DIARY

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    4月30日 2004
    
Sさんに言い忘れたこと
    Sさん、今日は、久しぶりにお会いできて、懐かしかったです。
この前にお会いした時に、「一度いらしてください。」と言っていたんでしたよね。
大事な話をしようと思っていたんです。
なのに、今日は、風邪をひいていて、
頭がガンガンしてまともに考えられない状態だったので、
その一番肝心なお話しをしないで、診察だけして帰らせちゃいました。
すいません。連休明けには、お話ししたいと思います。

   今日、僕が、「幾つまで生きたいですか?」と訪ねたら、
「ウーン、まだ生きたいなぁ!70才まで生かせてよ!」
と答えられましたね。
僕は、その時とっさに答えに詰まりました。
それは、
「僕は神様じゃないのだから、人の生き死には決められません。」
と言う意味で詰まったのではありません。
もちろん、Sさんはそんなことは承知してくださっていると思います。
では、どうして僕が答えに詰まったのでしょう?
「難しいかもしれない。」
という答えが頭に浮かんだからです。

   Sさんは、2年前に、心筋梗塞になりましたね。
考えてみれば、その心筋梗塞はなるべくしてなった様に思います。
血圧が少し高めで、
少し太り気味の体格。
典型的なA型人間。
A型人間とは、
曲がったことが大嫌い。
間違いは、指摘して正さずにはいられない。
何事にも積極的で攻撃的。
ディベートは必ず勝利する。
もちろん、これらの性格は悪いわけではありません。
この性格のおかげで、いわゆる”勝ち組”になれたのも事実だと思います。
ベンツのS600を手に入れることが出来たのもそうでしょう。
でも、その代償が心筋梗塞だったように思います。
まるで、悪魔との取引みたいですね。

でも、どうして、窓まで黒い、黒塗りのベンツなんでしょう。
この車がきたら、間違いなくみんな道を譲ります。
後ろからあおられたら道をあけるでしょう。
割り込みもしたい放題です。
そして、逆に、不愉快な割り込みをされることなど皆無でしょう。

   間違えないでください。僕は、Sさんが大好きです。
兄貴のように慕っています。
だから、どうしてもこのまま突っ走ってほしくないのです。
道を譲ることも、間違いを黙って許すことも、
喜んでするSさんになってほしいのです。
(もちろん、「そんなことは普段から、数えられないくらいしている。」と
答えられるかもしれませんが、”もっと”そして、”喜んで”です。
というより、”自然に”です。)

   もっと言えば、新しい事業展開は、今度は、お金儲けではなく
ご自分の気持ちの良い事業を目指してやってください。
きっと、Sさんは、”新たなること”に挑戦することが好きなのでしょうから、
「もう、事業展開をするな。」とは(言いたいけど)あえて言いません。
でも、もっとゆっくりと、イライラしないで、
Sさん自身のため(あるいは周りのみんなのため)にやってください。

   今、国立病院から出ている薬は、
教科書通りの100点満点の薬です。
でも、このままでは、根本のところが治ってないと思うのです。
生き方を変えましょう!
人生は一回しかないのですから、もっとゆっくりおおらかに生きましょう。
誰のために?
それは、「SさんとSさんの愛する家族のため」にです。






     4月27日 2004
     
記憶力の低下
     最近、記憶力が落ちて、薬の名前や検査の名前が出てこない。
僕の診療所は、職員の平均年齢も高く、みんなで悩む事態がしばしば発生する。
でも、僕の曖昧な記憶で、「ほら、あの水虫の薬で**さんに出していたほら、あの、エーット」
などと言っていると、みんなが必ず探し出してくれる。
そのうち、誰も思い出せなくなったらどうしよう!

