横浜線異聞


大口きくな、小突くぞ
  横浜線異聞(1)

 JR横浜線下り電車は東神奈川駅を出ると京浜東北線を高架で跨いで北西に向きを変え、一路八王子へと向かう。最初の駅が「大口(おおくち)」、次は東急東横線との接続駅「菊名(きくな)」、ひとつおいて「小机(こずくえ)」と続いていた。
 古い人は横浜線が止まる駅の順序を覚えるのに、「大口きくな(菊名)、小突くぞ(小机)」と笑い話に置き換えていたらしい。現在は菊名と小机の間に東海道新幹線との乗換駅「新横浜」が割り込んだので、この小話は通用しない。
 
 大口の西口前はロータリーがあって路線バスも発着している。ロータリーの中は有料駐車場、その中心にはなんと大きなフェニックスが植えてあった。 西口から3分ほど歩く距離に横浜大口郵便局があり、とても混んでいた。東口には直ぐ前に大口駅前郵便局がある。

【写真:駅前にフェニックスが植えてある大口駅】



 菊名では東横線への乗り換えは便利だが、JR専用の改札口を出るとやや裏口といった感じ。綱島街道方面に出るのには、階段を上って東急菊名駅の改札口前を通り越して今度は階段を下りる。すこし東へ歩くと跨線橋もあるが。東急駅の階段を下りるとすぐ脇に駅前郵便局があるが、ここは訪問済み。折角下車したのだからと港北郵便局まで歩く。通帳には株式会社ゆうちょ銀行港北店との局名印をもらった。

【写真:JR菊名駅の出入り口は小さく、東急東横線の菊名駅北口の脇にある。】




 小机駅は新しく作られた階上駅だ。日産スタディアムへの最寄り駅である。試合の前と後での客の動態に合わせるのか、ホームから階上へのエスカレータは上り下りで幅が違うのが珍しい。小机駅の近くに郵便局は見つからなかった。
 もう一つ、大口と菊名との間に寺尾トンネル(約700メートル)がある。京浜地帯を走る横浜線には、これを含めて3っつのトンネルがある。もっともさらに都心を走る中央線にも四谷と信濃町の間に御所トンネルが、山手線にも駒込と田端間にもトンネルがある。意外と首都圏は起伏があるのだ。
(訪ねた日:2008年2月8日)



人生流転のすえ、新興宗教に入信??
   横浜線異聞(2)

 JR横浜線は東神奈川=八王子間を走っているが、橋本着・発の区間運転の列車もある。下り橋本止まりの列車は2番線ホームに発着する。このホームの相模原方面の端に、面白い標識を発見した。
 「流転注意」「入信よいか」などとある。思わず“人生流転のすえ、新興宗教に入信か”と、連想してしまった。不届きな連想ではある。

 橋本駅を上り方面に発車してすぐの左側に、数本の電留線を持つ小さな電車基地がある。この線区を走る普通電車には「横クラ」とあるので、横浜支社鎌倉運転所所属の車両であろう。(東神奈川電車区というのはどうなったのかな)。その分駐所ということになる。
 車庫に出入りするさいの入換信号機(入信=いれしん=と読む)が十メートルほどの先方に立っているので、その確認を見落とさないようにとの標識であろう。車庫への出入りには、上り本線を横切ることになる。
 折り返し運転の場合、ドアを開いて乗客を乗せて出発時刻を待っている。乗客を乗せたままブレーキの緩みなどで電車が動くのを、「流転」と言う。乗ったり降りたりするさい、足を出したときに電車が少しでも動くのはとても怖いし、危険である。
 中央線塩山駅の、今は使われていない貨車留置線の脇にある電柱には「転動注意」という標識がぶら下がっている。転動とは留置中の車両が勝手に動き出すことを言う。
2008年2月19日

橋本の別れ
 横浜線異聞(3)


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