本棚
03.8.30 沈黙の大陸〜アトランティスミステリー
南山宏
学研(ムー文庫)
1996

前回、「DADDY FACE」の時にアトランティスのことについて立ち読みしたが購入するほどでもないと書いていたけど、とうとう買ってしまいました。そのときは、まぁ読めないわけでもないトンでも本と書いていたけど、実際に読んでみると…う〜ん、なんだか権威主義を騙った感じで、最後まで読めないくらいウェ〜と言う感じです。もっと、夢のあるように書いてほしい。というのは、なんだか学説をあちこち引っ張っているような体裁(実際には出所の信憑性が疑われる)で論理的に構築しているように見せかけていて、どうせなら、例えば、スキューバーダイビングをしていたら渦に巻き込まれて、たどり着いたら…とかそういった幻想譚をふんだんに盛り込んで冒険風にしてほしいナァと思った。

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03.8.20 イリヤの空 UFOの夏4
秋山瑞人
角川電撃文庫
2003.8

とうとう終わってしまいました。「イリヤの空〜」実は連載誌を読んでいたので、最後の水前寺がどうなったのかを読まないといけないということで、購入(最後しか読んでいません)。なぜなら…4巻では、イリヤと浅羽の逃避行なんだけど、イリヤが後半狂ってしまって、その描写なんか正視できないくらい痛々しかった。なので、連載誌でも途中で斜め読みで通り過ぎ、この本でもまともに読んでいません。そのくらい痛々しいです。こんなに痛い想いをしたのは、「Dブリッジ」(角川ホラー文庫)以来です。今回は、Dブリッジ以上かも…ちゃんと読める日が来るんだろうか。

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03.8.10 八つ裂きジャック
菊池秀行
祥伝社
1999

なんだか無性に菊池秀行が読みたくなって古本屋で。エイリアンシリーズを2冊とこの本を購入する。切り裂きジャックではなく、八つ裂きジャックなんだそうで。主人公は蜘蛛を体に飼っている美貌で性格がひねくれた人である。まぁ、菊池秀行の小説は前半すごく雰囲気があって、最後はバタバタと終わる傾向があると思っているので、その通りの展開で落胆はしなかったが…もっとも、最後は軽やかに終わるし、おちも人外のものだったり異星人だったりするわけで、SFなんだな。

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03.7.30 「語りえぬもの」からの問いかけ
宮本久雄他
講談社
2002.1

東大駒場(哲学・宗教・芸術)連続講義となっていて、12人の論者によるそれぞれの世界の深奥についての研究成果を発表したものをまとめた論文集。なぜ、この本を買ったかというと、「語りえぬもの」とは、言葉のいつも手前にいて表現しうることが出来ない、狂おしい想いにも似た感情やイメージなんじゃないかナァといつも思っていたからです。いくら技巧を尽くして、長年それを追い続けても、才能でもなく、程度はあってもいつも表現はその前に立ち止まらざるをえない。それを保持したと思ってもそれはそれではない。という永遠の「イメージ」なのです。けれども、何とかして語りたいと思う、何かを知りたいと願わざるをえない「何か」なのです。それは、こうありたいと思うことの漠然とした何かだったりするわけで…
この本書は、そうしたもどかしい想いを、一流の学者が語ろうとしていました。当然、語りきれるものではないのですが…しかも、これは連続講義と言うことで、話し言葉で書かれているのですが、どうしても、ライブではなく、その行間や声や手振り身振りなんかが伝わりにくいので、これまた想像するしかなく、もどかしく思いました。内容の方は、まぁ、こんなところだろうと思いました。

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03.7.20 DADDY FACEメドゥーサ
伊達将範
角川電撃文庫
2003.7

