秋田家のヨーロッパ旅行記


−オランダ−

我が家が3年間を過ごした国、オランダでの体験を紹介します。

<目次>
  1. オランダのあらまし
  2. オランダの気候
  3. オランダ人について
  4. オランダでの生活
  5. ハーグと首都アムステルダム 2002/02/07 update
  6. 風車とチューリップ−キューケンホフ、キンデルダイク、ザーンセスカンス 作成中
  7. 民族衣装と工芸品−フォーレンダム、ヒンデローペン、マッカム、デルフト
  8. 人が作った大地−大堤防とゼーランド
  9. 運河と牛とゴルフとスケート
  10. フェルメールとゴッホ
  11. オランダの味−ゴーダ、エダム、アルクマール他
  12. 飾り窓とコーヒーショップ
  13. 誕生日とクリスマス
  14. オランダの都市めぐり
<オランダのあらまし>
オランダは、九州ほどの国土に約1500万人ほどの人々が生活する小さな国です。中学校の社会科では、世界でも人口密度が大きい国というように習った覚えがありますが、実際に来て見ると見渡す限りの牧草地が広がるのどかなところです。 オランダ最高地点 この国はとにかく平らな国で、最も標高が高いところ(写真左)でも、約300m強しかありません。(ベルギー及びドイツとの三国国境に当たるところ(写真右)のすぐそばにあります。)3国国境国土の約1/6は海面下であり、国の玄関口であるアムステルダム・スキポール空港も海面下にあります。首都はアムステルダムですが、実際の首都機能はハーグにあり、政府機関や各国の大使館が集中しています。狭い国土ながらヨーロッパ有数の農業国であり、郊外に出るといたるところ牧草地で、乳牛がのんびりと草を食べています。ゴーダチーズやエダムチーズなどは有名で、日本人にも非常に食べやすい味です。その他には、これも非常に有名なチューリップの球根はもちろん、色とりどりのカラーピーマンであるパプリカなどが日本に輸出されています。日本との関係は、教科書で学ぶとおり、ヨーロッパの国の中でも歴史上最も日本との関係が深かった国です。鎖国時代にはヨーロッパの言語といえばオランダ語であり、ビール、ブリキなど、オランダ語を語源とする日本語も数多くあります。(おてんばとか、博多どんたくのどんたくなどもオランダ語が起源だそうです。)リーフデ号が日本に流れ着いて日本との交流が始まった1600年から400年目の2000年には、日蘭交流400周年の記念行事がたくさん行われ、天皇・皇后両陛下もオランダを訪問されました。欧州大陸では、最も英語が通じる国であり、日本企業もたくさんオランダに本拠を置いています。
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<オランダの気候>
オランダの気候は、日本と比べれば非常に冷涼な気候といえます。(緯度がカムチャッカ半島程度であることを考えると十分暖かいといえますが。)大体夏至前後が最も気温が高くなりますが、それでも20℃台であり、住宅にはまったく冷房は不要です。(海水浴場はあっても、泳いでいる人はほとんどいない。)たとえ暑くなっても、非常に湿度が低いのでじめじめした暑さはありません。逆に、日本人は乾燥のためのどを痛めることがあるので注意が必要です。8月も後半になると朝晩は冷え込んで霧が出たりします。11月を過ぎると朝晩は0℃近くまで下がってとても寒くなります。真冬は、時にはマイナス10℃くらいまで下がることがありますが、氷が張ることはあっても、雪はほとんど降りません。天候はやたら不安定で1日のうちにもころころ変わります。天気予報は「晴時々曇時々雨」みたいなのが当たり前で、従ってあまり当てにできません。その代わり、一日中雨ということもあまりありません。この変わりやすい天気のため、オランダ人は傘は持ち歩かず、雨でも平気で傘もささずに歩いたり自転車に乗っているといわれます。(実際はちゃんと傘をさして歩いている人もたくさんいますが。)緯度が高いので、夏は異常に日が長く、冬は日が短くなります。夏場は夜11時にならないと暗くならないので、花火大会はそれ以降の時刻になってしまいます。逆に冬は、真っ暗なうちに仕事に出かけて、明るいうちに帰ってこられることはありません。夏になると、人々はオープンカフェや自宅のベランダでビールなんかを飲みながらゆったり過ごします。
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<オランダ人について>
オランダ人の外見で目に付くのは、とにかく大きいことです。成人男子の平均身長は180cmを越えるそうです。だから、オランダの店では、洋服も靴もサイズが合うものがありませんでした。オランダ人の気質に関しては、Perfect Europianの絵葉書に語られるとおり、「ケチ」というのが有名です。たしかに、割り勘を表すDutch accountなど、それらしきことばがありますが本当にそうか?例えばこんな話があります。
  • オランダ人は体は大きいが、燃費のよい小さい車を好み、さらにちょっとした用事なら自転車を使う。
  • ある日本人が、家で不具合があったので修理するよう大家さんに依頼したところ、大家さんが自分で修理しにやってきた。
  • オランダ人が行く団体ツアーに参加したら、フィレンツェでウフィッツィー美術館に入館せずに美術館の前で写真を撮った。
  • フランスのバカンス地ではこういわれている。「日本人やスイス人はお金を落とすが、オランダ人はゴミを落として帰っていく。」事実、オランダ人は(食料の安い)オランダのスーパーで買った食糧を目一杯キャンピングカーに詰め込み、フランス国境沿いのドイツの高速道路を通って、(ドイツの高速は無料だが、フランスは有料)現地での買い物もスーパーで最低限の食料を買うだけであるらしい。
やはり、ケチといわれればそうなんでしょうね。ちなみに、オランダ人が着ているものも、原色の無地の服が多く、お世辞にもおしゃれとは言えない。しかし、その代わり、親切(おせっかいなくらい)な人が多いのも事実であり、また、人種差別がほとんどない国とも言われています。要するに、何に価値を見出すかの問題なんでしょう。あと、オランダ人の語学力はすごいの一語に尽きます。英語がよく通じることは知られていますが、オランダの店で買い物をして英語が通じなかったことはまったくありません。英語が通じない人を捜すほうが大変なくらいです。しかも、日本人にとってもわかりやすい英語と来ているので、とても便利です。オランダ語はドイツ語に似ており、(真偽のほどは不明ですが、北ドイツの人から見ると、スイスのドイツ語よりもオランダ語の方がわかりやすいという話も聞いたことがあります。)ドイツ語が話せる人も多く、また、教養のある人はフランス語も話すので、4ヶ国語を話す人がごろごろいるということになります。バイリンガルなら食い扶持に困らない日本人とはえらい違いですね。オランダのテレビ局では、小さな子供向けのアニメ(トムとジェリーなど)が、オランダ語の字幕つきで放映されており、この語学力もむべなるかなと思います。
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<オランダでの生活>
ここでは、日本人としてのオランダでの生活について少し触れておきます。オランダで日本人が比較的多い地域は、アムステルダム、ハーグ及びロッテルダムです。特に多いのはアムステルダムの隣町のアムステルフェーンというところで、日本人が数千人暮らしています。外国で暮らしていると、まずは食べることが問題なのですが、アムステルダムがアムステルフェーンなら、高いけど日本食レストランや日本食料品店があります。ハーグに住んでいた我々は、日本食料品の仕入れのためにアムステルダムをしばしば訪れました。意外と苦労するのはすき焼き用の薄切り肉や刺身用の魚の入手で、薄切り肉は日本人が多い地域の肉屋で入手したり、刺身用の魚は、水揚げがある日に港まで仕入れに行ったりしていました。新鮮なサーモンは非常に美味です。あとは、中華街のスーパーなどが御用達で、台湾や香港向けかっぱえびせんや、うどんなどが買えたりします。普通のスーパーでは、中華食材として、白菜、大根、豆腐などは当たり前に手に入りますが、豆腐は日本のものよりずいぶん固いものです。最近ではすしパックなんかも売られるようになりました。食料品の物価は全般的に安く、牛乳1.5リットルが100円よりずっと安い価格です。パンも、チーズ、果物、ジュースなども日本に比べれば格段に安い。しかし、なんといってもビールは最高で、330mL缶で50〜60円前後と格安でした!食料を除けば、物価は日本とさほど変わらないと思いますし、ガソリンの税金も高い。でも、網の目のような高速道路は全て無料だし、車検も日本のようにお金がかかる制度がないので車の維持費は日本より安いと思われます。前述の通り、英語もどこでもOKなので、生活に不自由することはほとんどないでしょう。
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<ハーグと首都アムステルダム>
ハーグとアムステルダムの関係は、ワシントンとニューヨークの関係と似ています。オランダでは、政府機関も国会議事堂も各国大使館も女王様の居所も全てハーグにあります。これに対して、アムステルダムは人口も最も多く経済の中心地と言えますが、政府機能はほとんどありません。しかし、「あらまし」の項で述べたとおり、あくまでもオランダの首都はアムステルダムであり、ハーグではありません。なぜか?そんなことは知ったこっちゃないですが、なんでも、憲法で「首都はアムステルダム」と定められているということを聞いたことがあります。まあ、ハーグとアムステルダムの間の距離は50kmあまり。無料の高速道路を使えば車で1時間もかからないので、どちらが首都でもあまり不便はないのでしょう。それでは、ハーグとアムステルダムをご案内しましょう。



