縮刷版2007年5月上旬号


【5月10日】 やっぱり10冊くらいは買わないといけないのかなあ「月刊ニュータイプ」の2007年6月号。挟み込まれた「コードギアス 反逆のルルーシュ」の132ページもある超特大別冊は別に1冊あれば十分なんだけど、未だ放映されざる24話と25話をまとめて先行して見られてしまうとゆー夢のよーなイベントに参加するための応募券は、1冊に1枚しかついていないんで応募して確実に当選していち早く24話と25話を見て感涙にむせび感動に打ち震えるためには、10冊くらいは買って応募券を切り取り往復ハガキに貼って送りつける必要があるだろー、絶対に。

 会場の「竹柴ニュートピア」がどれくらいの広さかは知らないけれども想像だと入って1000人とかそんなもん。だけれども先だって開かれた同人誌イベント「ギアスターボ」に朝から行列していた人たちサークルを出していた人たちの数は目分量ながら5000人はいそーで、たとえ大阪会場があって東京は2部に分けて開催したって足りなさそう。且つそーした人たちがやっぱり自分も是非に紛れ込みたいと、応募に必死になった暁には応募総数10万通は超えて厳しい競争率になる訳で、そこで勝利するにはやっぱり10冊、いや20冊は買って応募するのがやっぱり必要だろー。うーん困ったけれども仕方がない、頑張ろう。

 その「月刊ニュータイプ」の本誌での特集もやっぱりこれからどーなるかって辺りで涙を流して復讐に向かおうとするコーネリアの表情が妙に可愛らしく、恨みに憤って戦いの場に向かおうとするスザクを困った表情で留めようとするロイドの態度がなかなかにいじらしい。それぞれが感情を露わにしていく展開が待っていそーな24話&25話。挙げ句に待っているのが残酷な結末だったらちょっと嫌かも。でもそれが「コードギアス」なのかも。そんな人たちにあってひとりジェレミアだけは実験適合生体となり感情をどこかに失ってしまったまま刻み込まれた怨念だけを頼りに、まるでロボットのよーにゼロ=ルルーシュへと向かって行くんだろーなー。これもこれで残酷な展開。千種=ヴィレッタは果たしてそんなジェレミアに着いていくのか見捨てるのか。見捨てれば。

 そんな「月刊ニュータイプ」の編集長が創刊以来で初めての女性になっていたって話しが読者コーナーの漫画に描いてあってそうなのかと慨嘆。田島寛子さんってその人ともちろん面識はないんだけれど「ニュータイプ・ロマンス」の編集長なんかもやっていたかやっている人っぽいんで本誌にもそーしたロマンティックな記事がわりゃわりゃと増えて来たりするのかな。編集スタッフをざっと眺めると編集長に副編集長が女性で編集も10人のうち6人が女性っぽい。ライターの人を入れれば濃度も薄められるんだろーけれど、会社で仕切る12人のうちで8人が女性とゆー状況はやっぱり誌面をより美に耽ったものへと変えて行く可能性の上昇を予感させるんだけれど果たして。でもまあやっぱり女性が編集長になったけれど「月刊サンデーGX」は未だにガンでバトルな雑誌だから「月刊ニュータイプ」の表紙が毎号キラとアスランかルルーシュとスザクばかりになるってことはない、と思いたいけど代わりがエイジとイオラオスばかりってのも、なあ。どーなる「月刊ニュータイプ」。

 白く輝くモビルスーツが日本に帰ってきたってんで銀座にある「GINZA TANAKA」の本社へと赴き例の3000万円はするとゆープラチナ製「機動戦士ガンダム」とご対面。ちっさい。けど重そう。係員の人が持ち上げようとしていたけれど片手では上がらず両手を使って取り上げていた。1400グラムだったっけ、ノートパソコンくらいはあってそれを片手でつまんで持ち上げるのは確かにしんどい。落としてバラバラになったらきっと誰も組み立てられないだろーし。パーツ1個だとだいだい幾らくらいになるんだろー。家くらい買えるかな(それはない)。

 写真では見ていたけれど間近で初めて見た純プラチナ製「ガンダム」はなるほど日本の匠の技が活かされているのか表情まで精巧で、ボディラインもシャープに出来ててこれならガンダムの造型に煩い人でも満足できそー。聞くとピカピカに磨き上げるためには削りだしでは無理で、だから90近いパーツに分けて作ってそれを磨き上げた上で組み立てる手法を取ったのだとか。プラチナだけなら700万円とかの価格だけどそーした手間を考えると、そして「ガンダム」ってゆーキャラクターの人気を勘案すると3000万円って値段も妥当かも。妥当だからって買えないけど。totoBIG当たらないかなあ。

 中華な嫁のスタイルに今日もほだされた「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」はシンクロ率を高めるとギガンティックの間を超えて別のギガンティックが活動している場所へと意識をとばせるよーになった日本がギリシアのギガンティックを動かす2人とシンクロ。男なのかギリシャはパイロットもトランスレーターも。かといって2人の間に耽美な空気が流れる訳でもなくってむしろ1人の女性を争う恋敵とゆー関係。且つその女性が別の誰かを好きだってことを知っていたりもするから悶々としつつ諦めようとしつつけれども捨てきれない青春の匂いってやつが画面から漂い胸を焼く。

 そんな懊悩を若い少女や少年に知らせちゃいけないぜ。群像劇にしなかったんで他国といちいち戦争にならないと話が進まない心配があったけど、この手法をとれば他国の搭乗者が誰でそこにどんなドラマがあるかも描けるなあ、なかなかの発明、んでとりあえずギリシャにエジプトの戦いがあってどちらが勝つことになるのかな、んでもって次はどこに飛ぶのかな。どんな人たちが乗っているのかな。美人だと良いけど男ばかりだと胸焼けが酷くなりそーなんでその辺は考えて話を作っていってやって下さいな。


【5月9日】 番組もとりあえず終わってしまって動く姿を見るにはDVDを買うかネット配信を鑑賞するしかないだけに、その格好良さに惹かれて買う人がこれからどれだけ出るのか分からないけど番組を見ていた人なら「コードギアス 反逆のルルーシュ」でスザクが操っていた「ランスロット」の他のナイトメアフレームとは違ったスピード感に躍動感を脳裏にしっかり刻んでいるはず。それを話が手で動かし実現してみたいって人なら5月17日にバンダイから発売される「コードギアス 反逆のルルーシュ」に登場の「1/35 ランスロット」は絶対に買い。組み立ててまずはスザクよろしく回し蹴りをさせてみたくなる、かもしれない。

 可動範囲はわからないし色がどこまで着けられているかも不明。手に持たせるヴァリスの出来も本編に見るデフォルメされた巨大感とはまた違ったどこか野暮ったいものになっている可能性もあるけれど、スザクのフィギュアが立ちと座りの2セットつくそーだし脚部のホイールもちゃんと回転するらしく、「メイザーバイブレーションソード」も抜いて納めるアクションが可能。これならそれなりにスザクとなった気分でランスロットを手に持ち操り、敵ゼロが駆るナイトメアフレームをボコボコにして踏みつけて溜飲を下げられそー。問題は他のナイトメアフレームが何時出るかだな。紅蓮弐式とかガウェインとか出るのかな。それにしても「主役機」って説明がルルーシュの立場を無くしていて妙におかしい。そーかスザクが主役だったんだあのアニメ。

 西部謙司さんによる「イビチャ・オシムのサッカー世界を読み解く」(双葉社、1500円)が登場。「犬の生活」ってコラムでジェフユナイテッド市原・千葉をずっと観戦し続けている西部さんが、「犬の生活」からめぼしいマッチをピックアップして編集の上に再掲載して振り返ったあとに、現状のジェフ千葉の戦いぶりとそしてイビチャ・オシム監督が率いる日本代表の戦いぶりを勘案しつつ、イビチャ・オシムが目指すサッカーとは何で、それのどこが特徴的なのかを書き出しているから実に分かりやすい。どこかの歳を食った評論家がオシムの意図が分からないって散々っぱら掻き立てているけれど、試合とそして練習を見れば瞭然だったりするところに加えてのこの解説を、読んで何がしたいかなんて言う人がいたらもはやその人は評論家ではなくクレーマーだと断じて間違いないだろー。いそーだけど。確実に1人は。

 参考になったのイビチャ・オシム監督時代のジェフがどんな戦い方をしていたかもそーだけど、最近のジェフ千葉があんまり勝てなくなったのはなぜかって部分でそれを西部さんはカウンターが中心のサッカーからキーパーも含めて最終ラインからしっかりビルドアップして中盤からサイドへと振りそこから切れ込みあるいはクロスを送ってゴールを確実に狙っていくポゼッションのサッカーへと切り替わった関係で、ちょっとしたミスからカウンターアタックを喰らい得点を先に奪われ大変になってしまうことが増えたからって感じの説明をしている。なるほど理に適った解説で得点を奪われる時はいつもミスから早いカウンターをくらい人数の間に合っていないところを確実に叩き込まれるケースが多い。6日の柏レイソル戦もそーだった。

 ただじゃあ悪い試合をしているかってゆーとそーではなくって、相手ゴール際まで運んでは幾度となく、それこそ前半で5点くらいとれちゃいそーなチャンスを作り出している。でも点がとれない奪えない。フィニッシュの精度が悪いか、頭や足に当たってもなぜかキーパーがいたりディフェンダーがいたりしてたたき込めず、こぼれたミドルをほとんどフリーで打つとそのことごとくがゴールの上空を通過していく。運でもありまた正確性の問題でもあって、こればっかりはいかな監督であってもどーしよーもない。そこで確実性を高めるべく人数を前線に投入すればカウンターアタックの餌食だもんなあ。弱いチームが引きこもった挙げ句にカウンターで得点を重ねて勝利するのも勝利ではあるけど、それを今のジェフ千葉が再び採用すべきか。降格の目が出てきてしまった暁にはそーゆー手段も必要だけれどその前に、巻誠一郎選手だけじゃなくってゴールネットを確実に揺らせるミドルの達人とか、貯めて前線へと送れるマリオ・ハース選手みたいなプレーヤーを補強する方を是非に。インテルをやめるフィーゴ先生とか来たら嬉しいなあ。

