“かいじゅうたちのいるところ” 
WHERE THE WILD THINGS ARE
(2009年アメリカ映画)

監督:スパイク・ジョーンズ
原作:モーリス・センダック
脚本:スパイク・ジョーンズ、デイヴ・エッガース

出演:マックス・レコーズ、(声の出演)ローレン・アンブローズ、クリス・クーパー、ジェームズ・ガンドルフィーニ

 

モーリス・センダックの名作絵本「かいじゅうたちのいるところ」の映画化。

予告編をシネコンで観たときには面白そうだと思ったのですが、デイヴ・エッガースの小説版を読んだ後は、かなり映画に対する興味が落ちていました。なんとなく映画の内容を読んでしまった、という気がして。
それでも一応名作絵本の映画化だからと、出来不出来を確かめるつもりで観に行ってきました。

・原作を損なうことなくきちんと映画化した、という印象です。
・かいじゅうたちは着ぐるみらしいのですが、表情が細やかによく表現されているなと感心。どうもCG加工されているらしい。
・あまり感激はなかった、というのが総評。
というのは、絵本では「かいじゅう」というところにインパクトがあったのですが、(小説版もそうですが)かいじゅうたちを様々に描きこんでいくと、かいじゅうたちが人間と変わらなくなり、「かいじゅう」というインパクトが失われているため。

原作では、人間とかいじゅうの対比、人間的な感情とかいじゅうの抱く思いとの対比がミソ。
ところが、小説版・映画ともストーリィが長くなったため、かなり性悪なところのあるわがまま少年マックスが、かいじゅうたちの一匹・キャロルの中に狂気を見い出すようになって、その狂気は自分にも共通するものだったことに思い当たるというストーリィに変貌しています。
絵本と異なり、そこに至るまでのストーリィの長さ、判り辛さが、物足りなさに通じてしまったように感じます。

2009.01.16

   
 → 原作:「かいじゅうたちのいるところ」 

 → 「かいじゅうたちのいるところ(小説版)

 


    

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