縮刷版97年3月中旬号


【3月20日】 テレビ朝日のモーニングワイドがしつっこく「ジョンベネ・ラムジー」ちゃんの特集を組んでいる。いくら日本のワイドショーが傲岸不遜で厚顔無恥だろーと、はるばるコロラド州の田舎町まで特派員を派遣して、外国人による外国人の事件を報道するだけの予算はないためか、他の局がほとんど取りあげない。そんな中を、テレ朝だけは毎週のよーに現地に人を送って、ちゃんとリポートを送って来てくれている。

 こんな事件に関心持つなんて、「××××野郎」だけだよって言われれば確かにそーだけど、現地アメリカじゃー「エンクワイアー」に「スター」に「グローブ」に、その他諸々のタブロイド週刊誌が、毎号トップで報道しているくらいだから、決して「××××野郎」だけが関心を示している事件じゃないと思うんだけど(と自己弁護)。インターネットにいっぱい関連記事のページもあるみたいだけど、英語が読めないので見ても解らないのが残念無念。だれかトゥパクアマルのページみたく、日本語に翻訳してくれないだろーか。

 早起きしたついでに早出して新宿へ。テアトル新宿で公開中の「攻殻機動隊インターナショナルバージョン」を見るためで、11時の上映開始ちょっと前に入ると、もう30人くらいの観客が来ていて、マイナーな映画のリバイバル上映(英語版は初めてだろーけど)の割には入ってるなー、やっぱ人気あるんだなーと感心する。ロビーには2台のプレイステーションが並べられていて、7月頃に発売予定のプレイステーション版ゲームソフト「攻殻機動隊」のデモをやっていた。映画版に出てくる、高速道路で敵を追いつめていくシーンのCGと良く似た画面が出てくると思えば、フルポリゴン(だと思う)のフチコマが駆け回って敵をバンバン倒していく画面に切り替わって、合間にコードにつながれた草薙素子がパパッと映るって感じの、なかなかにカッコ良いデモに仕上がっていた。

 映画「攻殻機動隊」はもはや6度目で、英語版なんか4度目(ビデオ持ってるから)になるのに、見ていてそれほど飽きないのは、自分が新聞で報道したってことの他に、やっぱりこの作品が好きなんだからだと思う。「エヴァ」みたく謎もなければお楽しみシーンもないけれど、高いクオリティーと語られるメッセージ、そしてないよりもカッコ良すぎる映像が与えてくれる、しばしの至福の時間が心地よいんだろーね。

 上映終了後に続けてオマケの上映。「魔法学園ルナ」なんかじゃなくって(コレはコレで好き)、ロビーでもデモってたゲーム「攻殻機動隊」のオープニングアニメーションを、数分間だけ見せてくれた。前にエディット90のシンポジウムで見たのと同じ映像だったけど、デッカイ画面をカサカサを動き回るフチコマはなかなかの迫力だし、中に載っているのか外部から操っているのか、全身からコード状のものをのばして、機械の中で見もだえる草薙素子の姿もグッドグッド。映画版よりはコミック版に近い表情だけど、スタイルとか目つきなんかがもっと色っぽくなっている。

 そんな草薙を家でゆっくり見たいがために、「エヴァ」をプレイするため「だけ」にセガ・サターンを買った馬鹿者が、ゲーム版「攻殻機動隊」のために、「プレイステーション」を買う可能性大。もっともまだ先の話なので、現時点では態度保留にして、代わりにプレステ版に近い草薙が描かれた、限定2000枚とゆー村上隆さんデザインのポスター(2000円)を購入する。草薙が引っ張っている背中からのびたコードはアンビリカルケーブルか? いっそ「エヴァ」4号機として「巨大草薙素子」が銃を乱射し回し蹴りをくらわすってのは、どうでしょーか。

 新宿からJRで池袋へ。西武百貨店の「バカラ」ショップで父親の退職記念に贈るアルルカンとかゆーシリーズの花瓶を買って宅配便で贈る。なんて親孝行なんだって、感心しているみなさん、そうじゃりませんからご心配なく。どうせあと20年もすれば、自分の物として返ってくるんだって、ちょっとどころかもそすごく不謹慎な下心の末のセレクトなのです。旅行券とか背広券とかお米券とかじゃー、こうはいかないもんね。弟に取られないよーに、底に発信器でも仕込んでおけば良かったかなー。

 葛西の河内屋酒販で「エヴァ」を買う、って別にプラモデルとかガレキとかカードダスの販売を河内屋がはじめた訳じゃなくって、「エヴァン・ウィリアムス」とゆーバーボンを買っただけの話。しかし他にいろいろな銘柄があるのに、ずーっと見ている時に「EVA」って文字にピクっと反応してしまうのは、相当に「エヴァ菌」が脳に回っているからなんだろーね。ならばいっそ、初号機の形をしたボトルを作って中に「エヴァン・ウィリアムス」を入れて「エヴァン(ゲリオン)ウィリアムス」なって名前で売ったらどーだろーか。1万円くらいなら買ってもいーかなって、そんな気がしてるのが我ながら恐ろしい。「エヴァ」のZIPPOライターを作ったビーム・エンタテインメントさん、どーですか、この企画。


【3月19日】 スポーツ新聞を買うと、かの「SPEED」がでっかく出ていて、その他大勢の沖縄アクターズスクールの生徒たちといっしょに写真に写っていて、どーして彼女たちが登場するまで、記者会見場で待っていられなかったんだろーと、深い後悔の念に襲われる。社長さんとか取締役さんといった、会社のエラい人にはたくさん会う機会があるのに、芸能人の、それもピチピチのアイドルなんかに会う機会なんかは滅多ないないから、昨日の那覇新都心の発表会見は、そんな願望がかなう貴重な貴重な機会だった。