 なんつーか単純っつーか佐藤友哉さんの「1000の小説とバックベアード」(新潮社、1500円)は、小説を書く小説家って人もいるけど別にアイディアをひねりだしオーダーメードの物語を作る片説家ってものも仕事になってる世界を舞台に「小説」っていったい何だろう? 「小説家」っていったどんな存在なんだろう? って青臭くも物書きにとっては避けることのできない命題についてあれやこれや書いた本。まとめれば世の中には1000のスタンダードな小説がすでにあって、それらが置き換わることは滅多にないんだけれどそれでも書きたいものがありゃあ書くのが小説家。たとえ歴史に名前が残らなくたって構わないから、誰か読者が1人でもいれば書くしいなくたって書くことによってのみ、小説家は小説家たりえるんだって境地へと至り解脱する道が示されている、よーな感じになっている。実にわかりやすい。

 だから読んでも不条理な展開に翻弄されることはなく、片説家の事務所を首になった主人公の青年が三十路の女性から頼まれ小説を書きつつ、女性の消えてしまった妹を捜す仕事を請け負い勤めていたところに現れたのがバック・ベアードなる「ゲゲゲの鬼太郎」に出てきた妖怪キングの名を借りた人物。主人公を隔絶された図書館にとじこめるものの未だ見込みがあって小説家への道をあきらめていない主人公の心が収容されていた少女や元小説家の女性たちによって喚起され、逃げ出しやがて小説を書く決意を固め「日本文学」なる存在へと会うために南洋へと赴きひとつの答えをそこで得る。

 主人公と同様に小説家になろーとして迷っていた女性との出会いとそして結託は、あるいは筆者である佐藤友哉さん自身の小説と、そして生活への意識が反映されたものって感じも受けないでもないけれど、あからさまに自身を重ね合わさせようとしているって感じはないんで、綿矢りささんの「夢を与える」を読んだ後みたいなやれやれって気分は浮かばない。あるいは自分にも未だ物書きへの憧れがあって、そーした気持ちをくすぐってくれる部分に共鳴してしまうのかも。だったらいずれやっぱり誰か才媛が現れ私のための小説を書いてと頼みこっちも僕のための小説を書いてくれないかと頼んで共に物書きを目指す同志の道を歩んでくれるか? ってゆーと甘くないんだ世の中は。がっかり。


【5月8日】 だからやっぱり男子無用と考えられているに違いない「アニメイト」に備え付けの「コードギアス 反逆のルルーシュ」のポスター自販機に挑むこと3度目。過去2度ともそれぞれに2回づつ回して、ピンのルルーシュに同じ絵柄のピンのルルーシュのスザクとルルーシュのカップリングにスザクとゆー女性が求める理想の出方をしてあるいはやっぱり女性向けの仕込みになっているのかと類推しつつも、6種類あるうちの半分がカレンにC.C.にアッシュフォード学園生徒会なら次くらいは女性キャラクターの絵柄も確率的に出るだろーと挑んで出たのがともにルルーシュとスザクのカップリングで悶死する。

 同じ絵柄が続けて出ることも希なら6回やって1枚も女性キャラが出てこないのも異常でこれはやっぱり設置者あるいは製造者が、「コードギアス 反逆のルルーシュ」を女性向けの作品と認定してファンである女性が回すなら男性キャラ以外はまずいと最初っから入れずにおいたに違いない。さらにあと2回を回してみてやっぱり女子が出ないよーなら想像は確信と変わるけれども果たして。明日にでもまた行ってみるか秋葉原。でもやっぱりルルーシュにスザクが続けざまに出そーだなー。ところで午前のアニメイト前あたりからドン・キホーテ方面へと並ぶ行列はやっぱり「AKB48」の観客? どこか場違い感を醸し出しつつもプロデューサーの長く業界にいる人脈でプロモーションし続けた甲斐もあったって奴か。個人的には石丸の上とかで小さいイベントを開く新人中堅よりもまるで興味が湧かないんだけど。

 インリン様がM字ピターンを見せてくれるって噂を聞いてトレジャーワークスがこの夏に「幕張メッセ」なんて凄い場所で開く日本では初めてと大人による大人のための道具類を集めた展示会「アダルトトレジャーエキスポ2007」の会見を見物に六本木へ。トレジャーワークスが過去に時代劇フィギュアを作って一世を風靡したアルフレックスの事業を受け継いだ関係で、携わっている人たちに見知った人が何人もいるってのが誘われた経緯で、そーでもなきゃあグダグダ感が日々高まっているとはいってもビジネスに関わるメディアの人間が、おいそれと出向ける会見じゃあない。否、むしろ単なるエンターテインメントではなくそこに携わる企業の活動を紹介するビジネス的な側面も持った展示会ってことでお呼びがかかったって可能性もある。むしろそーした側面を打ち出すことによって「エロポン」の記事化を断念させられた悔しさを、ここで晴らせるかもしれない。画策しよー。

 ともあれ到着した会見場のロビーで待っているとリハーサルを終えた水着の女性陣がわらわらわらわらと出てきてもう目に福々しい。プールとか海なんてもう20年は行ってない身。ミスユニバースの水着審査に立ち会う経験もないんでこーしてまとめて水着の方々を見るのは久しぶりって以上に初めてで、しばらく鎮まっていた神経が高ぶりだしてその場に崩れ落ちそうになった。倒れたら大丈夫ですかと水着の人が群がり助け起こしてくれて、それでもって眼前に突き出される山々とそれらに挟まれた谷々に興奮も頂点へと達して寝込むことになったかも。幸いにして持ちこたえて会見場に入場して待つことしばらく。始まった会見は舞台に立っていたバーに絡んで女性たちがいろいろと踊るアメリカンなエンターテインメントスポットにつきものの仕掛けがあって興奮がぶり返す。そしてインリン様の登場となって沸騰するかと思った心が当人を見て沈静化。スーツじゃん。つかさっきまでロビーを歩いていた人じゃん。

 グラビアとかで見る肌も露わなインリン様とはまるで違った知的なエロスを漂わせたインリンさんがそこに。短いスカートから伸びてニーソックスにつつまれた細くて長い脚を見せつけつつ、束ねてバックになでつけたキャリア風な髪形に黒くて太い枠をした眼鏡をかけたその姿はエロテロリストならぬセクシャルエグゼクティブ。もしもこんな人が上司にいたら頑張って仕事に励んで褒められても嬉しいし、失敗を繰り返して詰られ失跡されても嬉しいって思う若者が手を挙げ転属を願いだしそー。もちろんM字ビターンもなし。あんなタイトなスカートでM字をやったら破れないまでもまくれあがってあからさまよりも深く激しい官能をまき散らし、見ている人たちの神経を極限まで高ぶらせたことだろー。テレビを通して見た人たちも同様。でもって明日は興奮による業務の活性化で生産性がアップしたか、逆に昂揚感から歩くにままならない人たちの続出で生産性がダウンしただろー。やっぱりエロテロリストだインリンさん。

 そんなタイトなスカート姿ながらも着席時もそして立ち上がる時も巧みに隠して奥をのぞかせないテクニックにまず感嘆。台慎司さんと江川達也さんを迎えたトークショーで性にかんして自由が進んだあげくにあふれかえる情報に満腹したのかそれとも情報に幻滅したのか女性への興味を失う男子の続出が起こり大変なことになっていると宮台さんが言い、江川さんも問題意識を示して出生率の低下とゆー現実的な課題の解決に何が必要かってあたりをしきりに喋って「ATE2007」が単にアダルトグッズの見本市なんじゃなく、性に関するあらゆる事象について考え話し合う場でもあるってことに気づかせよーとしていたけれどもやっぱり視線はインリンさんに釘付け。いつ脚を組み替えるかを誰もが狙ってカメラを向け続けたけれど、そこを耐えて1度も脚を組み替えなかったインリンさんにプロフェッショナルの魂を見た。

 トークショーの後はロビーにあふれかえっていた水着の女性たちがロビーで見た時以上の数でわらわらと入って来てもうそこは南国のビーチが3倍の密度でやって来た感じ。ビキニ姿だから面責的には圧倒的に生の肌が多かった訳で目にうつるもののほとんどが普段はまずお目にかかれない、グラビアの中でだけ出会える生の肌ってことだったけれどもこれだけ大量に見せられると逆に興奮も鎮まるから不思議なもの。なるほど自由さがドキドキ感を奪ってしまったって理屈も分かるなあ。

 かつてだったらアダルト関係の見本市が国際的な展示場で行われるとなったらそこに「自由」「解放」なんてスローガンが踊って抑圧へのプロパガンダとして機能したんだろーけれど、すべてが自由になてしまい書店にはヘアヌードがあふれかえっている現代においてそーしたスローガンは成立しない。ならば何がキーとなるか? フラット化する感情に起伏を持たせてベクトルを性事へと向けさせることか? それはいったいどうすれば適うのか? 水着の女性陣を背後に従え当人はスーツ姿であったにも関わらず、すべてのメディアの目線を一身に集めていたインリンさんとゆー希代のエロテロリストにしてセクシャルエグゼクティブの存在が、ひとつの答えになっているのかも。広報部長をお任せした理由も、まさにそこにあるんだろー。でもやっぱり見たかったM字ビターン。本番では見せてくれるかな。期待して開幕を待とう。

 あらすじとか帯とか読まずに手にとって読み出して読み終えてこりゃあ橋本紡さんが帯とか書いたらピッタリの内容だよなあ、って思ってページを閉じて帯を見たらまさしく橋本さんが帯に推薦の言葉を描いていた。なるほどそりゃそうだ。電撃文庫から登場の殿先菜生さんって新人による「うさぎの映画館」(メディアワークス)はまず夢で少女がどこかの商店街にある映画館へと迷い込む場面が描かれる。醒めて少女は昔からの知り合いだった青年が営む古道具屋でアルバイトをしていたことを思い返してやって来た少年に応対して、店主を呼びだし少年の祖父が遺した古い品々を引き取りその中から割れた手鏡をもらいうける。後日学校で少女は少年が同級生だったことに気づいてそのまま言葉を交わすようになる。少女は少年が少女に関心を向けたのは同級生だったからだと思うが、実はもっと別の理由があってそして少女は少年によって押さえ込まれていた記憶の奥へと導かれていく。

