担当演出 1998.4.15 96年8月に始った「キッズ・ワークショップ尼崎」は、98年3月29日の神戸演劇フェスティバルに 公開レッスンで参加して、1年8ヶ月の時を積み重ねている。 メンバーの子供達は成長し、自然の成熟の中で、心も体もより大きくなっている。 子供達の成長に「キッズ・ワークショップ尼崎」が役に立ったかどうかその答えは見えない。 しかし、創発性(創造性・自発性)の可能性には、幾らかでも貢献できたかも知れない。 私達は子供達の潜在的な緊張を解放して、本来ののびのびした心身を取り戻して貰うことを目的としたが 体験できたのは、大人達の「やっているんだ」という自己満足や、 単に場を創って「自由に遊ばせる」ことに終始してはならないということだった。 初め子供達は、大人の顔色や指図を待つ傾向にあり、自立性がなかったが、 自分の発想や行為が人に認められ、褒められるという自信がつくと、各々の個性が表現されるようになった。 いつもと違う場にいるという自覚、対等に扱われ、期待され、評価され、 褒められるということが、行為への集中と自分の発見につながっていったようだ。 私達は、子供を一人の女性、男性としてできるだけ対等に扱った。 ルールをつくり、課題を提供し、ひとり一人がぶつけてくる答えを、率直に評価し、 褒めるか、もっと工夫を促すか、「待つことと評価すること」の二つを実践してきた。 一番警戒したのは、子供達に何かを教える事だ。 教える事よりも、子供達に発見してもらうこと、発明してもらうことが大切だった。 何か教えなくては成らない時も、時間をかけて、子供達が必要性を感じるまで待つことが大事だった。 子供達はルールの中で、達成すべき課題を一つ必ず達成する、そのことの繰り返しと、 そのための創意工夫が、より困難な課題を解決していく力を身につけていってくれたようだ。 子供達は本来豊かである。そしてやはり豊かであった。 親は森を見て樹を見ていない。森はこう繁るという枠を作ると、 子供がどのような樹に育っているかを見ずに、森を整えようとする。 大切な自分の子供の本質をみていない。 いつも樹を見守って、伸びやかさや歪みを、すばやく感じとる事だ。 次のステップで考えなければならないのは、子供達をゆがめている親や環境そのものであろう。 |
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