 しかし次の会見があるからと、タクシーを使って移動した先で見たのがおっさんとおっさんとおっさんの顔。仕事だからとはいえ、写真でにこにこきゃぴきゃぴ笑っている「SPEED」の写真を改めて見せられると、やっぱりしまったなーとゆー気持ちにとらわれてしまう。おまけに昨日は見られたはずの横山智佐さんの会見(別に横山さんが主役じゃなかったんだけどね)を蹴って「SPEED」にかけていただけに、1日たった今でも後悔の念が心臓にこびりついて離れない。

 とはいえ、そんな気持ちを引きずってばかりもいられないと、銀座にある大日本印刷の「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」の上にある会議室に行って、おっさんとおっさんの記者発表に出る。出席したのは大日本印刷の本部長と、もう1人は晶文社の取締役で「本とコンピュータ」「こうして本は消えていくのか」の著者でもある津野海太郎さん。前に1度、同じ建物の1階と地下にあるギャラリーで、「ハンガリー・アバンギャルド」の展覧会が行われていた時に来場していて、名刺を交換したことがあったけど、改めてその顔を見てその声を聞くと、ホント大日本印刷にいる元広報室長の弟さんにソックリだとゆーことを認識する。

 津野さんを招いての発表は、大日本印刷から新雑誌「本とコンピュータ」を7月に刊行するとゆーもので、編集長には津野さんが就任、それから副編集長には筑摩書房取締役の松田哲夫さんとボイジャーの萩野正昭さんを招いて、ディスプレー上で本を読むって行為に付随する、フォントだとかレイアウトだとかの問題についての論陣を、いろいろと展開していくことになるらしー。期刊で値段は2000円もするけれど、出版界の名物編集者に電子出版の雄が会社の枠を超えて集った雑誌だけに、どんな雑誌になるんだろーと、ウキウキワクワクしてくる。

 もちろんマルチメディア時代の雑誌に相応しく、紙の雑誌だけじゃなくって、インターネット上でも若干遅れてオンライン版を創刊することにしている。縦書きが原則の紙の雑誌と、横書きが普通のオンライン雑誌の2つを駆使して、それぞれの事情に応じての出版の形を、模索していくのだそーな。しかし雑誌社から印刷を受注している印刷会社が、雑誌を刊行することに慎重な姿勢を見せているのは変わりがなく、「大日本印刷、雑誌出版に進出!」なんて見出しは、出来ればやめて欲しいなーなんて、そんな声が聞こえてきた。

 会社に戻っていろいろと原稿を書いて早々に退出、試写では驚きの連続で完璧には理解できなかった「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」を、東銀座の松竹セントラル1で見る。もうそろそろ空いて来たかなと思っていたら、意外にもそこそこの人出があって、劇場の3分の2が埋まっていた。それじゃー全然埋まってないって声もあるだろーけど、あれだけ難解なアニメ映画の最終上映に、これだけ人が来るってのは、やっぱり不思議な事態だと思う。あと銀座とゆー土地柄か、意外と若い女性の姿も見られた。

 聞き逃したセリフや見逃した場面を確認して、なんとなく理解できたよーな気がして、夏の「ジ・エンド・オブ・エヴァンゲリオン」の結末も見えて来たよーな気がした。けれども相手はあの庵野さんだから、人によってとっては奇跡とゆーより冒涜に近いかもしれない、空前絶後にして前代未聞の「奇跡」を見せてくれるだろー。明日はとりあえずタダ券使って「攻殻機動隊インターナショナルバージョン」を見に行くつもりだけど、月末か来月にもう1度、「エヴァ」を見るかもしれないなー。「リバース」編冒頭、303号病室シーンのアスカを目当てに。ティッシュを握りしめて。


【3月18日】 東芝EMIを大罵倒する。今朝付けの日本経済新聞に社長交代の記事が載っていて、日経の抜きかと思って悔しさを顔に出さずに記事を読んだら発表とある。発表だったらウチにどうして連絡がなかったのかと、東芝EMIの広報に電話をかけたら、発表は発表だが日経と電波新聞だけに伝えたと言った。そういうのは発表とは言わない、発表だったらあまねくすべてのプレスに連絡すべきではないかと抗議すると、返した答えがあまりに振るっていて、温厚にして堅実な僕でも、なけなしの髪が天に刺さるほどの怒りに襲われる。

 曰く「日経さんはソフトをよく取りあげてるから」。なんだそれ。たしかにウチの新聞はソフト業界に関しては決して強いとはいえないし、こちらの怠慢と人手不足もあってすべてのソフト業界を密にカバーし切れていない。しかしこと東芝EMIに関しては、リリースされる資料などは極力紙面で紹介するように心がけ、送られてくる資料などにも目を通して、逐次記事化して来たつもりだ。広報だってまったく知らない顔ではない。だがそうした今までのウチの新聞での行為を、広報側がまったく認めていなかったことを、今回の出来事によって思い知らされた。

 いずれ発表される社長人事を、プライベートな時間にまでズケズケと立ち入って取ってくることを好まない弱虫の僕は、経済記者としては失格の部類に入るだろう。弱虫でない記者が頑張って取ってきた抜きのネタだったら、素直に拍手を贈って褒め称えるし、事実はどうであれそういった説明がなされたならば、こちらも素直に引き下がった。しかし、あからさまに「おまえの新聞は弱い」と示唆されては、それが半ば事実であり、いくら愛社精神のない僕でも、どうして怒らずにいられよう。せいぜいが名古屋のテレビ塔くらいの高さしかないプライドでも、十分に傷つけられる仕打ちだ。そういう人の心を忖度しない振る舞いばかりをするから、売れっ子ミュージシャンに逃げられるんだって、それはあんまり関係ないか。

