麻見和史
作品のページ


1965年千葉県生、立教大学文学部卒。2006年「ヴェサリウスの柩」にて第16回鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。


1.
特捜7−銃弾−

2.
死者の盟約
−特捜7−

  


     

1.
「特捜7−銃弾− ★☆


特捜7 銃弾

2014年05月
新潮社刊

(1700円+税)

 


2016/06/25

 


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新刊死者の盟約が面白そうだと思ったのですが、図書館ではそれなりの順番待ち。
同書が「特捜7」の第2弾と知り、まずは第1弾を読んでおこうと思ったのが、本書を読むに至った理由。
たまには
姫川玲子シリーズ以外の、警視庁捜査一課ものも読んでみたいなぁと思った次第です。

交番勤務のベテラン警官が殺害され、拳銃も含めた身ぐるみ一切が奪われ、しかも遺体は肩から両腕が切断された状態でレインスーツに包まれて発見されるという、異常事態からストーリィは始まります。

警察にとっては危機的な状況から始まることもあり、期待したのですが、もうひとつ物足りずという感想。
ひとつとしては、主要な登場人物がステレオタイプで、魅力に乏しい。主人公である捜査一課の刑事である
岬怜司もその例外ではありません。
もうひとつとしては、ストーリィ展開に緊張感がなく、終盤に近付いても終局へいよいよ押し詰まってきたという緊迫感も感じられないこと。主人公である岬が常にのんびりとした雰囲気を漂わせている所為かと思います。

上記のように登場人物が今一つの本作ですが、その例外が岬の同期入庁かつ同僚の女性刑事=
佐倉響子。そして本作の面白さを一人で背負っているような観ある、所轄署のユニークな新米刑事である里中宏美。まるでドラエモンのような里中、忘れ難い刑事像です。

プロローグ/1.強奪/2.侵入/3.追跡/4.襲撃/エピローグ

     

2.
「死者の盟約−特捜7− ★☆


特捜7 死者の盟約

2016年03月
新潮社刊
(1700円+税)

 


2016/07/20

 


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シリーズ第2弾。
一般個人の住宅の庭で、中年男性の殺害死体が発見される。何故か顔から首にかけて包帯で覆われ、口内には保冷剤が押し込まれているという不可解な状態で。
被害者は市野弘という個人投資家と間もなく判明しますが、その直後、殺された市野弘の小学生の息子が誘拐されるという事件が発生。
警視庁捜査一課七係による殺人事件捜査と、特殊班捜査第一課(SIT)による誘拐事件捜査が、並行して進んでいくという複雑な展開へ。

主役は
岬怜司を始めとする警視庁捜査一課七係の面々なのですが、前作に引き続き所轄署の女性刑事である里中宏美がまたしても登場、再び岬とコンビを組みます。
イケメンで七係の“エース”と紹介される岬ですが、実態としては里中や同期の女性刑事=
佐倉響子に振り回されっぱなし。さらに本巻ではSITを率いる刑事として深町葵警部補が登場しますが、何故かその深町、岬をやたら敵視する風。

どうもこのシリーズ、警察事件ものサスペンスでありながら、主役である筈の岬怜司が脇役である筈の里中宏美に完全に喰われているうえ、女性刑事の佐倉と深町に振り回されているという情けなさが漂っていて、コミカル味がスリリング味を吹き飛ばしかねないでいると感じざるを得ず。

複雑な事件の真相、本書題名の理由は最後に明らかにされますが、本シリーズにおける真の主役は里中宏美である、と認識した方が余程すっきり楽しめる気がします。

※里中宏美のユニークさ、川瀬七緒作品に登場する法医昆虫学者の赤堀涼子に通じるものがあると感じる次第。


プロローグ/1.遺棄/2.誘拐/3.廃屋/4.暴走/エピローグ

  


  

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