DIARY



    3月30日 2004
    
チョコを食べてダイエット
    イギリスでは、エジンバラの高級ホテルのデザートが大人気だそうだ。
たっぷりのチョコレートソースを食パンでサンドイッチしてバターで揚げ、
砂糖で厚く固めてアイスクリームを添えたものだとか。(うまそ〜)
メニューには1皿1,000キロカロリーと表示してあるのに、
既に8,000皿以上も供されたそうだ。

    ところが、最近カカオに含まれるメタブロミンと言う物質が
ダイエット素材としてサプリメントメーカーから売り出された。
メタブロミンは、中南米産のカカオ豆から抽出した天然物質で、
有効成分は、カカオ豆以外にはほとんど含まれていない苦味成分「テオブロミン」。
メタブロミン中には、テオブロミンが6%、カフェインが1.5%含まれている。
テオブロミンは、血管を拡張させて血流量を上げ、
体温を上昇させる働きを持つ。
また、脳内物質のセロトニンに働きかけて、
食欲を抑え、リラックスさせる作用もあるという。
ダイエット効果を期待できる量は、メタブロミン量として
「日本人は1日1200mg程度」(メイプロインダストリーズ営業部)という。
メタブロミン1200mgは、テオブロミン72mgを含む。
このテオブロミン量は、ココアを1杯のめば摂取できる量だ。
ただし、ココアだと一緒に脂肪などのカロリーもとってしまうけど・・・。

   米国では2003年末、ダイエット成分として人気が高かった「エフェドラ」が、
死亡を含む重篤な副作用を引き起こす可能性があるとして、
米食品医薬品局(FDA)から販売禁止命令が出された
カカオのテオブロミンは、カフェインやカテキンと並び、
ポスト・エフェドラの有力成分として期待されている。
   テオブロミンがダイエットに効く作用メカニズムはエフェドラに似ているが、
「チョコレートとして多くの人がずっと食べてきた成分であり、
安全性は高い。動物実験でも安全性を確認している」と、
開発した米トライアコ社開発所の所長は強調している。

   でも、何も高い金出してサプリメント飲まなくても、
ココアでいいんでないかい?







    3月29日 2004
    
この親にしてこの子あり
    今日、娘の携帯電話が盗まれた。
カバンに入れていて、ちょっと席を離れた隙に、
カバンから携帯とMDプレーヤーを抜かれたそうだ。
昼ご飯を食べながらその話を聞いて、僕は憤慨して
「だいたい、うかつなんや!
そういう大事な物を置きっぱなしにして、席を離れたら、
大阪などでは、そうなるのは必然やろ!」
と言うと、家内と息子が大笑いした。

    考えてみたら、2ヶ月に一回くらいの割で、
僕はポーチをどこかに置き忘れて帰ってくる。
車におきっぱなしにして、(床に転がったまま)
「ない!ない!」と焦っていることは、日常茶飯事だ。
ポーチの中には、携帯もクレジットカードも財布も入っている。
毎回、運良く店の人が保管してくれていて、無事に帰ってくるだけのことである。
「もう、ポーチをもって出かけるのはやめたら!」と家族から言われている。
もちろん僕だって、出来ることならそうしたい!

    その僕の発言だから、おそろしく説得力がないのだそうだ。
たしかに、「この親にしてこの子あり」みたいだ。
でも、携帯をとられたら、電話自体は電波を止めれば済むことだが、
友人などの個人情報が漏れてしまうから、
悪意のある相手なら(って悪意があるから盗むのだが)
人様に迷惑がかかるかもしれない。
よくよく気をつけないといけないが、「うかつ」はなかなか治らない。
誰かいい薬知らない?