 かくなる上は、たとえば将来『花丸ノベルズ』にやおいな小説を投稿して、それがベストセラーとなって、東芝日曜劇場でドラマ化の話がもちあがり、東芝EMIがDVD化の話を持ち込んで来ても(ないって)、すげなく断ってやるからそう思え。原宿を歩いているところをスカウトされて、モデルに歌に踊りにと大スターへの道をかけあがって、レコードデビューの話が東芝EMIから持ち込まれても(だからないって)、やっぱり断ってやるぞ、解ったな。少年ジャンプに投稿したマンガが、1巻で1000万部を売る大ベストセラーになって、そのアニメ化の話が東芝EMIの関連会社から打診されても(絶対にないって)、断然断ってやるから覚悟しなさい。私は狸みたいに執念深いのだ。わはははは。でも移動でサンスポか産経本誌に入って音楽を担当するってことはないわけじゃないからね。その時はよ・ろ・し・く。

 「SPEED」が出演するとゆーので、港区海岸のホテルで開かれた那覇新都心再開発の発表会に出る。米軍住宅が立っていた那覇郊外を再開発する「マルチ・エンタテインメント・シティ構想」の発表で、そこにエンターテインメントの核として、かの沖縄アクターズスクールが参加することが決定。プロジェクトを応援する目的で、沖縄から社長のマキノ正幸さんと、出身アーティストの「SPEED」が会見に現れることになっていた。

 しかし肝心の「SPEED」は30分くらい遅れて入場するとのことで、こっちは次の会見があって途中で出なくてはならず、いつ出るんだ、いつ出なくちゃいけないんだと時間ばかりが気にかかる。結局、タイムアウトでこっちは退出、せっかく1番前に座ったのに無駄になってしまった。記事は先に入れておいたので、行くだけ無駄足だったってことになる。これならオークラで開かれた「サクラ大戦」アニメ化の発表に行くんだったなあ。横山智佐さんも来てたのに。あー今日は朝からついてない。

 気を取り直して東京国際フォーラムへ。日本雑誌協会の会見があって、5月に開かれる国際雑誌連合(FIPP)の世界大会の概要が発表になった。業界のドン的存在ともいえる文藝春秋の田中健五会長や、いまやゲーム雑誌まで出してしまう無節操さがプリティーな日経BPの永田晨社長に混じって、このところヲタクな場所でよく見かける顔が。そう、角川書店の角川歴彦社長が雑誌協会の広報担当役員を務めていて、真面目な文化部の記者たちが集まる真面目な会見に、真面目な顔をして出席していた。って別に角川さんが不真面目とかヲタクって訳じゃあ決してないけど、やっぱりこれまでに見かけた場所がスターチャイルドのパーティーにマルチメディア・タイトル製作者連盟のパーティーにエヴァ打ち上げのパーティーだからなー。しかし今月に入って3回も会ってるってことは、もしかしたらウチの社長より会ってるかも。

 有楽町の国際フォーラムから歩いて帝国ホテルへ。こっちでは女性ばかりの編集プロダクションとして名を馳せ、最近ではウェブのプロデュース事業にも熱心なエイガアルが、NECと組んでプロの漫画家さんのイラストとかを販売してしまうバーチャルモールを立ち上げるとゆー発表。最近はあちこちのシンポジウムに引っ張りだこの伊藤淳子・エイガアル代表取締役がいて、なかなかにぐっとくる衣裳で、会場内を挨拶して回っていた。

 モールで販売するのは、エイガアルといえばやっぱりの寺沢武一さんのイラストが中心。会場内にもいくつか飾られていたけれど、エディションナンバーとサインの入ったコブラとかアーマロイド・レディーのイラストは、たとえ複写であっても高いクオリティーと質感を発していて、お金があれば1枚買い求めて部屋に飾っておきたい衝動にかられた。伊藤さんん曰く「アマチュアはコミケとかで売れるけど、プロの人って売る場所がないんですよ」。そんな場としてこの「The Manga Arts」を他の漫画家さんにも使ってもらうとか。オタクな業界にも顔の広そうな伊藤さんだから、きっと凄い人たちの作品を集めて来てくれるだろーな。期待期待。


【3月17日】 スポーツ新聞や産経新聞のメディア欄によると、16日放送の日テレ「スーパージョッキー」で、アナウンサーの大神いずみさんが熱湯に入らなかったことに、山ほどの抗議が寄せられたとか。当然である。パネルを用意しておいて、「大神いずみ」の上で止めてみせてから、「女子アナは水着になってはいけないという規約がある」と持ち出すのは、視聴者集めの詐欺行為と言われたって、絶対に文句は言えないぜ。

 松永アナだって、自分たちが登場する以上は「大神いずみ」と書かれたパネルが登場することは、容易に想像出来ただろー。おまけに、パネルが登場した時には規約のことなど1言も言わず、止まってから急に困ったふりをしてプロデューサーと話し合って、それから自分たちが代わりに入ると言い出した。だったら初めから番組のプロデューサーに釘をさして、「大神いずみ」のパネルなんか用意させなきゃいいんだよ。新聞の宣伝文句を見て、午後1時過ぎからテレビの前にかじりついていた独身男の「R・T」(仮名)は、どこに憤りを持っていけばいいんだよ。期待してビデオまで回してたのに・・・(爆)。

 恥ずかしい話はさておいて、会社に行って大日本印刷やらシナジー幾何学やらブエナ・ビスタ・ホームエンタテイメントやらのリリースを処理して時間を過ごす。大日本印刷はメディアギャラクシー上の日本プロ野球機構のホームページで、大阪ドームとナゴヤドームの落成記念トーナメントの試合経過・結果を配信するとゆー内容で、ホームページ形式の得点経過とか、電光掲示板タイプのリアルタイム経過情報や、試合終了後の電子メールによる結果配信やらが主なメニュー。昼下がりにパソコンで仕事をしているフリをして、こっそり野球の経過を見て楽しむ人が、きっと増えることだろー。

