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        「バットマンビギンズ」「ダークナイト」に次ぐ三部作の完結編。 
        自ら悪役を買った前作の最後から8年、ずっと平和だったゴッサム・シティに狂気のテロリスト“ベイン”が登場します。彼の目的は何なのか、ゴッサム・シティの破壊なのか。 
        ずっと屋敷に引きこもり沈黙を守り続けていたブルース・ウェイン=バットマンですが、最悪の強敵を目の前に再びゴッサム・シティに姿を現します。 
        しかし余りに強敵。バットマンはベインの前に打ち倒され、ベインが生まれ育ったという脱獄不能の地下牢に閉じ込められてしまう・・・・。 
        「ダークナイト」も凄い作品でしたが、ある意味でそれを上回る作品。 
        本作品の凄さは、ヒーローであるバットマンが弱さをさらけ出す、という部分にあります。そして矢折れ刀尽きた姿で地下牢に横たわるブルース・ウェイン。ヒーローが再び立ち上がる時はあるのだろうか、とまで思わせられる展開です。 
        絶対的なヒーローが活躍するアクション映画という点では、本書は「ダークナイト」に及ばないと思います。 
        しかし、本作品を見ていると、バットマンというヒーロー像を超えて、そもそもヒーローとは何なのか、ヒーローの資格とは何なのかという、普遍的なヒーロー像をいつしか考えている自分に気づきます。そしてそれは、バットマンとは単なるヒーローのひとつに過ぎないという思いへと繋がります。 
        一人のヒーローをはるかに超えて、普遍的にヒーローとは何かを語った作品。本作品の凄さはそこにあります。 
        上映時間は 164分。たっぷりとした見応えです。 
        ブルース・ウェインの執事アルフレッド役のマイケル・ケイン、私は好きですねぇ。キャットウーマンの如きセリーナ・カイル役のアン・ハサウェイ、「プリティ・プリンセス」の彼女がこんなアクション役をやるようになるとは思いもしませんでした。彼女の役柄、存在が本作品では光っています。 
        2012.08.04  
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