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   12月24日 2005
  
 近い未来に・・・。
   先に言葉の説明
アウトブレイク:伝染性疾患が急激に広まってしまうこと。

  考えられる最悪のストーリー
中国の田舎の村で、30名のインフルエンザ様疾患が発生した。
このうち、25名は重症で呼吸不全を伴って入院した。
最終的に5名が死亡した。

   治療に当たった医療スタッフも何人か感染して、
その10%は、死亡した。
症状は重症で、感染しやすいことから、
最初から、新型インフルエンザが疑われ
病院スタッフやその家族には厳重な感染対策が取られたため
感染は広がることなく終息した。
その後、アメリカに送った検体からは、
これら患者からは、高病原性鳥インフルエンザH5N1が確認された。
これまで、このウィルスではヒト−ヒトの感染は
ほとんど認められていなかったが、
今回のケースでは、、ヒト−ヒト感染が濃厚に疑われた。

  その後2週間して、周辺のいくつかの地区で、
同様の感染が認められるようになった。
咽頭や鼻腔のぬぐい液からはA型インフルエンザが検出されたが、
それが、H5N1かどうかの判定は、
アメリカCDCのインフルエンザ研究センターに
検体を送付しないと判定できないため、
中国政府は、公表をひかえていた。
その後、2週間して、これらの患者からの検体からH5N1が検出された。
しかし、この事実を公表する数日前から、
香港や上海、さらにはシンガポールでも
同様の患者の集団発生が認められるようになった。


アウトブレイクである。

  新型 H5N1 株はワクチンを作成するために
米国 FDA へ送付され、
インフルエンザワクチン製造業者に
新しいワクチン生産の準備体制を整えるように指示が出された。
しかし、H5N1は病原性の強い株のため、
鶏卵での増殖は、鶏卵が死んでしまうためうまくいかなかった。
遺伝子操作によるウィルス株を弱毒化したワクチンが
一部軌道に乗ったが、
生産ラインはまだ圧倒的に少ない状態であった。

  さらに2週間後には、
東京やニューヨーク州でも患者の発生が認められるようになった。
一部伝えられていたとおり、
このウィルスでは、タミフルに対する耐性株が40%認められ、
患者の死亡率は15%に達した。
世界は、パニックに陥り、
タミフルはほとんど入手できない状態になった。

  しかし、季節は夏になり、日本での患者数は減少した。
だが、相変わらず、
周辺諸国や南半球でインフルエンザは猛威をふるっていた。
状況はいったん落ち着いたように見えたが、
再び冬が来ると、
もっと重大なアウトブレイクが起こることは明白であった。

  政府は、厚労省に感染対策室をもうけて、感染対策を本格化した。
しかし、アウトブレイクは冬まで待ってくれなかった。
夏が終わり、朝晩が過ごしやすくなった9月の終わりに
さらに重大なアウトブレイクが起こった。
学校は臨時休校したが、
あらゆる職場で感染が広がり、
病院は患者であふれた。

警察をはじめとする公共機関でも感染が広がり、
社会秩序や公共施設の維持に支障をきたすようになった。
医療従事者も相次いで感染して、
本来の機能は果たせなくなってしまった。
電気も、一部は供給に支障が出るようになり、
交通機関も麻痺した。
インフルエンザ患者数は、
人口の40%の4800万人に至り、死亡者は100万人になった。

ワクチンは、まだ本格的な増産には至っておらず、
アメリカでも必要量の20%も満たせない状態であった。
当然、日本に向けて 輸出されることなく自国で使われた。
さらに、アメリカ政府がワクチンの優先順位を公表したため
世論は強く反発し、一部では暴動となった。


  こんな最悪のストーリーもあるかも知れない今日この頃である。
日本でも、
キリンビールがインフルエンザウィルス抗原の
一部に対する抗体を作る研究をしており、
この抗原は、すべてのインフルエンザに共通であるため
うまくいけば、実用化する可能性がある。
(このニュースの為か、株価も急騰した。)