     米コネチカット大学によると、
記憶力は磨くことで年齢に関係なく改善できる能力なのだそうだ。
  

     下記のような日常的な脳のトレーニングが推奨されている。

集中する        :注意を払って集中すると記憶しやすくなる。
復唱する        :繰り返すと物事が心に残りやすくなる。
書き留める       :そうすることで思考が強化される。
ゲームをする      :言葉探し、クロスワードパズル、トリビアをする。
新しい技を習得する  :新しい趣味を始めたり、言語を学んだりする。
計画に従う       :日程表に書き込み、頻繁にチェックする。
記憶力を高める食品をよく噛んで食べる
              :果物、野菜、穀類には記憶力を高める抗酸化物質が豊富である。

音楽を聴く        :そうすることで脳が育まれる。
体を動かす       :定期的な運動で脳への酸素供給量が増える。

原文

     僕は、体は動かしているんだけどなぁ・・・。
カルテと日記も書いてるし・・・、全部やるのはしんどいかな?








    4月24日 2004
    
思い上がり
    今までは、他のほとんどの医者がそうであるように、
「出来るだけ早く、癌を見つけて
あげて
 出来るだけ早期に治療をして治して
あげる。」
のが医者の務めだと思いあがっていた。

    最近は、「必ずしもそうとは限らない。」と思っている。
「そんなことは、大きなお世話だ。」という人もいるのだということを、
父が教えてくれた。
父は、今年84才。
今まで病気らしい病気もなくきた。
(検査していないから、本当のところは判らないが、・・・。)
最近ふとしたことから、
「大嫌いな」病院に行かないといけないことになり、
CTを撮った。
どうやら、肝臓に癌があるらしい。
僕は、そのCTを見ていないが、
担当医も、兄(医者)も「そうだろう。」と言っているので、
おそらくそうなのだろう。
父にそのことを話したそうだが、
「ふーん、そう。」で終わり。
手術も含めて治療も検査も、一切受けないそうだ。
今、手術すれば、転移もなくきれいに取れるだろうが・・・。

     僕は、父のくだした結論に異論はない。
母が死んで、子供も大きくなって、
もうやり残したことはないだろう。
きっと、もう心の準備は出来ているのだ。

     それに、今から入院して手術を受けたら、
きっと、この先もう歩けなくなるだろう。
体もぐっと弱るだろう。
放っておいても、あと5年ぐらいは、
肝臓癌は待ってくれるだろう。
後5年したら、父は89才だ。
どう考えても、後5年の父の生活の質を考えると
手術は父にとっていいことにはなりそうにない。
それに、父は、「そんなに長く生きたくない。」と思っているかもしれない。
少なくても、「もう充分に生きた。」と思っているだろう。

     この知らせを聞いて、僕は父の顔を見に田舎に帰った。
帰っても、特に何を話すわけでもない。
父:「あぁ、帰ってきたんか?」 
僕:「うん。元気にしてる?」
父:「あぁ、元気にしてるで。」
僕:心の中で (ウーン!違うんちゃう?)
そのくらいである。

   父は酒を飲まないので、父を後目に弟と酒を飲んだだけだ。
父とは、癌の話は、一言もしなかったように思う。
僕は、「よかったね。」という言葉を飲み込んで大阪に帰った。
誤解の無いように付け加えるが、
僕は心から父を愛している。
わがままを言わせてもらえば、「いつまでも生きててほしい。」

   結局、いつものことのように、話はしなかったが、
無言のうちに、分かり合って帰ってきたと思っている。






    4月21日 2004
    
捨てながら生きていく
    世の中、健全な考えをもっている人達もいるみたいで、
昨日の「自己責任論」に、憂慮する人たちが署名するサイトがあった。
昨日の日記の終わりに追加したので、
読んでみて、賛成なら署名していただければいいと思う。
世の中捨てたものでもないとおもったが、
そんな人たちは政治の中枢にはいないようだ。
(居られないのかもしれない。)

