sd_4.htm (c)nemaki-neko created 1999/05/16 updated 1999/05/19


サンディエゴ−トロリーとバス


アメリカは、車社会なので、20分も歩いたら「クレイジー」と言われる。

土日の休みのうち、1日はアキコさん・スコットくんにどこかへ連れてってもらい、もう1日は自分1人で過ごす。

その自分1人の日、最初の2〜3週間は、レポートを書いたり、友達にEメールを書いたり、洗濯をしたり、
外出は、道路をわたってすぐ向かいにあるショッピングモール(注1)ドラッグストア(注2)リカーショップ(注3)がある)に行く程度で、おとなしくしていた。
そのうちに、地図を眺めていたら、なんとか歩いてでもいけそうな距離に、アパートの向かいとは別のショッピングモール(注1)があることを発見。
まずは、そこまで歩いてみる。Henry'sというスーパーマーケットがあった。歩いて約20分。これがクレイジーその1

(注1)ショッピングモール(Shopping Mall)は、「商店街」であるが、住宅地や幹線道路沿いでスーパーマーケットやレストラン等が集積している一角(日本でいうと、近隣商店街のようなもの。もっともこれも都市計画的に一ヶ所に集められていると思われる)と、デパートやテナント店を集めて作られた大規模なショッピングゾーン(日本でいうと、都心部の地下街とかアーケード街とか、郊外のテナントゾーンもある大型店のようなもの)があり、どちらも「ショッピングモール」と呼ばれる。
アパートの向かい、歩いて20分のところは、前者であり、後述の、Fashion Valley, Mission Valley、あるいは、どこかほかのページで書く予定の、UTC Mallや、ダウンタウンのHorton Plaza等は後者である。

(注2)ドラッグストア(Drug Store)というのは直訳すれば「薬局」であるが、日本の「クスリのツルハ」とか「マツモトキヨシ」をイメージしてはいけない。
むしろ、生鮮がない(雑貨・文具やドライ食品、酒類等はある)スーパーあるいはホームセンターで、薬品にもけっこうスペースをさいているところである。
ちなみに、アパートの向かいにあった店は、看板は「Thrifty」なのに、チラシやレシートは「RITE AID」と、店名が違ってるのを、ずっと不思議に思っていたが、後でわかったところによると、元々「Thrifty」というチェーンだったのが、「RITE AID」という別のチェーンに吸収合併されたとのこと。
日本だと、たとえば「石黒ホーマ」が、経営者は変わっていないけどCIのため「ホーマック」に店名変更すると(札幌人以外には、わかりにくいネタか?)、変更日に合わせて看板も変えてしまうところだが、前の店名の看板を気にせずに残しておくところは、日本人よりも、おおらかであるらしい。

(注3)リカーショップ(Liquor Shop)とは、直訳すると酒店であり、まさに酒を売ってる店。店の広さ的には、日本のコンビニくらい。

ところで、サンディエゴは、公共交通機関も発達している。Orange Line, Blue Lineという2本のトロリー(電車)路線を核にして、バス路線網が密に走っている。

ところが、このバス情報がなければ利用が難しい
アパートの近くにもバス停がある。しかし、そのバス停、ただ「16番」というバスの路線番号が書いてあるのみ。
時刻表も路線図も提示されていないので、バス停を見ただけでは、いつ来るのか、どこへ行くのか全くわからない
それどころか、バス停の名前すらもない

現地で買った「San Diegan」というガイドブックによると、ダウンタウンに「transit store」というところがあり、そこで、トロリーとバスの定期券等を販売している。
そこに行くと、時刻表や路線図も入手できるのではと思い、一度連れていってもらった。
そして、時刻表と路線図を無事手に入れることができた。

アパートの近くを走る16番のバスは、平日は30分間隔、土日は60分間隔で近くを通るのは毎時40分頃。
Fashion Valleyという大きなショッピングモールトロリー駅のあるところを通ってさらに先までいく。料金は$1.75
1日乗車券(1day Tripper)はトロリーとバス両方に有効(ただし、バスの車内では買えない)で $5.00
(このほかに、2日用 $8.00, 3日用 $10.00 もある)、等のことがわかった。

ただ、これだけわかっても、料金は乗る時払うのか降りる時払うのか、とか、
言葉が不自由なのに要領がわからなくてややこしい話になったらどうしよう、とか、
初めて1人でバスに乗るのは、やはり不安である。
しかし、鉄道好き(主に乗り潰し派)でもあるので、トロリーはぜひ乗っておきたい

そこで、意を決して、最寄りのトロリー駅まで歩くことにした。アメリカに来て約1か月経った8月15日のことであった。
1日乗車券を買って、トロリーを乗り歩いた後、Fashion Valley駅からバスで帰ってくるプランだ。
これなら、乗車券をあらかじめ持っているのでなんとかなるであろう。

地図を見ると、スタジアム駅ベースボールのパドレスと、フットボールのチャージャーズが本拠地とするスタジアムの前)
が、トロリー駅の中では最も近く、近いといっても、歩いたら40〜50分くらい。これが、クレイジーその2