    3月26日 2004
   
 たった1個の遺伝子が壊れて・・・
    約240万年前に、猿人のある一つの遺伝子が機能しなくなった。
その遺伝子は、MYH16という名前で呼ばれている。

     米ペンシルベニア大などの研究チームは、
人間のゲノム(全遺伝情報)を分析していて、
筋肉の収縮力に関連する遺伝子に似た未知の遺伝子を見つけ、MYH16と名付けた。
ところが、MYH16は、変異の結果、壊れて機能していないことが判明した。
アフリカや南米、日本などの人を調べると、
すべてMYH16が壊れており、人類共通の変異だった。

一方、チンパンジーなど人間以外の七種の霊長類では、
MYH16に変異はなく正常に機能しており、
屈強なあごの筋肉の形成に重要な役割を果たしていた。

     この変異が生じたのは、約240万年前と計算されている。
そしてこの時期は、
頭がい骨が大きく、猿人より現代人に近い特徴を備えた
ホモエレクトスが出現する少し前に当たっていた。
論文は英科学誌ネイチャーに掲載される。

     つまり、いまから約240万年前に
類人猿のMYH16が壊れて機能しなくなった。
その結果、あごの筋肉が減って、あごの骨も小さくなり
逆に脳を納める頭がいが大きくなったと推定されるわけだ。

     たった一個のあごの筋肉の収縮力を決める遺伝子MYH16。
しかも、それが壊れることによって、
現在の人類に進化する基礎が作られたという説。
なんだか、きまぐれで、雄大な宇宙の摂理を
かいま見たような気がした。






    3月24日 2004
    
花より団子
    僕の田舎は鳥取市である。
この前の連休は、おやじの顔を見に帰った。
母親の墓にも参った。

   鳥取市から車で小一時間の所に倉吉市がある。
そこの打吹公園(うつぶきこうえん)は、桜の名所である。
しかし、桜より何より「打吹公園団子」が、僕の小さい時からのお気に入りである。
あんこ色、白、茶色の三色の団子が一本の串にさされている。
並び方が一本づつ一色づつずれていて、見た目もきれいだ。
でも、なによりも美味しくって、止められない。
最近は、便利になってJR鳥取駅でも売っているので、
わざわざ倉吉まで行かなくても、鳥取駅で買うことが出来る。
もちろん駅までわざわざ行かないといけないのだが・・・。
そんなわけで、20本入りの箱を2つ買って帰った。
嫁さんが「そんなにたくさん!」と驚くのを尻目に買ったが、
案の定、家の子供達も「お気に入り」で、2日で完食であった。
3色の団子の味は微妙に違うが、とてもよく似ている。
ついつい、どの色の団子がどんな味だったか確かめつつ、
いっきに数本は、食べてしまう。
いずれも、ベースの味は「あかふく」のあんこの味に似ている。
思うに、あの味が美味しいあんこの基本の味ではなかろうか?
「ござそうろう」のあんこも、串本の「うすかわまんじゅう」のあんこも
共通のおいしいあんこの味がする。

  打吹公園は、他にも「土蔵そば」が名物で、
古い土蔵(土蔵はどれも古いけど)を改築して、
そこの一角でそばが食べられるようになっている。
もう、味は忘れてしまったけど、美味しかった記憶がある。
でも、桜のシーズンは超満員だ。








    3月22日 2004
    
エビ、ツナ缶などの魚介類も・・・。
     米食品医薬品局(FDA)は十九日、
魚介類に含まれる水銀が健康に害を与える恐れがあるとして、
妊婦や子供に対しエビやツナ缶などの魚料理の摂取を週二回以下にするよう勧告した。

    FDAは、水銀含有量が低い魚介類の場合、
一週間の摂取量を三百三十六グラム(二食分相当)に抑えるよう勧告。
具体的にエビ、ツナ缶、サケ、タラ、ナマズを挙げた。

ビンナガマグロはツナ缶よりも水銀含有量が多いとして、摂取量を減らすよう求めた。
また、サメ、メカジキなどには高レベルの水銀が含まれていると指摘、摂取しないよう勧告している。