    昨日は、うつ病の若者が来院した。
「3月頃から、体がしんどくなってきて、ずっとしんどい。」
という訴えだった。
    よく話を聞くと、
「3月からクラブのキャプテンになって、
その頃から、気持ちが落ち込んで、しんどくなった。」らしい。
詳しく聞いてみて、軽症のうつ病と診断した。
うつ病の治療の原則は、心の負荷を取りさることである。
キャプテンを辞めるのが一番だが、「辞めない。」という返事。
気持ちは、わかる。
うつ病の人は、みんなまじめで誠実である。
「仕事を休んでください。」と言うと、
「自分が休むと、仲間に迷惑がかかる。」とおしなべて答える。
確かに、うつ病になった医者が書いている本でも、
「休むのが一番だとわかっているのに、薬だけ飲んで、
休めないでギリギリまで悪くなった。」と書いていた。
そんなものなんだろう。
が、出来るだけ説得してみる。
今は、答えがNOでも、
今回の説得が後で効いてくるかもしれないからだ。
「人生、生きていく過程で、何かを選択する時には、
選択しなかった何かを捨てる覚悟が必要だけど、
つい、選択しなかった物も捨てられないで生きていくと、苦しいよ。
   
   どこかで、欲は切り捨てないとツラいから、
体は、一つしかないのだから、
何かを選択する時は、選択しなかったために捨てる物を
はっきりと意識して出来るだけ身軽になりや。」
と伝えたけど、伝わっただろうか?
「キャプテンになるってことは、気楽な一部員であることを捨てることだから
しんどくなったら、キャプテンを辞めることも考えるように。
それは、逃避でも、敗北でもない。
骨が折れたらギプスを巻いて安静にするように、
心が折れたら、心の安静が必要なのだ。
骨も心も、骨折は、数ヶ月で治るから。」と言っておいたが・・・。
まだ若い人だから、何言ってるのか解ってくれてないかもしれない。
おやじの説教だと、思われたらしょうがないけど、
精一杯の対応をするしか、僕には手がない。


    



    4月20日 2004
    
ケツの穴が小さいぜ!
    イラクの人質が解放されて喜んでいたら、
なんだか世間の雲行きがおかしくなっているみたいだ。
「自己責任」?
飛行機のチャーター代の一部請求?
こら!自民党!そして公明党!
おまえら、頭がおかしくなったのか?
はじめから、あのイラクに行くのは、
「命がけ」で行っているのに決まってるだろう!
彼らは、日本のために行っているのではない。
人間として、いても立ってもいられない気持ちで行っているのだ。
イラクの人たちが、日本人に寛容なのは、
そんな人道支援の積み重ねがあるからではないのか?
ジャーナリストのスピリッツが、命がけの報道を支えて、
そのおかげで、我々は、安穏として
その現場の状況を知ることが出来るのではないか。
今の日本は、腐った政治家ばかりで恥ずかしい思いをしているが、
彼らの様な人たちもいることが、救いである。
いや、誇りにしても良い。
それを、自己責任?
迷惑がかかった?
ちゃんちゃらおかしいぜ。
日本にも、彼らのような人が、いっぱいいるんだって、
世界にアッピール出来たんだから、表彰ものだ。
金まみれの政治で、めんたまも頭んなかも腐っちまったんじゃないか?
せめて、世論が保護してやらなければいけないのに、
本人達もその家族も、そんな下らんことでうちひしがれている。
今の日本はどうなっているんだ?
「よく生きて帰ってきた。よかった!」それでいいじゃん。
それですませられないなんて、
ケツの穴が小さいぜ!


     よければ、署名しませんか?
「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリスト等の活動へ
の批判に憂慮します
呼かけ団体/個人および賛同団体/個人のリストはこちら
http://www.jca.apc.org/wsf_support/ngo_statement.html









   4月18日 2004
    
今週は色々あった。
    とにかく、イラクの人質が無事解放されたのは「ほっとした。」
日本人に対してイラクの人たちは
決して悪い印象を持っていないのだと思った。
これまで培ってきた、戦争に反対し続けてきた国の方針が
評価されているのだろう。
どうかこのまま、この方針を維持して、
世界の模範となって貰いたいものだ。

    ところで、イラクでアメリカが包囲して戦争していて、
今停戦している都市の名前は、        「ファルージャ」
サッカーの中田が、所属しているチームは、 「ボローニャ」
では、その前に所属していたチーム名は?  答えは後で!
結構、我が家では、これも悩みの種であった。

    一方、我が家では、飼っているエンジェルフィッシュが卵を産んだ。
週末あたりに孵化するかもしれないと待っていたが、なかなかしない。
あれこれと悩んでいたが、よーく見てみると、
卵がひらひらと流れもないのに動いている。
さらによく見ると、エンジェルフィッシュの
長く立った背びれらしき突起が見える。
「オオッ!孵化してるぞ!」と叫んでしまった。
いっぱいいるけど、全部大きくなったら、どうすべぇ?

