我々の録音のコンセプト

 

 DCマイクの特徴として、『高感度で、直接音/間接音』を同時に録ることが出きることにあります。この方法で、実に「ホールの生の雰囲気ごと」録音することが出来ます。ところが、実はこのDCマイクだけではないのですが、ワンポイント中心で、ほとんど補助マイクを使っていない録音の多くは、かなり、ホールの生の雰囲気、つまり『実際にある』音が再生されています。

 ところが、実際、この世に出ている、”プロ”と呼ばれる人達の録音は、そうではなかったりします。ライブのCD化で、会場で聴いた音と、CD化された音とは、全く違う場合が多かったり、先日もある知人から聴いたのですが、ある”プロ”に録音を頼んだら、「本当に音は良いとは思うのだが、実際の演奏のときとは全く違った音になってしまった」という様な音になってしまったそうです・・・・・・これは何を意味するのでしょうか?良い音とは、何か?よく聞こえれば、実際の音とかなり違ってしまっていても良いのか?焦点はそこにあると思います。

 オーディオ・マニアの多くは、LP・CDの音の世界だけで生きている人が多いです。オーディオ製品の批評を見ても、ほとんど、これらのメディアの音をどう再生できたかに終始し、実際の楽器の音とどう違うか、という話には、ほとんどの場合、なりません。どんな音を求めるかは、確かに個人によって違いますし、上記のような、”お化粧録音”を求める人がいても、それ自体は批判されることではないと思いますが、一番言いたいのは、オーディオ・マニアの9割は、生の音とは違う、”お化粧録音”を聴き、また、何のもためらいも無く、それを求めているのです。これは、マニアになったときに、周辺が、そういう録音のメディアであふれていたから、いた仕方ないのですが、皆、その音が普通だと思っているのです。それゆえ、そういう録音でないと売れないので、録音する側も、もう何年も”お化粧”が上手く上達してきたのでしょう。

 DCマイクを中心とした、ワンポイントにこだわる人達の多くは、この、多くのレコーディングエンジニアがやっている”お化粧録音”ではなく、できるかぎりそのままの音を保存する事を心がけてやっていると思うのです。
 ですが、残念ながら、世の中の多くのマイクは感度が低いためにワンポイント・マイク録音では上手く録音できない場合が生じます。この点、DCマイクは、他に類を見ない高感度で、この難題を解決できるマイクなのです!

 我々の録音のコンセプトは、このDCマイクを中心に、演奏のありのまま、お化粧しないすっぴんの音を目標に、録音活動をしたいと思っております。
 ただ、一つの欠点として、DCマイクの天井吊は難しく、条件が限られてしまいますので、現実問題として、難しい面は多々あります。