本棚
02.10.20 ハリーポッター〜炎のゴブレット
刊行初日は、予約をしていなかったこともあって購入できなかったが、予約する程でもないし、そのうちすぐに出るだろうと思っていたら、次の週には既に山積みになっていた。さすがに分厚いために一冊読み終わるのに他の本と併読しながら1週間かかってしまう。全7巻という事で、前の巻のあとがきでハリーがそろそろ青年期になり…とあったので、大きな試練があって卒業してラスボスとの戦いに備えるのかと思ったら、魔法学校は6年生まであって、その4年生であるとのこと。一応、ラスボスが復活はするが、このままでは、独り立ちをするよりは、卒業する頃に解決してしまうのではないだろうかと思ってしまう。ゲド戦記のように少年、青年、中年と試練に立ち向かっていくのを期待したが、青年期に向かっていくなかで終わりそうである。内容の方は、登場人物もこなれてきて、キャラが立ってきているが、ちょっとご都合主義で甘めではある。が、ファンタジーとしてはまずまずのできである。これは、中学生や高校生が読み出せば、すごくわくわくするファンタジーではある。私が、エンデの「果てしない物語」にであったような衝撃はあるだろうなぁ。

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2001.11〜2002.2
2002.3〜2002.5
02.10.10 クィーン・オブ・グレイス
FEAR
井上純弐
アルシャード・サプリメント

やるあてのないTRPGであるが、その世界観は、ブレードオブアルカナよりもなじみやすい。ブレカナは最終的には殺戮者を倒すためのロールであるが、アルシャードはそうした縛りがないと思っていた…しかし、結局、帝国軍を倒すという大名目めいた物があって、その為にロールするという意味合いがかなり強いことが分かる。主にダンジョンを中心にTRPGをしてきた者として、こうしたセッションや予定調和的なドラマ仕立てはどうもやっぱりなじみにくい。リプレイにのっているもののように果たして素人さんがロールするのかも怪しい。
しかしながら、こうしたサプリメントやルールは、食指を動かす世界観のツールがぎっしり詰まっていてイメージするだけでも楽しい。

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02.9.30 秘神界(現代編・歴史編)
創元推理文庫
朝松健

日本人によるラグクラフトのクトルー神話のアンソロジーである。上下巻の分厚い構成で、未だに全部読んではいないが、これだけクトルー神話を題材にした日本人によるアンソロジーはこれから先もないであろう。この中で、安田均がゲームにおけるクトルー神話という内容で書いており、TRPGの事について触れている。また、佐野史郎が小説をよせていて、最後に作者のアンケートの中に、クトルー神話を体感するには、TRPGにおいてであろうと述べている。確かに、雰囲気を味わうならロールプレイだよなぁと思いながら、クトルー神話の奥の深さを知ったのであった。クトルー神話は、最後には、人知では計り知れない大きな恐怖に包まれるというパターンを踏襲するが、そこに行くまでのプロセスがミステリーであったり、怪しげな考古学的な探検であったりと多様に広がっている。


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02.9.20 ファイブスターストーリー・エピソードガイド
角川書店
2000.11.20

すごく難解なファイブスターのガイドブックである。1500円も出して買うほどのものではなかったが、オールカラーで国ごとのモーターヘッドとファティマの紹介などを行っている。丁寧な作りであるが、ずっと読んでいるまんがであるだけに、ほとんどの設定は了承済みである。しかしながら、このまんがは、何回も読み直さないと分からないまんがであり、ほとんど専門書のように専門語と了承していないといけない事項が多すぎる。もっとも、それを了承しているとすごくおもしろいまんがであるが…

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02.9.10 月と貴方に花束を2
志村一矢
角川電撃文庫

前に、一巻で充分であると書いたが、今でもそう思っているがついつい買ってしまった。冬馬と深雪のコンビがどうも気になって…まぁ、内容はかわいい少女が日本を滅ぼすほどの力を中に秘めていて、目覚めさせようとする勢力がひょんな事から主人公の環境にその少女が迷い込んできて、事件に巻き込まれるというもの。当然、主人公に少女が好意を抱いて、深雪が焼き餅を焼くというお約束付きである。(主人公のドキもまぁ、そういうことで)