あらいつの間にか出ていたのね。といった感じで、実は8月に友人の家に行って勧められるまで分かりませんでした。トレジャーハンターもので、設定はともかく、今回はさらに分厚くなって、以下続く!と言った感じで終わっています。色々と伏線を張っているのが目に見えますが、これはまぁご愛敬と言った感じですが、前回に比べて、設定とかがかなり凝っています。また、これまでの登場人物がオールキャストで出ているので、通して読んでいないと面白さ半減といった感じです。
今回は、アトランティス大陸が舞台のようです。このアトランティス大陸〜ムー大陸と違ってポピュラーな幻想大陸で、プラトンの時代までさかのぼれるとのこと。で、ちょっと興味を覚えて学研から出ている「ムー」の「トンでも本」を本屋で立ち読みをすると、ほぼこの小説で盛り込んでいるようなことが取り上げられていました。「失われたアトランティス大陸」という題名だったような…ムーのこの手の本は、信憑性なんか全然ないけど、それなりに調べたもの、自説をめちゃくちゃ解釈して本当にトンでもないものまで幅広いのですが、この本はそれなりに調べて、判断は読者におまかせしますと言った感じで好印象が持てました(でも買わないけど)。
いずれにしろ、アトランティス大陸とロストワールド(コナン・ドイル〜シャーロックホームズで有名な)が混ざったような感じです。菊池秀行のトレジャーハンターシリーズにも似たような設定があったのを今思い出しました。しかし、まぁ、こういう設定って好きですね。冒険物ですか。いいですね〜この手の本が他にもないかナァ。

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03.7.10 ボードゲーム天国02
オフィス新大陸

この雑誌は、この頃暇を見てはながめているTRPGの雑誌とは違って面白い!ちと高いが、ほぼカラーで見た目にも嬉しい。ドイツのゲームのカタログとしても一品で、どの様なコンポーネントでルールの紹介、楽しさの紹介など懇切丁寧で、読んでいてこれはやりたい!と思わせてくれる。さらに、ゲームのリプレイも丁寧で、臨場感があって、取っつきにくいと思っていたゲームが実はこうした駆け引きで行われるのかと開眼させてくれる。また、まめ知識や製作者のインタビュー、ゲーム業界や海外での盛り上がり方など愛好家にとってもワクワクしてしまう記事が多い。
しかしながら、紹介されている面白いゲームも国内の流通に関して言えば脆弱で、稀少である。こちらもアンテナを張って、ほしいと思ったとき、それが流通しているときにピンポイントで買わないといけない。また、ドイツのみならず、国内でもボードゲームを独自に製作している会社の紹介もあって、さらに書店でも購入できる物もあって、知らない世界がまだまだあることを痛感。

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03.6.30 TRPG
2003年8月まで買ったTRPG系の本
「アルシャード」のサプリメント「ブライト・ナイト」
「Roll&Role」雑誌
「ゲーマーズ・フィールド」雑誌
「RPGamer」雑誌
「TRPGがもっとやりたい」ムック

他にもTRPGでは「AGマガジン」なんかがあるが、ほとんど役に立ちません。これらの雑誌は、読んでいて楽しくなくて、業界の匂いがプンプンします。まぁ、「ゲーマーズ・フィールド」は唯一面白いかナァと思わせてくれるけど、これまで集めてきたルールの特集とかサポートが薄くなって行くに比例してつまらなくなってしまった。まぁ、パソコン雑誌で言えば、買ったOSのフリーウェアがたくさん載っているうちは買うけど、自分のパソコンが型遅れになって、新しいOSの特集や周辺機材、ソフトが大半を占めて、しかも自分のパソコンに適用しないバージョンのソフトがたくさん載っていると必然的に買わなくなるのに似ている。TRPGはほとんど実用ではなく、収集に近い状態なので、それはなおさらである。まぁ、パソコンで言えば、買ったものの使わないからほこりがかぶっていると言うところだろうか。かといって、譲るというのももったいないと…救いようがない例えですね。

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03.6.20 D&Dルールブック
モンスターマニュアル
マスタールールブック
シナリオ集2冊

名残で買ってきたけど、このごろTRPGも食傷気味。というか買い始めていた頃の熱狂的な意気込みはなくなったわけで、冷静になってしまいました。で、これまで集めた来たTRPGをざっと見渡すと、まぁ、テーマにあんまり失敗はしていないかナァと。
あと、「アルシャード」のサプリメントを集めていけばよいかナァと。しかしながら、ゲームズフィールドのゲームのラインナップは、2年も経つとガラッと変わり、息の長いサポートというのは難しいナァと感じる。私としては、魅力的なルールブックはほとんどなくなったので、これ以後のルールはしばらく買うつもりはない。しかも、これまで買ったルールのサプリメントも減っていくので、財布が軽くなるのも時間的に長くなるので、喜ばしい限りである。ただし、アンテナをしっかり張っていないと、いつの間にかサプリメントが発売され、アッという間に絶版になってしまうので、注意が必要かナァ。