 シナジー幾何学は、マルチメディア・ビジネスに関する法律を開設した本の翻訳を出すとゆー内容で、あわせて契約書のフォームを英語と日本語で収録したCD−ROMも、通信販売のみだけど発売するとか。米国と日本では著作権の処理なんかでまだまだ違うところがあるだろーけど、先進国の米国でどんな処理が行われているかを勉強したい人や、実際にマルチメディア・ビジネスを手がけている人には、必要不可欠の本だといえる。でも高いんだよね、9500円は。ブエナ・ビスタは今年で御歳63歳を迎える世界で最も有名なアヒル、ドナルドダックのビデオが発売されるとゆー話。区切りの良い歳でもないのに、誕生日だからって話題を盛り上げてビデオを売ってしまう手法が取れるのも、やっぱキャラクターの強み、かな。

 バンダイから19日に始まる「東京おもちゃショー」の出展案内が届く。べらべらと見ていて「怒りの代理人 男・女」とゆー商品を発見する。曰く「重役タイプ、お局対応のソフト人形を握りしめると悲鳴を上げるストレス解消グッズ」とか。どんな顔をしているのか、写真がないので解らないが、ちょっとフィギュアの腕に覚えがある人なら、にっくきあの人の顔を作って人形の首とすげかえて、握るなり踏みつぶすなりして遊べば、結構なストレス解消になるのでは。毎週金曜の夜、某デスクが某助教授の顔をしたソフト人形を握りしめて、「げんこー」と叫ぶ姿が目に浮かぶ。

 めぼしい商品はあと「HGエヴァンゲリオン初号機 輸送台仕様」。3500円とお高いが、各種特殊武装に輸送台まで付いているからかえってお買い得かも。関係ないけど「リバース」編で話題の病室シーンを完璧に再現したジオラマ、誰か作って雑誌かなんかで発表しないかなー。精出す瞬間を切り取るのって、顔の表情の問題なんかもあって相当難しいかもしれないけど、そこは腕に覚えのあるモデラーだったら、是非とも挑戦していただきたいところ。期待してます。

 家に帰ると、「パノラマコミュニケーションズ」とゆー会社から何故か「攻殻機動隊 インターナショナルバージョン」のタダ券が届いていた。「日頃のご愛顧」ってあったけど、ここから大層な物って買った覚えがないんだよなー。「攻殻機動隊」のプロモーション用CD−ROMって、ここから買ったんだったっけ? ともかくも村上隆さんデザインのチケットは使うのがもったいないほどの優れデザイン。一緒に入っていた通販グッズの中にも、同じデザインの「攻殻」ポスターがあって、2000円とゆー値段と限定500部とゆー文句に、ずくずくと心が揺れ動く。こーゆー時に強く感じる。「ヲだな、オレ」。


【3月16日】 午前零時半ごろからテレビ朝日「ジャングル」で「エヴァ」特集。前日の「AXEL」に続いての特集に、他局の映画をなんでこんなにも宣伝するんだろーと不思議に思う。配給が東映で東映がテレ朝の株主だからか、などど最近の話題から勝手に推察するが、まーそんなことはなくって、現場のディレクターなりプロデューサーに、きっと「ガンダム」あたりでアニメにはまった30代のオヤジなオタクがいたんだろー。マイナーな工業新聞のオタク記者が、スターチャイルド・レーベルの記事に始まって、11月の製作発表で80行の記事を書き、映画化前夜で120行の記事を書いて、デスクを「流行ってるんです」と騙して、無理矢理紙面化させるたよーなもんだ。

 東映では初日と2日目で合計30万人の動員を見込んでいるとか。劇場窓口で販売された前売り券が20万枚で、オマケ欲しさに1人の人が買った重複分を数万枚差し引き、劇場窓口以外での販売を数万枚を足して、前売りを使って劇場に足を運ぶコアなファンは、せいぜいが20万人から30万人程度ってのが僕の予想。ビデオ1巻分当たりの販売本数ともだいたい重なっていて、それが初日と2日目に、一気にはけてしまうことになるから、3月下旬とか4月以降は、きっとガラ空きになるだろー。それから行くか。

 アベックがいっしょに見に行くって映画じゃないし、親子連れはお父さん、お母さんがコウノトリ以上に説明に困ってしまうだろーから、きっと「ドラえもん」か「フランダースの犬」に行く。「101」は子供にはちょい毒強し。オタクビジネス参入を目指す企業のサラリーマンが、状況を視察に行く数を数万と見込んでも、やっぱり50万人は厳しいかなー。例のシーンが話題になれば動員が伸びるかもしれないが、マッチポンプなサヨクの新聞が「PTAから抗議!」なんてやった日にゃあ、該当シーンのカットとか上映打ち切りなんて目にあわないとも限らず、そーなったら動員数は逆にガックシと落ち込む。やっぱ早めに見ておくか。

 しかし「エヴァ」の配収見込み15億円と「もののけ姫」の60億円とでは、どっちがより大ボラ度が高いだろーか。当てずっぽうでいけば、「エヴァ」は頑張って10億円って線、「もののけ」は宮崎アニメ最高の「紅の豚」を抜く30億円ってところだから、見込みとは実に30億円もの差がある「もののけ」の方を、現時点では大ボラ大賞に認定しよー。「エヴァ」なんて上映前の見込みが3億なんだから、たとえ6億円でも大成功って威張っていーかも。「もののけ」は製作費に20億円、宣伝に22億円かけてるから、30億では大赤字。徳間にとっての「落陽」(某にっかつを潰してナムコの軍門に下らせるきっかけになった映画)にならないことと祈る。

