セキュリティ・システム(防犯装置)の自作

セキュリティシステムのメイン基板
セキュリティ・システムのメイン基板

カーナビとアマチュア無線機を組み合わせて使う、防犯装置を試作中です。最終目標の規模が大きいので当分完全完成しそうにありませんが、順次紹介してゆくことに致します。ただし、車固有な機能を使ったり、色々な回路を作成しなくてはなりませんので、追試は車の電装面の知識(資料)と、ワンチップマイコンの電子回路の知識が必要になると思います。このため、具体的な回路などは掲載しないことにします。

最終更新日 : 1999.8.20


防犯装置は、純正のワイヤレス・ドアロックを核に、PICというワンチップ・マイコンで制御することで実現します。現時点では以下のような目標を持っています。


セキュリティ・システムの動作 (盗難警告)

まず、セキュリティ・システムの動作開始はワイヤレスドアロックでドアを閉錠したときからはじまります。そして、開錠で動作が停止します。システムが動作中にはLEDが2.5秒に1度点滅します。キーで閉錠するとシステムは動きませんし、ワイヤレスドアロックで閉めた時に、キーでドアを開けると警告を発してしまいます。もちろん、ドアをこじ開けた時にも発生します。正確には、開錠の時ではなく、ドアを開いた時に警告が出ます。警告は以下の手順で進みます。途中で停止するには、キーを差込みアクセサリをONにする必要があります。

セキュリティ・システムの動作 (バッテリ消耗)

盗難警告以外にも、バッテリ上がりになる前に無線機によるアナウンスをします。これは、システムに電圧計を付加することで、電圧を定期的に計測し、12.0V未満になるとアナウンスを出すようになっています。バッテリは通常無負荷時には12.5V程度は有るようですが、バッテリの劣化などで変化すると思われます。セキュリティ・システムが動作していない時にはバッテリの電圧監視はされません。電圧計(ADC)には、MAX186(GUPPY−ADCキット)を使用しました。キットの詳細はCQ誌1997年1月号185ページをご覧ください。

また、LEDの点滅は単なる点滅ではなく、300bpsで調歩同期式シリアル通信でADC出力データを16進3桁の数字で送っることで点滅しています。LEDの代わりにパソコンのシルアルインターフェースに繋げば16進ではありますが現在のバッテリの電圧を知る事ができます。ほとんどデバッグ用ですが・・・

このシステムは車を駐車中に動作します、システムOFF時でも常時システムには通電されていますので、極力低電力で動作する必要があります。このため、PICは32KHzで動作させています。実測で待機時には0.5mA程度流れるようです。電圧測定やLED点灯時には数mA流れますが瞬間ですので問題はありません。また、各リレーなどをドライブすると電力は必要になりますが、これも長時間では無いしドライブした時は異常が有った時です。アナウンスの手順は以下の手順の通りです。これもアクセサリONで停止できます。

完成したGUPPY ADCキット
GUPPY-ADCキット

セキュリティ・システムの動作 (システム異常)

システムになんらかのトラブルが発生したときは、システムエラーをアナウンスできるようになっています。トラブルで考えられるのは、主にプログラムの暴走です。手順は以下の手順でおこなわれます。


セキュリティ・システムの取り付け

以下はセキュリティ・システムを車に取り付ける時のヒントです。取り付けは、自分の車の電装系の調査から始まります。整備解説書や配線図集を買ってきて勉強せねばなりません。

箱に入れたセキュリティ・システム基板
紅茶の箱に入れたセキュリティ・システム基板

まず、ワイヤレスドアロックの基板から信号を引き出して接続します。コネクタから信号を取り出すと、手動ドアロックの信号と区別が付かなくなってしまうためです。ドアオープンとドアクローズの2種類必要です。また、ドアを開けた時の信号も基板から得られるので信号を取り出します。あとは常時通電している電源線とグランド線で合計5本必要です。これ以外にもACCと連動した電源ラインから信号を取ります。私はシガライターから取りました。

次に、コントローラと接続するための配線で、これは基本的には信号2本とグランドの合計3本です。しかし、これはナビトラモニタに状態を受け渡すだけで、コントローラや無線機の電源を入れることはできません。このため、電源オン用の配線が必要です。これには、バッテーリから直接配線した電源をリレーでON/OFFできるように配線します。これは結構大変です(^^;)

あとは、ハザードを付けるための配線ですが、これも結構大変です。ハザードの点灯は少々複雑な配線が必要なため、2回路のリレーを使います。信号の取り出しも結構大変で、車の配線の皮膜を剥がし別の電線を半田付けして絶縁テープを巻きます。MR2の場合、KE1というコネクタの2ピン(電源)、3ピン(右方向指示器)、4ピン(左方向指示器)から信号を取り出します。ちなみに、KE1は助手席足元左にあります。

ハザート点灯用リレーボックス
MR2のハザードをリレーで点灯させる装置
クリックすると拡大するよ
KE1コネクタのピンアサイン

状態表示用のLEDも取り付けます。取り付ける場所は何処でも良いのですが、私はフォグランプSWの横に付けました。本来はトラクションコントロールSWが付く場所です。

ブザーはクラクション用としました。連続で鳴らすと近所迷惑なので断続音としました。また、自宅の車庫など比較的安全な場所に止める場合は、クラクションが鳴らなくできるスイッチも付けてあります。