+++ afterward of ELNARD +++
3
「気分はどうだ?」
目を開けるとすぐに声をかけられた。ずっと見られていたということだろうか。
声のする方に視線だけ動かすと、壁に寄りかかった「彼」はしかし窓の外を見やっていて動いた気配はない。
「気分…ですか?最高です」
先程まで彼が横たえられていたベッドの上で、今度は体ごと横を向けて答える。
「まさかもう一度遭えるなんて…レジース」
名前を呼ばれて彼は薄く笑ったようだった。ようやくシーダの方を向く。
「どうやら本当に思い出したようだな。」
「ええ…すっかり。」
自分が昔、「何」であったのか。彼が自分にとってどれ程大きな存在であったのか。初めて見たときから何故あんなにも懐かしかったのか、全てを。
幸せな気持ちでシーダは枕に顔を埋(うず)めた。視線だけは、外さないまま。
「教えて下さい、レジース。あの後のことを」
ふ、と彼はまた窓の方を向いてしまった。少しの間の後、返事が返ってくる。
「別に話せるようなことはない。すぐに繭に籠もったからな。」
「……」
シーダは体を起こした。確かに闇の王との戦いが終わった後、あの過去の世界に存在する事の意味は無いだろうが。
「私に会いに来てくれたのですか…?」
遠慮がちに問うてみると馬鹿にしたような短い笑いが返ってきた。
「そうやって自惚れていろ」
それがあまりにも遠い記憶と変わらないせいで、シーダは泣きそうな表情になった。
「レジース」
堪らなくなってベッドから飛び降りるとその勢いで横を向いたままのレジースにしがみつく。
「?!」
「レジース…レジース」
突然の行動に彼が驚いているのは十分判ったが、止めることは出来なかった。頭を彼の胸に押しつけてみる。…昔は丁度逆になる位の身長差であったのに。
「感謝します…。この身へ転生させて下さった神へより、何よりあなたに…」
「…俺が何をしたと?」
平静さを取り戻した彼が冷ややかな声で問う。しかし「昔」を知るシーダにはそれすら懐かしい。ある種の照れ隠しの様な、彼特有の物言い。
シーダはにっこりと微笑んだ。
「だって…会いに来てくれたでしょう?」
急に体が揺さぶられてシーダは一瞬状況を見失う。彼が自分を抱きしめたのだと気付くまでに少しかかった。「ウィルミー」と懐かしい名前を彼の呟きに聞いたような気がした。
「レジース…」
目を閉じて、体を預けてみる。あの頃はとても華奢な体だと思っていた。それが今はこんなにも頼もしく感じる。もちろんそれは自分の器が変わっているからなのだが、奇妙な感覚だった。
「だから…此処に居てくれるでしょう?」
彼は腕をほどいた。
「…お前のことは「シーダ」とは呼べないぞ。いいか?」
「ええ…判ります。私達にはあの「シーダ様」がいたから…」
無理もない、と頷くと不機嫌そうな声が先を継いだ。
「単に、俺はあのじじいが嫌いだったんだ」
「…それはいくら何でもひどいんじゃないですか…?」
困ったように笑うと、シーダはもう一度彼にもたれかかった。
「どうした?」
「私が今どんなに嬉しいかお解りですか?」
「知らないな、そんな事は」
予想通りの返事にくすりと微笑って、昔の自分の口癖だった言葉を呟いてみる。聞かせるつもりはなかったのに上から返事が返ってきた。いつも、それを言う度に返されていたつれない返事。―――百万年早い、と。
すーみーまーせーんー(TT)。なんだか当初の予定よりラブラブ度50%up!(当社比)って感じです・・・とほほ。なんだか文章にすると親密度が上がるようで(^^;)。やはり裏に移した方がいいんでしょうか・・・。
気を取り直して。やっとこさお互いを認識してお話が出来るようになりました(^^)。私が書くシーダさんはどうも甘えん坊のようです(笑)。そんなことで聖人が務まるのか?って感じですね(笑)。ちなみに最後のウィルミーの口癖というのは「愛してるぜ、レジース!」なのですが(笑)、あんまりにあんまりなので伏せてあります(この2人の会話は江上ちゃんが作ったんです~)。(00/08/07 up)