とにかく、新型インフルエンザのアウトブレイクと
新しいワクチン製造の競争状態である。
今のところ、ワクチンが圧倒的に遅れているけど・・・。


参考までに、
   
  新型インフルエンザの世界的大流行の諸相       
                   
◆ パンデミック間期                       
 フェーズ 1 ヒトにおいては新たな亜型のインフルエンザウイルスは  
         同定されていない。動物においては、ヒトに感染する恐 
         れのあるインフルエンザウイルスが存在しているが、  
         もしも動物に見られたとしても、ヒトへの感染リスク  
         は小さいと考えられる。               
                                   
  フェーズ 2 ヒトにおいては新たな亜型のインフルエンザウイルスは  
         同定されていない。しかしながら、動物において循環  
         している亜型インフルエンザウイルスが、ヒトへの発  
         症に対してかなりのリスクを提起する。        
                                   
 ◆ パンデミックアラート期                     
                                   
  フェーズ 3 新しいヒト感染(複数も可)が見られるが、ヒトーヒト  
         感染による拡大は見られない、あるいは非常にまれに  
         密接な接触者(例えば家族内)への感染が見られるに  
         とどまる。                     
                                   
  フェーズ 4 限定されたヒトーヒト感染の小さな集団(クラスター)  
         が見られるが、拡散は非常に限定されており、ウイ   
         ルスがヒトに対して十分に適合していないことが示唆  
         されている。                     
                                   
  フェーズ 5 より大きな(一つあるいは複数の)集団(クラスター)  
         が見られるが、ヒトーヒト感染は依然限定的で、ウイ  
         ルスはヒトへの適合を高めているが、まだ完全に感染  
         伝播力を獲得していない(著しいパンデミックリスク  
         を有していない)と考えられる。           
                                   
 ◆ パンデミック期                         
                                   
  フェーズ 6 一般のヒト社会の中で感染が増加し、持続している。   
                                 

 2005年 12 月現在、世界はフェーズ3にあるとされる。
実際に「最悪のシナリオ」である新型インフルエンザが出現すると、
過去の世界的大流行においても
流行は第 2 波、第 3 波と繰り返しており、
終息までに 2 年から 3 年を要すると考えられる。


  現在のところ、
新型インフルエンザ対策は、以下の3つ、すなわち
サーベイランス、ワクチン、抗インフルエンザ薬である。

 現在、WHO を中心とした
世界的なサーベイランス・システムが構築されており、
新型ウイルスの出現は迅速に報告されている。
WHO インフルエンザ研究センタは
アトランタ(CDC)、東京、ロンドン、メルボルンにあり、
これらを中心として世界中にネットワークが形成されている。
WHO ではこのサベイランスの結果により
ワクチンを生産する対象株を指定している。


 次にワクチン、
新型インフルエンザウイルスが出現してから
ワクチンが供給されるのには最低でも 6 か月を要する。
流行の当初には必然的にワクチンの供給不足となる。
したがってワクチン接種の優先順位を前もって決定しておく必要がある。
一般的には
医療従事者、高リスク者、社会機能を保持するための職業に就くものを
トップに置くのが妥当である。
また、新型ウイルスに対するワクチン確保が極めて重要となり、
日本でワクチンの生産能力を十分に維持しておく必要がある。

 抗インフルエンザ薬による予防あるいは治療も検討されており、
ノイラミニダーゼ阻害薬の備蓄が開始されている。
ただし、
耐性ウイルスの出現が危惧されるため、
抗インフルエンザ薬耐性ウイルスのサーベイランスも重要である。


なんだか、憂鬱になってきた・・・。

とにかく、メリークリスマス!



   12月19日 2005
   
ノミって、やっぱりすごかった!
ノミは、体長の約100倍の距離を簡単に飛んでしまう。
人間がこんなに飛べたら、
身長170cmの人なら、170M飛べちゃう。
これはまさに、スパイダーマンどころじゃない。
ノミマン?なんだか、語呂が悪い。
Flea−マン?

