第1部.精神障害者福祉施策の現況
第1部では統計資料を基に精神障害者福祉施策の現況について明らかにする。主な論点は以下のとおりである。
- 第1章 精神障害者は精神病院によって長い間拘束されているという実態について。このことについて、様々な文献で精神障害者福祉を語るときの前提として述べられる事が多い。では、統計上どの様に捉えられているのか明らかにする。
- 第2章 他の障害に比べて精神障害者福祉施策が遅れているという論拠について。予算の配分、他の障害者に関する事業、規模、手帳を比較し実際にどの様なところで立ち後れているかを提示する。
- 第3章 第1.2章より、本論文のテーマである生活保護を受給している精神障害者の実態について明らかにし、今なお重要な施策であることを論じる。
今回使用する資料、統計は、様々な実態調査により年度がまちまちであるが、できうる限り最新のものを利用する。さらに、調査項目によっては、国、地方自治体、市、独自調査によるものと使い分けて採用する。このことは、統一性に欠ける面が出るが、本論文では、様々な調査をクロスさせることにより、精神障害者福祉施策の実態を多面的に構築することを目的とする。
なお、頻繁に使用される統計資料については以下のように略称として文中に用いる。

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