 古道具屋に預けてあった鏡から幽霊が現れる話が交えられていて何やらミステリアスな雰囲気が醸し出されたり、少女がもらった手鏡から髪の毛が出てきてそれがどうやって切り取られたかが夢の中に現れたりとファンタジックな描写もあるにはあるけど、そこから異世界だの異能の力だのといった超自然的なシチュエーションに少女や少年を導いていくことはなく、むしろ合理的な説明がなされてどちらかといえば青春ミステリーに近い展開へと向かっていく。そういった楽しみ方も可能だけれどむしろ読み所は少女が見る夢の真相。古道具屋で出会った少年との因縁が浮かび上がり、そして少女が心の奥底にしまい込んでいた過去が浮かび上がって停滞していた気持ちを前へと向かわせ解放へと導く。

 ちょっぴりの不思議さも交えた日常の中を懸命に生きる人たちが、心に背負った様々な事柄を浮かび上がらせて同じ想いを抱く人たちの気持ちを解きほぐす。その流れ、その雰囲気はまさしく橋本紡的。読んで橋本さんが帯を書いたのも当然の流れって言えそう。と同時に電撃文庫がライトノベルとしては異端と言えそーな橋本紡さん的な作品も認め受け入れ刊行することに躊躇わなくなった現れとも言え、後発ならではの貪欲さで新しい作家を発掘し、あたらしい傾向の作品を世に送り出し続けているうちに先頭に躍り出てしまった電撃文庫が、それでも留まらずにさらに前へと突き進む決意をこの作品の刊行によって、満天下に示してくれているよーな気がする。異端さからしばらく外の出版社で勝負していて評価を高めつつある橋本さんのチャレンジに、古巣も目を向け理解し取り入れ出したって現れか。ますますこれで強さを増すなあ電撃文庫。


【5月7日】 ふと思う。すっげえ爆圧でもって着ている服とか胸を覆っているレースなバンドが散り散りになっても、下に履いてる白いあれだけはしっかり残っているところを見ると戦後強くなったのは女性とストッキングだけじゃないのかも。それとも「一騎当千DD」の世界でのみ頑丈に出来ているのか。そのテクノロジーをワコールなりトリンプなりが早く取り入れ襲われたって敗れない製品を作れば株価上昇は間違いなし、いや無駄に頑丈で1年でも2年でも保つよーになると替えの品物が売れなくなって売上が落ちるから株価は逆に下がるのか。ともあれついに劉備玄徳と諸葛亮孔明とが出会い始まる新たな戦い。その前に繰り広げられたお風呂のシーンのあまりに丸く柔らかそうな物体が湯船にぷっかり浮かんでいる様に微睡む夜の目も覚める。これがどーして朝の番組じゃあ、でもってキー局じゃあ出来ないのか。世界は理不尽さに溢れてる。

   思い当たるのはシリーズ第2弾の「封印作品の謎2」(太田出版、1480円)についてあれやこれやと感想を書いてアップしたことくらい。あとはまあ同じグループに所属していたりいたことがあったりするって程度の関係で面識もなければ交流もないんだけれども刊行から2年半を経て安藤健二さんの「封印作品の謎」が大和書房の「だいわ文庫」で文庫化されて刊行。それが手元に届いていたんで早速読んで驚いた。というか前の「封印作品の謎」を太田出版の版で詳しくながめていないんでどこまで違うのかははっきりとは断言できないんだけれど文庫版「封印作品の謎」は“封印”された作品の図版がこれでもかって掲載されていて、何がいったいどれくらいに“問題”なのか、逆にまるで全然“問題”じゃないのかを目によって確認できる。

 人口に膾炙されながらも面前と向かって誰もどうしてなのかを問わなかった「ウルトラセブン」の第12話に登場する、ケロイドとおぼしき痕跡が体いっぱいに着いているといわれていた「スペル星人」が、放映場面から抜き取った写真で掲載されているけど見ても単なる仮面野郎で、それのどこがケロイドなのか言われなければ分からない。放送時もだからとりたてて問題にはならなかったんだろうけれども、1970年になって「小学2年生」に掲載された「かいじゅうけっせんカード」にその「スペル星人」が「ひばく怪獣」として紹介されていたのを読者の女の子が見つけ、親を通して抗議がいって“問題”として顕在化。そして以後の放送から除外され映像ソフト化の際にも当然ながら欠番扱いとされてしまった。

 98年だったかに松下電器産業の協力で円谷プロダクションが「ウルトラセブン」「ウルトラQ」「ウルトラマン」をデジタル技術を使い汚れや傷を取ったクリーンな映像を作ってDVD化するって発表した会見を開いた際に、来ていた人に例の12話もとりあえずはデジタル化するのかって訪ねたけれどもそれはやらないといった答えが返って来た記憶がある。でも10年近い昔の話なんで逆だったかもしれない。いずれにしてもすでに当時の段階で特撮にはそれほど詳しくない僕でも12話の問題は知っていて、けれどもそれが何かを確認することはかなわなかったんだけど文庫版「封印作品の謎」でようやくそういうものかってことが分かった。今ならネットを漁れば「Youtube」あたりに転がっているんだろうけれど。その意味では封印しづらい時代って言えそう。

 文庫版「封印作品の謎」にはその「かいじゅうけっせんカード」の図版も掲載されててたしかに「ひばくせい人」って書いてある。あと大伴昌司さんの「怪獣ウルトラ図鑑」のページも掲載されててそこには「被爆怪獣スペル星人」と紹介されている。どうして「吸血怪獣」が「被曝怪獣」の惹句で呼ばれそれが通称名のように広がってしまったのかは本編に詳しく制作側のマーケティング活動の拡大があり、一方では制作側の設定をさして吟味もせずに出版社が使ってしまったことがあったらしーけれども結果として封印されてしまった12話は、「封印作品の謎」が刊行されて改めて強く存在が公知されても、やっぱり封印され続けている辺りからこれからも永遠に公には“封印”された状態が続きそう。太田出版版の執筆時に存命だった実相寺昭雄さんと佐々木守さんのインタビューが行われているのは今となっては貴重というかナイスな仕事だったなあ。

 あとは「怪奇大作戦」の第24話「狂気人間」の“封印”とか公開時に散々っぱら宣伝とか見てとりたてて問題になんかなっていなかったって記憶している映画「ノストラダムスの大予言」とか、手塚治虫さんのの漫画「ブラック・ジャック」の精神医学に関する2エピソードの“封印”とか、埼玉県で教育機関が配布寸前まで域ながら著者である安藤さんの記事が発端となって県が監修を降りて結果、サーカスが自前で作って売った「O−157」予防の啓発ゲームの話なんかが収録。その点は単行本版と同様で幾つかインタビューで割愛された部分が書き加えられているらしー。森達也さんの「放送禁止歌」と同様に、とりたてて理由もわからないまま“封印”されていたりする作品の存在がつまびらかにされたって意味ではとても重要な位置づけをされるべき本だけど、ここで取り上げられたものが未だに復活していない事実を鑑みるに、ペンの力もかなわない壁ってものがあるんだって強く思い知らされる。

 あと分からないのがどーして最初の版元だった太田出版からじゃなく(文庫がないから仕方がない?)、また角川とか講談社とか幻冬舎とかって有名どころって訳でもなく、新興で決して店頭でも広い場所をとってはもらえない「やまと文庫」からの文庫化になったってことで、新興故に有力な作品を集めたいって印税率が高めに設定でもしてあったんだろうかって邪推も浮かんだりしたけれど、別にやっぱりそこでも何か得体のしれない壁らしきものが存在したんじゃないかって妄想も頭から沸き上がる。単行本では「かいじゅうけっせんカード」からだけだった「スペル星人」の図版が「怪獣図鑑」や画面スチルで掲載されているし、単行本では一切の図版がなかった「狂気人間」はビデオやレーザーディスクのジャケットなんかが使われているこの本。どこからってゆー引用元の表記はあってもとりたてて著作権表記がしてある訳じゃない。

 正当な引用にあたっては権利元の許可はなくとも確か認められるってことになっているけどれど、円谷さんを取引先にいろいろな本を企画・刊行したい出版社にとって、むこうが“封印”したがっている気持ちをつっつくよーなことはしたくない、ジャーナリスティックな仕事の部分だったらまだ黙認が働いたから単行本は刊行できたけれど、さらに詳細な図版の大量な掲載となると相手に対する刺激も強くなるんで、どこの出版社も文庫での刊行を渋った、なんて新たな“封印”のストーリーまで浮かんだかれども角川はともかく新潮なんて特撮とはあんまり関わってないし、幻冬舎だって特撮関係は出してない。宝島社なら喧嘩なんて日常茶飯事。出せない訳じゃあないから今回はそーした配慮ではなくまた別の、担当していた編集者が移籍していたとか「だいわ文庫」が初版10万部と大盤振る舞いしたとかいった、前向きな明るい理由があったんじゃないかって考えることにしよー。

 凝視して放送開始を待った新生「らき☆すた」はなるほどやっぱり変わってた。何が変わったというか場面の転換が早くなっているって感じで、その分1つのシーンを長く回して会話をひたすらに引っ張り積み重ねていく手法が多かったこれまでのエピソードで、シチュエーションからじわっとわき上がる不条理さだったり不穏なおかしさだったりが、減じてしまっているよーな印象を受けた。言ってしまえば単なる美少女萌えギャグアニメに堕していて、かといって「ぱにぽにだっしゅ」が放っていたアバンギャルドさには及んでいないとゆー微妙な線。最初からこれが普通に凝れば普通に楽しめたんだろーけど、徹底した異様さがリズムとして身に染みついてしまっていると、新しい方がどーにもユルく感じられてしまう。