   米農務省(USDA)は、
BSEの可能性のある「へたり牛」の食肉市場での流通を禁止していない。
一方、メリーランド州の女性が変異型クロイツフェルドヤコブ病(vCJD)で
死亡した可能性があるとされている。
しかし、これは氷山の一角で、
他にも隠れたvCJDの死亡例が多数存在することが予想されている。
(アメリカは屠殺された牛の0.3%しかBSE検査がなされていない。)
牛(特にアメリカのもの)は、BSEの危険がある。

   鳥は、インフルエンザが問題になっているが、加熱すれば問題ない。
しかし、鶏肉には発ガン物質であるヒ素がかなり含まれているという研究がある。
鶏の腸内寄生虫を押さえるために餌に混入されるらしい。
平均的消費量から計算して一日に鶏肉だけで3.65μgの無機ヒ素が摂取されている。
飲料水や粉塵・煙などからも取り込まれるので、
牛を食べないからと言って、鶏肉の摂取が多いと問題になりそうだ。
  
    そして魚介類だ。
魚介類も水銀やポリ塩化ビフェニール(PCB)などの汚染が問題である。
魚介類では、これら物質は生物学的濃縮によって蓄積されている。
また、たとえばサケは、
天然のサケより養殖のサケの方が汚染されている。
「いったい何食ったらいいの?」
と言いたいところだが、
「大量のサケの摂取による発ガンのリスクは、
魚の摂取不足による心疾患の発症リスクよりも優位に低い。」のだそうだ。
(「だからどうなの?」と言いたいけど・・・。)

まぁ、言えることは、昔から言い古されてきているが、
極端に走らないで、バランスよく食べるのが結局一番ということみたいだ。
   


 





    3月15日 2004
    
救命の現場では・・・。
    13日にAED(体外式自動徐細動機)の講習があった。
AEDは、もう航空機には備え付けられて、
その場に医者がいなくても、航空機の添乗員が使うことが認められている。
最近では、高円宮さん(?だったと思う。)がスカッシュをしていて急死された。
あの事例も、そばにこの機械と知識のある人がいれば
助かった可能性が高い。
おそらく、今年中にはAEDは誰が使っても良いという法案が通るはずだ。
いわゆる、電気ショックであるが、機械が自動判定して
必要な時は電気ショックの電流が流れるが、
そうでない時は電流は流れない。
心室細動などの致死的不整脈は、これが出現してから、
電気的徐細動が施行されるまでの時間に依存して
指数関数的に死亡率が高くなる。
徐細動を早くすればそれだけ助かる確率は高いのだ。
アメリカでは、カジノに設置されている。
カジノの警備員には、AEDを使った蘇生のトレーニングが施されている。
そして、カジノ内はビデオで常時、隅々まで監視しているから、
急に誰か倒れても、発見が早く、救命率がとても高い。

    日本にも早く普及してもらいたいものだが、とても高い。
安いものでも、20万円以上する。
せめて、そういうことがおこりやすいスポーツクラブや体育館などには
設置してもらいたいが、まだ啓蒙が足らない。
僕が行っている光明池のコスパでも、
インストラクターにこの話をしたが、ピンときていないようだった。

    そういえば、この講習会に来ていた近大の救命センターの医師も、
(主に彼がこの専門担当のようだが、)
尊厳死宣言に対しての認識が大変に甘い。
救命のテクニックばかり勉強して、
肝心な「人を診ること」が、この分野では特に遅れている。
(なにしろ、大体の場合は、救命する相手は呼吸してないか、虫の息だから・・・。)

    アメリカのマニュアルでは、尊厳死宣言をしている人に対しては
緊急蘇生術は施行しない。
なんでも、「尊厳死宣言をしていた担癌患者が心室細動になって、
それを蘇生して助けたら、訴えられて負けたから。」だそうだ。
ちょっと待ってくれ!
冗談じゃない!
尊厳死宣言は、
「助かる病気まで助けないでほしい。」と言う宣言ではない。
そこの所を、ちゃんとふまえて蘇生に当たるように彼に伝えたが、
「マニュアルではそうなっている。」と融通の利かない返事をしていたので、
「マニュアルを見直すように、学会等で検討してほしい。」と伝えたが、
果たして、やってくれるかどうか、(やっても受け入れられるかどうかも)疑問だ。
当面、尊厳死宣言には、
そうした心室細動などの「救命したら元に戻る疾患の救命はしてもらいたい」
という一文を入れている。
さもないと、救命されないで放っとかれてしまうから。
もし、古いバージョンの尊厳死宣言をもっておられる方は、
是非、速やかに新しいバージョンに切り替えてもらいたい。