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02.8.30 春の魔術
田中芳樹
講談社ノベルズ

「夏の魔術」からはじまった来夢と耕平のゴシックホラーシリーズも完結である。今回は、夏の魔術で舞台になった「黄昏館」での冒険談である。ほとんど何となくダラダラと集めていたので、何となく読んだという感じである。しかしながら、語り口は軽快で、テンポも良い。安心して読める。しかし、やはり、夏の魔術を読んだときのイメージには及ばない。

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02.8.14 クォータームーン
中井拓志
角川ホラー文庫

チャットと転生もの、架空の世界は容易に八〇年代のおたく世代における「私は、月の使い、戦士」などのような事を可能にする。昔、そうしたオカルトがはやり、妄想が妄想を呼び、集団で自殺した女生徒、コックリさんにはまっていた人たち。インターネットがはやり、チャットではハンドルネームで呼び合い、一つ一つのカテゴリーには様々なジャンルにわけられ、そこを行き来する。こうした一つの世界、ルールはある意味、現代の日本、資本主義などにおける小社会の一つの鏡でもある。
この物語は、あるチャットルームで起こった会話から発展した殺人事件が端を発している。それも、この地域に住む学生だけがコンタクトできるチャットワールドの一室で行われた…
まぁ、現代の一つの形態を書いたものであるが、結構微細に、心理やシステムなどを解析していく面白いホラー小説であった。

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02.8.7 アーカム計画
ロバート・ブロック
創元社推理文庫

アーカムと聞いてピンと来た人は、ラグクラフトのファンである…。
ロバート・ブロックは、クトルフ神話体系でもかなり貢献しているかなり直系の作家である。
直系とは、ラグクラフトに師事していた作家の一人であるという意味である。
クトルフ神話は、様々な人の手をわたって、いろんなジャンルで使用されているコズミック・ホラーの唯一といっていいほどのネタでもある。
本書は、ほとんど、ラグクラフトへのオマージュの意味合いが強く、それなりにラグクラフトを読んでいない人にとってはつらい内容であった。あいにく、私はある程度読破しているので、読み込むことが出来たが…

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02.8.1 アンテナ
田口ランディ
幻冬社文庫

一応、「コンセント」、「モザイク」と3部作らしい。
アンテナでは、主人公の幼少期に妹が行方不明になってしまう。そこで、家族も弟もおかしくなっていき…それに耐えて生きてきたという設定。
最後には、トランス状態になって、妹を巡る家族(自分を含め)の妄想を解き放つというものだけど、はっきり言って、最初は、面白かったが、手法としては「コンセント」とほぼ同じ。
しかし、まぁ、人の人生は、語り得ない物語であるとすれば、こうした性の解放、それも、現代的なある意味逸脱していきながらというのもありかなと。
ただ、作者の引用する心理学や哲学、オカルト、SMなどは、少し知っている人が読めば、物語に良いように解釈しすぎているような気がするが、それが分かっていれば、まぁ、構築としてもありかなと…

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02.7.25 エイリアン黒死帝国(上)
菊池秀行
ソノラマ文庫
2002.6.30

ポツリポツリと出すようになった「エイリアンシリーズ」今回からイラストが変わりなんだか、よりジュブナイルになってしまったような…天野さんのイラストはやはり雰囲気を作るのにはよかったことを痛感。(イラストの依頼を断られたのであろうか)
今回は、強くなりすぎた観のある主人公がいきなり呪いによって手足が動かなくなってしまい、従弟の要請を受けるというもの。この従弟がまたすごい。しかし、まぁ、ここまで主人公をいきなり窮地に陥れてしまうのもすごい。まぁ、その分、面白い展開になっているのだが…今回は、失われた進化形態を示したミイラを巡ってのバトルである。これはこれで、設定が面白い。

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02.7.19 アルシャード
井上純弌
エンターブレイン
2002.7