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03.6.10 でたまか(青天霹靂編)
鷹見一幸
角川スニーカー文庫
2003.8

一気に終わった、そんな感じです。内乱が起こって、しばらく経った後の話で、あれよあれよと言う間に、皇帝とマイドが対決をして勝ってしまいます。この小説にもそろそろ食傷気味で、もう良いか…といった感じです。最後には、異星人との遭遇があって、これまでの戦争が練習試合のようなものであった…なんてひきを作っているけど、異星人と戦わなくてもいいよ〜という感じです。もっと苦労して、戦い抜いて、自国を再興してほしいものでした。「銀河英雄伝説」のようなものを期待していただけに、最悪です。または、せっかく悲願の勝利だったのに、フィナーレもあっけなかったし…

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03.5.30 戦争論3
小林よしのり

完結編ということで…かなりいわゆる太平洋戦争のヒーロー譚から離れて、現代における公と私の在り方が中心に述べられている。また、昨今のテロをめぐるアメリカの対応をかなり批判的に述べている。「よしりん」の言っていることはよく分かるんだど、ちょっと食傷気味になる。まず、では、貧困についてはどうなのか。グローバリゼーションを享受し、ある一面において搾取されている日本や国際社会はどう枠組みを持つのか。よしりんは、等身大でしかイデオロギーを表現できないと言われているが、太平洋戦争の犠牲心は等身大だったのか。潔く死ぬことは良くて、這いずり回り生き残るためには他人を殺してでも生きるのは悪いのか。よしりんは、そのことについては答えはないとしながらも、日本は、昔から潔いのが美徳であり伝統であるといっていることから、潔く死ぬことが良いようであるが…いずれにしろ、現代、アメリカが一番危険で一人勝ちであるという持論は賛成できるが…他はいまいち説得力に欠けていると考えた。

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03.5.14 ドゥルーズ
解けない問いを生きる
檜垣立哉
NHK出版

ドゥルーズは度々、生物学にもじられて紹介される。講談社新書でもそうだったし。私としては、情報の中における自己の在り方をむしろ積極的に生きることとして読むことが多い。モナド、器官なき身体、機械状、逃走線…いくつかのジャーゴンが時代の中で(特にアナーキスト)うまい具合に利用され、昔のマルクス主義のように熱狂的に扱われたこともあったドゥルーズであるが、たぶん、そんなことではないと思う。人がよりよく、今よりも何かに囚われて窮屈に生きていることに対して、ちょっとだけ見方を変える、あるいは広く世界を論じているに過ぎないと思う。そのことによって、柔軟でバランスの良い思考を身につけることをかれ本人も目指していたのではないかと思う。

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03.4.23 でたまか(驚天動地編)
アウトニア再興録4
鷹見一幸
角川スニーカー文庫

5月に出ると思っていたが、思っていたよりも早く出版していたので、速攻でゲット。
もう何回も読みました。前は、一気に借りて通読をしていたので今回はねっとりと読みました。さすがに4回くらい読み直せばもう読まなくなってしまいましたが。
一応、再興録の決着が付いて、見通しがついたというところでしょうか。このまま行けば、まぁ、あまりどんでん返しもなさそうな…ここでまたポシャれば、ずるずると続くんだろうけど。
面白かったです。

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03.4.10 レヴィナス
何のために生きるのか
小泉義之
NHK出版
2003.3.25

ひょんな拍子で、大きな本屋さんにぽつんとおかれていたので買ってしまった。
この頃の私のテーマは、なぜ生きるのか、生きるとは何かであったので、結構ぴったりであった。なぜそんなことを考えるかというと、精神障害者の福祉について一応テーマにして論文というものをかこうとしているので、どの様な政策や施策運用がよいのかと考えると、突き詰めていけば人それぞれの生きようではないだろうか。
資本主義や日本などを越えて人はなぜ生きるのかということを一応おさえておこうかナァと。
で、結構良かったです。100ページに満たない小冊子だったんだけど、なかなかページが進まない。けれども、全くちんぷんかんぷんでない。じっくりと読めば何となく理解できる。そんなレベルの本でした。この作者は、前にドルゥーズの解説本を書いていて、読んでいただけに彼が何にこだわっているのかが読めたのが大きかったかナァ。

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03.3.27 踊る・ベリー・メリー・クリスマス
フルメタルパニック!
賀東招二
富士見ファンタジア文庫