   「神よ、私に変えられるものを変える『勇気』と、
    変えられないものを受け入れる『冷静さ』と、
    その二つを見極める『知恵』を与えたまえ。」
                   (神学者ニーバー)って欲張り?





    3月12日 2004
    
続き(うつ病について)
    うつ病は、気分障害の一つの病型である。
自殺の大きな原因がこの病気だ。
うつ病は、その原因によって二つに分類される。
すなわち、一次性うつ病と二次性うつ病である。
一次性うつ病は、特定の原因がなく発症するもので、
二次性うつ病は、薬物や様々な病気に伴って発症するものである。
たとえば、高血圧症の薬であるβ−ブロッカーとか、
よくTVで宣伝しているH2ブロッカー(たとえば、ガスターテンなど)の薬物、
甲状腺機能障害やパーキンソン病、身近なところではインフルエンザなどの
病気に伴って発症する。(実は、風邪後のうつ状態は意外とよく遭遇する。)

うつ病は、原因による分類以外にも症状による分類がある。
すなわち、大うつ病と気分変調性障害である。
簡単に言えば、典型的なはっきりとしたうつ病(大うつ病)と
それほど重くはない抑うつ状態が慢性に経過する状態である。
ここでは、大うつ病の基準を紹介したい。(知っておいてもらいたいから)

まず、以下の症状(1.か2.)のうち、少なくとも一つがある。
1.抑うつ気分
   :気持ちが沈んだり、滅入ったり、悲しくなったり、憂鬱になったりする。
2.興味または喜びの喪失
   :仕事や趣味など普段楽しみにしていたことに興味を感じられなくなった。

   次に、以下の症状を併せて、合計で5つ以上が認められる。
3.食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加
   :一般にうつ病では食欲が低下する。しかし、逆に食欲が亢進することもある。
4.不眠あるいは睡眠過多
   :寝付きが悪くなるだけではなく、夜中に目が覚めて寝つけなくなったり、
    朝早く目が覚めてしまったり、悪夢にうなされたりする。
    特に、朝早く目覚めるのはうつ病の睡眠障害の特徴。
    逆に「寝ても寝ても倦怠感や眠気がとれない。」という訴えもある。
5.精神運動性の焦燥または制止(沈滞)
   :体の動きが遅くなったり、口数が少なくなったり、声が小さくなる。
    このような状態を精神運動制止(遅滞)と言う。
    また、逆に、じっとしていられないほど焦燥感が強く、足踏みしたり
    落ち着きなく体を動かしたり、歩き回ったりすることもある。
6.易疲労感または気力の減退
   :いつもより疲れたり、体が重く感じる、何をする気も起こらない。
7。無価値感または過剰(不適切)な罪悪感
   :自分を価値のない人間だと感じたり、悪いことをしたと罪悪感を感じる。
    根拠なく自分を責めたり、過去の些細な出来事を思い出しては悩む。
8.思考力や集中力の減退または決断困難
   :注意が散漫になって、集中力が落ちる。
    中年の人は、「自分はボケてきたのではないか?」と心配する。
    高齢者の場合は、痴呆のようにみえることもある。
9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図
   :うつ病の時は、自分の気持ちを抑える力が弱くなっているので、
    普段考えられないような思い切った行動をすることが多い。
    症状が少し良くなった時に自殺の危険は高まる。
    (死ぬ元気がなかったのが、症状の改善とともに、死ぬ元気が出てくるから。)