 午前2時過ぎからの「エコエコアザラク」は佐伯日菜子さんを目当てで見ている番組なので、ストーリーがありきたりで他の出演者がマイナーでも、ぜんぜん気にならない。古本屋でハタキをかける黒井ミサってのも可愛いじゃないか。しかし先週発売になった「週刊読売」の表紙の佐伯日菜子は「エコエコ」とまるで違うイメージで、女性って化粧とか髪型とか服装とかで、こんなに印象が変わるものかと改めて驚く。襟がガバっと開いたワンピースからのぞく胸元の白さがひときわ目を引き、週刊誌フリークの助教授が跨いで通る雑誌(通称アカマタ)であるにも関わらず、ついつい買ってしまったあー。「最低だな、オレ」。


【3月15日】 午前1時からテレビ朝日の「AXEL」で「エヴァ」絡みの特集があるとゆー記事を見つけて番組を見ていたら、なんのことはない2分程度「デス」部分を流しただけ。TVシリーズでは流れなかった新しい映像があったかどーかも確認不可能な短い時間の放映に、これでいったいどれだけ視聴率のポイント上げたんだと、愚痴ばかりが口をついで出る。確認できたのはカヲルくんがアダムの前に浮かんでいるシーンくらい。ぱっと見るの構図はTVシリーズと同じだけど、よく見るとアダムの下腹がユルんでいる。アダムに下腹なんてあったっけ、って疑問をお持ちの方は是非劇場へ。僕も今日、明日中にもー1度、あるいは2度、3度と劇場へ足を運ぶつもりだから。前売り買っちゃってるし。

 緒方恵美さんや三石琴乃さんたちの舞台挨拶を取材したければ、午前5時に歌舞伎町にある新宿東急に来いとゆー案内が宣伝会社から回って来ていたけど、歌舞伎町なんかで飲み明かし(抜き明かし)ていたら、店にもよるけれど2万や3万じゃーきかないから、あきらめて午前11時からの渋谷東急に行くことにする。こっちは林原めぐみさんが来ないんだよなー。でも映画じゃー綾波レイ、あんまし目立ってないから、いーか。

 で、指定時間の11時に渋谷東急に行くと、階段は劇場のある5階から1階まで人の列でびっしり。今日に限って入れ替え制を導入しているよーで、先頭の看板に「×時×分から」とかいった張り紙が貼ってあった。そんな人たちを横目で見つつ、プレスの特権を使って会場内へ入ると、そこもやっぱり人でびっしりの状況で、通路にも、そして座席の後ろにも立ち見の人垣が出来ていた。司会の人が登場して緒方恵美さん、三石琴乃さん、宮村優子さん、長沢美樹さんを紹介、はじめて見た長沢さんがとっても綺麗だったのでいっぺんにファンになる。でも人気があったのはやっぱり「みやむー」で、しゃべると拍手、閉じるとかけ声、なにをやっても反応する観客にしばし唖然とする。

 緒方さんはやっぱり女性に人気のよーで、去り際には「おがたさーん」「おがたさーん」とゆー声が、会場のあちらこちらからかかっていた。ひとおおり挨拶を聞いたあと、1階におりてちょっとした打ち上げパーティーへ。そこで東映の人から初日の状況の説明があって、営業部長とゆー人が「3億いけばよかったと思っていたけど、夕べの様子を見て甲(かぶと)を脱いだ」と話していた。確かに難解な作品ではあるが、これだけメディアが騒いでいる状況を見れば、そこそこの実績は上げられる作品だと、エンターテインメントの世界にいる人だったら、解りそーなものなのに。東映がポン酢な作品ばっかり作ってる理由が、これで解るよーな気がするね。

 やっぱりいたのが角川書店の角川歴彦社長。製作者代表としていの一番に挨拶に立って、「大きな障害を乗り越えて、今日ここまでこれました。それだけに嬉しい」と、本当に嬉しそうに話していた。あとはキングレコード、テレビ東京と挨拶が続いたが、肝心のGAINAXの挨拶は、去年の11月の製作発表の時と同様行われなかった。制作じゃなくって製作者にちゃんと山賀博之さんの名前がクレジットされているのに、こーゆー場所には何故かいっつも出てこない。何故なんだろー。

 角川さんに挨拶すると、「見たか、どうだ」と自信たっぷりなコメント。「新しい謎がまた増えているだろう」と、その解決を求めて夏の興行にも、たくさんの観客が集まることを確信している口振りだった。スターチャイルドのイベントの時に聞けなかった、ソフトバンクの孫正義さんがテレビ朝日株を売却してしまったことについて感想を聞くと、なかなかに厳しい言葉が飛び出し、リソースを集約することになったJスカイBについても、ソフトの供給面が追いついていない状況を踏まえてのことだろーけど、同様に厳しい見解を示していた。マードックの使いっ走りみたくなっているのを、残念に思っているのかな。

 村上春樹さんの「アンダーグラウンド」(講談社)は、地下鉄サリン事件に関するノンフィクションなのに、何故かそこからリアルさを感じない。読めば確かに悲惨だし、描写によっては涙もにじんでくるが、それは文章によって綴られたドラマへの感情移入であって、決して現実に被害を受けた人への同情ではない。架空の事件について60余人に証言させるという形態をとった小説、そんな印象を受けてしまうのは、自分が冷たい人間だからか、事件を実際に経験していないからか、写真が1枚もないからか、被害の軽重に関わらず等価値で証言を並べていった村上春樹の手法によるものなのか。しばらく頭を巡らせてみたい。


【3月14日】 13日付東京新聞に「エヴァ」の記事が出ていて、岡田斗司夫さんがコメントを寄せているのを発見する。なんでも「エヴァはオタク層が喜ぶように作られた作品。一般の人にブームが広がったのではなく、水面下で知らない間にオタクが増えていた」とあり、次いで「日本にはコア層で600万人、潜在層で少なくとも2400万人のオタクがいると考えられ、この人たちが一番購買力がある。今はオタクをターゲットにすることが一番お金がとれる」と指摘する。