   そういえば、昔、フライマンというのがあった。
大きな錠剤を飲むと
空が飛べるようになる変なおじさんの話だったけど、
結構おもしろかったけど、すぐに終わってしまった。

   ところで、このノミのジャンプ力は
「レジリン」というタンパク質が足の付け根にあって、
その大きな支えになっている。
また、この「レジリン」は、
一生に5億回羽ばたくミツバチの羽も支えている。


    普通のゴムは
変形させる際に加わったエネルギーの一部が熱に変わり、
元の形に戻るのにはエネルギーの60%しか使われない。
だからボールのバウンドは弾むたびに弱まっていく。
 
この数値は、子供が遊ぶゴムのスーパーボールで80%、
人間の臓器にあるエラスチンという柔軟なタンパク質でも90%。
一方、レジリンは97%にも達するといわれている。

この完ぺきに近い弾力を持つ「スーパーゴム」を開発することに、
オーストラリアの連邦科学産業機構(CSIRO)が成功した。
作り方は、
レジリンを作る遺伝子を大腸菌に組み込み、
乳白色をした液体のレジリンを合成する。
あとは触媒を加えて型に入れ、光でぱっと照らすだけ。
まだ、強度の点で完成品にはなっていないが、時間の問題のようだ。

   完成したら、何に使われるのだろう?
椎間板や心臓の弁など
繰り返し使われる生体材料になるのは勿論だけど、
衝撃吸収素材や寝具や・・・、
なんだか楽しい使い方がいっぱいありそうな気がする。






   12月16日 2005
   
夢の薬は、まだ夢だった。
   2001年5月に、
イマチニブ(グリベック)(慢性骨髄性白血病の治療薬)が
初めて発表された時のことは、
ついこないだのことのように良く覚えている。

 学会の会頭が、感動的にこの薬を紹介していた。

「ついに、人類は分子標的薬の開発に成功しました。
 この一歩は、まさに、人類が月に降りたったときの一歩にも値する
 大きな一歩であります。」 
 
 僕は、「この場面、何処かで見たことあるぞ。」と思いを巡らせた。
たしか、ハリソンフォードが主演の映画「逃亡者」の一場面だった。
副作用がある新薬が、その副作用を隠して発表されたときの
あの華々しい場面である。

 でも、イマチニブはそうではない。
本当に、人類にとって、とても大きな第一歩の薬であった。

 その理由は2つ。
 一つはこの薬剤が分子標的薬剤であること。
開発手法も近代的だった。
CML(慢性骨髄性白血病)の原因遺伝子産物BCR-ABLタンパクの阻害剤として、
コンピューター立体構造解析を通じて開発されたからである。
具体的に言えば、
CMLの遺伝子ABLのチロシンキナーゼ活性部位は、
ATPが結合することで、
他のタンパクのチロシンをリン酸化するキナーゼ活性が生じ、
白血病細胞が増殖する。
イマチニブはここでATPと競合的に結合することで
白血病の増殖シグナルをブロックし効果を発揮する。

 もう一点は副作用が軽微なこと。
最近の臨床研究では、
皮膚に対する重篤な副作用も指摘されているが、
従来の「抗癌剤」のイメージとはかけ離れた安全性を達成している。
これは、疾患特異的な分子を標的としたことが奏効したのである。

 これらの点より
イマチニブが開発されたことは、
CMLの治療成績向上だけではなく、
他の悪性腫瘍でも特異性の高い分子標的薬剤を開発すれば
高い効果と安全性を両立させられる可能性が示されたわけである。

 僕も、かなり感動して、
この記者発表の画像を見ていた。
その後も、CMLの治療にイマチニブが導入されて
良好な経過があちこちで報告されるようになって、
「とうとう、こんな時代が来たのだなぁ!」と
医学そしてハイテクの進歩に、万感の思いを抱いていた。

 イマチニブで、一見治ったようにみえていたCMLだった。
「完全寛解状態で、いつまで飲んだら治癒と言えるのだろうか?」 
などという疑問さえ出ていた昨今であった。

 ところがである。
自然界はそんなに甘くはなかった。
イマチニブが無効となって再発に至る例が出始めた。
原因を調べてみると、
ABL遺伝子のイマチニブ結合部位の遺伝子に突然変異が起こり、
イマチニブが結合できないBCR-ABLタンパクが産生されていた。
他に、
BCR-ABL遺伝子自体が増幅し遺伝子産物が増加しているとか、
多剤耐性p糖蛋白の発現とか、
Srcファミリーキナーゼの活性化などによる
別の増殖機構の進展などが明らかになってきた。
イマチニブだけを投与していたのでは、
白血病細胞が遺伝子型を変えて対抗して来る事が
明らかになってきたのである。

