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1.くまのパディントン 2.パンプルムース氏のおすすめ料理 |
1. | |
「くまのパディントン 」 ★★ |
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1967年10月
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映画「パディントン2」が楽しく、面白かったので、原作を読んでみようと思った次第。 児童文学の人気名作ですが、読んだのはこれが初めてです。 娘のジュディが寄宿舎から帰ってくるのを迎えにパディントン駅へ赴いたブラウン夫妻。 そこで古ぼけたスーツケースの上にぽつねんと座り込んでいる一匹のクマを見出します。ブラウン夫人が話しかけると、そのクマの首には「このくまをよろしくお願いします」と書かれた札がぶら下がっていた。聞けば、南米ペルーからの密航者だという。 そのまま放っておくことはできないと思い定めたブラウン夫人、出会いを喜んでいるジュディに受け入れられ、彼はブラウン家に迎え入れられます。その際に付けられた英語の名前が、駅にちなんで「パディントン」という次第。 さてそのパディントン、ロンドンの一般家庭も街も初めてのことばかり。純真で紳士的であろうとするパディントンですが、くまであること、未体験であったことから、家の中でも外出しても、やることなすこと失敗ばかり。 そんな顛末が、温かいユーモアに包まれて語られます。 映画「パディントン2」で登場するのは、はロンドン生活にすっかり慣れたパディトンですから、ついそれに比べてしまうと、純真無垢さよりヘマばかりという印象が強いです。 それでもそれは、こうした物語の定石パターンと言うところでしょう。 映画「パディントン」もそのうち観てみようと思っています。楽しみです。 どうぞこのクマのめんどうをみてやってください/はじめてのおふろ/パディントン地下鉄に乗る/百貨店での出来事/パディントンと名画/パディントンの芝居見物/海べでの冒険/消えてなくなる手品 |
2. | |
「パンプルムース氏のおすすめ料理」 ★ |
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1998年 2001年07月
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「元パリ警視庁刑事でグルメ・ガイド覆面調査員と、味にうるさい元警察犬の珍コンピが巻き込まれた奇怪な事件」「くまのパディントンの作者が大人たちに贈る世にもおかしなドタバタ・ミステリ」「パディントン作者による超傑作ミステリ」。 上記のような宣伝文句を読めば、<グルメ+傑作ミステリ>を期待するのは当然だと思うのですが、それはまるで見当違い。どうもこの作品、<ミステリ風味のグルメ+ユーモア冒険譚>として読むのが妥当のようです。 冒頭場面は、レストラン。主人公パンプルムース氏が料理を味わいつつ採点の真っ最中。テーブル下の愛犬ポムフリットも、主人に負けずと料理を賞味しているところが可笑しい。 そこに当店の名物料理“ブレス産雌鶏の膀胱包み”が出てきたと思ったら、なんと膀胱包みの中には男の首が! 果たしてどんなミステリかと思うと、主人公ばかりが狙われ、肝心のミステリ本筋は曖昧模糊としたまま。そしてそのまま結末まで到達してしまうのですから、もうキョトンとする他ない。 ですから、本書をミステリとして読むのは間違いなのであって、人間+犬のコンビによる珍道中譚として読むべきなのです。 片や、オーナーシェフ・ドゥアールが披瀝する美味の数々、片やシェフの妻ソフィーによる夜這い攻撃、それを1人と1匹が存分に味わい、或いは身をかわそうと奮闘するところが、本作品の面白さです。 もっとも、そのユーモアは如何にもフランス的であって、日本人にはなかなか合い難いもの。したがって、期待を逸らされた思いと併せ、今ひとつ物足りずというのが本作品の評価。 ※なお、フランス語で“パンプルムース”はグレープフルーツ、“ポムフリット”はフライドポテトの意味だそうです。 |