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21.かなりや荘浪漫 22.かなりや荘浪漫2 23.コンビニたそがれ堂−花時計−−コンビニたそがれ堂 No.9− 24.魔女たちは眠りを守る 25.コンビニたそがれ堂異聞−千夜一夜−−コンビニたそがれ堂 No.10− 26.桜風堂夢ものがたり−桜風堂ものがたり 番外編− 27.風の港 28.不思議カフェNEKOMIMI 29.さやかに星はきらめき 30.コンビニたそがれ堂−夜想曲−−コンビニたそがれ堂 No.11− |
【作家歴】、天空のミラクル、天空のミラクル−夏の魔法、コンビニたそがれ堂、コンビニたそがれ堂−奇跡の招待状−、コンビニたそがれ堂−星に願いを−、カフェかもめ亭、海馬亭通信、海馬亭通信2、コンビニたそがれ堂−空の童話−、ルリユール |
コンビニたそがれ堂セレクション、コンビニたそがれ堂−神無月のころ−、松風堂ものがたり、コンビニたそがれ堂−祝福の庭−、はるかな空の東、百貨の魔法、アカネヒメ物語、コンビニたそがれ堂−小鳥の手紙−、星をつなぐ手、コンビニたそがれ堂−猫たちの星座− |
「かなりや荘浪漫−廃園の鳥たち− The Palace for the hurt Canaries」 ★★ | |
2019年11月
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2015年03月に集英社オレンジ文庫から刊行され、続いて第2巻が刊行されたものの未完となっていた「かなりや荘浪漫」、書き下ろし1篇を加え、シリーズの第1巻として再スタートです。 幼い頃から絵を描くことが大好きな須賀茜音・19歳が本シリーズの主人公。 バイト先のパン屋が廃業となりバイト勤務もクリスマスイブの今夜で終わり。しかし、帰宅すると一応作家である母親の須賀ましろがまたもや姿を消したらしく、荷物はアパートの部屋に外に積まれていて部屋には入れず。 致し方なく、風邪気味の身であるにもかかわらず、サンタガール姿のまま氷点下の街中を彷徨っていた茜音でしたが、夜遅くの公園でカーレンという少女と出会います。 放っておけず茜音がカーレンを送っていった先が<かなりや荘>という白い洋館のアパート。 その茜音とかなりや荘の出会いをきっかけに、茜音、そしてかなりや荘の住人たち(幽霊も含め)との新たな物語が始まります。 絵が漫画が好きでその輝かしい才能の開花を期待させる茜音と、今は亡き天才漫画家=紅林玲司の幽霊、敏腕編集者だったが休職中の神宮司美月、等々。これらの人物が絡まってこれからどうストーリィが展開していくのが大いに楽しみなのですが、本巻はあくまで関係者たちの出会いの、そしてスタート直前の物語。 本シリーズもまた、<風早の街>の物語。今後の展開が楽しみです。 1.樅の木と/2.天使と出会う夜/3.かなりや荘にて/4.ある編集者の物語/5.星のカーテン/6.天のうさぎ/7.魔法のハンカチ/終章.春の庭/番外編−ささやかな物語 |
「かなりや荘浪漫2−星めざす翼− The Palace for the hurt Canaries」 ★☆ | |
2020年01月
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2015年11月に集英社オレンジ文庫から刊行された第2巻に、新たな書き下ろし「番外編その2」を加えての、新たなシリーズ第2弾「星めざす翼」。 第1巻では本物語のヒロインである須賀茜音+かなりや荘の住人たち、という風でしたが、本巻は群像劇。むしろ茜本人のストーリィ部分は少なく、その他の登場人物ひとりひとりを描いた群像劇という印象が強い。 その点、須賀茜音の前進を期待して読むと、ちょっと物足りなさも感じます。 とにかく、茜音やかなりや荘の住人たちのライバルが次々と登場するという趣向の巻。 ・「十月のお菓子」の主人公は東ユリカと茜音。