イマチニブで治療をすると、
最初の半年で腫瘍量は診断時の10,000分の1に減少する。
しかし、
次の半年ではその5分の1にしかならない。
診断から2年後まで治療を継続しても、
腫瘍量は10の6乗分の1にしかならず、
診断時には10の12〜13乗個の白血病細胞が体内にあると言われるため、
10の6〜7乗の細胞が残っていることになる。

つまり、人類最初の分子標的薬剤は、それ単独では、
「CMLの治癒」までは行き着けそうにないということである。

自然界の仕組みの奥深さをあらためて思い知らされた。





   12月13日 2005
   
今こそ立ち上がろう!
   ついに北米産の牛肉の輸入が解禁される羽目になった。
政治家の判断は、当然こうなるだろう。

「アメリカの言うことをきかないで、
 貿易の様々な不当な圧力をかけられる。」か

「アメリカの言うことをきいて、
 国民のせいぜい100人ほどがBSEに感染する。」か
の選択だから

「後者の方がお国の利益に(決して国民の利益ではない)なる。」
と判断したのだ。

そもそも、
牛の月齢でBSEの危険を判断すること自体が、
全然、科学的ではない。
「確率が低い」ということは、「安全である。」とは違う。

「牛の月齢で判断する。」という話が始まった時点で
すでにアメリカの土俵に乗せられてしまったわけだ。
もちろん、
日本の賢い官僚達がそんな事に気付かないわけがない。
わかっていても、言えないのだ。

だって、言ってしまったら、この話が終わってしまって、
「もっと怖い報復のストーリー」が待っているのだから・・・。

アメリカという国は、なりふり構わず、そういうことをする。
しかも、
そのことを恥だと思わない不思議な精神構造をしているので、
本当に始末が悪い。

 こうなった以上は、国民が
「北米産の牛肉を買わない。」
「北米産の牛肉を使っている店で、肉を注文しない。」
あるいは、「そんな店に行かない。」
「産地の不明な肉は買わない、注文しない、食べない。」

ということを実践するしかない。

いくら厚かましいアメリカでも、
我々国民の気持ちまでコントロールできないだろう。

日本の政治家を責めても、詮無いことである。
それよりも、腹立たしいのは、アメリカのやり方である。

日本国民を完全になめている。

そりゃぁ、
平気で日本人をモルモット扱いして原爆を落としたのだから、
そんなことは、今更始まったことではないが・・・。


今回は、日本国民が
しっかり怒りをあらわにして、
北米産の牛肉をボイコットするべきである。
安いからといって、決して買ってはいけない。



次の敵の戦略は、
ソフトに我々に、北米産の肉を浸透させることにかかるはずである。
安くて美味しい吉野家の牛丼が復活するのだろう。
スカイラークやガストで、安い牛肉のステーキが出てくることだろう。
これを歓迎するようなマスコミ報道も出てくるのかも知れない。
「みんな普通に食べているが、BSEは発病していない。」
「アメリカは、ちゃんと牛の月齢制限を守っているようだ。」
「危険部位もちゃんと取り除いているようだ。」
と宣伝することだろう。
もともと、確率は低いのだから、当然なのだが・・・。
敵の戦略はしたたかだから、
こんなことに決してごまかされることなく、
速やかにボイコットしないといけない。

少なくとも、僕はそうすることに決めた。



    それから、サイバーアクションのお願い。
以下は、グリーンピースからのメールの一部コピーです。

★2 「手遅れになる前に、今すぐ始めてください」

日本とかかわりのあるアジア、太平洋地域の原生林の破壊について語るため、グ
リーンピースの招きで来日していたインドネシアなど3カ国からの若者が、9日、
都内で講演会を行い、それぞれの国の森林破壊の現状と原生林保護への参加をよ
びかけました。