   とにかく、明日は、稚魚の餌ブラインシュリンプを買いに行こう。
ブラインシュリンプはエビの幼生で、
乾燥した卵の状態で売っているらしい。
これを、3%の食塩水に入れると一晩で孵化するのだそうだが、
孵化したエンジェルフィッシュのために、
孵化したエビを食べさせるのも、
なんだか、エビがかわいそうな気がするなぁ!


     中田の以前所属していたチームは、「ペルージャ」でした!
     







    4月14日 2004
    
人間だけビタミンCやEの効果がはっきりしない。
    抗酸化ビタミンのビタミンCやEは、
本当に動脈硬化予防に効果があるのか?
理論上は、抗酸化作用があるのだから、効果が期待できるのに、
「効果がある。」という論文と、
「効果がはっきりしない。」(飲んでも飲まなくても差がない。)という論文と、
「有害である。」という論文の3種類があった。

    最新の『Diabetes Care』誌2004年4月号に掲載された研究論文で、
これら抗酸化ビタミンには「効く人」と「効かない人」がいて、
「効く人」には動脈硬化を予防する効果が確かにあるが、
「効かない人」には予防効果がないか、悪化させることもある。
ということが、米国とカナダの共同研究チームから報告された。

   動物実験では、抗酸化力の強いビタミンCとEは
LDLコレステロールの酸化を抑え、
動脈硬化が進みにくくなることが確かめられている。
では、実際に人では、どうしてこのような結果になるのだろうか?

    今回判明したのは、ビタミンCとEには効く人と効かない人がいて、
体内で赤血球のリサイクルを行っている「ハプトグロビン」
というたんぱく質の遺伝子タイプがそれを決めるということであった。
ハプトグロビンとは、血漿中のタンパク質の一つである。
ハプトグロビン遺伝子には1型と2型がある。
私達は両親から一つずつ、遺伝子を受け継いでいるので、
組み合わせは1型を二つ(1/1型)もつもの、
2型を二つ(2/2型)もつものと、
1型と2型を両方一つずつ持つ(1/2型)ものの3通りになる。

1/1型の人(1型のハプトグロビン遺伝子をペアで持っている人)は、
抗酸化ビタミンの摂取で動脈硬化の進行を予防できた。
一方、1/2型(1型と2型のハプトグロビン遺伝子をもつ)と
2/2型(2型のハプトグロビン遺伝子をペアで持っている人)では、
動脈硬化の予防効果がまったくなかった。

    さらに、2/2型でかつ糖尿病にかかっている人では、
抗酸化ビタミンをのむと動脈硬化の進行がかえって早まった。
この研究のベースになったのは、
抗酸化ビタミンの効果を調べた臨床試験の一つ、
「WAVE」(Women's Angiographic Vitamin and Estrogen)。
同試験では当初、抗酸化ビタミンは動脈硬化進行の予防効果がない
という結果を出していた。

    しかし、最近になって「ハプトグロビンの遺伝子タイプによって、
抗酸化ビタミンをのんだ時のLDLコレステロールの酸化されやすさが変わる」
という報告がでてきた。
そこで、「WAVE」試験の研究グループは、
ハプトグロビンの遺伝子タイプ別にデータを見直すことにした。

「WAVE」試験は、動脈硬化のため心臓の動脈(冠動脈)が部分的に細くなった、
約400人の閉経後の女性を対象としたプラセボ対照試験。
くじ引きで2グループに分け、
抗酸化ビタミン(ビタミンCとE)またはプラセボを5年間のんでもらい、
冠動脈の太さ(動脈硬化の進行度)がどう変わったかを調べた。
研究グループは、ハプトグロビンの遺伝子型がわかった299人について、
年齢や血清コレステロール値、糖尿病にかかっているかどうかなど、
動脈硬化の進行に影響するかもしれない因子でデータを補正。
その上で、遺伝子タイプにより抗酸化ビタミンの効果が変わるかどうかを検証した。

