えてくる。

 もちろんこれはメタとかヲタクとかいった要素に過度な期待をする僕個人の印象であって、一般から見ればミステリアスな女性探偵・星野君江を主人公にしたライトなミステリー・シリーズとして人気が出る可能性はあるので、頭から否定するつもりは毛頭ない。新保さんも実際の解説では、メタ・ミステリ的要素と不可能犯罪と古代史推理の小森作品に顕著な特徴について、「これまでの作品のほうが徹底した面を持つだけ本書より高い達成を見せたこともある」と書いていて、「バビロン」については、これらの要素がバランスよく配置されていることを指摘するに止めている。小森作品への入門書として最適って意味での推薦なんだと、ここではとりあえず理解しておこー。こちらも「メネシスの哄笑」や「ローウェル城の密室」を読むまでは判断留保。講談社ノベルズの新作はその後、ってことにしとく。

 アメリカ風ソーセージとポテトサラダを麦酒で流し込んで夕食。眠くなったのでそのままベッドに入り、気が付いたら午後の11時を過ぎていた。結局1日、1冊しか本を読ずもったいない時間の使い方をしてしまったと反省することしきりだが、懸案だった特別な仕事も別刷り向けの原稿を出し終わって完全にこちらの手を離れたので、これから徐々に本を読むペースをあげられることだろー。もっとも、ただでさえ少人数(1面を2人とか3人とかで作ってるんだよ。一般紙の人には信じられないだろーね)で作ってる新聞から、今度は別の人が特別な仕事にとられたりするので、前以上に忙しくなる可能性も極めて大。もっともマードックに売り飛ばされたらもっと忙しく、かつシビアになるのは確実なので、今のうちに読んで読んで読みつぶるれるまで読んで読み倒すことにする。漫画とヤング・アダルトを。


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