結構心待ちにしていたTRPGのルールブック。エンターブレインのゲームデザイナーがすべて揃ってシステムの良いとこ取りをしながらも数々のセッションをこなして作り上げた、エンターブレインが満を持して発売した、スタンダードファンタジーのルールである。様々なファンタジーの設定に耐えうるキャラクターの厳選、いくらでも解釈の出来る世界観や設定によっては近未来やスチームパンク、または、指輪物語からクトルフまで様々な冒険が出来るようになっている。(西洋東洋問わず)ルールはいたって簡単で、現在のルール、登場判定やコネクション、因縁、クラスの3つの選択など主要なルールを取り込み簡素化している。デザイナーもそうだが、私もこのTRPGにたどり着くまでたくさんのルールブックを購入してしまった。

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02.7.10 ゴーストハンター
ラプラスの魔
パラケルススの魔剣

山本弘
角川スニーカー文庫

一度絶版になった小説であるが、ゴーストハンターTRPGが復刻したことによってこの小説も復活したというわけである。まぁ、どういう雰囲気のTRPGなのかナァという意味で読んだ。
どっかのサイトにも書いてあったけど、以後にこの著者の小説群「ガープス:妖魔夜行」での登場人物などのエッセンスが詰まっているというものらしい。そもそも、ゴーストハンターははじめはテレビゲームだったらしく、この小説もまた最初は雰囲気たっぷり、最後はモンスター狩り的な描写がバタバタと出てきて、最後はあっけないちゃんとした裏づけなどもなく終わるというものであった。また、登場人物の描写もおきまりで陳腐であった。と、書くとぼろくそであるが、小説として読むには拙いものであった。あくまでも、参考文献の一つとして読んだ。

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02.7.7 ジュブナイル小説
友人の家で読んだ本

ソリッド・ファイター
古橋秀之
電撃文庫
1997.9.25

だいぶ古くなったが、この話の中に出てくる「格ゲー」のシステムはまだアーケード(ゲームセンター)では確立されていない。自分が行うキャラクターはメモリーでき、それがパソコンでカスタマイズができるというもの。今流行のネットゲームのキャラをアーケードで行えると言ったらいいか。パソコンでカスタマイズできるのは外見やアクセサリーであり有利にすることはできないようだ。(思い入れとか美意識の部分)そして、やり込んでいくとランクが上がり、ランクの上下でルールがあるようである。と読むと、いかにマニアックかおわかりでしょう。そうです、マニアックな小説でした。それだけに、この辺に興味のある人は面白い小説であるといえる。

A君(17)の戦争2
かえらざるとき
豪屋大介
富士見ファンタジア文庫
2002.5.25

いつも購読しているTRPGもメルマガにも紹介されていたので、読みたいナァと思っていた。半分ねっころびながら読む。まぁ、苦悩とかそういうのを描いている。今回は、戦争前夜という感じでモチベーションを高めていく過程を描いている。ちょっと、展開的に「タイラー」みたいになるような気がしてちょっと警戒してしまう。この手の小説にありがちな表現が大げさ、陳腐な部分が見え隠れしてしまう。まぁ、しばらくは読むのだが、キリの良いところでまとめてほしい。

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02.7.4 バカヅキ・タイフーン
馬場裕一&片山まさゆき
竹書房
2002.7.4

実は秘かに探していた本。前作「バカヅキ・ハリケーン」からはや13年が過ぎてしまった。それまでに、麻雀も様変わりをしてきたと思う。ルールというよりも戦術がより効率と勝負所での定石が移り変わったというべきか。以前は、手作りや手役などを重視したものが多かった。しかし、現在は牌効率が中心である。展開については、プロの個性の百花繚乱であったが、現在ではだいたいのパターンやドライに捉えるようになってきている。いってみれば、オカルトな部分とデジタルに処理する部分の棲み分けが出来てきたということであろうか。
この本の内容は、戦術のみならず、牌の歴史、今の雀荘の様相、点数の簡単な数え方など麻雀に関する様々なエッセンスを詰め込んだサービス満点な書となっている。麻雀をより楽しみたい人のために、戦術書よりもよく考えられた良書である。