    その結果、抗酸化ビタミンの動脈硬化予防効果は、
1型遺伝子をペアで持つ人にしか現れないことがわかった。

    しかし、実は、ハプトグロビン遺伝子に1型と2型があるのは人間だけ。
動物のハプトグロビン遺伝子には1型しかなく、
「動物実験では必ず『効果あり』という結果になるのに、
ヒトを対象とした試験では結果がまちまちになるのは、
ヒトだけに2種類のハプトグロビン遺伝子があるためではないか」
と研究グループはみている。

     だが、真の“悪玉”は、ハプトグロビンではない。
ハプトグロビンは、寿命が尽きた赤血球を回収し、
肝臓に届けて鉄分などを再利用する「赤血球のリサイクル係」として働いている。
抗酸化ビタミンが効きにくい、2型のハプトグロビン遺伝子を持つ人では、
リサイクル効率がやや低く、血中の鉄濃度が高いことがわかっている。
この血中の鉄が、悪さをしているようなのだ。
ビタミンCなどの抗酸化ビタミンを飲むと、
鉄(酸化第二鉄、Fe3+)が還元されて、
体内で酸化第一鉄(Fe2+)ができる。
この酸化第一鉄は、LDLコレステロールを酸化する力が特に強い。
つまり、2型のハプトグロビン遺伝子を持つ人の場合、
血中の鉄分が多いため、
抗酸化ビタミンを飲むと酸化第一鉄がたくさんできてしまい、
かえって動脈硬化が進むという図式だ。

    ただし、「WAVE」試験では約300人分のデータしかなく、
今回の結果が確実というまでの説得力はない。
幸い、欧米ではこれまでに「HOPE」や「HPS」など、
数万人規模で抗酸化ビタミンの効果を調べた大規模試験が行われている。
研究グループは、こうした大規模試験のデータを使い、
ハプトグロビンの遺伝子タイプ別に結果を見直して、
遺伝子タイプが本当に抗酸化ビタミンの効きを左右するのか
を確かめるべきだと提言している。

    この論文のタイトルは、
「The Effect of Vitamin Therapy on the Progression of Coronary Artery
Atherosclerosis Varies by Haptoglobin Type in Postmenopausal Women」。
アブストラクトは、こちらまで。

   どうも、血清鉄は少なめがいいようだ。
世間の医者は、平気で鉄剤を注射するし、
少しでも貧血があると鉄剤を投与するが、
軽い貧血の方が、
血管に鉄が沈着したり、
動脈硬化が進むよりもずっとましなように思う。





     4月13日 2004
     
TVゲームをする外科医は、・・・
     外科の世界も、昔からずいぶん様変わりした。
内視鏡手術が普及して、
メスで体を切り開くことなく、
体に穴を空けて、内視鏡で手術することが多くなってきた。
その方が、体に対する侵襲が少なくて、患者にとってはありがたい。
今では、胆石の手術はほとんど腹腔鏡で行われている。
入院もだいたい一週間以内だし、
手術の翌日から食事も歩行も始まる。

    ただし、やる方はそれなりに修練が必要である。
少し前にも、前立腺の内視鏡手術を
未熟な医者がやったために、患者が亡くなった事件があった。
立体の3次元の世界を、
内視鏡の画面の2次元の世界としてとらえるので、
オリエンテーションがしっかりしていることが必要なのだ。
それに加えて、
すべての人の体の中が同じ構造になっていないので、
ケースバイケースでそれに対応して
臨機応変に対処できる能力が必要になってくる。
つまり、平面画像を頭の中で立体に組み直す能力が必要なのだ。

    これには、慣れが必要なのだが、
実は、1週間にテレビゲームを3時間以上する外科医は
全くゲームをしない医師より腹腔鏡術のミスが37%も少なく、
手術にかかる時間も27%短いそうだ。
テレビゲームは腹腔鏡で身体の中を見て、
組織を縫い合わせる技術と似ているからだそうだ。
意外なところで、意外な物が役立っている。

    もっとも、手術をしない僕がTVゲームをしても、
なんの役にも立たないけど・・・。
でも、また次の、ツゥームレイダーZがでたら、
間違いなしに、1週間に3時間以上するだろう!