 大きく違って見えたのは主役のこなたで何か主体的な描写が増えたって印象。これまではあれこれネタを振ったり話されている事柄に混ぜっ返したりして、場に得体の知れない空気を醸し出すトリックスター的な存在だったのに、5話だとネットゲームをやってあれこれ文句を言ったり堪能したりするオタクな女の子の日常って感じの描写になっている。漫画だとこれが本来の描写なんだろーけれど、4話までで植え付けられた印象があまりに強烈だったからなかなか覆せない。あと他のキャラも含めて表情のつけかたがオーバーになったかな。頭から線が出たり目が点になったり。

 漫画的表現をそのまま動画にして見せてくれるんで分かりやすいっちゃー分かりやすいけど、会話の合間に見せるそれほど変化しない表情の裏にある心理的な機微を読む楽しみは減じられてしまったかも。まあオープニングには出ていたのにまるで出てこなかった婦警さんとか出てきたところを見ると4人組の会話劇ではオープニングに大量出演しているキャラが出なくって商売にならんと判断されたって線もあって、ここから一気に増やして世界を広げることに邁進していくのかも。とりあえずボンボンを振ってるチアリーダーの場面で2カット目に出てくる向かって左にいて胸が震える黄髪娘の本編での真っ当な登場を願おう。

 さて交替となって余裕の出来た山本寛さんを「コードギアス 反逆のルルーシュ」が演出に引っ張り出して来たらいったいどんな話になるのかと妄想。まずは特派で食卓を囲んでいる時にロイドが「どうしておにぎりって三角形なんだろうねえ」って益体もないことを延々としゃべり初めてそこに天然なスザクが「三角形だと角があって食べやすいからですよ。もしも円形だったらどこから囓れば良いか分からないじゃないですか。ところでロイドさんは三角形のおにぎりのどっちが上だと思います? 尖った方? それとも平べったい方?」と合いの手を入れてロイドさんが「尖った方じゃない? その方が立つし」と答えてスザクが「ぼくは平べったい方だと思います。だって顔だって顎の方が咎ってますよ」と言って話題がズレまくるところにセシルさんが「おにぎりは薄い三角柱ですから角でも辺でもなくって上は三角形をした面で下も同じです」と言って2人から「おお合理的」と感嘆されて15分。残りをお風呂場でどちらの腰が細いかを笑顔で譲り合いながら眉間に寄る皺が深まるコーネリアとユーフェミアの会話なんかがあって最後に「ギアスチャンネル」で生真面目に喋るリュバルに本性を現したカレンがドスを聞かせた声で「この腰巾着野郎がいつまで出演し続けてるんだよ!」と脅して終わり。エンディングはC.C.がプリキュアの歌をモノマネで唄うんだ。32話くらいにそんなのを是非。


【5月6日】 まあそりゃあ風呂が舞台のアニメーションに出てきたのは、どろどろだったりぶよぶよだったりする神様ばっかりだった例が過去にもあるから、絶対的な基準だとは言わないけれどそんな国民的アニメじゃなく、美少女に美女がわんさと出てくる青少年がターゲットのアニメで風呂が舞台になったら期待されるのは当然ながら女風呂。そこで繰り広げられる肌も触れあうばかりのコミュニケーションを目で楽しみ声で喜ぶのが最大にして最高の目的だって言えるにも関わらず「天元突破グレンラガン」の第6話で描かれた温泉が舞台のエピソードに、男風呂は出てきても女風呂はカケラも微塵も出てこない。

 いやまあ出るには出たけど時すでに遅く空っぽの状況。これでは湯船を圧して実るたわわな果実も何もあったもんじゃあございやせん。お話の方は冒頭から前回終わったばかりのエピソードをやや長めのプロローグ的に紹介しつつ温泉へと出向き、そこでも湯船につかりながら男2人が最初の頃のエピソードを振り返っていて今から見始めた人にはなるほど都合が良いけどすでに見て来た人にとっては1カ月程度の前に起こったことを今、語られたって鬱陶しいだけだしましてや先週のエピソードを5分近くに渡って繰り返されたって迷惑以外の何物でもない。

 にも関わらずの総集編的振り返り。でもって出てこない女風呂。うーむここに何かあったと推察するのがやっぱり筋としては妥当なのかも。それはすなわち放送を司るテレビ局の女性担当者が、納品された第6話を見てカミナとシモンの若き肉体にあてられこれだこれこそが私たちの「グレンラガン」だもっとこーしたホ……じゃない男と男の肌をさらした友情って奴を増やして欲しいと言いだしリテイクを求めたものの入れられず、だったら放送しないと言いだしたことに頭をひねった制作陣が、せめてだったらセリフ劇だけでも増やして2人の間に飛び交う感情って奴をクローズアップさせようと、泣く泣く女風呂のシーンを落として2人が会話しても違和感のない過去を振り返る総集編的な編集を行って納品したに違いない。

 見てきっと担当の人もたちのぼる香気に腐……じゃない乙女心を萌え断たせて大喜びしたことだろー。良かったよかった。けどそーした人への配慮の代わりに失われた感動もあったりする訳でDVD版が登場のあかつきには放映されなかった女風呂のシーンを是非に増やして入れてやっちゃあ、くれまいか。いやいやそんな時間的余裕があるならむしろ男風呂での友情がもつれあい絡み合って汗にまみれて滴もほとばしる描写を描き足して入れろってゆー乙女な方々の意見が通って希にみる美に耽ったエピソードへと大変貌を遂げる可能性の方が高いのかな。うーんうーん。男向けのエロより女性向けの耽美の方がマーケット的に巨大化するならそっちで行こうってことになりかねないからなあ、アニメ業界。

 とゆーのもアニメイトで販売中の「コードギアス 反逆のルルーシュ」のポスター自販機を休日でサッカーも夜からってことで秋葉原まで回しに出向いたら1回目はスザクで2回目はスザクとルルーシュのツーショット。6種類の中にはC.C.もあるしカレンもあるし生徒会の面々もあるはずなのに過去4回回してそーした女性キャラクターが描かれたポスターが1度も出てこない。これはつまりは「コードギアス」のポスターを欲しがるのは女性ファンであって女性ファンにとって欲しいのはルルーシュがスザクであってカレンもC.C.もミレイもただのゴミ。そんなのが出ると次から回してもらえなくなるだろうって配慮から作り手側は女性キャラの絵柄よりルルーシュとスザクの絵柄の割合を高めて入れてあるに違いない。

 でなきゃ4回やれば1本くらいは女性キャラが出てるって。まあ今はそーゆー人気でも本筋の部分での深さが広まり関心が高まれば出ている女性キャラにも目が向き男女同等くらいの人気となってポスターも半々になってくれると信じたいけど、逆にロイド伯爵オレンジ君にシュナイゼル殿下とさらにはブリタニア皇帝あたりが増えて女性キャラが削られる事態となったらどーしよー。それでも買うのがギアス道。行けばもはや還れない。

 たまにSSの席を取ると屋根がなくってびしょぬれになってしまう運の悪さがチームに伝染しなきゃ良いって思っていたしこれで敗れて帰宅となったら心も体もズタズタになってしまうって心配もあったけれど「フクダ電子アリーナ」でのイエローダービー「ジェフユナイテッド市原・千葉対柏レイソル」は中島浩司選手が攻め上がって手薄になった守備陣を切り込まれ半分は流し込まれた感じのシュートが決まってしまって1点をリードされる展開に。その前後にミドルもあれば押し込み気味のシュートもあって2点3点をリードできてるはずだったのにフィニッシュが決まらないのが今年のジェフ千葉。苛々も募ったけれどそこで諦めないのも今年のとりわけゴールデンウィークに入ってからのジェフ千葉で、奪われたその後に攻め上がり工藤浩平選手から水野晃樹選手へとわたりグラウンダーのクロスを巻誠一郎選手が触れず左を走り込んでいた山岸智選手が綺麗に流し込んで同点に。その後はお互いにチャンスを作りながらも決められず、何とか引き分けてともに勝ち点1を手にした。ああよかった。

 そりゃあ勝てれば勝てるにこしたことはないけれど、守備陣に負傷者が続出してメンバーを固めきれないチーム情勢では仕方がない。巻選手のポストプレーは芸術の域で預けられれば体全体をつかって持ち近寄ってきた選手へと落としてそして前へと走り込むその動きの多さ巧みさ素晴らしさ。得点シーンだけしか見せないテレビでは絶対に分からないワントップのフォワードとしての役目を120%果たしているって言えそう。あんなに足下巧かったっけ? 1度なんかは突っ込むあれは工藤選手か山岸選手に綺麗なクロスを入れてて残念にもオフサイドになっていたけどギリギリだったから決まれる可能性も高かった。本人が得点できれば言うことはないけれどこればっかりは仕方がない。巻き選手が作ったチャンスから得たミドルをふかしたり外したりする周囲にもーちょっと、正確性が出てくればなあ。

 あとはやっぱり水野選手は飛び抜けた存在で右サイドを2人3人を寄せられても抜けだし周囲と連動して崩してつっかけ突っ込みクロスを入れる活躍ぶり。そして水本選手も1対1ならまず負けない堅守ぶりを見せててこの2人がいれば北京五輪代表だってもっと楽に戦えるはずなんだろーけど守備の水本選手はともかく攻撃の水野選手は周囲も連動しないと凄みが増さないのがやや難点。巻選手みたいな運動量を平山相太選手が見せるか下村東美選手や池田昇平選手みたいなフォローを梶山陽平選手とかができれば良いんだけれどどーにもこーにも。ともに所属しているFC東京で出場機会が減ってるしなあ。まあいずれ御大が反町U−22監督に巨躯でプレッシャーをかければ選手の意識か選手の人選に変化も出るだろーからそこに期待だ。