 「六百万人」「二千四百万人」とゆー数字については、そんなにいるのだろーかとゆー疑問がまず先に立つが、「一番お金になる」とゆー指摘については、当方もかねがね主張し続けていることで、昨夏の紙面改革の打ち合わせの時にも、社長の人に「オタク面を作って漫画とアニメとゲームの記事で埋め尽くして、企業のとっちゃんたちにオタクビジネスってこんなに幅広くてこんなに関心が高くてこんなに儲かってるんですと教えてやりましょーよ。研究所とかに務めてるオタクなエンジニアたちにも受けるから」と提案して苦笑された。まあ当たり前か、工業新聞だもんな。

 それにしても、ウチはもとより朝日に産経に今度は東京、見落としていたかもしれないが、毎日、読売、日経にもきっと1度は「エヴァ」絡みの記事が出ていたはずだろー。となればウチは別として主要な新聞を完全制覇したことになって、これはやっぱり「アニメオタク」として喜ぶべき状況が、「ガンダム」以来の雌伏を時を超えて、ようやく到来したのだといえるだろう。違う部分があるとすれば、「ガンダムショック」リアルタイム経験派の30代のおっさんたちが、メディアの前線でブームを煽っている(オレのことだ)とゆー雰囲気を感じることで、そんなおっさんたちが「ガンダム」で目覚めてそのまま引きずり込まれて今にいたったよーな現象を、「エヴァ」が今の10代の人たちに与えているのかどーかが、実のことろは未だによく分からない。

 「ガンダム」しかなかった時代ではもはやなく、「エヴァ」以外にもアニメは無数にあって、なおかつ「ゲーム」という協力無比な「オタク文化」が「アニメ」と対峙し、もはや完全に凌駕する勢いで急激にマーケットを拡大している。体は1つ、お金もいくら「オタク財布」は底が深いとはいえ、やはり限界はあるもので、おまけに「オタク」の対象は、「ゲーム」に「コミック」に「アニメ」に「ガレキ」にエトセトラ、そしてゲームで言えば「アクション」「RPG」「シミュレーション」云々と、「オタク」な対象が細分化されている。

 そんな状況で、「エヴァ」を見たからそのまま「アニメオタク」として20代、30代へと成長し続け、次なる「ガンダム」「エヴァ」を生みだし、あるいは次なる「ガンダムブーム」「エヴァブーム」を煽るアジテーターになってくれるのか、心からの期待と、いささかの懸念を持って今の「エヴァブーム」を見つめている。っても1億2000万人が総オタク化すれば、その3割が「アニメオタク」でも、3600万人もいるわけだから、これはこれでとてつもなくすっげーマーケットなんだけど、ね。

 池袋のリブロは新刊書の入り口のところに「エヴァ」コーナーが出来ていて、ムック本からフィルムブック、謎本、死海文書、人類補完機構シリーズなんかがどっちゃりと積んであった。「オタクアミーゴス!」は良いとしても、何故か神林長平さんの「魂の駆動体」が並んでいて、どっかに関係のある言葉でも出てきたんだろーかと考えても、ちょっと思い出せない。劇場版の公開を受けて1つ提案があるとすれば、CDを売ってる本屋さんはバッハの「無伴奏チェロ組曲」か「パッヘルベルのカノン」を用意して、明日朝1番に「エヴァ」コーナーに積み上げなさい。朝イチで見た人がきっと買いに来る、かもしれないから。

 渋谷「シネアミューズ」でアミューズビデオのイベント。ミニシアター系の作品を集めたビデオシリーズ「アプローズレーベル」の発売記念イベントで、雑誌「anan」かなにかで実施した、ラインアップへの人気投票で1位に輝いたラリー・クラークの監督作品「KIDS」を上映した。10代の少年少女がやりたい放題の生活を送ってるって話で、テーマは「ヤルときはツケなさい」ってあたり、なのかと思ったりもしたが、ともかくもスクリーンの中の外国が、今の日本とどれほども違っていないのだとすれば、年寄りとして嘆きたくもなり、男として羨ましくもなる。もし若返ることができたとしたら? やっぱり「KIDS」にはなれそーもないな、臆病だから。


【3月13日】 早起きして「ヤジうまワイド」を見ていたら、12日付に書いた映画「101」に登場するディズニー史上最大の悪女、「クルエラ・デ・ビル」の人形発売の記事が紹介されていた。ディズニー・ストアから調達したのか、実物の「クルエラ」人形が画面に登場していて、結構な大きさとオートクチュールの衣裳の質感の良さに、これなら1万円でもいーかなとゆー気になった。ちなみに全世界で限定3万個、日本ではたったの500個しか販売されないみたいなので、欲しい人はディズニーストアに走れ。全部の店で売ってはいないみたいなので、とりあえずは渋谷公園通りの店あたりをのぞいて見るのがいーかも。

 早めに家を出て東映の試写室に行き、人気絶頂にして話題沸騰のアニメの試写を見る。人気絶頂にして話題沸騰なだけに、早めに行かないと席がとれないと思い、午前10時の開演の30分前に到着したら、すでに長蛇の列が出来ていた。ぞろぞろと連なって試写室に入ると、50席ほどある座席は満杯の状況で、上映初日の第1回目を見るためだけに、前の日から並ぶことくらい平気でやるアニメファンを、少しばかりなめていたと反省する。

 それでも通路に用意された補助椅子に座れただけまだましで、5分ほど後から来た人は試写室で立ち見とゆー、悲しい状況を余儀なくされたし、さらに後から来た人、といっても開演20分くらい前には到着していた人だけど、会場に入れずに、午後1時からの部か、午後3時からの部に回されていた。少し前に同じ部屋で見た、某エルカンターレ様原作のアニメが、広い試写室にたった3人しかいなかったことと比べると、同じ宗教がかっていると言われても、やっぱり人気があるんだなー、このアニメは。