    





    4月9日 2004
    
あれこれと
    今日は、いっぱい書きたいことがある。
でも、何よりも、やっぱりイラクの人質のことだ。
     僕個人としては、まず撤退すればいいと思っている。
(もともと、派遣に反対なのだから当然だけど・・・。)
一度撤退することで、
テロリスト達は一般住民から浮いた存在になる可能性があるし、
うまくいけば、一般住民もテロリストを排除しようとするようになるかもしれない。
そして、ちゃんと「建て前」を正して、「アメリカからの要請」で行くのではなくて、
国際社会の一員として「国連の要請」を受けて行ってほしいと願うが、
期待するだけ無駄かな。

   政府は、「テロには屈しない。」を建て前に見殺しにするのだろう。
確かに、「自衛隊は復興支援に行った。のだから、撤退する理由がない。」
というのは筋が通っている。
でも、それは、こちら側の理屈だ。
相手はそう思っていないから、こういう行動に出たのだ。
その理屈を通したいなら、まず、相手と話し合いをすることだが、
話し合いの機会が得られないなら、
お金を払ってでも、アルジャジーラ放送に
「自衛隊は、イラクの復興支援に来た。」ということを
具体的にわかりやすく、大々的にメッセージとして流すべきだ。
それをしないで、3日たったら、「見殺しにした。」と言わざるをえない。
もしそのような事態になるなら、
福田君!
「人の命は地球より重い。」なんて偉そうなことは、二度と言うな!

今日は、ニュースを見ていないが、
政府がどう対応するのか、心配である。

    そういえば、明るいニュースもある。
昨日、駐車場にツバメがやって来た。
二つの巣のうち、奥の方の巣の住人?らしく、
つがいで奥の巣に戻ってきた。
入り口近くの住人?も、近いうちに戻るのだろう。
また、ヒナ達の顔が見られる日もそう遠くなさそうだ。



     以下は、グリーンピースのサイバーアクションです。
イラクの自衛隊撤退要請と青森のウラン試験中止の要請です。
もし、ご賛同いただけるなら、お願いします。

     イラク自衛隊撤退要請
昨日4月8日、イラクで3人の日本人が拘束されました。報道によると、3人を拘束
した組織は、「3日以内に自衛隊を撤退させないと、3人を殺害する」との声明を
出しています。多くのイラクで活動するNGOは「自衛隊が派遣されればNGOの活動
が危険にさらされる。」との危惧を表明していました。今回の事態は想定された
事であり、また自衛隊派遣が人道支援の妨げになることが明らかになりました。

また米国政府の占領政策はイラクの状況を安定させるどころか、ますます危険な
状態にしています。自衛隊はそれを補完しているのです。今回の事態の責任は米
英政府に追随して自衛隊を派遣した日本政府にもあります。政府は責任を明確に
し、直ちに自衛隊を撤退させるべきです。
グリーンピースは日本政府が米国への追随をやめ、直ちに自衛隊の即時撤退を決
定するよう強く求めます。

みなさんの意見を付け加えて、ぜひ、小泉純一郎内閣総理大臣、川口順子外務大
臣、石破茂防衛長長官に自衛隊の撤退を求めるメールを送ってください。
以下のページで記入すると、3者に一度に送れます。
http://www.greenpeace.or.jp/cyberaction/nowar/kzm2004/



三村申吾青森県知事にウラン試験を認めないよう求めるメールを!