お互いに勘違いしているところが微笑ましい。ある意味、ライバルか? ・「枯葉舞う書店にて」はユリカ。同じタレント事務所の売れっ子の子役=一条翔馬と書店で遭遇。 ・「柱時計は時を刻む」は神宮司美月。茜音をどう育てるべきか思案中。そこに編集者仲間の篠原琥子と後輩の高柳類。その類、新雑誌の新人賞で、自分が推す女の子と茜音で一騎打ちと宣言。 ・「星空を行く翼」は美月と、創瑛社に戻ってきた一条絵馬の話。かつてのライバルであり、大切な友人。そしてその絵馬もまた、茜音のライバルとなる新人を抱えているらしい。 ・「スターダスト」はユリカと茜音、2人の友情の始まり話。 また、出没していた女性下着泥棒を取り押さえたのはかなりや荘の謎の新住人。なんと紅林玲司とライバルだった漫画家=明神ジャガーだったとは。 ・「番外編1.空から降る言葉」は、茜音の母親、須賀ましろを描いた篇。私にとってはこのましろの篇が、本巻では白眉。 ・「番外編2.冬の魔法」では、翔馬が夜遅く、星野百貨店に。 集英社オレンジ文庫での刊行はこの2巻まで。 これから後が、新しく書かれる物語。 茜音とライバルたちが競い合って高みに登っていく筈。今から楽しみです。 1.十月のお菓子/2.枯れ葉舞う書店にて/3.柱時計は時を刻む/4.星空を行く翼/5.スターダスト/番外編その1.空から降る言葉/番外編その2.冬の魔法 |
「コンビニたそがれ堂−花時計−」 ★★ | |
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“コンビニたそがれ堂”シリーズ、第9弾。 ※このところ店主の風早三郎は留守がち。本巻でも、唯一の店員であるねここが店を守っています。このねここ、ちょっと応対に辛口のところがありますが、それも良いスパイス。 「柳の下で逢いましょう」 心優しい青年の幽霊が主人公。その幽霊がヒーローと思っているのは、弱い者たちへ優しい視線や笑顔を向ける青年。 しかし、その青年が事故死。何とかその運命を変えられないものかと、幽霊はコンビニたそがれ堂を訪ね、試供品だという<やり直し券>を手に入れます。しかし・・・・。 結末は本当に美しい、皆々を幸せにするもの。この辺りが本シリーズの魅力なのですが、本篇はその象徴と言えます。 「約束の夏」 年老いた悟郎さんが、若い頃恋人となる筈だった梨々可に心を馳せるストーリィ。 人生は思うに任せぬものですが、だからこそ思い出をずっと大切にしていることが貴重なのだと感じさせられます。 ※ゴールズワージー「林檎の樹」に似ていて、異なる物語。 「踏切にて」 幼い頃から親友同士だった菜々と星子、今は会えなくなってしまった2人の少女の物語。 嫉妬、後悔の物語かと思いきや、こんな秘密があったとは。 2人の想いのすれ違いが切ないのですが、それも相手への想いの強さ故。忘れ難い友情ストーリィです。 柳の下で逢いましょう/約束の夏/踏切にて |
「魔女たちは眠りを守る」 ★★ | |
2022年11月
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“魔女”とは悪い存在か、それとも善い存在か。 最近は後者の魔女も増えているようですし、本作に関して言えば村山さんが悪い魔女など描くはずもなく、ファンタジーで楽しく温かな物語だろうと当然に想像していました。しかし・・・ 魔女は世界中の街や村にいて、ひっそりと暮らしながらその街を守護しているのだという。 「人の眠り」を守る魔女、何やら“コンビニたそがれ堂”の神様や化け猫を連想させられますが、雰囲気はかなり異なります。 “たそがれ堂”がきっちり決着を付ける物語であるのに対し、本作はかなり夢想的、願いの心を込めたストーリィのように感じられます。 ただし、魔女といっても絶対的な存在ではなく、人に比してゆっくりとしか年を取らない(10年に1歳程)、ちょっとした魔術が使えるという程度のもの。 