【5月5日】 柏餅の日。まだ食べてない。起きてリアルタイムで見るのは初めてになる「DARKER THEN BLACK 黒の契約者」は、何やら得体の知れない金髪版入江省三みたいのが現れては不思議な能力を発揮し外国ヤクザを凍らせ倒してやせっぽちの女の子を奪還。それはかつて大勢の人間を殺した「契約者」だったらしーけど今は力がなくなっていて、けれどもどいうわけか注目されて日本へと連れてこられたところに仮面の男が現れ奪い去っていく。本編の主人公はどーやらそっちの仮面の男っぽいけど何を目的に過都度うしていてどーして女の子を奪っていったのか、位置関係がちょっと見えにくいんでこれから遡って本編を見返して何がどー繋がっているのか確かめよー。とりあえず喋る猫の正体だ。シャミセンじゃないよね。

 そして「ロミオ×ジュリエット」はいきなりのロミオバレ。あの長い頭をどーやって縛って丸めてショートヘアの鬘に押し込んでいるのかがずっと不思議だったけれども外してぶわっと長い髪が洗われた場面を見てもやっぱり分からず。きっと中に時空を歪めて体積を縮める機械が入っているに違いない。ロミオが仇敵モンタギュー家の嫡男と知れてそれでも恋心を燃やすジュリエット。対してロミオは果たして相手が親にとってはライバルの家の娘で自分たちを仇と狙っていると知って平静でいられるか。いられるからこその「ロミジュリ」な訳であとはそこから悲劇に向かうかアニメならではのハッピーエンドが用意されているのか、どちらなのかを心配しつつ期待しながら見ていこう、たぶん録画で。

 「コードギアス 反逆のルルーシュ」がなくなった金曜深夜もこれで1カ月以上が経ってその後にいったい何時待望の第24話と第25話が放送されるのかって情報は届かず。展開も見えず。夏ってことは最短でも6月だからあと1カ月も我慢すれば見られるのかなあ。けどその後の放送再開が何時になるかは全然不明。良い時間を狙っているなら土曜日の夕方あたりだろーけどここは激戦区だし一方で親も子も見る時間だてあって内容にも違った厳しさが求められる。薄幸のお姫様がケラケラと虐殺しまくる映像なんてもはや不可能。ならばせめて温泉くらいは出して頂きたいものだなあ。ロイドとセシルとスザクが特派の慰安もかねて行ったクサツに近隣のゲリラ掃討を終えたコーネリア一行と、ゲリラの救援にかけつけながらも出遅れそのまま休養に入った黒の騎士団ががちあい、女風呂ではセシルにコーネリアにカレンの3人が大きさを競い合うとゆー。夢だなあ。「天元突破グレンラガン」の方は夢に終わらず温泉パートらしーんで明日は早起きだ。

 休日だからといってずっと家にいては週明けからのネタに困るんで久々に患った自律神経失調症もラベンダーのアロマオイルで無理矢理抑えて電車を乗り継ぎ中野へと向かい、アニメを見る間に挟まるCMに感化されて「リンガーハット」でちゃんぽんを食べてから「中野ZERO」で開催された「第19回CGアニメコンテスト」の東京上映会を見物する。たぶん初めて。“あの”と形容詞がつく新海誠さんを送り出したコンテスト、って文脈で語られることが最近は多いし一般への通りも良いんだけれど回数を考えれば19回、来年は20回で1人の赤ん坊が成人するくらいの長い期間、営まれ続けて来たコンテストだけに、そこから登場したクリエーターも数知れないし、クオリティだって新海さんに負けず劣らない作品がいっぱいあって、日本のアニメクリエーターが持つ力の底知れ無さと、そーした人材を発掘し送り出して来た「CGアニメコンテスト」および主催のDoGAの重要さを、上映される作品をみながら改めて強く感じる。

 入選作品からしてハイクオリティ。いきなり登場の橋本大奈々さんはサルもスチールの椅子もともに質感が抜群で話も寓意があって楽しかったし、アーティスティックな雰囲気を持った水江未来さんの「LOST UTOPIA」は海外のCGアニメコンテストでも評判になりそーな雰囲気があった。けど何よりクオリティが高かったのが井端義秀さんって人の「ツキ姉と僕」って作品で、これは2D主体のアニメなんだけれど絵が可愛い上に動きも表情も良くってそのまま商業作品として売られていたって不思議じゃないくらいの完成度を備えてた。その完成度を後押しするのが声優や音響の部分。何しろ主演の「僕」が「月蝕歌劇団」から出てアニメ声優にシフトしている森永理科さんで助演の「ツキ姉」が吉田真弓さん。プロじゃん2人とも。そんな2人の演技を支える録音演出が超ベテランの塩谷翼さんで体育教師役としてニッポン放送アナウンサーの吉田尚記さんまで出演している。

 豪華過ぎる出演陣をやっぱりニッポン放送絡みなのか目ん玉マークの音響マンが支えスタジオもきっとおそらくニッポン放送絡みのスタジオ。そこまで支えられたらこれはもはや商業作品じゃんって気もしてくるけれど、登壇した井端さんによれば費用はロハじゃなくって持ち出して、結構な楽の借金をして作りDVDにしてブルーレイまで作ってしまったとか。何考えてるんだろー。でもそれだけの対価を払っただけのクオリティだし何よりs−した周辺のサウンドに負けない絵と物語があるのが良い。子供の頃ならではの体験の楽しさと大人になる寂しさ、けれども再びめぐって来る子供の季節を思い出させてくれる話には目も自然と潤んで来る。2000円のDVDには本編に得点映像とそしてもうひとつのエンディングも収録。森永さんと吉田真弓さんによる主題歌もフルバージョンが入っていてこの値段はお得以外の何物でもないので見かけた人は即ゲットだ。これが佳作ではなく入選に留まっている「GCコンテスト」のクオリティの高さを知れ。

 入選作品だと3Dモデリングで可愛い美少女を作ろうと頑張っていたヒロモトアキノリさんの「カナコさんの話」も動きこそぎこちないものの見た目とお話で泣けた。カナコさんなかなかじゃん。インパクトでは谷口崇さんって人の「むきだしの光子」。絵も声もオール本人が担当する1人アニメでそれが漫画太郎的シュールさを持った絵とストーリーによってつむがれる映像は見ていると本当に癖になる。道田慎司さんって人の「Cherry age」は女の子への妄想をたぎらせる少年の描いたパラパラ漫画が動き出すって話でこれもなかなかにコミカル&ハートウォーミング。パラパラ漫画の場面の巧さにどーやってCGを作ったのかと聴かれて実写を撮影したんだと答えられ戸惑うかまたゆたかさんが愉快だった。そうか実写だったのか。

 佳作では「デジタルコンテンツグランプリ」とか「文化庁メディア芸術祭」でも見かけた久保亜美香さんと井上精太さんの「おはなしの花」がここでも入っていて流石なもの。あれだけ他で評判なのに敢えて「CGアニメコンテスト」に応募するのは賞金とかじゃなく歴史と知名度がそれだけあるってことが応募者に認知されている現れか。映像賞の宍戸幸次郎さんによる「NakedYouth」はセリフなしの2D系作品で若い男子のスポーツ部員が汗を長しシャワーを浴びるシーンが単なる友情とはまたよっぴり違った甘酸っぱさを漂わせていて見る人のたぶん女性層なんかの心をくすぐりそー。なんで2人ともタイミングよくシャワー室から出てきて裸で向き合うの? とか。絵はクオリティが高いけれどセリフがない上に画面が暗くて描かれている隅々が分からなかったのが残念。夏のスポーツなんだから「時をかける少女」みたいなピーカンさが欲しかったけれどそれだとあまりにあからさまな戯れっぷりを見せつけられることになるから淡いタッチで丁度良かったのかも。

 エンターテインメント賞ではKANって人の「放課後決闘クラブ」が2Dの学生の日常も3Dのロボットのバトルもともにクオリティが高く人気に。「NARUTO」や「ノエイン」を参考にしたってゆーバトルシーンはスピード感もある上に迫力も満点。やや詰め込み過ぎで溜めがなくて浴びせられる情報に酔ってしまいそーになるのが気にかかるけど、間引きそして動きで見せる技術を確立してくれば結構なクリエーターになってくれそー。期待。そんな入選作品入賞作品に入らなかった作品でもすごいのがいっぱいあって例えば西田章二さんって人が監督した何かイベントのオープニングアニメらしー「wireless6」ってのは見た目も音楽もプロ級。そのままルイ・ヴィトンで上映されたって何ら遜色のないクオリティの作品がどーして入選しなかったのが個人的には不思議。あまりにプロフェッショナルなんで敬遠されたか。とにかく圧巻。観客の拍手で選ぶ1等賞は「光子」ではなく「真実の口」とかゆーコントが受賞。別にCGじゃなくても良いじゃんってシチュエーションだけどアニメならではの軽さと可愛さが出ているって所に惹かれる人もいたんだろー。

 そんなこんなで約5時間の長丁場を締めてかまたゆたかさん。20周年となる来年は成人ってことで成人向けの部門を設ける、とはさすがに言わずアイディアは出たものの却下しつつでもやっぱり記念だからと新しく日本センバツCGアニメチーム対海外のクリエーターの対決みたいなものをイベントとして新たに立ち上げる構想を披露した。ショートショートムービーフェスティバルとか見ても韓国勢のCGアニメの隆盛はすさまじく、アイディアにクオリティも重なった作品がわんさと出ては日本の作家たちをはっきりいって凌駕していたりする。

 国や政府の支援を受けて高度な機械で高度な技術を育んだ彼らと手元にあるパソコンで誰の助けも借りずしこしこと作り続けている日本のクリエーターの、今はバックボーンにある漫画やアニメのノウハウや知識で走れていてもいずれ遠からず追いつかれるし一部には抜かれているところあってある。そのことを「日本のアニメは世界いちぃぃぃぃ」だなんて脳天気に浮かれ予算をぶんどって来ましたといいつつ現場にゃそんな予算のかけらもいかない微妙な政策を繰り出す日本の行政だかに見せつけつつ、世界の今を皆で共有してより高みを目指そうって意欲のこれは現れなんだと理解しよー。手伝えることはないけれど決まれば記事とか何かで情報発信。ちなみに「CGアニメコンテスト」の上映会は5月19日に大阪の「エル・おおさか(大阪府立労働センター) エル・シアター」でも開催なんで「むきだしの光子」のシュールさや「ツキ姉と僕」の苦い淡さ、「NakedYouth」の汗がほとばしる耽美さに触れたい人は行け。