インドネシアから来日したアブ ハッサン メリディアンさんは、「世界で最も
広大な熱帯林のひとつが、インドネシアにありますが、過去50年間で、40%以
上も消失( 約 6000万ヘクタール消失)してしまいました。違法伐採によって、
この地域にしか生息していないオランウータン、スマトラタイガーなどが絶滅の
危機にさらされています。森林消失により多くの住民が生活に困窮し、伐採企業
は、権利なしに住民を森林や近隣地域から強制的に追い出したりもします。イン
ドネシアからの合板輸入第1位の日本の皆さんに、ぜひ、この事実を知っていた
だき、伐採地から消費者まで追跡できる木材(FSC<森林管理協議会>認証)、
社会的にも環境的にも責任ある製品を選ぶよう、お願いします」と語りました。

パプアニューギニアから来日したブライアン・バーリンさんは、「パプアニュー
ギニアの森は、アマゾン、コンゴに次いで世界で3番目の広さを誇る熱帯雨林で
す。何千種もの魚類、何十万種もの昆虫類が生息し、世界の45種の極楽鳥のうち、
38種がこの地にのみ生息しています。
破壊的で違法な伐採は、これらの生物だけでなく、生活に必要なもの全てを森に
依存している先住民族の人々の暮らしをも脅かしています。このままでは、パプ
アニューギニアの森は、あと3年から10年で全て消失してしまいます。第2位の原
木輸入国である日本の政府は、早急に対策をとってほしい」と語りました。

フィリピンから来日したマリテス・ガタン‐バルバスさんは、「 1990年に国土
の70%を覆っていたフィリピンの森林は、1999年には約25%に減少してしまいま
した。そこには、IUCN絶滅危惧種リストに挙げられている特有で稀少な野性生物
が生息していますが、すべての種が、毎秒ごとに、消失へと向かっていいます。
もし、環境のためにまだ何もしていないのなら、今すぐ始めてください、手遅れ
になる前に!」と訴えました。

12日には、3人はグリーンピースの森林問題担当の尾崎由嘉とともに林野庁と環
境省を訪れ、"違法伐採された木材の輸入規制を!"と書かれた合板を林野庁長官
と環境大臣へ贈呈しました。この合板は、日本政府が違法伐採に立ち向かうとい
う公約をしているものの、未だに違法伐採された原木が大量に輸入され、加工さ
れている事態の改善を求め、輸入規制の即時実施を求めたもので、要請書とと
もに手渡されました。

《 林野庁へ「違法伐採はNO!」の声を 》
消費者である私たちが「違法伐採の木材は輸入しません!」と意思表示をするこ
とが、違法伐採の規制へと動かします。林野庁が早急に対策をとるよう、メッセー
ジを送ってください。一人ひとりの声が、原生林を守る大きな力になります。ぜ
ひ、ご参加ください。
http://www.greenpeace.or.jp/cyberaction/rh/?sup

▽プレスリリースはこちらから
http://www.greenpeace.or.jp/press/2005/20051212_html?sup

▽ 森と共に生きる人々の生活と、美しい野生動物
そして、破壊されていく森の様子はこちらから(スライドショー):
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/forests/pf/slide/slide_html?ph=s01

▽ 違法伐採により生活を奪われた現地の人々の声はこちらから:
http://www.greenpeace.or.jp/campaign/forests/pf/destruction/forest_voices_html?sup

......................................................................

★3 アジア、太平洋地域の原生林破壊を止めるため

グリーンピースではこれまで、違法伐採に関わる企業を現地や日本国内で調査し、
市場での違法伐採の流れを明らかにしたレポートを作成。また、原生林からの違
法伐採木材の輸入を規制するよう日本政府に求め、同時に代替案として国内の森
林の適切な利用を求めてきましたが、政府は違法伐採木材問題の実態を認識して
いるにも関わらず、未だに規制に動き出そうとしていません。

そこで、グリーンピースでは、この12月から来年春にかけて、これら地域の違法
伐採の現状を日本だけでなく関係各国の政府、企業に強力に訴え、また、消費国
である日本で広くこの現状を知っていただくため、オーストラリア、パプアニュー
ギニア、アジア各地のグリーンピース事務所と連携し、様々な活動を大きく展開
します。

●日本の若者を現地へ派遣
来年2月〜3月には、日本の若者をパプアニューギニアへと派遣します。地元の人
々の森林保護活動に携わりながら違法伐採の目撃者となり、日本の人々へ伐採の
現状を伝えます。