   これらの症状が、一日中ほとんど毎日あり、2週間にわたっている。
一般身体疾患や物質(薬物やアルコールなど)では説明が付かない。

   この時は、強くうつ病を疑って精神科医に受診させて(あるいは受診して)ください!
うつ病は「心の骨折」だ。ある期間治療すれば必ず治る。






    3月10日 2004
    
自殺を予防しよう!
    我が国の年間の自殺者(自殺に成功?した人の数)は、
それまで、2万2千人くらいで推移していたのに、
1998年から一挙に3万人台となり、そのまま続いている。
(ちなみに、交通事故でなくなる人は1万人を切っている。)
その4割は40〜50才台の働き盛りの世代である。
また、少なく見積もっても、成功者?の10倍は
失敗者?が存在すると推定されている。
また、自殺あるいは自殺未遂が1件あると、
強い絆のあった人の最低5人は深刻な心理的影響を受ける
と考えられている。
単純計算すると、自殺した人とその絆のある人だけでも15万人。
自殺未遂とその絆のある人を含めると
少なく見積もっても150万人を巻き込む事態なのである。

    自殺の危険因子
1.自殺未遂歴     最も重要な危険因子
              たとえ、それ自体が死に直結しないような自傷行為であっても。
              たとえば、余分に睡眠薬を飲むとか、手首を切るなど。
2.精神疾患の既往  気分障害(うつ病)、統合失調症(精神分裂病)など
3.サポートの不足  未婚、離婚、配偶者との死別、職場での孤立
4.性別         自殺既遂者:男>女 、 自殺未遂者:女>男
5.年齢         年齢が高くなると自殺率も上昇
6.喪失体験      経済的損失、地位の失墜、病気やけが、業績不振、予想外の失敗
7.他者の死      精神的に重要なつながりのあった人が突然不幸な形で死亡。
8.事故傾性      事故を防ぐのに必要な処置をとらない。
              慢性疾患に対する予防や医学的助言を無視する。

   もし、誰かから「死にたい。」と打ち明けられたら!
まず、誰かにそう打ち明けられたら、それは重要なメッセージだ。
「たまたま、そこに居た誰か」に打ち明けたのではないことを
まずしっかりと認識してほしい。
今までの関係から
「この人なら、自分の絶望的な気持ちを真剣に聞いてくれる。」と思って
意識的、あるいは無意識にあなたに打ち明けたのだ。
あなたは、その絶望的な魂の救いを求める声を
真正面から受け止めてあげないといけない。
話をそらしたり、叱ったり、社会的な価値を押しつけたり、
性急に助言しようとしないでほしい。
「死ぬ気でがんばれば、何でも出来る!」とか
「家族のことを考えろ!」とか
「命を粗末にしてはいけない!」などの言葉は、むしろ禁句だ。
重要なのは、

徹底的に聞き役に回ること。

十分に時間をかけて、相手の訴えに耳を傾けて、
そのうえで助言をしないと、相手は聞いてくれない。

   前述の「自殺の危険因子」をいくつも満たすような人には、
こちら側から、はっきりと言葉にして質問してもかまわない。
傾聴するという態度を忘れずに、
真剣に相手を思いやる態度で自殺願望の有無をきいても良い。





    3月 8日 2004
    
杞憂
    お年寄りの患者さんで、
脈がとんで具合の悪い人が何人かおられる。
アダム・ストークス発作といって、
何秒か心臓の脈拍が途絶えて、
その間、脳に行く血流が途絶えるため、意識がなくなって倒れてしまう。
場合によっては、非常に危険なこともある。
発作は、何時、どこで、おこるかわからないから、
階段でおこれば、転げ落ちてしまうし、
風呂でおこれば、おぼれてしまう。
「ペースメーカーをつけたら良くなるんだけど・・・。」と言うと、
「先生、それだけは堪忍してや。」と答えられる。
「もう十分生きたから、そんなもん付けとぅない。」のだそうだ。
思わず、「ほんまやなぁ。」とあらぬ返事をしてしまう。
相手によっては、この発言は大問題だ。
「あんたは、もう十分生きたんだから、治療はもうええやんか!」
と言っているわけだから・・・。
でも、僕がもう少し年をとったら、
きっと同じことを考えて、同じことを言うだろうと思う。
きっとその思いが伝わっているので、問題にならないのだが、
どうも軽率さが抜けない。