その所為か本作に登場する心優しき魔女たち、同時に深い哀感を漂わせています。大切に思った人との別れを逃れられない、長い年月を一人で生きていかなければならない、といったように。 美しく、愛おしく、そして哀感ある連作ストーリィ。 ストーリィは、若い赤毛の魔女=七竈・マリー・七瀬が使い魔の猫と共に、久しぶりにこの港街に戻ってきたところから始まります。訪れた先は、銀髪の美しい魔女ニコラが営むカフェバー<魔女の家>。そこは旅する魔女たちの宿泊場所でもあります。 ・「遠い約束」:気持ちの疲れたベテラン書店員=平田叶絵、若い魔女に危うい処を救われます。そしてそれは・・・・。 ・「天使の微笑み」:ニコラが七瀬に、忘れられない友との大切な思い出を語ります。 ・「雨のおとぎ話」:大学生の空哉が久しぶりに祖母を訪ねますが、既に祖母は危うい状況。魔女の家へのお願いとは・・・。 ・「月の裏側」:子供たちの物語を提供してきた時計店の老店主=佐藤さんが七瀬に思い出話を語ります。 ・「サンライズ・サンセット」:八月半ばのお盆、亡くなった人たちがこの街に戻ってきます。ニコラが知る運転手さんも。 ・「ある人形の物語」:ある人形の長い、長い旅の物語。その最後に人形たちを迎えたのは七瀬・・・。 ・「貝の十字架」:七瀬自身の生い立ちを語る篇。 1.遠い約束/2.天使の微笑み/3.雨のおとぎ話/4.月の裏側/5.サンライズ・サンセット/6.ある人形の物語/エピローグ.貝の十字架 |
「コンビニたそがれ堂異聞−千夜一夜−」 ★☆ | |
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シリーズ特別編、そのため「異聞」とか。 いつものシリーズ巻のパターンは、幾つかの物語を収録した短編集。しかし今回は、3篇とも同一主人公による連作ストーリィ。 しかも主人公、風早の街の神様である風早三郎に縁がある人物なのです。 その主人公である高校生の沙也加は、風早三郎を祀る風早神社(山の上)の娘で、巫女。病弱だった母親は5年前に死去、今は宮司兼会社員の父親と幼い弟の透矢、雌猫の鵺子と虎子が家族。 その他に「お姉ちゃま」と呼ぶ、父の年の離れた妹で双子の大学生が身近な存在。 沙也加、これまで何度願ってもコンビニたそがれ堂を見つけたことがないため、今はもうその実在を信じていない。 ・「海の記憶」:悪い病気が広がっている状況か、透矢が急に、なくした玉手箱を見つけなくちゃ、と言い出します。 昔、薬を求めて竜宮城へ旅立ったまま戻らなかった若い宮司の話とそっくり。そしてついに姉弟は、<たそがれ堂>へ・・・。 ・「星へ飛ぶ翼」:沙也加、再び<たそがれ堂>へ。かつて自分が見たかったものを店長とねねこに語ります。 ・「猫たちは光を灯す」:亡き母親の思い出、そして猫たちの存在の意味は・・・。 たまには、こうして何度も<たそがれ堂>を訪れ、店長の風早三郎とねねこと親しく語り合うという主人公がいるというのも、楽しいものです。 海の記憶/星へ飛ぶ翼/猫たちは光を灯す |
「桜風堂夢ものがたり」 ★★ | |
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「桜風堂ものがたり」シリーズ第3弾と思ったのですが、続編「星をつなぐ手」と2冊で完結しており、本書は番外編とのこと。それもファンタジーな連作短編集。 そして各篇で主人公となるのは「桜風堂ものがたり」でお馴染みの登場人物たち。という訳で、完結した同作の余韻を楽しめるという一冊になっています。 ストーリィ内容はとても優しく、ファンタジーということもあってふと“コンビニたそがれ堂”を彷彿させるところもあります。 村山早紀作品のファンにとってはきっと楽しめる作品の筈。 ・「秋の怪談」:主人公は桜風堂店主の孫=透。同級生の楓太が言い出し、音哉と3人で夜、「森の幽霊屋敷」探検に出掛けるのですが、そこで透が出逢ったものは・・・。 ・「夏の迷子」:銀河堂書店の店長=柳田六朗太。