●「それからのハイジ」● ★★ 原題:"HEIDI GROWS UP/A Sepuel to HEIDI” 訳:各務三郎 |
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2003年8月
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シュピリ「ハイジ」の仏訳を手がけた著者が、ハイジのその後を読みたいという多くのファンの期待に応えて書いた、後日物語です。 こうした原作者ではない人の手がけた後日物語を読むことは、良いことなのか、それとも悪いことなのか。原作を上回るということはまず考えられないので、場合によってはかえってがっかりしてしまう、ということもあるでしょう。 私自身は、原作とは別の物語、として読むことにしています。そう思って読めば、気楽なものです。 さて、本書のハイジは、冒頭で14歳になっています。 そして後半は、ドルフリの村に戻り、学校の先生になったハイジの物語。今度は「アンの青春」が思い浮かびます。そして、可哀相な村の男の子を、ハイジやペーターたちが救うストーリィ。「ハイジ」でハイジやペーターを温かく見守る大人達がいたように、今度はハイジたちが子供達を見守る立場です。 「ハイジ」のような奥深さ、自然の美しさや人の深い心情に触れる感動はありません。ハイジのその後の物語をざっと追った、という観があります。それでも、別の物語として読めば、感動する場面は幾つもあります。 |
●「ハイジの子どもたち」● ★★☆ 原題:"HEIDI'S CHILDREN/A Sepuel to HEIDI GROWS UP” 訳:各務三郎 |
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2003年8月
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前作の最後で結婚したハイジは、本書において愛情に溢れた一家の主婦であり、堂々たる中心人物になっています。 そのハイジの家に新たな家族の一員として加わるのが、マルタという少女。前作のローザンヌの寄宿学校でハイジの親友となり、誘われてハイジの後任として学校の先生になったジャーミーの幼い妹です。彼女は両親の愛情に恵まれず、愛しんでくれた祖母を喪ってヒステリックになっている女の子。 ハイジの“子どもたち”とは、そのマルタと、ハイジのトビ、マルタリという双子を指しています。 単に後日物語といって済ませてしまうには勿体ない、それだけの感動が本作品にはあります。 |