K100補修履歴・ クラッチワイヤー交換編 '06/2/27更新
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 何となく気になっていたクラッチケーブルを交換。

2004.4.7
34060km
 クラッチケーブルの調整と給油は21227km走行時にも行っており、さらにクラッチレバー側のニップルだけはこまめに給油していたのだが、リリースレバー側いきなり切れても困るのでケーブルを新品に交換することにした。
・クラッチレバーを握った状態でトランスミッション側のリリースレバー部に木片を挟み込む。これでケーブルはぶらぶらになるのでリリースレバー側のニップル(タイコ)をレバーから取り外す。
・クラッチレバー側のニップルをレバーから取り外す。これでクラッチケーブルはフリーになる。(クラッチレバーを取り外す必要はない)
・カウル内張り、ハンドルのインパクトパッドを取り外してケーブルを固定しているタイラップを緩める。ラバースリーブ
・タンク後部を固定しているクリップを取り外し、タンクの後ろに木片などを挟み込んでタンクを浮かせる。
・クラッチケーブルのトランスミッション側はステッププレートのダルマ穴を貫通しているので、これを引き抜く。(ジャバラ状のゴムはただ引っ張っただけではまず抜けてこない。シリコンスプレーを一吹きすると簡単に抜ける。なければせっけん水で。)
 ここまででクラッチケーブルを引き抜く準備は完了新旧ケーブル接続。いよいよケーブルを入れ替える。古いケーブルの端に新しいケーブルをしばり付け、少しづつ引っ張って入れ替える。今回はトランスミッション側からハンドル側に向けて引っ張っていった。途中で通りにくいのはインジェクション上のヒートシールド部とメーター部である。ニップル部 無理に引っ張らないように注意しながら新旧ケーブルを入れ替える。
 ケーブルの入れ替えは思ったより簡単に終了。ニップル類を元通りにし、クラッチレバーの遊びを規定値に調整して完了。なお、今回はクラッチレバー側のニップルも新品にしておいた。
 走行してみた感じだが、かなり軽い。しかもスムーズで思った通りの操作ができるようになっているのがうれしい。かなりお勧めである。
 なお、交換して一日走るとクラッチケーブルは少し伸びる。ここで再調整しておくとよいだろう。 
*交換周期 : マニュアルでは特に交換周期は指定されていない。
*ニップルの給油 : 両端のニップルの給油は7,500km走行ごととなっているが、ニップルクラッチレバー側はもう少しこまめに給油したほうがよい。クラッチを操作するたびにこのニップルがクラッチレバーの穴の中で回転するのだが、ここの動きが悪いとワイヤーを折り曲げる方向の力が生じ、簡単に切れてしまう。また、ニップルの摩耗にも注意が必要だ。摩耗が見られるようなら即交換をお勧めする。
*交換前のケーブルの給油 : 新品のケーブルは油っけがないので交換作業に取り掛かる前に少し給油しておくとよい。(CRC556などは不可。)
*ケーブルの型番 : パーツリストによると、 新旧ケーブル比較クラッチケーブルの型番は
 32 73 2 324 955  (長さ1510mm) 
ところが、新たに購入したケーブルの型番は
 3441-2324955 2302 
BMWのロゴもあり「2324955」の部分は共通なので間違いないと思うが、取り外したケーブルの型番とも違う。新旧ケーブル比較外したのは
 3273 1 450 213 9 
で全く違う。型番だけでなくケーブルそのものも細かいところで違っている。まず、全体に新しいほうが細い。外径は新ワイヤー5.0mm、旧ワイヤー6.9mm。中のワイヤー径も違い、新1.7mm、旧1.9mm。その他、新ワイヤーにはステアリングヘッド部分のチューブが被さっていない。設計変更されているようだ。
 