桜風堂書店に月原一整を訪ねた帰り、山中で迷子になるのですが、その時六朗太に語り掛けてきた声は・・・。 ・「子狐の手紙」:銀河堂書店のカリスマ書店員=三神渚砂。重い荷物を抱えて山道を歩いて桜風堂書店へ向かおうとしていた渚砂は、思いがけず、著名編集者で幼い頃に母と自分を捨てて出ていった父親の夏野耕陽に出会います。そして・・・。 ・「灯台守」:幼い頃に自動車事故で父と姉を失って孤独な身となった月原一整。でも、猫のアリスは彼を優しく見守る存在を知っていた・・・。 1.秋の怪談/2.夏の迷子/3.子狐の手紙/4.灯台守 |
「風の港」 ★★ | |
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空港を舞台にした、村山早紀さんらしい優しさ溢れる、清新な旅立ちを描くリレー式連作ストーリィ。 「旅立ちの白い翼」の主人公は、漫画家を辞めて故郷に戻ろうとしている亮二。 「それぞれの空」は、亮二の漫画のファンだったという空港にある小さな書店の若い書店員である夢芽子。 「夜間飛行」は、その書店で偶然に再会した、中学以来別れ別れになっていたかつての親友、今はアラフィフの恵と眞優梨。 「花を撒く魔女」は、上記2人が見かけた世界的な奇術師、フェシリティ幸子。世界中を巡ってきた彼女も今はもう80代。 それぞれに悔いを抱えてきた各篇の主人公たち。 しかし、空港での思わぬ出会いから、再び笑顔を取り戻すことができ、そこから新たな旅立ちに向かって歩みだしていく、各篇とも爽快感に満ちた展開です。 村山さん、コロナ以前は空を飛ぶことが日常で、空港で過ごす時間もまた日常だったそうです。空港で行き交う人々は皆、それぞれの旅の途中、そうした思いから本作が生まれた、とのこと。 私も若い頃一人であちこちへ旅していた頃は、新幹線や飛行機に乗るときは、さぁ行くぞという気持ちに、そこに戻って来た時は、あぁ帰ってきた、という気持ちになったものです。 特に空港となると、飛行機で飛び立つ気分は最高でした。 私はいつも通過するだけでしたけれど、空港の中でこうした幾つもの物語のが生まれることもあると思うと、楽しく、嬉しくなってきます。 1.旅立ちの白い翼/2.それぞれの空/3.夜間飛行/4.花を撒く魔女/エピローグ.空港にて |
「不思議カフェ NEKOMIMI」 ★★ | |
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一人暮らしのまま50代に至った律子。 頭痛が酷くなり病院へ行こうとしたところで、倒れてしまう。 すると声が聴こえ、以前に占のおばあさんから貰った魔法のランプをこすると、ランプの魔神が現れ、律子を救ってくれる。 「アラジンと魔法のランプ」のような話ですが、現れた魔神はそれらしい姿ではなく、白い翼をもったペルシャ猫の姿。 その魔神から、永遠の命と魔法を使える力を与えられた律子は、愛猫メロディや魔神たちと一緒に、空を飛ぶ車で旅へと飛び立ちます。 旅をし、辿り着いた先で美味しいカフェを店開きする律子は、善い魔法使い。元の人生から離れて寂しくもありますが、未来へ向かって旅する楽しさもある、という暮らし。 そんな律子たちが訪れた先で経験するのは、様々な妖したち、そして彼らと関わった人たちとの出会い。 とても優しい物語です。そして、ゆっくりと進みます。 作者の村山さん、ゆっくり時間をかけて読んで欲しいと語られていますが、まさにそんな雰囲気があります。 優しい気持ちを相手に届けようとする、優しい気持ちを受け取ったらそれを誰かに手渡していこうとする、そうすればどれだけこの世界は優しさに満ちるでしょう、そうした世界には新しい未来が待っている。 ロシアによるウクライナ侵攻等々、優しさの全くない世界を待ち受けているのは、滅亡だけ。 村山さんのそうした思いが伝わってくるようなストーリィです。 ・「魔法の始まり」:律子が魔法使いになるまで。 ・「黄昏のひなまつり」:川の中を歩いていた女雛と三人官女が目指していた先は・・・。 ・「花のもとにて」:山間で廃校になった小学校で律子が出会ったのは、人間好きな妖したち・・・。 ・「不思議の庭」:この地で行き倒れ祀られて神となった姫君と従者の若者。姫君が作った不思議の庭とは・・・。 序章.魔法の始まり/1.黄昏のひなまつり/2.花のもとにて/3.不思議の庭/あとがき |