時々の本やチェックで、出ていたのでちょっと嬉しくなって購入。連載が終わっていたのは分かっていたが、書き直しとかで結構時間がかかるかナァと思っていただけに、すぐに出ていたので早速熟読。今回は、前回のような展開とは違って、結構面白い。それまでは、どこかのテロリストが暴発して、ドタバタの末、マシン(アームスレイブ)を使って決戦をして終わりというのを踏襲し続けていたが、今回はパニックよろしく、船での逃亡と地上戦がメインでした。これまでの伏線やら登場人物も絡まり読み応えがありました。また、今回は迷い込んでしまった一般乗客でありながらなかなかおいしいところを持っていったのではないかという珍キャラもでて面白かったです。

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03.3.26 ガン・オーバー
白井信隆
角川電撃文庫
2000

これも友人から借りてサクッと読みました。ガン・オーバーとは社会体制が閉塞しきって無政府とまで行かないが不穏な近未来の日本が舞台にあって、銃を凌ぐ格闘能力を持ったトラブル処理を行うプロにつけられる尊称となっている。そのガンオーバーの戦いを見た格闘少女が、ガンオーバーにあこがれて歩み出すという物語。それに付き従うのは、ひ弱だがハッカーとしては大人顔負けな少年であった。
今回は、さわりの部分。ガンオーバー同士の闘いからそれを目指すことを決意するためのプロローグであった。これ以降続いているのか分からないけれど、ありがちな物語設定だナァと思ったり、なんか「ダークエンジェル」みたいだナァと思ったり。もっとも、ダークエンジェルでは、ハッカーの方が一枚上手だし、マックスの設定も全然違うが。

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03.3.22 ゲーマーズ・フィールド
TRPGに特化した雑誌です。この頃は、現在のTRPGからも距離を置きだしてしまって、いかんナァと思いながらも、食傷気味です。というのは、この頃の新作の傾向が読めてしまったからです。それまでは、どういうのが流行っているのかとやたらと購入し、ほうほう、こういうテイストかと楽しんでいたのですが、背景には、おたくの「萌え」なシチュエーションを様々なツールで楽しむということでしかないのではと思い始めたのです。例えば、「ダブルクロス」という新作は、高校生、異人化など昔はやった漫画「ARMS」そのまんまだし、「エンゼルギア」も天使、メガネッ娘、巫女、少女とネタは揃っている。また、現在は、セッションというロールプレイが主流だが、こうしたシチュエーションでやる場合は、お約束な、セリフでもって、盛り上げなければいけないという空気が強くなってしまう。やっぱり、TRPGは弱いキャラはすぐに死んでしまいそうになるが、何とか機転を利かせて生き延びて徐々に成長をしていくものでなければいけいないし思わぬハプニングでキャラクターがとんでもないことになったりしないといけないと思うのは、古い考えだろうか。

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03.3.23 でたまか
鷹見一幸
角川スニーカー文庫
アウトニア王国奮戦記1-3
アウトニア王国再興録1-3

久しぶりに友人の家に行ったときに借りた。はじめは、「でたまか」、何だそりゃと思ったが。
読み出してみると…面白い。まぁ、心情とか情緒とか教訓とか時々目に付くことがあるけど、内容的にはすごく面白いナァ。銀河英雄伝説を思い出してしまう。でも、まぁ、銀英伝は結構シビアだったけど、この小説はたぶん、アニメ版フランダースの犬のように死にそうになった人とかも物語の展開次第で生き返ったりしそうなだぁと思ったり、まぁ、そういうのもありかナァと思ったりします。再興録の3巻でヒロインが意識重態になるんだけど、たぶん生き返ってハッピーエンドかな。と読めたり。もっとも、「でたまか」の戦争の仕方が面白い。経済面とかもひっくるめて謀略とかもしっかりとあったりして。もっとも、つっこみどころはたくさんあるけれど、まぁ、読ませてくれます。結構軽くて、でも面白くて、最近は息抜きに寝る前に何回も読み直している本です。

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03.3.24 深淵を歩くもの
小中千昭
徳間デュアル文庫
2001.4.30