核兵器は、猛毒の核物質プルトニウムなどでできています。プルトニウムは、原
子力発電に使う核燃料を燃やすとできてしまう物質です。原子力発電の技術は 、
もともとは、核兵器開発のために研究されたものでした。

日本には、現在原子力発電所が52基あります。日本政府は使用済みとなった核
燃料をそのまま処分せずに、再処理をして、プルトニウムを取り出すことにして
います。再処理工場では、プルトニウムを取り出す過程で大量の放射能を環境中
に放出します。

グリーンピースは、原発から出る使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再
処理に反対し、原発に頼らないエネルギー政策への転換をめざしています。

しかし、青森県六ヶ所村に建設されている再処理工場はほぼ完成し、本格的な運
転の前の試験が始まっています。これまでに水試験、化学試験が行われてきまし
た。この4月には、いよいよ放射性物質を使うウラン試験が予定されています。
本来、ウラン試験は昨年中に開始の予定でしたが、使用済み核燃料貯蔵プールの
水漏れ・不正溶接事件などの不祥事が相次ぎ、総点検をしなければならなかった
ために、延期となったのです。

ウラン試験を行うには、青森県の合意が必要です。三村申吾青森県知事に、ウラ
ン試験を認めないよう求めるメールを送ってください!

サイバーアクションに参加するためには以下の URL からお願いします。
http://www.greenpeace.or.jp/cyberaction/rokkasho/





    4月8日 2004
    
きゅうまるさん
   国道ではなくて、アディダスのスポーツドリンクの名前である。
なるほど、クエンサンに引っかけてあるわけだ。
上手く作っている。
名前だけではなく、内容も優れているように思う。
クエン酸は、運動による筋肉疲労の原因になる乳酸の代謝を促進する。
したがって、乳酸がたまりにくいと、疲れにくくなる。
(ここで言う「疲れ」とは、運動による筋肉の疲労のこと。)
疲れにくくなると、より長時間持続して運動が可能になる。
「そんなもん、気のせいや。」とバカにしていたが、
たしかに、使ってから、
よりスピードを出して、より長時間、持続して走ったり泳いだり出来る。
クエン酸以外にも、ナトリウムも他のスポーツドリンクより多く入っている。
(もっとも、その分少し塩からく感じるが・・・。)
今までは、普通のスポーツドリンクに、塩と酢とアミノ酸
を入れたオリジナルドリンクを作っていたが、
これからは、作るのが楽になった。
普通のスポーツドリンクに903とアミノ酸を入れてできあがり。
ただし、味の保証は・・・・、慣れると美味いけど・・・。
きょうも、今から作って、お出かけ!






    4月5日  2004
    
奇妙な果実
    今日は、朝からずいぶん気持ちが沈んでいる。
朝日新聞の天声人語を読んでからだ。

    イラクで、アメリカ兵が橋につるされた話と、
ビリーホリディが歌ったジャズのスタンダードナンバー、
ストレンジフルーツが重なっているという話だった。
僕も、思いは重なった。
何ともおかしな物だ。
昔は、黒人を吊していたアメリカ人が、
今度は吊されることになろうとは・・・。
もっとも、吊されたのは白人兵とは限らないが・・・。、
もっとも、そんなことはどっちでも同じで、
吊すことが問題なわけだ。
吊した人たちの心は、どんなに荒涼としていたのだろう!
そして、吊された人の身内や家族は、どんなに悲しく無念だっただろう!

    そして、さらに問題なことは、
戦争になって、憎しみがつのれば、
僕だってやるかもしれないことだ。
いまは、「そんなこと、絶対にしない。」とえらそうに言えているが、
戦争になれば、わからない。

    憎しみは人の心に悪魔を生み出す。
今、世界のあちこちで、憎しみの連鎖が大きくなっていることが、
とてもおそろしく、脅威に感じる。

    ストレンジフルーツなんて、もう永久に作らないでほしい。








     4月3日  2004
     
ロード・オブ・ザ・リング
     今日は、やっと ロード・オブ・ザ・リングを見に行ってきた。
結末は、決まり切っているのだが、
どうしても今まで見た関係上、見ておかないと収まりがつかない。

僕としては、スメアゴンがあまりに惨めでかわいそうだった。
せめて、指輪を持って死なしてやればいいのに・・・。
そして、結局、サムが英雄だったような・・・。
それと、ホビットって、裸足で冬の山は足が冷たくなかったの?
それに、足は痛くないの?
あんなゴツゴツの岩の足場を、平気で歩ける筈がない!
僕なんか、5mも歩けない!
まして、人を担いで歩くなんてとんでもないと思うのだが・・・。

    などと思いながら、見ていた。
それにしても、けつが痛かったなぁ!




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