    医学が進歩して、本当にいろんな病気の治療が進歩した。
人が、長生きするようになった。
そのうち、いくつかの癌は、
薬を飲むだけで治る時代が到来するだろう。
実際に、もう、白血病など一部のものでは、それは現実になってきている。


人類はそうなることを目指して、医学を発展させてきたし、
これからもきっとそうしていくだろう。


癌が治っちゃう世界!


それって、本当に理想だろうか?
いよいよそれが現実になってきてみると、

僕は、「空恐ろしい!」と思ってしまう。

年をとって、自分の足で歩けなくなって、
下の世話も、自分で出来なくなっても、
生きていなくてはいけない世界は、きっと苦痛だろうな。
癌は、ある意味、救いだったのかもしれない・・・。
と思うのは僕だけの杞憂だろうか?

もちろんそんな考えを人様に押しつける気は毛頭ないけど・・・。
そのうち、「癌になったら、癌で死ぬ権利」
も主張しないといけない日が来るかも。







    3月 5日 2004
    
♪オケラだぁって、蛙だぁって、鶏だぁってぇ〜
    今朝の新聞に、坂口厚生大臣が、
「牛も、鳥も、”モウ、ケッコウ!”」と言ったことが載っていた。
確かに、そうも言いたくなるのはわかる。
でも、ふと鳥のことを思ってしまう。
インフルエンザが流行ったという理由で、何万羽もの鶏が殺されてしまう。
(もっとも、そうでなくても”お肉”になっちゃう運命なのだろうけど・・・。)
ふと、ナチのホロコーストを思い浮かべてしまった。
もちろん、ホロコーストとは違うけど、
それって人間の理屈であって、鶏にしてみれば、同じかもしれない。
突然、全員集合をかけられて、一斉に殺されちゃうんだから・・・。

    考えてみれば、(今回のことでよくわかったけど)
我々は、ずいぶん多くの鶏を殺して食べている。
僕も、焼き鳥大好きだし、焼き肉大好きだ。
ベジタリアンには、当分なれそうにない。
でも、なんだか、自分の業の深さに憂鬱になってしまった。

    漁をして、捕った獲物を食べるのはわかる。
でも、みんな漁が出来るわけではないから、
漁をして捕った獲物を、
漁をしない人がそれを買って食べるようになった。
それも、良いとしよう。
家畜を飼うようになったのも、それを食べるのも、
それを買って食べるのも良いだろう。

   だけど、それが高じて、
大量に家畜を育てて、
大量に殺して食べるようになってしまったことには、違和感がある。
家畜も生き物だ。
生き物として大切に育てられてお肉になっちゃうのなら
それもいいが、
物のように扱われて、
機械的に管理されて、
肉片として死んでいくのは、あまりに切ない。
そう思えてしまう。

・・・でも、大切に家畜として育てたら、
情が移って殺せないか!






    3月 1日 2004
    
儲かるかな?
    鳥高病原性インフルエンザが出現して、
人類は、今のところ、押さえ込みに失敗している。
多分この先も失敗しそうだ。
(鳥高病原性インフルエンザとは、
何種類ものインフルエンザウィルスがあって、これらが鳥に感染するが、
その中で、鳥をいっぱい殺してしまうタイプのインフルエンザウィルスのことだ。
インフルエンザウィルスも生き残る戦略として、
寄生した相手が死なない方が都合が良いわけだ。
なぜなら、相手が死んでしまえば、ウィルスも行き場が無くなってしまうのだから。
でも、確率の問題なのだろうが、何十年に一回くらい、
強毒性のウィルスが出来てしまうみたいだ。)