●グローバル・レスキュー・ステーションを開設
森を奪われた地元の人々の土地所有権を調査し、本来の土地所有権を地元の人々
と共に確認していく活動を開始します。そのためのテント村「グローバル・レス
キュー・ステーション」をパプアニューギニアに設置し、現地の様子を随時、日
本へ衛星技術で届け、日本国内で発信していきます。

●虹の戦士号がアジア太平洋地域を巡回し、違法伐採をつぶさに目撃
来年、グリーンピースの船、虹の戦士号(Rainbow Warrior)が、3ヶ月をかけてア
ジア太平洋各地の違法伐採の現場に赴き、目に触れにくい違法伐採の輸出入の現
場を調査します。その情報を世界中へ配信し、生態系に配慮された森林管理を求
めるツアーを行います。来春には、主要な輸入国である日本にも来航予定です。

.




   12月 9日 2005
  
 ほれグスリ
   イタリアのパビア大学の研究者が、
最近、熱烈な恋愛に落ちた58名の血液を調べた。


その結果、そうでない人達に較べて
神経成長因子が圧倒的高レベルで検出された。


ただし、この58名も1年後にはめっきり減少していた。


どうやら、この物質が、
「心ときめき」の原因物質である可能性があるのだそうだ。

そのうち、「ほれグスリ」も出来るかも知れない。

でも、その対象は特定できないから、
使っても無駄に終わるかも・・・。




   12月 5日 2005
   
一つの究極の選択
   「運動はするけど、太っている。」のと
「運動はしないが細身。」では、どちらが危険?
米国心臓協会学術集会2005(AHA 2005)において、
この答えの候補が発表された。

この試験の結果によれば、
冠動脈性心疾患(CHD)のリスク因子像が
もっとも優れているのは、
肥満指数(BMI)が正常で多く運動する人であり、
もっとも悪かったのは
体重超過または肥満で運動量が少ない人だった。

しかし、
体重が正常で運動量が少ない被験者のCHDリスク像は、
多く運動するが体重超過または肥満の被験者よりも優れていた。

こ の研究では、
全米健康栄養調査(NHANES)の横断的データを用いて、
運動量がさまざまな20歳から49歳までの若年成人2,178例を対象にした。
被 験者の血液検査では、
総コレステロール(TC)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL?C)、
グルコース、インスリン、フィブリノーゲン、ホモシステイ ンの濃度を調べた。
血圧、身長、体重は標準的な方法で測定した。
運動量は、年齢と性別での標準に合わせて、
循環器系運動を「少ない」「中程度」「多い」に 分類した。

BMIを測定し、
「正常(< 25 kg/m
2)」
「体重超過(25-30 kg/m
2)」
「肥満(> 30 kg/m
2)」
に分類した。

研究者らはBMIと循環器系運動との関係を調べて、
太っていて運動するのと
痩せていて運動しないとの
どちらがより優れているかを検証した。

肥満で運動する群と
痩せで運動しない群とを比較すると、
TC/HDL-C比に有意差が見られ(P=0.0001)、
同様にHDL-C(P=0.0078)、
TC(P=0.0598)、
非HDL-C(P=0.0082)にも有意差が見られた。

また、
収縮期血圧と白血球数にも
肥満/運動群と
痩せ/非運動群
との間に差がある傾向が見られたが、
その差は有意に達しなかった
(それぞれ120 mmHg対112 mmHg、P=00.869、7.24対6.23、P=0.0869)。

今回の研究は
ある一時点のリスク因子を測定する横断研究ではあるが、
ほとんどのマーカーにおいて、
痩せで運動するほうが
太って運動しない
よりも優れ ていることが結果で示された。
「多く運動してBMIが正常な被験者が、
循環器系疾患リスク因子についてもっとも優れていた。
肥満で 運動しない者が循環器系疾患リスク因子についてもっとも悪かった」。

そして、今回の試験結果では、
正常体重で運動しない者のほうが
肥満で運動する者よりも
優れていることも示された。

しかし、
同様の主題を扱った試験は他にもあり、
結果はばらばらである。
同一の条件で、同じものを測定しているわけではないからである。
循環器系疾患リスク因子自体が、
何と何と何であるという一定の決まったものがないからである。
そして、最終的には、これらのマーカーよりも
実際に虚血性心疾患や脳梗塞が発生する頻度を
調べることが重要である。

今回の研究で扱ったマーカーが統計的有意差に達するには、
もっと多人数の被験者と
さらなるフォローが必要だと思われるが、
メタボリック症候群のこともあり、
太るのは危険であることは間違いない。
当然のことながら、
痩せるだけで、
このリスクが一つ減って、
さらに血糖や中性脂肪など
種々のマーカーの値が改善するのだから。





   12月3日 2005
   
3つめの危険な「生」
   今日で危険な「生」シリーズの最終。
さて、3つめは、
なんだと思いますか?