 さて席に座って上映開始を待っていると、テレビや雑誌で見慣れたおじさんがどかどかどかと入って来て、スクリーン正面の席にどっかと腰をかけた。丸い体、二重(ふたえ)になったふくよかなアゴ、情熱的な語り口はそう、人気絶頂にして話題沸騰のアニメを制作した人たちとは因縁浅からぬ関係を持つ男、オタキングにして東大講師の岡田斗司夫さんであった。かのインデペンデンス・デイを大笑いしながら見ていたとゆー人だけに、人気絶頂にして話題沸騰のアニメでは、どんな反応を見せてくれるのだろーかと内心期待しつつ、スクリーンの幕が開くのを見つめる。

 CGを派手に使った角川書店のロゴに続いて現れたのは、スクリーン中央にでーんと広がる「映倫」のマーク。なにやら挑戦的な始まり方に、後ろの方からがどははははといった笑いが出たが、やがて「デス」部分の上映が始まると、いきなりの新作シーンのオンパレードに、場内はしーんと静まり返って、そのまま一気にラストまで突っ走った。基本的に総集編であることには変わりはないが、例えばセカンド・インパクトが起こった経緯だとかが描写されていたり、ロンギヌスの槍がささっていた意味が明らかにされたりと、数多くの新しい情報が盛り込まれていた。

 もちろんそれだけでは何の解決にもなっておらず、新たに加わった断片をこれまでの断片と結合すべく制作された「リバース」への期待が、否が応でも高まって来た。そして「続劇」の文字とともに始まった「リバース」は、TVシリーズの印象をすべて破壊する恐るべき展開の速射砲で、固唾を呑んで見守っていた観衆の度肝を、抜いて抜いて抜きまくったままひとまずの終幕を迎えた。ついでにシンジも抜きまくったのはご愛敬としても、これ以上は難しくてとちょっと説明ができない。今はとにかく劇場で見て、そして判断してくれとしか言えない。1言だけ言わせてもらえるのなら、シンジくん、僕なら顔に出す。

 「リバース」が終わり、エレベーターで岡田さんと乗り合わせたので初あいさつ。83年頃、名古屋は植田というところで「ダイコンフィルム」の上映会を見たことがあるんです、その頃からのファンです、とは流石にいえず、新聞社に務めていて最近「ジャパニメーション」に関する記事を書いたんですけど、岡田さん昔から「ジャパニメーション」なんて誰も言ってないっておっしゃってましたね、それ本当ですか、と聞いたくらい。岡田さん、初対面であるにも関わらず、数分間だけだったけど、「ジャパニメーション」という言葉を使いたがる勢力のこととか、なぜそれに村上隆さんが異論を差し挟まないかといった理由などを説明してくれた。ちなみに人気絶頂にして話題沸騰のアニメについては詳しくは言及せず。エレベーターの中で「カッコいいんですけどね」と言ったくらいで、それがネガティブなのかポジティブなのかは判然としなかった。どっちなんでしょーか、岡田さん?


【3月12日】 「エヴァ 2nd」をプレイするもこれまでと違った展開にならず、達成度がいっこうに上がらない。アニメシーンをスキップする方法は教えてもらったが、必ず勝ててしまう戦闘シーンはどーやらスキップができないよーで、最初で5分、後ので7、8分は確実に時間をとられる。それでも最後までちゃーっとプレイしてだいたい15分から20分で終われてしまうので、延々数十時間をかけて選択をミスってパー、なんてならないのは素人の勤め人には有り難い。しかしこのゲームって、本当のところはどのくらいの評価を、ゲーム好きな人たちから受けてるんだろーか。

 テレビ朝日の朝ワイドがまたまた「ジョンベネ」ちゃんの特集。しつっこく舞台の上でカウボーイ大好きってな意味(たぶん)の歌をへたくそな声で唄っている映像が流れた。ここはこの映像しか持っていないのか。日テレだったかはコンテストでポーズを取る映像を持っていたのに。事件自体は、なんだか進展があったみたいだけど、時間がなくって番組を全部見られず、どんな進展があったのかは分からなかった。最近になって日本のマスコミも、全米のタブロイド誌を毎週のように賑わしているこの事件に興味を示し始めたよーで、今出ている「ビューズ」だったかが、著名人へのインタビューを交えた特集記事を組んでいた。アメリカだったらきっと、逐一「ジョンベネ」絡みの情報を流すホームページがワンサとあるんだろーね。捜す気力は流石にちょっとないけれど。

 映画「101」の中で、可愛い101匹のダルメシアンたちを差し置いて、1番目だっていたディズニー史上最大の悪役「クルエラ・デ・ビル」の人形が、なんとディズニーストアから発売されることになったとか。米国の大手玩具メーカー、マテル社が制作したコレクタブル人形で、日本ではディズニーストアのうちの20軒くらいで、限定300個だったか30個だったかが販売される予定。値段は1万円。写真を見ると実写映画「101」のイメージに近いよーで、白と黒のモノトーンの毛皮(フェイクだろーね、人形は)を着て、髪も白と黒のメッシュに塗り分けられている。映画でクルエラを演じたのは「危険な情事」のグレン・クローズだったけど、人形の方は顔がよく見えなかったので、似ていたかどーかは分からない。買った人で誰か、映画みたく蜜の中に人形をどっぷりと浸けてみる・・・・なんて人、いる訳ないよね。