2005.10.8
56681km
 クラッチレバー側のニップル部への給油は不定期ながら数ヶ月に一度はやっているのだが、ワイヤーそのものへの給油は前回の交換以来一度もやっていなかったので、ニップル部の点検を兼ねて給油することにした。オイルワイヤー交換より22621kmである。
 クラッチレバーからケーブルのニップルを取り外す方法は調整・交換の場合と同様である。普通のスピンドルオイルをケーブル給油ワイヤーの端からスリーブ内に10滴ほど、フェルトにも5滴ほど給油した。ニップル部への給油にはいつも通りエンジンオイルを使用。前回ワイヤー交換時に新品にしているのだが、若干摩耗していたがそれほどひどくないので今回は交換しなかった。あとは、ケーブルを元通りにして完了である。特に油切れしていたわけでもないので、操作性には変化がなかった。
 
2005.11.2
58035km
ケーブル再給油 先日クラッチケーブルに給油をした際に「操作性には変化がなかった」と書いたのだが、じつはあった。レバーの重さは変わらないのだが操作感がゴリゴリしてきてしまった。思い当たるのは使用したスピンドルオイル。やはり柔らかすぎたようだ。
 そこで、いつも使用している20w−50のエンジンオイルを使用してみることにした。このオイルは固いのでスリーブ内になかなか入っていかないので苦労したが、5滴ほど給油した。元通りに組み付けて見たところ、みごとに直っている。オイルひとつでここまで違うものなのだ。
 
2005.12.17
59397km
クラッチリリースレバー 先日、「見事に直っている」と書いたのだが、さらに改善された。ドライブシャフト点検の際にクラッチリリースレバーを洗浄、グリスアップしたためである。リリースレバーのシャフト部にはニードルローラーベアリングが組み込まれているのだが、ここを洗い油で洗浄してグリスを注入した。詳細は「ドライブシャフト点検編」参照。
 
2006.2.27   ・・・ いきなり切れました!
60331km
 ひと月ぶりのツーリングに出かけるためにガレージを出発し1キロほど走ったところでクラッチを握った時、「ゴツ」とも「コツン」とも違う微妙な感触があった。走りながらクラッチレバーをもう一度握り、遊びを確認してみたが「何となく遊びが増えたような・・でもこんなものだったような・・」という感じだったので、そのまま国道を渡り先に進んだのだが、今度は明らかに「ぶちっ」という感触。ケーブル切れ!この時点でレバーの遊びは根元で10ミリ近くあったのでクラッチケーブルに何か起きたことは間違いないと反転を決定。自動販売機の明かりでクラッチレバーの根元を見たところ、切れたケーブルのササクレが・・・ガレージまでは1.5キロ、押して帰れない事もないが戻れるところまでは戻りたい。ということで手で押してUターン。まだ完全には切れていないのでそっとレバーを握り、エンジンスタート。切断寸前!国道の信号で止まらなくてもよいようにタイミングを見計らって発進、クラッチレバーを握らず2速にシフトし、そのままそろそろと走行。夜明け前なので車が少なくて助かったが、途中にひとつだけある一時停止は最徐行でパスさせてもらった(汗)。
 早速ガレージに押し込み、クラッチレバーからケーブルを取り外して見たところ・・・切れずに残っているワイヤーの素線は3本だけ。予備ケーブルまさに切れる直前の状態だった。集合場所には間に合いそうにないが、少々遅れてでも追いかけようと修理に取り掛かった。クラッチケーブルは以前に交換したときの中古をいつも持ち歩いていたのでそれを使った。ケーブル通し中自分のガレージなので工具も揃っていて条件はよい。作業そのものは順調に進み、およそ50分でケーブル交換が完了した。ひとつ余計な作業になったのはシートの脱着。タンクを持ち上げるためにシートを外さなければならないのだが、モトコのシングルシートはシート全体がボルト留めなのでこの分だけ手間がかかった。
 中古のワイヤーで660キロのツーリングから無事帰着した。「クラッチケーブルはいきなり切れる」とは聞いていたのだが、今回はまさに「いきなり」。このケーブルの寿命は26271キロ。ツーリングメインで渋滞走行が少なく、給油や調整もサボっていなかったことを考えると今後もあると思っていいだろう。予備のクラッチケーブルは必ず携行すべきと確信した次第である。

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