今、けっこう、この病気で来院する患者が多い。
河内長野市の小学校でも、
最近この病気のために、
学級閉鎖があったくらいである。


感染性胃腸炎の主たる病原ウィルスの
「ノロウィルス」である。

「生」と関係ないように思われているが、
「生牡蠣」が、しばしば原因になることがある。

その理由は、ノロウィルスは感染者から、
大量に、しかも長期にわたって
糞便中に排泄されるからだ。
感染を受けた人は、発病に至らない軽症者でも、
糞便中にウィルスを排泄する。
このウィルスが、貝類に入って、貝の中で高濃度になる。
その「貝」を生で食べると、感染する。

たとえ厚労省の基準を満たして、
「生食用牡蠣」として販売されているものでも、
この危険はある。
なぜなら、
この基準には「ノロウィルス」に関する検査が無いからである。
平成15年度の大阪府の調査では、
約10%からノロウィルスが検出されている。

生牡蠣は美味しいけど、
10回に1回は、「ビンゴ!」になっちゃうので、
覚悟して食べるか、加熱するしかない。
潜伏期は、1〜2日くらいである。

もちろん、「生牡蠣」以外でも感染する。
飛沫感染や
手に付いたウィルスを食物と一緒に直接口に入れて発症する。

感染者の便、おう吐物などの処理の三原則。
 @すぐに拭き取る。  A乾燥させない。  B消毒する。

吐物や糞便で汚れた衣類等を片付けるときは、
ビニール手袋、使い捨てマスク等を使う。
また、汚れた衣類等は他の衣類とは分けて洗う。

吐物などで汚れた床は、
ペーパータオル等で拭き取り、
すぐに家庭・台所用塩素系漂白剤(市販品を約10倍に薄めたもの)
を浸した雑巾等で拭き取り、消毒。
拭き取ったペーパータオル等は、
ただちにゴミ袋に入れ、
約10倍に薄めた塩素系漂白剤を入れ、消毒・密閉する。
吐物などを片付けた用具、雑巾類は、
約50倍に薄めた塩素系漂白剤で付け置き洗いを。

ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、
これが口に入って感染することがあるので、
おう吐物や糞便は乾燥させないことが感染防止に重要である。

ちなみに、80℃で1分間の加熱でノロウィルスは不活化される。
だから、加熱すれば、安全である。
ただし、
湯通しくらいでは、中心まで熱が通ってないので危険。
一般の消毒薬の効果は、あまり期待できないので、
よく手洗いをしてウィルスを洗い流すのがいい。

そうなると、やっぱり「酒蒸し」か「フライ」かなぁ!










   12月 2日 2005
   
2つめの危険な「生」
   昨日は、国際エイズデイだった。
世界の先進国の中で唯一、




日本だけが、エイズ患者が増え続けている。


「そりゃぁ、そうだわ!」と納得がいくこと自体、問題である。

本当に、大問題なのだ!
もう、エイズは珍しい病気でなくなっているし、
このままでは、ねずみ算式に患者が増える。
それも、若い人達の間で増える。

具体的なデーターで示すと、

ついに昨年は、
エイズウィルスに新たに感染した患者数が1000人を超えた。
累積患者数は1万人を超えた。
とりわけ、10才台、20才台を中心にした
若い人達に患者が増えている。

しかも、そのうちの30%は、
「いきなりエイズ」を発症している。

たとえ、エイズウィルスに感染しても、
まだエイズではない。

「早い内から、治療を開始することで
エイズを発症しないですむ」

ということを知っておいてもらいたい。

このためには、感染が疑われる場合には、
早期に抗体検査を受ける必要がある。
早期といっても、抗体が出現するのに、
少なくとも6〜8週間かかるから、
だいたい3ヶ月以上経ってから検査を受けるべきである。

