|
|
2.阿呆旅行 3.伯林感傷旅行 |
●「旅はパレット」● ★★ |
|
1984/12/29 |
「週刊朝日」に短期連載(8回)した「旅はパレット・アメリカ淡彩紀行」を基に、書き残していた水彩画も加えて一冊にまとめた画文集。
世界各国の街角を、気取らない水彩画と気取らない文章で綴った本であり、眺めているだけで、本当に世界各地を旅行している気分になり、気持ちもまた楽しくなってきます。 アメリカのハミング/ヨーロッパのトレモロ/日本の口笛 |
●「阿呆旅行」● ★☆ |
|
1984年12月 2021年04月 1985/01/11 |
年末から、宮脇俊三「旅の終りは個室寝台車」、辻静雄「ヨーロッパ一等旅行」、江國滋「旅はパレット」、山口瞳「酔いどれ紀行」と、紀行ばかりを読みつづけてきました。 ちょうど直前に読んだ「酔いどれ紀行」と比べると、本書では場所ごとの頁数がはるかに少ないため物足りない面もありますが、読んでいる分には結構面白いです。 これらの紀行に阿川弘之「南蛮阿房列車」を加えて考えてみても、どの紀行も(但し辻静雄著作は除く)皆内田百「阿房列車」を模していると言うのですから、「阿房列車」の存在は凄いものです。 |
●「伯林感傷旅行−旅券と俳句−」● ★★ |
|
1991年6月
|
13年前東独の招待により、1ヵ月間東独を一人で、通訳者と運転手をつけてもらって旅行をしたのだそうです。その為、ベルリンの壁崩壊のニュースによってその思い出をかきたてられ、東独が消滅しないうちにベルリンを再訪したい、というのがこの紀行の発端だったそうです。 伯林感傷旅行/敦煌有情/巴里のばらーど ※【 参考 】・・・“旅券と俳句”シリーズ(すべて新潮社刊)1.旅券と俳句 1990.06 |
●「おい癌め 酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋闘病日記 」● ★★ |
|
1997年12月 2000年11月
|
一応念の為ということで受けた検査の結果突然食道癌を宣告され、以後亡くなるまでの約半年間、江國さんが病床で書き続けた闘病日記です。癌に負けまいと石田波郷に対抗して、闘病しながら俳句を作り続けることを宣言、その結果として書き残された俳句は500句に達するということです。 残寒やこの俺がこの俺が癌/カーディガン、ナースはみんなやさしくて/春の闇阿鼻叫喚の記憶あり/惜春のまた傷ついてゐるこころ/目にぐさり「転移」の二字や夏さむし/四万六千日いのちかみしめ外泊す/おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 |