いよいよ「バイエルンからの貴婦人」とのご対面。
「バイエルンからの貴婦人」という言葉は、
大学時代の友人から「お前好きだから、読め!」とすすめられ、
案の上、大好きな小説となった五木寛之の「雨の日には車をみがいて」の第2話。
BMWの4輪「BMW 2000CS」にまるわる話。
この話を読んで以来、BMWというと「バイエルンからの貴婦人」と思うようになった。
BMWは「Bayerische Motoren Werke」の略称。
日本語訳では「バイエルンのエンジン工場」・・・、普通。
店長から書類、マニュアル、新しいメインキー、スペアキーを受け取りしばらく待つと、
きれいにに磨かれた「バイエルンの貴婦人」がやってきた。
他に陳列されているBMWのオートバイ、
古いものは黒系で、新しいものは派手系。
白い外装と水色のフレームを持つ「R80GSBasic」は、
数台あるオートバーイの中でもひときわ「貴婦人」であった。
他のオートバイを見ていた年配の方が、
「GSはこのサイズがイチバンよかったよ」と店長に話かける。
本日からオーナーとなる自分にとっては非常に嬉しい一言。
回想的な扱いを受けることからもやはり「貴婦人」であると思う。
店長から各部の操作方法、およびメンテナンスについての説明を受ける。
パニアケースはまだ前のオーナーが持ってきていないとのことで、
後日、郵送してもらえることとなった。
センタースタンドが外され店長が路肩へと押していく。
非常に大きく見えた車体は、
押されている姿をみるとさほど大きくないように感じた。
サイドスタンドがかけられ、エンジン始動。
頭の中に残っていた音が間近に聞こえる。
乗車準備にとりかかる。
いよいよ「オーナになった」という気分が強まった。
「これからよろしくね」とタンクを触った後、
初めてシートに跨った。
足つきはXRより若干良く、その前に乗っていたXLRくらいに思われた。
車体を起こすと、オートキャンセルとなっているサイドスタンドが跳ね上がる。
(この機能により、いつか痛い目を見ると感じる。なんとかしたい。)
車重があるものの、停車時に「重い」と感じる程ではない。
ミラー位置は問題ない。
続いて、いままでとは勝手のことなる身に触れる部分を確認する。
キャブレターの下に隠れるシフト位置、後ろブレーキ位置を確認。
他の左右スイッチ類の下に隠れるウインカーレバーの位置、
ウインカーキャンセル・ボタンの位置を確認。
慣れるまでは、ちょっと戸惑うことだろう。
距離メータを見ると25253km。
浮かんできたのは「ニコニコさん」。
キレイな整備と丁寧な対応をしてくれた店長にお礼を告げる。
緊張感が高まる・・・。
クラッチを握りシフトを1速へ。重厚な動作音を感じる。
わずかにアクセルを開きクラッチをミート。
今までとは違ったトルクを感じるとともに、
「とうとうR80GS Basicのオーナーになった」という実感が瞬時に湧いてきた。
|