![]() |
「高すぎる・・・」 委託販売される「R80GS Basic」は非常に高価であった。 96年式、9年前の車両である。 最終GSということでプレミアがのかってしまっているのだろう。 お店に連絡をとってみたが、 委託販売ということで実車を見ることはできず、 車両の状態は写真のみでの判断となる。 お店の保証も当然ない。 数日後、期限切れということで次の商談者へと順番は回ってしまった。 もやもやとした気持ちを抱く日々が続き、自転車で友人のお墓参りに向かった。 12月の風は非常に冷たく、かなりの時間を費やした。 大きな川をこえ、国道を走る。 国道を右折、駅から一本離れた西へ向かう道の路肩を必死に漕いでいると、 逆車線側のオートバイ屋からの視線を感じる。 ふと見ると同時に自転車の前後ブレーキをかけた。 「白いGSが居る・・・」 道路を走る車を確認し、 「これはR100GSかなぁ・・・」と予測しながら道路を横断し近づいていく。 フレームが青い。 「こ、これがR80GS Basicなんだ・・・」。 三十過ぎの中年が少年のような目の輝きをしたのではないかと思う。 お店の人に許可をいただき、しばし眺めさせてもらう。 想像よりも大きい・・・、なんて可愛い顔だろう・・・、 やはり立派なエンジンだ・・・、パニアのレールもついてる・・・、 グリップヒータもありだなぁ・・・、 ・・・、あの委託販売の車両じゃないのか?? お店の人に話を聞いた。 やはりこちらも委託販売の車両とのこと。 「2オーナで、うちのお店で販売した車両なんですよ。 程度はいいんですけど、ちょっと値段が高すぎるんですよね・・・」 やはり同額で、かなり高い。 が、初めてみるOHVのGSを目の当たりにすると、 お金なんかはどうでも良い気分になってくる・・・ が、無い袖はふれぬ。払えないモノは払えない。 なんとも悩ましい思いを引きつり、 「またお邪魔してもいいですか?」の言葉を残して、 ふたたび自転車を漕ぎ始めた。 あれが「R80GS Basic」なのか・・・ |