ちなみにクレイジーその3は、トロリー駅から歩いて目的の店を探し、迷った時間を含めて30〜40分。
目的の店とは、猫グッズの店なのですが、これも、
TVのCMで何回か見る。WWWもあることがわかるが、書き留めるより先にCMが終る。
→何回か見て、電話番号をなんとか書き留めることができ、電話帳で逆サーチ。
→電話帳で逆サーチした店名をもとに、WWWも逆サーチし、正確な店名と住所を突き止める
→それをもとに地図を見て、トロリー駅からどうにか歩いていけそうなことを突き止める
→地図を便りに歩いたが、けっこう迷った。汗だくになりながら、着くことができたので、その感動はひとしお。
ということで、これは、いずれ別のページに、ほかの猫グッズ店情報とともに詳報したい。

長時間歩くのが「クレイジー」と言っても、サンディエゴの道路は、歩道もちゃんと整備されていて、
けっして、歩行者にとって優しくない環境ではない。
歩行者用の信号が、道路を半分も渡らないうちに、すぐ点滅を始めるのは、気になったが。

こうして、予定通り40〜50分歩き、スタジアムに着いた。
スタジアムの周囲を、少し探しまわったが、トロリーの駅も無事見つかった。
券売機があって、窓口で買う必要がなかったので、ほっとした。さっそく1日乗車券$5.00を購入。
スタジアム駅より1駅東にあるBlue Lineの終点、Mission San Diego駅まで乗り、駅の周囲を眺めた後、折り返す。
今度はスタジアム、Fashion Valleyをそのまま乗り過ごし、ダウンタウンエリアのAmerica Plaza駅で、Orange Lineに乗り換え。
Orange Lineの北東の終点、Santee駅をめざす。しかし、末端区間は運転本数が減るようで、
その3駅手前のEl Cajon駅でいったん降ろされ15分待つ。
Santee駅から折り返すと、時間も遅くなってきたので、またAmerica Plazaで乗り換え、Fashion Valleyをめざす。
トロリーの路線は、ほかに、Blue Lineの南の方(メキシコ国境ぎりぎりのところまで延びる)と、
Orange Lineのダウンタウンでぐるっと一回りする区間があるのだが、それは次回にまわす。

トロリーは、3〜6両編成(くらいかな)で、Blue LineもOrange Lineも同じオレンジ色をしている。
外側・内側にそれぞれドアを開けるためのボタンがついており、駅に停まっても、ボタンを押さなければドアは開かない。
自動改札機も有人の改札口もないが、たまに車内検札が回ってくる。
日本より大らかなのかなとも思うが、タダ乗りが発見された場合の罰金は大きいのだろう。

Fashion Valley駅で降り、いよいよ16番のバスに乗り換え。
ここはバスターミナルになっていて、いろいろな路線のバスが集まっている。
16番のバス乗り場は、隣あって逆方向行きもあるので、まず方向を確認。
料金は乗る時に払うシステムだとわかる。
乗れるはずではあるだけど、おそるおそる、1日乗車券を示し、「Can I use this?」と訊ねる。
「Yes」と答が返ってきて、ほっとひと安心。
バスに乗り込んでからは、今後またバスに乗る時のために、乗り降りする人たちを観察して、要領をつかむ。

バスの車内は、窓のあたりを、紐が張り巡らされている。日本のバスなら、押ボタンに該当するものだ。
紐をひっぱると、音が鳴り、車内前方にある「Stop requested」というランプが点灯する。
バス停に停まると、降りるのは、前ドアからでも後ドアからでもいい。ただ、後ドアは、手で押さないと開かない。
あと、バス停には名前がないが、運転手さんは、道路の名前をアナウンスしている。
ただ、降りる時に、道路をよく見ていないと、乗り過ごしてしまうおそれがある。

こうして、アパートの最寄りのバス停で、無事降りる。

一度バスに乗ってしまうと、あとは、こっちのもの。乗るときに1ドル75セント払えばOK。
釣銭は出ないので、小銭を用意しておく必要があるが、25セント3枚でなくてもよく、半端な10セントや5セントのコインを消化できる。
次の週からは、毎週のように、アパートの近くのバス停から、16番のバスに乗って、Fashion Valleyまで出るようになる。
バスを降りたところにあるFashion Valley、そこからトロリーで2駅行ったMission Valleyといったショッピングモールを歩いたり、
トロリーに乗って、足をのばしたりするようになった。
アパートの近くのバス停は、始発に近いこともあるのかもしれないが、バスが来る時間も概ね正確である。

英語が不自由でも、1人で歩き回れるということが、嬉しかった
あまり人と話さなくても動けるということがひとつ。
そして、スペイン語系やアジア系の人が多く、英語が不得意な人がいてもおかしくない土地柄、
不得意な人にはゆっくり簡単な英語で話してくれるので、(それでも半分くらいしかわかってないが(^^;))、大体なんとかなることがひとつ。

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