故勝山 淳海軍少佐 航海日記

発掘:平成15年 2月  日/勝山 忠男様(故人ご令弟)、小野 正実様(故人甥)

採稿:平成15年 3月 1日/峯  一央

校正:平成15年 3月 3日/峯 眞佐雄 (兵73、回天隊にて故人と同期・同僚)

校正:平成15年 3月15日/勝山 忠男様、小灘 利春様(兵72、全国回天会々長)

校正:平成15年 5月 3日/勝山 忠男様

 

七月二十三日

三号艇 短絡 充電不能

二号艇 四番海水タンク下部排水口螺蓋弛緩 全然用を為さず

とととと前部浮室下部排水口螺蓋にて代用

三号艇の螺蓋は 磨耗甚しく殆ど離脱状況 螺入し直さんとするも 直ぐ嵌合用をなさず

とととと戦備回天の整備に於て 未だ未だ不完全なり 海水タンク

一号艇 前部気室 漏気箇所 チューインガムにて充填 テープにて巻き相当止まり

とととと先づ差支なし

此の度 最不審に感ぜるは 電液0の電池相当ありたる事なり

本日 一号艇 前部浮室 浸水量四十立 前部浮室 隔壁端蓋ならん

とととと之に関し 端蓋衛帯及隔壁蝋付の際 彌縫的蝋付をせず 全体を蝋付する要あり

とととと姑息的手段は最禁物なり 

現在の所 無傷なるは 四号艇のみなり

即ち本日現在

一号艇

◎操空漏気(箇所不明)11瓩低下 7月−18日

◎前部浮室浸水 12時間に付 四十立

◎二空装気口より筒外に漏気 螺筒気密不良(要具具備する要あり)

◎電液 右6箇 全然なし

二号艇

7−19日

◎前部気室より前部塞気弁に至る導管の接続螺より漏気

とと処置 二空導管 緊締せる所 漏気量大なりし為取止め ゴムテープを巻き

ととととと漏気小となる

ととととと前部塞気弁 閉鎖

ととととと二十瓩低下

◎四番海水タンク排水口

とと螺蓋不良(磨耗せるものを螺入) 全然用をなさず

とと処置 前部浮室螺蓋にて代用

ととととと四立浸水

三号艇

◎二空装気口 螺蓋弛緩

とと五瓩低下

とと緊締して止まる

◎電池短絡 電池極(−)と電纜との接続部短絡

とととととと(ゴム腐敗のため、電池枠と短絡)

四号艇

◎操室漏気(箇所不明)

とと7月20日 八瓩低下

五号艇

◎電動縦舵機 硝子破損

とと7月17日 予備品と交換

◎人力縦舵 支基除去(指針支への)、面舵をとらず

◎電液 左6箇なし

六号艇

◎二空装気口との螺筒気密不良

現在までの各回天の状況は斯くの如し 而して発進には未だ心配なきも 二号艇幾分心配なり

兎に角一分一秒を争ふ戦局下 一刻も早く敵の大物を射止め 戦局打開の先駆たらん

 

回天操縦席の模型/山口県徳山市大津島 回天記念館

 

航海日記          5  

 

勝山  淳

更新日:2010/08/01