【5月4日】 「おおきく振りかぶって」はいよいよ三橋が前にいた学園の高校野球部と試合をスタート。投げる1球1球に意味をもたせ説明をつけて見る側に野球の奥深さを感じさせるのは本編の漫画と同様。それでいて説明くさくならずテンポが意地さえれているのは内容に説得力があるからか。これが主流になってしまうと気合いだ経験が勘だ何だって解説がまるで無味乾燥なものになってしまう可能性がありそー。しかしやっぱり見所はユニフォーム姿になったモモカンか。

 いやあ凄い。何が凄いってベンチの中からマウンドで投げる三橋を見たシーンでフレームの外に見切れているはずのモモカンの一部分だけが画面の中にはみ出していた。大きさからは逃げられない。あとベンチから前のめりになっていたシーンも凄かった。もしもこれが3D眼鏡対応番組だったら眼鏡をかけた瞬間、画面からせり出してくる質量に眠気も吹っ飛んだだろー。早く3D番組が常態化するよー科学技術の進歩を願う真夜中午前2時。おおルルーシュが関西弁を喋っているぞ。「コードギアス 反逆のルルーシュ」だと優しいルルーシュに居丈高なゼロを使い分けてた福山潤さんだけどこっちではやや居丈高な低めの声で剽軽な関西弁を演じてる。それがなかなかに合っている。幅の広い人だ。ここでの癖が残って、再開された「コードギアス」でゼロが関西弁を喋らないと良いけど。「撃ってええのは、撃たれる覚悟のあるやつだけやねん」、とか。

 開けてスポーツ新聞は浦和レッドダイヤモンズの小野伸二選手が造反だのといった記事に混じって東京ヴェルディ1969のラモス監督解任話が各紙に大きく。もちろんスポーツ報知にも。なるほど勝つには勝ったセレッソ大阪、モンテディオ山形と続いたホーム「味の素スタジアム」での試合を見て、それにしても点がとれないよなあ、サイドがいくら攻撃にあがってもミッドフィルダーとの連携がなく前へと切り込めない上に、中央ではフッキ選手が持ちすぎたまま周りを固められシュートを撃てない状況へと追い込まれてしまってて、これが続くよーだとちょっと大変かもって感想を試合後に抱いてあれやこれやと書いたっけ。

 それでも大宮アルティージャから入ったバウルこと土屋征夫選手の強靱すぎるディフェンス能力で、ロングボールもフォワードの突入を防いで失点せずにいるからここさえ堅持すれば何とかなつかもと思ったのものの、福岡京都湘南札幌とJ1経験もあるチームの攻撃を土屋選手らディフェンス陣だけで抑えるのは不可能だった模様。前線でのチェックも中盤もフォローもなくほぼ単身に降りかかったプレッシャーがディフェンス陣を相当に疲労させてたみたいで、それが連敗の中で一気に出てしまい、5月3日の大虐殺へとつながってしまったんだろー。

 「mocなでしこリーグ」の日テレ・ベレーザをこの5年ばかり応援している関係もあって兄貴分の活動にもそれなりに興味を抱いてながめてはいたけれど、この5年の間の凋落ぶりはいったい何が原因なのか、考えるにやっぱり経営する側のことトップチームに関する姿勢にどこかユルい部分があるってところに落ちてくる。かつてはどこの企業より団体よりもサッカーに理解のあった読売=日テレグループだったのに。読売サッカークラブを作りトヨタカップを誘致し高校サッカー選手権を支援して来たのに。それが今やこの体たらく。誰が悪い? いわずとしれたあの御大。先駆者として打ち出していた崇高なビジョンが既得権益者としてのプライドにスライドし、盟主たらんと欲した挙げ句にJリーグと対立し、そして右に左に旋回した挙げ句にデフレスパイラルへと陥った。

 今のところ日テレ・ベレーザは女子サッカー界でも突出した強さを維持しているけれど、それだっていつまで続くか分からない。「なでしこジャパン」の代表選手の半分以上を出してるけれど、別に女子サッカー界の中で特段に予算が潤沢に与えられているって訳でもなさそーで、むしろTASAKIペルーレとかTEPCOマリーゼとかの方が企業が完全バックアップしている分、施設もスタッフもちゃんとしたものが与えられていたりする。

 同じJリーグのトップチームの参加にある浦和レッドヤイやモンズレディースやジェフユナイテッド市原・千葉レディースと比べて、特段に強化にお金がかけられているよーにも見えない。つか浦和は練習場が凄いしジェフは監督が前の代表のフィジカルコーチの里内猛さん。S級ライセンスの保持者でその甲斐あってか初戦は引き分け2戦目は大量5点を奪い快勝。ってもまだ4位だけど強化の成果が出てきたら上位を食って栄えあるディビジョンワン昇格だってあり得そー。つまりはそれだけ力が入って来ているってこと。

 それでも今なおベレーザが強いのは下部組織がしっかりしていてメニーナに近隣から優れた選手が集まりそこから上がって来るんで今も昔ながらの強さは堅持している。けれども中核選手の年齢が徐々に上がってきていることもあって安穏とはしていられない。なのに他に比して一段の強化に取り組むって方向も見えず、主催試合の会場は点々として定まらず、見に行くにも不便を強いられる。有料にしてその分を運営に回す浦和との“プロ意識”との差がいずれ、チームの強さにも現れて来た時に、“王者”ってゆーか“女王”として君臨していたベレーザがやっぱり女王然としていられるか、保証はない。むしろ名実ともに“王者”だったヴェルディがその栄冠だけを看板にしながら何かを疎かにしてしまった結果がここに来て大爆発している様を見て、いつかはベレーザだってって不安が頭を持ち上げてくる。

 それよりなによりトップチームがこのまま低迷し続け運営費も削られ続けてしまった日には、ベレーザだってメニーナだって影響を被ることは避けられない。いつかは「なでしこ」って夢があってそこに1番近いから山も険しい「よみうりランド」の上まで女の子たちが日々通ってやって来る。その場所が狭められ練習もままならなくなってしまえば逆に遠回りだと敬遠されて他の地域へと選手が散ってしまいかねない。まあそーなった結果としてヴェルディに偏りすぎてた人気が各地へと分散し、今の地域密着のJリーグが出来上がって各地に強くて人気のあるチームも生まれたんだから時代の流れといえば言えるけど。

 まさか一気にトップもユースもジュニアもベレーザもともに解散、なんて事態にはならないだろーし、日本サッカー協会がさせないとは思うけれどもこの危急存亡の時期にあって7連敗した監督を速攻切れない経営者がいたりするから、正力松太郎御大が日本にも欧州みたいなクラブチームを作ろうって意欲を示し長期的な視座から作られた過去なんてまるで無視して、目先の損得勘定だけで軽く判断してくれちゃったりするかもなあ。そーなったらベレーザからジェフレディースにも何人か来てくれないかなあ。とりあえず次期監督の人選がひとつの試金石だ、って言ってる端から同じ内閣で“同罪”なコーチの昇格話が。それとも同罪じゃないくらいに意志疎通が図れていなかったのか、ラモス×柱谷弟は。

 読売で思ったけれども昨今の高校野球における特待生問題で、御大ことナベツネこと渡邊恒雄さんがあんまり表だって発言していないのが気に掛かる。それとも見落としているだけなのか。これが以前だったら記者が自然に集まりそこに向かってナベツネ御大が何かを言い、翌日の新聞のトップにでかでかと掲載されたはずなのに。プロのことではなくってアマの話だからと自重しているのかもしれないけれども元より反発するところもあったプロとアマ。そのプロ側の代弁者であり“盟主”として、一気呵成にアマの勢力を削いでプロ側に有利な仕組みを作るべく、画策したって不思議じゃない。

 例えば高野連から処分を受けそうな私立の有力校を組織化してリーグを立ち上げ、ノックダウン方式のトーナメントではなく地域ブロックにおける総当たりのリーグ戦を行わせて、上位校が東京ドームで優勝を争う、サッカーで言うなら高校サッカーとプリンスリーグを合わせたよーなものを始めたら、乗って来る学校だってあったりしそー。それだと甲子園って舞台が踏めずプロに行くのに支障が出るかもって心配する学校もあるかもしれないけれど、だったらむしろプロが直接間接にそーした私学のチームを抱き込んで、入団にメリットがあるよーに思わせれば良い。プリンスリーグみたくそこにプロ野球参加のユースチームとか、地域のクラブチームのユース部門なんかを混ぜたって良い。

 甲子園に出なくたってプロはちゃんと見ています、ってメッセージが送れれば充分。今は甲子園が唯一絶対の場所と見なされているから、誰もが高野連やら全日本アマチュア野球連盟やらの厳格な規定に縛られ、青春だの何だのって美名にもがんじがらめにされながらも、窮屈な野球をやっているけどそれに代わる場所があり、且つ最大の目的でもあるプロ入りに1番近い場所だったら、そっちを選ぶ学校なり選手が出てきたって不思議じゃない。それが出来るのが、甲子園を“商売道具”にしている朝日新聞と毎日新聞ではない読売新聞。だからこそのナベツネって訳なんだけれど、今のところそーした声も動きも見えてないのは自重しているからなのか、それとも声が出せず動きも見せられない状態に陥っているからなのか。うーむ。


【5月3日】 SASでもSITでもなかった。我らが日本国における最強の特別武装警護集団。その名は「NINJA」。そう忍者。「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」で何故かのんきにピクニックへと出かけたスサノオに乗る洲倭慎吾と神代真名の2人とそして中央国から来た2人がバーベキューを楽しんでいたところに襲い掛かる敵影あり。つかここまで普通は潜入させないだろ? って気もするけど誘い出して一網打尽を狙ってのことだからまあ仕方がない。遠距離からの狙撃は失敗。そして直接戦闘へと持ち込もうとしてわらわらと現れる忍者たちにばったばったとなぎ倒される。