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02.7.1 波のうえの魔術師
石田衣良(いしだ いら)
文芸春秋
2001.8.30

あまりテレビドラマは見ない方なのだが、「ビック・ディール」は時々思い出したように4回見た。続けて3回と最終回だったので、はじめの方は全然展開が分からなかったし、最終回はいつの間にかそうなっていたのねという感じであった。しかし、続けてみたらきっと面白かったんだろうかナァとも思ったし、もし再放送になったら一回目から続けて最後まで見たいとも思えた。
原作であるこの本は、テレビほど華々しいわけでもないし、すごく面白いというわけでもない。テレビの方が個性がすごく出ていて面白い。逆に言えば、小説の方がシビアで淡々としていて秘かに行われた感じがすごく出ている。テレビでは、銀行側の悪役ぶりがすごく出ていたし、登場人物も多分に脚色されてエンターテイメントをしていた。小説よりもカタルシスが大きかったように思える。とにもかくにも、再放送を見てまた小説を読むという連動をしたい。

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02.6.29 色々買っていたんだけどまとめて
【TRPG関係】
ROADStoLORD
門倉直人
エンターブレイン

ロールプレインゲームにして、和製初(1984年)のゲームの復刻。私はこのころ、T&TやD&Dをしていたので、あんまり興味がなかったが、同じようにRtLを良くやっている人も見かけた。実際、買って手にすると、今のような、特定のシチュエーションでロール(役割)をきちっと決めているわけではない。ファンタジーを題材にしているが、ブレカナのように殺戮者を倒すとか明確なものはない。特に面白いと思ったのが、魔法の習得がなかなかシビアで、しかも、手にするには一度ちゃんと発動するかテストをしないといけない、しかも、カード形式になっていて裏になっていてめくらないといけない。そして、それが思い通りのものが手にはいるかどうかは分からないなど、ゲームとしてのギャンブル性や遊び心が盛り込まれている。しかもルールがすごく簡単である。これは、良い。

ゴーストハンター02
安田均
イエローサブマリン

和製のホラー系のTRPG。もともと、ホラーを題材にしたゲームって少ないので、あれば手にしたいと思っていた。しかも、SNEがデザインしたものであり、クオリティは高い。背景は、第一次大戦の頃で、大正ロマネスクやゴシックホラーがはやりだし、ナチスなどの神秘主義などの時代を扱っている。どこかかび臭く、セピア色で、狂気の時代的な雰囲気の中ちょっとレトロな機械を使ったりして、怪しいゴーストハンターが暗躍する世界。そして、ホラー系にはお約束の狂気判定。ロールに関しては、今のように任意に決めたり、マスターがあらかじめ推奨するキャラクターを作成することに重点を置いていなく、トランプなどを使った数値からプレイヤーがだいたいの印象で職業や属性を決めるため、ゲーム的な色合いが強い。ルールの方は、一応10レベルまであり、ずっと遊べる感じである。しかし、職業毎のスキルや魔法が少ないため、どんどんとハウスルールを作っていくことが必要であると思われる。これまた、ルールが簡単で面白そうである。

【ジュブナイル小説】
あてにならない六法全書?
賀東招二
富士見ファンタジア文庫
2002.6.25

フルメタル・パニックの短編。まぁ、本編からどんどんと離れていき、作者のおたく的な生活や思考がちらほらと見えるようになってきている。まぁ、これは、フルメタルのキャラを使わなくても成り立つような感じもするが…。まぁ、気晴らしに読んだ。しかし、馴れないナンパ合戦をする「ままmならないブルーバード」での、模型同好会のセリフには笑えた。また、「五時間目のホットスポット」では、最後のシーンにプッとなった。

電撃HP 18巻
メディアワークス

「イリヤの空 UFOの夏」の後編。かなりシリアスな方向に行ってしまったという感じである。最後のシーンはまさに「夜をぶっ飛ばせ」のような感じで、結構面白い。中学生が夜の中を逃亡する。その行き着く先はなんであろうか。物語は、依然不明瞭のままどこに行くのか、固唾を呑んで見守っていきたい。

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