ただし、検査目的の献血はやめてもらいたい。
これは、僕に言わせれば犯罪である。
さっきも書いたが、
抗体が出現する前に献血したら、
その血液は、検査をすり抜けて
誰かに輸血されることになる。
当然のことながら、
その誰かは、エイズウィルスに感染する。
・・・・・大きな迷惑である。

エイズ発症が近づくと、
慢性の下痢や、ひどい寝汗、体重減少などが出てくる。

一番大切なことは、予防である。
これは、そんなに難しいことではない。
感染経路は、ほとんど3つだけである。
すなわち、性行為・輸血・母子感染である。

輸血に関しては、
前述のルールを各個人が守るしかない。
他に、個人に出来ることは、
極力、輸血は受けない方がいい。
あらかじめわかっている手術では
自己血を準備することが、もう常識になっている。

母子感染は、医療者側で対処するとして、
問題は、最初の性行為である。
キッスくらいでは感染しない。
精液や膣の分泌液、血液、母乳は感染源になる。
コンドームを使用することが大切である。
たとえ、その相手が信頼できるとしても、
その相手の元彼女や元彼が、どうだったのか?
その元彼女や元彼の、
そのまたもと彼女や元彼がどうだったのかは闇の中である。

僕は、中学生以上にはコンドームを配って、
持たせておくべきだと思っている。
親が渡すのは、さすがに気恥ずかしいものがあるし、
認めているように誤解されるから、
出来れば学校で渡してもらいたいものだ。

保健所から委託して行っている
土曜日や夜間のエイズ抗体検査の陽性率は
0.5〜1%と年々高くなってきており、
感染爆発の準備が徐々に整ってきている。
もうすでに、100人に一人は感染者ということである。

決して、感染爆発が起こってはならないのに・・・、
今の日本は、現状認識が甘すぎる。
昨日だって、
エイズのことに触れて啓蒙する番組は
せいぜいFMラジオだけであったように思う。

 というわけで、2つめの「危険な『生』」は、
「『生』の性的接触」でした!





    12月 1日 2005
    
いい「生」と、危険な「生」
    いい生は、言わずと知れた生ビール!
瓶ビールもこくがあってうまいけど、
生の爽快感も捨てがたい。
生ビールにこだわっている店で飲むと、格段に美味い。
古いビールは捨てるのだそうだ。
そういえば、
美味しいところの生ビールは、少し色が薄い様な気がするが、
僕の独りよがり?

    危険な「生」は、3つある。
まずは、生肉。
焼き肉屋に行くと、生レバーやユッケが、
鳥料理屋では、たたきやささみの刺身が
メニューにあるところがある。
はたして、これが安全かどうかといわれれば、



危険!


としか答えようがない。
例えば、
大阪府の健康保険部長などが食品団体に対して、
今年の6月に要請書を出している。
その一部に、以下のような記載がある。

 生レバー、ユッケ等を生食用として提供する場合にあっては、
「生食用食肉の衛生基準」
(生食用食肉:
 牛又は馬の肝臓又は肉であって
 生食用食肉として販売するものをいう)
を満たしているものを使用すること。

つまり、一般に「生レバー」とか「生ユッケ」とか
いう名前で売られていても、
それは「生」であって、
「生食用」ではないことに注意が必要なのだ。
厚労省が定めた基準を満たしている食肉だけが、
「生食用」として表示されて「生」で食べられるのだが、
実際に流通しているものは少ない。

O-157をはじめとするいろんな細菌で
腸炎が起こってしまう。
僕も、この春に鳥のユッケを食べてダウンした。
この腸管感染症の中には、
カンピロバクターという細菌も、しばしば関与している。
カンピロバクターは、腸炎を引き起こすだけでなく、
腸炎が治ってから、頻度は少ないが、
ギラン・バレー症候群という、
神経が麻痺する怖い病気が起こることもあって、
出来れば罹りたくない病気である。

うちの子供達は、ユッケが大好きで、よく食べるが、
これからは、「やめとき!」と言おうと思う。
僕も好きだけど、この何年か食べてない。

  第2第3の危険な生は、明日以降に。
 

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