 中央国の2人も中華な技で棒を投げ棒を振り下ろして撃退する中を1人、脳天気にカメラで撮影している慎吾はどこか心が壊れているんだろーか。命が目の前でやりとりされているってゆーのに。そして仕事を終えて帰る忍者にくノ一もいて真名とは知り合いらしくって、つまりは真名も忍者だったってことでなるほどだからあんなに身軽だし、包丁は駄目だけどクイナの扱いには長けていたのか。

 そんな凄い3人に囲まれたった1人、ただゲームが強いだけの慎吾が実は1番最強だったりするかもしれないところが解せないし理不尽だけれどそれが運命って奴。これからも脳天気の暢気な言動でへらへらと世界のギガンティックをぶち倒していくんだろー。「アイドルマスター XENOGLOSSIA」の天海春香と脳天気合戦させたらどっちが勝つんだろー。つか「アイドルマスター」はげんこつ岩石割りばかりで敵が見えず物語の最終的な帰結が見えないところが気に掛かる。次から次へと新事実が出て畳みかけられる気分を味わったりした「舞−乙HiME」とはちょっと違うなあ。早く最初に出てきたミサトもどきに身軽な幼女をまた出して欲しいなあ。

 そしてやって来た「埼玉スタジアム2002」はえっといつ以来? 確か高校サッカーの時に間違えて伊藤翔が出場している「駒場スタジアム」に行くべきところを「埼玉スタジアム2002」へと行ってしまって、武南高校の試合を応援団の背中越しに見ていたというか、真冬なのにとてつもなく短いスカート姿で頑張る女子高生を見ていたことがあったからかれこれ5カ月ぶりの浦和美園詣で。最近は楽をして駅前から100円のシャトルバスを使っていたけど時間も早いし天気も良いんでとことこと歩いて向かったものの見える背中は9割9分が赤く遠くに点点と黄色いユニフォームがのぞくくらい、完全アウェーな雰囲気にこれは激しい試合になるかもって戦慄に心震えさせる。

 チーム間で特に遺恨はないけれどキャプテンだった阿部勇樹選手が引っこ抜かれて移籍してから初の対戦ってことで選手間にやりにくさっていうか、やり甲斐があって果たしてどんなバトルが繰り広げられるのか、まずはそれが気になって見ていたら選手紹介の時にやっぱり阿部選手にはバックスタンドの隅に押し込められた黄色いブロックからブーイングが。移籍していった選手を地元に迎える時は拍手する場合が割にあるけどここは敵地。そしてチームの象徴でありながらの移籍だったからブーイングも仕方がない。逆に黒部選手が出場していたらどんな反応があっただろー。怪我で出られずちょっと残念。

 グラウンドではとくに接触する姿は見られなかったけれど試合前にトルシェゲートだか何だかな、グラウンドへと入ってくる通路で先に待ち受けていた浦和レッドダイヤモンズの選手に遅れてジェフ千葉の選手が現れた時、今のキャプテンおn佐藤勇人選手が阿部選手へと近寄り抱き合っていた姿がカメラ越しに会場のオーロラビジョンに映し出されてちょっぴり感動。中学ん時からの仲だけにやっぱり当人たちにも感慨深いものがあったに違いない。あと順繰りにジェフ千葉の選手が阿部選手へと近寄り言葉を交わしている姿も見えてなかなかな和気藹々ぶり。とはいえ試合になればそんな情実も吹き飛ばすのがプロって奴でホイッスルが鳴り始まった試合では阿部選手を相手にジェフ千葉の選手が囲み前へと出させない。

 最終兵器のワシントン選手も最前線をうろちょろするのをつかまえ前へと出さずボールを持たせても振り向かせない鉄壁の守備。逆に攻めては右サイドから水野晃樹選手が幾度となく良いボールをあげ左サイドでも山岸智選手がボールをうけて切り込みシュートやクロスで好機を作るものの得点につながらず。そうこうしているうちに右サイドでラインを割ったかと見えたボールにちょっとジェフ千葉の選手がちゅうちょしたところをするりとかわされ入り込まれてクロス。そこに走り込んできたワシントン選手が綺麗にあわせて浦和レッズが1点を先取する。虐殺の予感。

 ところが惹かずジェフ千葉も攻めて1度は完全に決まったかと思われたシュートもあったけれどゴールキーパーの代わりに入っていたディフェンスが当ててクリアして得点にならず、そのまま前半を1対0で折り返す。後半に入ると斎藤大輔選手がよくわからないまま2枚目のイエローカードで退場となって10人対11人。このまま押し切られるのかと心配したけど確か去年の秋にやっぱり「埼玉スタジアム2002」で行われたジェフ千葉と浦和レッズの試合でも1人少ない千葉が圧倒的な攻撃を見せて勝てないまでもそれなりの存在感を見せたことがあって、今回もその再来を期待したらまさに一気に押し込み1点を奪取。同点に追いつく。

 さあ問題はここからだ。残り時間はたっぷりあって1人少なく相手は元気。中盤をほぼ制圧されて攻められっぱなしになるものの、ディフェンスが頑張り幸運もあって相手に得点を許さない。最終ラインに入った市原充喜先取が守り最前線に投入された青木孝太選手が走り回って時間をつぶしてそのまま4分のロスタイムも逃げ切り1対1。引き分けで見事に勝ち点1をゲットする。本当は勝てたかもしれない試合だけどここは敵地、それも浦和レッズの5万を越えるサポーターが埋め尽くした「埼玉スタジアム2002」で引き分けなら御の字だ。

 パス回しから相手ゴールのそばまで行く良い攻撃の形も見せられたし、このまま積み重ねて行けば次の柏レイソル相手のホームでの試合こそは得点をガンガンと奪って勝ち点3をゲットできると信じたいけど、斎藤選手の抜けたディフェンスを果たして誰が埋めるのか。おお池田昇平選手がいるぞ。獲得しておいて良かった池田選手。あとは出場停止の先取もとりあえず見られないんで中盤から前は同じメンバーで行けそう。ってことはあの華麗にして流麗な攻撃が柏レイソル相手に炸裂するか、逆に李忠成選手と菅沼選手のU−22代表コンビにズタズタにされるか。こっちにだって水本裕紀選手に水野選手とU−22代表が揃っているだけに負けられないなあ。「ちばぎんカップ」の借りを返したいなあ。行くぞフクアリ、雨降るな。

 埼玉高速鉄道と南北線で王子まで行ってJRに乗り換え秋葉原あたりで急速。アニメイトへと寄って遂に入っていた「コードギアス 反逆のルルーシュ」のポスター自販機をプレーして2本出して見てがっくし。どっちもルルーシュでやんの。まあ1枚は許せるけれどもう1枚くらいはバック姿もむっちりなカレンかC.C.か、生徒会一堂が出ておhしかったのにどっちも格好付けてるルルーシュってのは何かの罰か。浦和レッズと引き分けてしまった天罰か。国立の神が手前ん所の専属だってほざいた東京ヴェルディ1969のちりちり監督に下った神罰が秋葉原にまで及んだか。まあ良いこれが自販機の宿命、次もその次もルルーシュが出ようとひたすらにコインを入れて回し続けるだけだ。余ったルルーシュはそーだな布団の下に敷いておこう。きっと夜中に奇妙な夢が見られるはずだ。生意気なルルーシュを足蹴にしているスザクになった気分を味わえるよーな。


【5月2日】 明け方に目が覚めてそのまま多分初めてくらいに生で「神曲奏界ポリフォニカ」を見る。オープニングはやっぱり最高。んで本編は絵がこれまでと比べて特段に落ちた訳でも進化した訳でもなくいつものポリフォニカ画質でまあ目的には安心。初登場したヤーディオは思っていた以上に軽い奴で、声が銀狼ヴァルで勇者王な割には脇役だったりして実に贅沢な使い方だと感心。それを言うならヤーディオと契約している事務所長のツゲ・ユフィンリーは「のだめカンタービレ」に「怪物王女」と今シーズに2本のタイトルロールを射止め演じている川澄綾子さんが演じていたりとこれまた贅沢。それでいて絵がなかなかに挑戦的だったりする所にTBSのアニメに対する姿勢の不思議さを垣間見る。

 声で言うなら昔の女ならぬ精霊に未練をたっぷり残して追い掛け見つけつきまとっているミュージシャンの声が白鳥哲さんだったのにも贅沢さを覚えたり。「コードギアス 反逆のルルーシュ」におけるプリン伯爵ことロイド・アスプルンドの演技で当人的にもアニメ業界的にもかつてない新境地を切りひらいた人だけど、放送が止まって以降その声に触れる機会がややなく寂しい思いをしていただけに、役柄も声質もまるで違うとはいえ雰囲気の一端は伺える登場はとても嬉しい。できれば一層の破天荒さを見せて欲しかったかなあ。次にロイドさんの奇声を聴けるのは本当にいつの事、なんだろー。

 あまりに素晴らしい主題歌に感化されて発売されたばかりの「Apocrypha」を買って聴いたらやっぱり素晴らしかった。テレビでも耳に響くベースの旋律の心地よさはアルバムでもたっぷりあったし、ストリングスの響きや重ねられているコーラス等々、楽曲の良さアレンジの素晴らしさが隅々にまで行き渡っていて何度だって聞き返したくなる。担当しているのは「eufonius」って菊地創とボーカルのriyaさんによるユニット。調べたら「ノエイン」のオープニングである意味アニソン作りの一般的な作法をふっとばして転調やらアレンジやらを複雑にして耳に強烈な印象を残し、アニメそのものが持ってたビジュアルとストーリーの凄まじさをよりいっそう際だたせたのもこの人たちだった。