「さやかに星はきらめき」 ★☆ O holy night! The stars are brightly shining, It is the night of our Saviour's birth. |
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疫病や天災、戦争による汚染によって地球に生物が住めなくなってから数百年、遥か未来が、本ストーリィの舞台。 人類と、人類に連れられた犬猫は、宇宙ステーション、月、太陽系の他惑星、太陽系の外へと住み場所を探し、宇宙に広く広がっていった。 そして今、地球を見下ろす月に、少なくなった人類の末裔と、犬猫から進化したネコビト、イヌビトらが一大居住圏を築くに至っていた。 主人公であるネコビトのキャサリン・タマ・サイトウは、月面にある出版社<言葉の翼>社で文芸書の編集長。 副編集長であるイヌビトのレイノルド・ナカガワのふとした思い付きから、古い時代から新しい時代、宇宙時代の今に伝わるクリスマス話を集めて一冊の本を作ろうと決定。 最終的に出来上がるその本の題名は、「さやかに星はきらめく〜時を越えたクリスマス物語集〜」と名付けられます。 本書の構成は、各章で編集仕事の進展を描き、その中で「☆」マークを付したクリスマス伝説が語られる、というもの。 愛と希望を含んだクリスマス話に、宇宙時代の情趣を加えたクリスマス本になるのだろうと思った作品ですが、SF的設定にイマイチ現実感が追いつかず、折角の情趣もその分薄れたという印象です。 なお、新しい時代のクリスマス話としては、それなりに楽しめると思います。要は読み手の好み次第、受け留め方次第でしょう。 1.守護天使・☆守護天使/2.虹色の翼・☆魔法の船/3.White Christmas・☆White Christmas/4.星から来た魔女・☆ある魔女の物語/最終章.さやかに星はきらめき・☆幽霊船/あとがき |
「コンビニたそがれ堂−夜想曲−」 ★☆ | |
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“コンビニたそがれ堂”シリーズ、第11弾。 今回、これまでの巻と少し異なる趣向を感じて戸惑う処がありましたが、読み進めばいつもとそう変わらない“たそがれ堂”。 ・「ノクターン」:世界的なピアニスト=首藤玲司はコンサートの要請を受け、40年程ぶりに風早の街に戻ってきます。 それだけ長く彼が戻ってこなかったことには、複雑かつ微妙な問題があり・・・。 ・「夢みるマンボウ」:コンビニたそがれ堂に足繁く通ってくる女の子、実は生き霊、つまり病院のベッドで今、死にかけている女性。そんな彼女にたそがれ堂が差し出すものは・・・。 ・「空に浮かぶは鯨と帆船」:風早の街で古くから皆に頼りにされているのは、サトウ玩具店の老店主であるサトウさんと、山の上にある子ども病院で長く院長の座にある曜子さん。 実はこの2人、かつて相争った宇宙人。今や愛する対象となった地球の人々に新たな危難が・・・。 ・「天使の絵本」:「コンビニたそがれ堂セレクション」に収録されていた書下ろし短篇を、本巻文庫に収録。 クリスマスストーリーなので、ちょっと時期外れですが、夢物語のような趣きがあって、私としては好きな篇です。 ノクターン/夢見るマンボウ/空に浮かぶは鯨と帆船/天使の絵本 |
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