ナニゲに古本屋で買った、アンソロジーというか短編のホラー小説。もともと映像出身の作者で、アニメやホラー系の脚本を手がけているだけあって内容も、ビジュアル的でドラマ仕立てなものが多い。また、現代的だし。現代風のホラー、特に日常に潜む異世界となれば、人間の情念が生み出す恐怖(サスペンス風)かいつの間にか異世界に迷い込んでいく(ファンタジー風)か(意識的に、または本当に)というパターンに類型されるが、この作者はどちらかといえば後者になる。まぁ、ありきたりであったが、この作者はラグクラフトが好きだということでそうしたテイストの短編もあって読めた。

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03.3.25 餓狼伝13
夢枕獏
双葉社
2002.3.15

本屋をのぞいたらナニゲに、餓狼伝の新刊が出ていたので迷わず買う。昔は、結構シリーズもので色々と買っていたものだが、あまりこの頃はそうしたシリーズを心待ちにして本屋に定期的にチェックしに行くということもあまりなくなってしまっている。同じようにCDもそうだナァ。
相変わらず、格闘バカがたくさん出てきます。いや、キチガイといった方がよいかナァ。情念ドロドロ、拳がどうの、関節がどうの。生き様がどうのと、執拗に、ねっとりと書かれている。この頃は、格闘技から少し距離を置いているのでこうして熱く書かれていてもあまり感銘は受けないが、物語としてはかなり面白い。力道山と大山マスタツの疑似戦や合気道、古武道の本当の強さ。伝説の技術や今はやりの何でもあり、柔術、キックボクシング、極真空手などが一同に詰め込まれ、何が強いのかどう強いのかをねっとりと書かれている。

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02.11.15 オーパーツの謎
並木伸一郎
学研(ムーブックス)

いわずとしれた、トンデモ系の本ですが、図説が豊富であることで購入しました。
知らない人には当然ピンとこないのでしょうが、オーパーツとはありえない技術や遺跡を意味します。その時代において造り得ない技術、道具が遺跡から出土するとか、ようするに「場違いの加工物」を指します。
具体的には、どうやったら製造できたのか分からない、水晶のどくろ、現代に技術でも困難な巨大な石の球体。接合面にかみそり一枚も入らないほどに精巧に積み上げられたインカの遺跡。3,000年前の遺跡から出土する金属加工物など。どうしてそのようなものが出てくるのか分からない。もしかもしたら、私たちの知らない時代に超高度のテクノロジーが存在していて、そのテクノロジーは地球外生物が生み出したのではないか?という論調です。遺跡に、発掘者がこっそりと埋め込むという事件がありますが、それだけではないような気がします。
とにかく、写真などがすごく豊富でめくっているだけでも気晴らしになるし、ちょっとドキドキします。

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02.11.10 黒き死の仮面
ゴーストハンターRPG02リプレイ
安田均
富士見書房

まぁ、参考図書程度に購入する。この頃というか、ほとんどレポートを書くために専門書ばっかりで、あとは、昔に買った「行け!稲中卓球部」とかお気楽な漫画を読む程度で、あんまりジュブナイル小説に対する情報が入ってこない。(友人と会えないため、その手の本を勧められないので)今度会ったときにたくさんかしてもらおう。
「行け!稲中卓球部」で思い出したのだけど、この頃リバイバルが多い。ドラゴンボールも出たし、結構80年代90年代に読み継がれた漫画があるときは、雑誌(巨人の星、明日のジョー)で、文庫サイズでは数知れず、豪華版でもたくさん出ている。パチンコでも宇宙戦艦大和とか80年代90年代のものが出回っている。また、プレイボーイでは筋肉マン2みたいな連載もあるし、リングにかけろ2とかアイディアが枯渇したのかどうかは別にして、私が考えるに漫画世代といわれるその頃の漫画を購入する世代をターゲットにしていると思われるが、どうだろう。
ブックレビューがとんでもないことに…

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02.11.1 あなたは虚人と星に舞う
上遠野浩平
徳間デュアル文庫
2002.9.30

ブギーポップシリーズなど私のわりと好きな作者。ナイト・ウォッチ三部作の最後の作品である。
この作者の面白いところは、前に書いたかも知れないが、パラグラフというか章立てをシャッフルして物語が前後して錯綜している点にあると思う。過去−現在−未来に架空、時空と線が錯綜している。通して読むとそこにはめくるめく物語が現れるという作風が面白い。
そして、テーマは世界と私といったところか…と書くと哲学じみているが、これがジュブナイル小説として物語が紡がれているのが面白い。

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