日米技術の動向


   F/1999-7-19

 日本と米国の技術動向を教えてくれとの要望がメールで来ましたので 今回はこの問題を論じます。

1.日米技術の考え方の相違
 日米は、この20年間シーソーゲームを演じている。 しかし、この日米2国の技術に対する考え方が丸で違う。
 米国は、軍関係で最先端技術を開発し、この技術を民生移管するという 思考である。このため、軍の関係であるランド研究所が最初に企画して、 研究費を大学や産業に配分する。いい例がインタネット・CGIなどで 画期的技術が多い
 これに対し、日本は先に民生用で開発し、その後軍事転用する。目標が明確 な技術に対しては、通産省が研究費を援助する。このいい例が半導体の集積度 UPの技術開発だろう。どちらかというと改善・改良技術が中心。  日本においては、ヒット商品のほとんどが企業で研究開発したものです。

2.日米情報化技術の今後
 日本は1歩1歩進めるので、ゲーム機の成功を次の家電製品情報化の 基盤としたいし、一方、米国はPCの成功を次のPC内臓家電へと繋げたい。
 マイクロソフトは、家電用にWindow/CEを提供しているが、日本の家電メーカ は、立ち上がりが遅いと難色を示している。このため、日本メーカが連携して 家電用のOSを作成し始めた。
 PC台数はテレビ台数以上になっているので、日米のどちらの構想が次の家電 の主流になるか、予断ができない。 どちらにしても、日米で次家電の構想を描いている。台湾・韓国は、米国の 下請け工場であり、欧州は、日本か米国のどちらかの構想に従うしかない。
ギガビットのインタネット技術については、日米インタネットの興亡 を参照ください。
 また、米国は暗号化等の軍用転用技術を出してきた。圧縮MPEG4、MPEG3技術 などは、日米で応用を含め、今後製品化で激突するはず。しかし、米国は インタネットが家庭に普及しているが、日本はこれから。この差で応用方法 が違うのではないかと思う。

3.日米欧自動車技術の今後
 欧州は自動車技術でも日米技術から遅れていたが、仏ルノーに日産が吸収 されて、技術力がもたらされた。今後、低公害車かつ高燃費の自動車が生産 できるかどうかが、自動車メーカの生き残りができるかどうかの決め手に なる。この条件に達しているのは、トヨタ・ホンダ・三菱の日本、フォード・ GMの米国、ベンツ・VWなどのドイツと仏ルノーだけ、その他メーカは どこかのメーカと技術提携するしかない。

4.先端医療分野の今後
 ここは、欧米が強い。人の遺伝子解読に米国は日本の数百倍の研究費を かけている。日本は、インターフェロンのように最終的な生産部門は強いが 研究段階では非常に弱い。
 日本の大学での研究が細かい所を精密にやる傾向があり、独創的なアイデア を必要とする分野が弱い。このため、日本人が米国に行って、いい研究する ことが多い。やはり、日本の研究制度を見直し、産学の共同研究や戦略研究 を増加させる必要があり、また欧米、アジアの研究者を日本に呼び込むことも 必要であろう。このためには、英語での会話が可能な日本にする必要がある。

5.航空宇宙分野
 ここも欧米が強い。基本が軍事分野であるためで、中国やロシアも 追従している。安定性では欧米の方が上。日本はH2Aロケットができ ないと次の展望が開けたい。苦しい状況である。

6.今後の日本の役割
 日本のTQC技術が世界に広まり、製造技術から研究分野の効率化が 再度焦点になっている。この解決として、知識創造経営が盛んになってきた。 この知識創造の考え方も日本から世界に広まったのです。
詳しくは人本主義の勝利を参照ください。
 この頃、日本からの考え方が世界に広かっていくことが多いと 思いませんか?日本の考え方の方が正常で、世界の常識が非正常なのでは ないかと思うのですが?詳しくは、日本の役割 を参照ください。


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