|
|
1.しゃばけ 2.ぬしさまへ−「しゃばけ」シリーズNo.2− 3.百万の手 4.ねこのばば−「しゃばけ」シリーズNo.3− 5.おまけのこ−「しゃばけ」シリーズNo.4− 7.うそうそ−「しゃばけ」シリーズNo.5− 8.みぃつけた−「しゃばけ」シリーズ絵本− 9.まんまこと 10.ちんぷんかん−「しゃばけ」シリーズNo.6− |
つくもがみ貸します、しゃばけ読本、こころげそう、いっちばん、アイスクリン強し、こいしり、ころころろ、ゆんでめて、若様組まいる、ちょちょら |
やなりいなり、こいわすれ、ひなこまち、さくら聖・咲く、けさくしゃ、つくもがみ遊ぼうよ、ときぐすり、たぶんねこ、明治・妖モダン、すえずえ |
えどさがし、まったなし、なりたい、うずら大名、明治・金色キタン、若様とロマン、おおあたり、まことの華姫、ひとめぼれ、とるとだす |
むすびつき、新・しゃばけ読本、つくもがみ笑います、かわたれどき、てんげんつう、わが殿、猫君、あしたの華姫、いちねんかん、いわいごと |
もういちど、御坊日々、こいごころ、忍びの副業、おやごころ、いつまで、なぞとき |
●「しゃばけ」● ★★ 日本ファンタジーノベル大賞優秀賞 |
|
2004年04月 2002/02/20 |
一言でいえば、アイデア勝負の時代小説、というところでしょうか。 主人公の一太郎は、廻船問屋兼薬種問屋の大店・長崎屋のひとり息子。生まれついての病弱故に、両親は勿論のこと、周囲皆からいつも健康を気遣われている、という境遇。 そんな一太郎が、夜の外出時に闇夜の殺人事件に遭遇。 さしづめ一太郎は、時代小説版“病床探偵”(安楽椅子探偵ではなく)という役割でしょうか。 ※「娑婆気」:俗世間における、名誉・利得などのさまざまな欲望にとらわれる心(本書・辞典「言泉」からの引用文) |
●「ぬしさまへ」● ★★ |
|
2005年12月
|
前作「しゃばけ」の続編。日本橋の大店・長崎屋の一人息子である一太郎と、彼を守る妖(あやかし)たちの活躍を描いた連作短篇集です。 次々と起きる奇妙な事件を一太郎とその手足となって動く妖たちが解決していくという、大江戸版ファンタジー・ミステリ。 ぬしさまへ/栄吉の菓子/空のビードロ/四布の布団/仁吉の思い人/虹を見し事 |
●「百万の手」● ★ |
|
2006年06月
|
ファンタジー時代小説でデビューした畠中さん初のミステリ。 主人公は中学生の音村夏貴。家族とともに焼死した親友は日野正哉。携帯電話の中の正哉と語り合いながら、夏貴が放火事件の真相を追うという折角のアイデアも、活かされているのは冒頭部分のみ。正哉の登場が途絶えた以後は、平凡なミステリになってしまった、という観があります。 |
●「ねこのばば」● ★☆ |
|
2006年12月
|
「しゃばけ」シリーズNo.3、前作に続く連作短篇集です。 表題作である「ねこのばば」は、猫又になりかけている高齢の猫を救い出すため、寺院内に起きた不可解な事件解決に乗り出すというストーリィ。 茶巾たまご/花かんざし/ねこのばば/産土/たまやたまや |
●「おまけのこ」● ★★ |
|
2007年12月
|
「しゃばけ」シリーズNo.4 徐々にしっかりとしてきて、時々知恵者ぶりも発揮する若旦那・一太郎ですけれど、「今日も元気に(?)寝込んでいる」とか「気合の入った病人ぶり」と言われていて、笑ってしまうところは相変わらず。 本書の中で注目すべきは、紅白粉問屋・一色屋の孫娘で顔が判らぬほど厚化粧のお雛をめぐる話。 こわい/畳紙/動く影/ありんすこく/おまけのこ |
●「アコギなのかリッパなのか」● ★☆ |
|
2012年03月 2006/02/20 |
政治家事務所を舞台にした日常かつ軽妙ミステリ・連作短篇集。元大物国会議員に対して平気でタメ口をきく主人公と、議員事務所の裏側という興味が本書の面白味。 主人公は佐倉聖、21歳で元暴走族。8歳下の腹違いの弟の面倒を見させられる羽目になったことから、弟を養うため議員事務所の事務員かつ大学生という身分。 気分転換に読むにはちょうどよい一冊。「しゃばけ」と違って現代風のところが本作品のミソ。 政治家事務所の一日/五色の猫/白い背広/月下の青/商店街の赤信号/親父とオヤジとピンクの便せん/選挙速報と小原和博 |
●「うそうそ」● ★★ |
|
2008年11月
|
「しゃばけ」シリーズNo.5 その一方、今回のストーリィはスケールがとても大きい。妖だけでなく、山神さま、その娘のお比女ちゃん(姫神さま)まで登場するのですから。 相変わらず難しく考えることなく、気軽に読んで楽しめるところが変わらぬ本シリーズの魅力です。 ※なお、表題の「うそうそ」とは、「たずねまわるさま。きょろきょろ。うろうろ」という意味だそうです。 |
●「みぃつけた」●(文・畠中恵、絵・柴田ゆう) ★☆ |
|
2006/12/23 |
「しゃばけ」シリーズの絵本! 「しゃばけ」シリーズの楽しさは、ストーリィのみにあるのではなく、柴田ゆうさんの絵にもあるのですから、柴田さんの絵が存分に楽しめる絵本になるのは、ファンとしても嬉しいところ。 絵本のストーリィは、一太郎がまだ子供のこと。 ただ残念ながら、一太郎に大甘の両親も、実は妖という2人の手代、佐助と仁吉(妖名:犬神と白沢)も登場しません。代わって“ばあや”が登場するのみ。 |
●「まんまこと」● ★★ |
|
2010年03月
|
神田の町名主・高橋宗右衛門の息子・麻之助は元々評判の良い若者だったのですが、16歳になった時突然に大層“お気楽”な若者に化けてしまい、いずれ支配町の名主になることを考えると不安だという声もあるとか。 舞台は一応江戸といっても、時代ものであることを感じさせない、“しゃばけ”シリーズと同じく温もりがあってユーモアもあるという、楽しい一冊。 冒頭「まんまこと」で初めて麻之助が仕切った調停ぶりの見事さにその後の面白さへの期待を抱きましたが、もっと面白くなりそうだと期待が膨らんだのが「万年、青いやつ」。 麻之助の父親・宗右衛門、清十郎の父親・八木源兵衛、その後妻で麻之助たちと幼馴染のお由有と息子の幸太という、麻之助たちを取り巻く登場人物たちもなかなか味があります。 まんまこと/柿の実を半分/万年、青いやつ/吾が子か、他の子か、誰の子か/こけ未練/静心なく |
●「ちんぷんかん」● ★☆ |
|
2009年12月
|
「しゃばけ」シリーズNo.6 とはいいつつ、本書はシリーズの中で格別に面白い、という程のことはない。それでも、様々な趣向が凝らされているところが楽しい。 鬼と小鬼/ちんぷんかん/男ぶり/今昔/はるがいくよ |
畠中恵作品のページ No.2 へ 畠中恵作品のページ No.3 へ
畠中恵作品のページ No.4 へ 畠中恵作品のページ No.5 へ