   たぶん、次のステージは、
鳥から人への感染があちこちでポツポツ出てきて、
ある時から、それが人から人に感染るようになってきて、
感染爆発(パンデミック)が起こる。
これを防ぐために、すでにワクチンの開発が始まっている。

  H5N1型(今流行っている鳥高病原性インフルエンザ)のヒトワクチンを作る場合、
候補株は2〜4週間で開発できる。
だが、それからが時間がかかる。
抗原性(ウィルス独自の蛋白)と免疫原性(人が異物として攻撃する蛋白)が
基ウイルスと同じであることの確認、
安全性の確認、大量生産に適した株かどうかの確認、
ヒトでの有効性の確認、そしてヒトでの安全性の確認だ。
結局、候補ウイルスを決めてから大量生産まで3〜4カ月かかる。
その後、製剤の試験を行ってから出荷されるので、
トータルとしては着手してから供給までは6カ月はかかる。

 さらに、今回のH5N1型は強毒性なので、
ワクチン生産用の発育鶏卵が
ウイルスを植え付けたときに死んでしまい、ウイルスが増えない。
  さらに、インフルエンザのためにいっぱい鶏が死んでしまうし、
インフルエンザが発生した地区の鶏は
すべて処分されてしまう。(卵が無くなる。)
また製造従事者が感染を受けると重症化する危険もある。
そこでウイルスを遺伝子操作で弱毒化してから鶏卵に植え付ける必要がある。
ただ、弱毒化するときに抗原性に影響が出ないところを操作しなければならず、
同じ抗原性を有するかの検証が必要となる。

 ワクチン製造体制については話し合いが進んでいる。
先ごろWHOとワクチンメーカー社が合同カンファレンスをした。
メーカーは、
「WHOによってワクチンのヒトへの安全性が確認されるならば、生産する。」ということだった。
今回は、緊急なので、
WHOの設計通りにメーカーが生産することになるだろう。
ただし、遺伝子操作に関するパテント料については、
日本でも各メーカーがパテントを持つメッド・イミューン社
(米国カリフォルニア州)と契約を結ぶ必要があるだろう。

 ワクチン製造の特許の問題については、
既に米国、日本、英国、ドイツ、カナダなどのG7政府が介入して調整している。
特許を保持しているベンチャー企業(メッド・イミューン社)は、
第1相臨床試験まではこのままやっていいと言っている。
第2、3相試験の必要性は状況に応じて判断されるだろう。
開発を進めながら、パテント料の問題は解決していくことになろう。
 
 遺伝子操作によるワクチン製造のためには、
たくさんの工程、処理があり、多くの特許が絡む。
メッド・イミューン社は、他の人・会社が開発したそのほとんどを買い集めていた。
それで、交渉先が一社で済むのでかえって良かったという面がある。
特許ごとに持っている当事者が異なれば、まとめるのが大変なところだった。

 これからのワクチンの製造計画、
特に生産キャパシティーの割り振りをどうするか、早く決めないといけない。
近く、次期シーズンのWHOインフルエンザワクチン推奨株選定会議があるが、
通常のインフルエンザワクチンの生産キャパシティーを、
新型インフルエンザ用に振り分けることも必要と思われる。

 H5N1型インフルエンザを発症した患者から採取されたウイルスを解析して、
構造にヒトウイルスとの交雑部分が見られたり、
ヒトウイルスに近い配列があれば、
パンデミック(爆発的に感染が広がること)のリスクが高まっていることを示す。
そうした兆候が見られたら、
来シーズンの既存インフルエンザワクチンの生産より、
新型インフルエンザワクチンの生産に、生産キャパシティーを振り分ける判断も必要かも知れない。

   と言うわけで、MedImmune社の株はどうだろう。
先週まで、24ドル台だったけど、今週は25ドルくらい、


興味のある人は、(ネットでの売買なら)
Meネット証券 http://www.me-net.jp/HomeVisitor.html
で口座を作って、さらに、米国証券の口座を作る必要がある。





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