 さらには「カレイドスター」の第1期オープニングでテンポとノリがとっても良くって、入っていたGONZOのベストアルバムを聴いてこれは愉快だと思いこれまでに何10回となく再生している「TAKE IT SHAKE IT」も菊地さんの作曲だったとは。なるほど耳に届く音楽を作る才能ってのは、ちゃんと存在しているのだなあ。単品としての良さは感じていてもアーティストたちの当人へと至らなかった当方の不明を恥じつつ、出ているアルバムを探して聴いてみようっと。そうだ「かしまし」のオープニングも「フタコイ オルタナティブ」のエンディングも担当していたんだ、これらもすっごく耳に残っているよ、すごいよやっぱり。これからは逃さず追い掛けよう。

 せっかくだからと録画済みではあってもなかなか見られなかった「ひとひら」を見たらここにも川澄綾子さんだよいったい幾つ出ているんだ今放送中のアニメで。「星方武侠アウトロースター」のメルフィナ役で見知って以来かれこれ10年。未だ最前線で活躍し続けるたぁすごい凄いすごすぎる。それはされおき見てこいつはなかなかに高品質。基本の絵がまず崩れていない上にギャグっぽいシーンもよく動いて表情もくるくる代わって見ていて楽しい。人前に出るのが苦手な癖して演劇研究会に引っ張り込まれてそこで流されけれどもできず「うわぁぁぁぁん」と逃げ出す性格が何とも見ていて鬱陶しいけどその鬱陶し性格がやがて変化し前向きに変わる様を見せつけられることによって得られる感動の大きさを思うと、これはリアルタイムで見続けた方が良いのかもしれないって考えに至ったんで来週からちゃんと見よう。しかしそれにしても鬱陶しい。おおこれはオレンジ君まで出ているじゃないかおっさんくさいぞ役の歳の割には声が。

 ええい面倒だと1話2話を見て3話の悲劇を見ていなかった「キスダム」の総集編を通り過ぎた第5話を見たら何か立ち直ってた。防護服の下半分が脱げてパンツいっちょうになった少女がデカいガンを振り回してバトルする様の麗しさはそれとして、アポロもしくはエイジよろしく人間の範疇を超えた体力能力でもって飛びはねバトルするアクションは迫力あったし、滅亡しかかった人類が最後の希望としていた何やら遺跡めいたものが現れ反攻へと向かう展開にも何やら光明が見えた。最初はいったい何が何やらさっぱりだったからなあ。いっそここからスタートして過去に遡り描いてそして未来へと向かえば良かったのに。「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」で中華嫁の大人びた演技をしている柚木涼香さんがこっちぎゃこましゃくれた嬢ちゃん役でネクロダイバーを見張っていておいおい一体どこから見てるんだって気にはなったけど気にしなければ気にならない。パンツいっちょう姉ちゃんは来週も出て叫んでくれそう。勇ましいなあ明乃さん。おおあのC.C.もどきの声はナノナノなのだな明坂聡美さんかあ、雰囲気違う、だから女性は恐ろしい。

 井上堅二さんの「バタとテストと召喚獣2」(ファミ通文庫)を読む。バカがテストで召喚獣を引っ張り出して戦う話だった以上。それだと1巻目と変わらないか。2巻目はクラス逆転のための闘争ではなく学園祭における賞金稼ぎと関連イベントでのバトルの勝利に伴う賞品の奪取が大きな目的。学園祭では美麗な秀吉のチャイナ服姿が炸裂するしバトルでは坂本雄二の策士ぶりとそして土屋康太のバカっぷりが目一杯に発揮されては卑怯にもバトルをどんどんと勝ち抜いていく。ああ愉快。だけどやっぱり最大の見所は雄二に惚れまくってる学園でも最優秀の美少女、霧島翔子のデレっぷりでまるで全然ツンしてないのにどこか不気味に恐ろしげなオーラをまとって迫って来るからさしもの雄二も簡単にはかわせない。拒否する理由が分からないけどまあそこは、迫られれば逃げる諸星あたる的男の本能てやつでこれからも迫る翔子に逃げる雄二を本当の軸に周囲で踊る康太のバカっぷりと瑞希ちゃんの豊満っぷりと美波の俎っぷりを堪能させてくれるだろー。でもやっぱり最大は秀吉の可愛さっぷりだ。帯だけじゃなく表紙にも目一杯に。


【5月1日】 DVD−RAMへと移しながら「機神大戦ギガンティック・フォーミュラ」のまだ見ていなかった第4話を見たら使徒の精神攻撃にアスカが汚されちゃってた。んじゃなくってロシアからはるばるやって来たギガンティックが背中に広げた孔雀の羽から目玉ビームを放ってスサノオのトランスレーター、神代真名を悶えさせるけれどもそこは歳の功とゆーか過去の悲劇から得た知識で司令官が慎吾に支持を出し、ちょうどいい加減にシンクロ率を抑えて敵の攻撃をおさえて撃破し退散させる。2連勝。すげえな少年。

 まあここであっさり片づいてしまっては12体いてうち1体は日本で残る11体の敵のうち、中央国の1体はすでに撃破済みで10体しか残っていないギガンティックを10話くらいで倒してしまい2クール(だよね、予定)もたない可能性もあるから仕方がない。それともこれはあくまでブロンズの戦いで、上にシルバー・ギガンティックがありさらにその上にシャカだのミロだのムウだのといったゴールド・ギガンティックが待ち受けていて、スサノオは仲間にした中央国だとか東欧ロシアとかフランス連合とかのギガンティックとともに12の宮を巡り順に倒していく展開が待ち受けているんだろーか。さらにポセイドン編があり冥王ハーデス編と続く全200話の大河アニメへと、展開していってくれたら中華嫁の揺れる豊満さにもずっと見えていられて嬉しいんだけど。なあ。

 乙女の大特集がしていあるってんで書店で「MEGAMI Magazine」をちらりと読んでうーん、たしかに「コードギアス 反逆のルルーシュ」にずらりと居並ぶカレンにC.C.にユーフェミアにシャーリーにヴィレッタ・ヌゥといった美少女たちをピックアップしてあるんだけれども本編きっての乙女心の持ち主であるところのコーネリア様が取り上げられていないのが気に入らない。27歳で乙女もないだろうって意見もあるだろーけどそれだったら26歳のヴィレッタはどうだってことになる。1歳違えば乙女も乙女じゃなくなるのか? そんなことはありません。

 そもそも乙女は年齢でなくスピリッツであり男性だって乙女心さえあれば乙女なんだと嶽本野ばらさんが自らのスタイルと作品で証明している。その意味で兄のシュナイゼルにコンプレックス気味な感情を抱き、面と向かって褒められるともじもじとして頬赤らめ、ルルーシュの母親のマリアンヌにはナイトメア乗りとして経緯を抱き、妹のユフィの悲劇にはすべてを擲ってひとり引きこもって呆然とする。

 嗚呼これぞ乙女の神髄。乙女の鏡。年齢不詳であるいは数百歳すらいってそーなC.C.を並べるくらいなら、コーネリアを並べて本編には出ない私服姿をイラストで添えて真の乙女とは何かを見せつけて欲しかった。まあ良いいずれ放映されるだろーこれからの展開で、張った肩肘を緩めてピュアな乙女心でナナリーとの再会なんかを演じ真珠のよーな涙を流してくれると信じて待とう。エプロンドレス姿のコーネリアに水着姿のコーネリア。アッシュフォード学園の制服に身を包んだコーネリアにパジャマ姿のコーネリア。見たいよ見せて頂戴見せてくれ。

 たとえばオタクな彼氏によーやくオタクな彼女が出来て、可愛い顔をしていてそして喋る言葉の最後に「だっちゃ」を着けたら貴方は喜ぶかそれとも別れるか。1980年代だったらたぶん流行りの1つと認めよくぞやてくれているよと喝采しつつついでに衣装も虎縞のビキニだったら言うことなしって思っただろーけど21世紀にもなった現代で、「なんとかピー」ですらない「だっちゃ」が語尾につく娘を世間はいかなオタクが流行っている状況であってもむしろ場違い感から忌避に向かいそーな気もしないでもない。よーするに不気味ってこった。

 けどでもあるいはそれがとてつもなく可愛らしい子だったら語尾が「だぴょ」でも「にょ」でも「にゅ」であっても平気に受け入れてしまうのが男心の現金さ、って奴でだから森山侑紀さんって人の「世界で一番不思議なあの子」(講談社X文庫ホワイトハート)に出てくる「だっちゃ」娘もそのバディのナイスさと見目の麗しさでもって気にせず求められるんじゃなかろーか。問題は当人がそーした格好で男性に受け入れられるのを好んでないってことだけど。なぜなら少女は実は男の子で、女性にもなれるけど普段は男性の格好をしていたりする不思議な家系の出である母親から生まれたこともあって、ある時を堺に女性化しまったもので心はまんま男性だから、男性に言い寄られることを好まない、ってゆーか嫌ってる。

 だから突然に体質が出てしまった原因ともなった、力を持った指輪の紛失事件を解決して元に戻りたいんだけどそれまではちょっと大変で、予言によってそこが紛失場所だと出た学園に乗り込んではみたものの、女性になったら彼を夫にもらうことになっていた男性からいろいろモーションをかけられ、かといって男性の体だったら妻にもらうことになっていた許嫁の少女は雪女でちょっと力を出せば誰もを凍らせてしまうからやっぱり近寄り難い。

 おまけに学園には雪女だけじゃなく妖怪がほかにも平気で通っていて、転入したクラスの同級生は砂かけ婆に小豆洗いといった感じに婆さんばかりという事態。河童もいるしぬらりひょんもいたりして、それがごくごく普通に授業を受けているものだから少年としても最初は驚きあわてふためく。やがてそういうものだと馴れて指輪探しに乗り出したものの邪魔は入り変身しては言葉が「だっちゃ」になったりともう大変。そんなドタバタが繰り広げられる展開は、徹底した明るさとテンポの良さがなかなかに愉快でありえないと思いつつもついつい最後まで読んでしまう。イラストとして女になった主人公が少ないのが気にかかるけれどもドタバタはまだ始まったばかり。続きがあれば是非にその中で変身に嗣ぐ変身をして水着にメイド服にチャイナドレスをまとった主人公の姿をいっぱい、読ませて見せてくださいな。


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