ハーグの案内 ←ここをクリックしてください
アムステルダムの案内  ←ここをクリックしてください
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<風車とチューリップ−キューケンホフ、キンデルダイク、ザーンセスカンス>
オランダといえば、風車とチューリップ。風車とチューリップといえばオランダ。やはり、これをはずすわけにはいかないでしょう。
風車は、数が少なくなったとはいえ、国内に千基弱くらい残っています。オランダの街や歩いたり、郊外を車で走ったりすると、大抵1基や2基の風車に出くわすものです。しかし、たくさんの風車が固まって残っているところはあまり多くありません。その代表格が、下記に紹介するキンデルダイクとザーンセスカンスです。一口に風車といっても形や役割でいろいろなタイプがあるので、いくつかの風車を訪れて比べてみるのもよいでしょう。なお、一般客に内部を公開している風車は数が限られていますので、事前に調べておいた方がよいでしょう。下記のキンデルダイク、ザーンセスカンスにも公開されている風車がありますが、その他、ライデンの駅の近くにもあります。
チューリップの方は、見られる地域は限られています。非常に有名で観光客がわんさか押し寄せるキューケンホフ公園の周りの地域がまさにそこで、花のじゅうたんは見事なものです。但し、球根を太らせるために花はすぐ刈り取られてしまうので、見られるタイミングは限られています。できれば、車で走り回ってお好みの花畑を見つけるのが良いでしょう。ちなみに、チューリップに限らず、オランダは花の国です。春と秋には、色とりどりの花で飾られた山車がパレードをする催しがあるので、オランダ観光局のホームページなどでチェックされてはいかがでしょうか。日本には持って帰れないけれど、花屋で売っている花も非常に価格が安くなっています。


キューケンホフの案内(工事中) ←ここをクリックしてください
キンデルダイクの案内(工事中)  ←ここをクリックしてください
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