 3月4日に開かれた「攻殻機動隊」の凱旋公演を記念するシンポジウムでもらった、草薙素子が素っ裸(本当は裸じゃないんだけど)でビルから落ちていく冒頭のシーンの写真を使いたくって、シンポジウムで聞いた話をまとめた「ジャパニメーション」絡みの記事を創造する。上から見おろす構図で、胸のポッチは目立たないよーになっていたし、実際は裸じゃないから胸ポッチなんて見えないんだけど、それでもドキドキするよーな写真を、工業新聞に載せることに成功した。胸ポッチのない綾波レイの写真に続いての快挙と一人悦にいるが、しかし「下級生」的パンチラシーンだけは、紙面に登場させることに未だ逡巡している。いつかやってやる。

 しかし記事では堂々と「ジャパニメーション」なんて言葉を使ってしまったが、聞く人によってはこの言葉、今時アメリカじゃー使っている人なんていないし、実際の意味も決してポジティブではないそーな。そんな言葉を、読者の年齢層が高い新聞で使ってしまうと、意味をよく分からないオジサンたちが、流行言葉だと勘違いしてOLに向かって「じゃぱにめーしょん」、家では子供に「ジャパニメーション」なんて言い出すんじゃないかと、ほんのちょっとだけ心配している。ちなみに「攻殻」の凱旋公演は、かの「エヴァ」が始まる15日から東京・テアトル新宿でスタート。「アニメージュ」の209ページで紹介されているプレステ版「攻殻機動隊」のオープニングアニメも同時上映されるから、「メージュ」見てピッと来た人は劇場にゴーだ。すっげーぞ。


【3月11日】 太田出版から発売された「庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン」「庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン」を買う。基本的には「クイックジャパン」の第9号と第10号に2回にわたって掲載された、大泉実成さんと竹熊健太郎さんによるインタビューを単行本にしたもので、それに「エヴァ」に関わったアニメーターやプロデューサーの座談会が付いている。その座談会だけでも1冊の単行本にできる分量なのに、それを「スキゾ」と「パラノ」に分載するあたり、商売じょーずと感心することしきり、そこまでして儲けたいかと憤怒することしきり。

 座談会では、例えば溶けちゃったシンジを呼び戻した場面とか、綾波レイの遺伝子の半分はアダムだから時々凶暴になるとか、庵野監督は本当に精神病院に診察を受けにいたけど医者が自分よりバカでもういいとなって結局宮崎さんから休めといわれて嬉しかったとか、そんな話がたくさん飛び出して為になる。がしかし、結局は作品で散りばめられた謎を解決して、あの最終回を納得して受け入れられるだけの情報はそこには提示されておらず、週末公開の映画、今夏公開の続きの映画、さらには作りなおしのLDを見て、その上で再び庵野監督を招いてのインタビューなり、関係者を集めての座談会なりを開いて欲しいと願うことしきり。

 サンライズの記事が出ていたので「アニメージュ」を買う。前に買ったのはそーだななー、たしか「トトロ」のイラストボードのポストカードがおまけについていた頃だから、確実に10年は経っている。表紙をめくっていきなりの「エヴァ文字」に、ここでもサターンのソフトの宣伝かと思ってよく見ると、書いてある「エヴァ文字」がちょい違う。例えば「使徒、接続」「トクテンって、何?」「ドン・マッコウ」「他では絶対に手に入らないプレゼント」といった具合。

 なんだなんだとよくよく見ると、インターネットプロバイダーの「ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)」の宣伝だった。4月末までにオンライン・サインアップで入会した人は、もれなく綾波レイのマウス・パッドがもらえるとか。下敷きやポスターに群がる人が出るほどの人気キャラだけに、今頃DTIのオンライン・サインアップは怒涛のアクセスでてんてこまいしているだろー。これで会員が一気に増えて、ますますつながり難くなること請け負い、だね。

 これで止まればよかったものの、本屋で「オタクアミーゴス!」(ソフトバンク、1339円)とゆー本を見つけて買ってしまう。著者はいわずとしれた岡田斗司夫、唐沢俊一、眠田直の「オタクアミーゴス」。持てる知識とブツの量ではかなうものなき3人組の本だけに、どろどろに濃く、めらめらと熱く、ぎらぎらと激しい話ばかりがここぞとばかりに詰め込まれている。

 唐沢俊一さんのネタだろー、「変なアメコミ」で紹介されている「カラテガール」に「ウルティマウーマン」は、「SFマガジン」の連載で見た記憶があるが、あらためてカラーで見ると、やっぱりバカな漫画だねえ。オタクホームページのインデックスの充実度もなかなかで、これからつないで全部ブックマークしたい衝動にかられる。「オタクアミーゴス」の集会の方は、ロフトプラスワンほか全国で、今も鋭意開催中だから、単行本の方も「2」「3」「4」・・・といったシリーズ化も可能だろうね。

 締めは高尚にアートの話。11日付毎日新聞夕刊で、東京芸大で唯一日本画で博士号を取った村上隆さんが、雑誌「SPA!」で連載を持っている松沢呉一さんと「現代美術」の見出しのもとで、対談をしている。ああ高尚。しかしよくよく見ると、美少女の写真が1枚。ををこれはガレージキットではないか。「プロジェクトKO2」と名付けられた写真の美少女は、三枝徹さんが原型を制作し、かの海洋堂が協力して作り上げた1分の1スケールのガレージキットという、村上さんのアート作品なのだ。1月だったか、大阪のギャラリーで展示されたから、見た人もきっといるはずだろう。

 村上さん曰く「GAINAXはアンディ・ウォーホルが作ったファクトリーの日本版」で、「オタクという、大人たちが分からない風味のものを使ったファクトリーだと思う」そうな。つまりは「アート」として評価されうる活動であって、「日本ではサブカルチャーのパワーがものすごいと分かり始めて、(米国では)ちょっとしたアート・ピープルは日本ブーム」になっているとか。けれども「日本のソフトをつかさどる人たちは海外へのマネジメント能力がない」ため、浮世絵が流出していったように終わってしまう可能性が大。危機感を訴える村上さんの言葉を、企業の人たちは「毎日」読んで考えよーね。


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