MR2用 トヨタ純正ワイヤレスドアロック |
1999.8.3
MR2用のワイヤレスドアロック(キーレスエントリ)は、車両購入時に付いて来るメーカーオプションと、後から付けるディーラーオプションがあり、これらは全く別物です。外見的な違いでは、メーカーオプションが1ボタン式なのにくらべ、ディーラーオプションの物は2ボタン式です。1ボタンの方が開閉がトグル操作するので操作が簡単ですが、後づけすることはできません。内部的に最も違う点は使用している周波数です。メーカーオプションが60MHz帯なのにくらべ、ディーラーオプションは300MHz帯を使用しています。また、配線も全く異なるため、メーカー発行の配線図集にあるメーカーオプションの回路と、ディーラーオプションの回路はコネクタの外形は同じ物の、信号のレイアウトは全く違う物でした。
なぜ、ディーラーでメーカーオプションのワイヤレスドアロックが付かないのかわかりませんが、ディーラーオプションの方はMR2専用というわけでは無くハーネス(配線)を取り替えれば別の車種にも取り付けられるようなので、在庫の都合なのかもしれません。また、MR2の場合は、内張りを剥がさなくても取り付けられるので手間が掛からないという点もあげられます。例えば、メーカーの方は運転席のBピラーの内張りの中に受信機を取り付けるのに比べ、ディーラーの方は運転席の下のフロアマットに金具を差し込んでベルトで止めるという方法を使っています。
ちなみに、取り付けたディーラーオプションのワイヤレスドアロックは以下のような内訳の見積書を貰いました。普通、端数は値引きしてくれるようですが、私は全然まけてくれませんでした・・・フッティングキットとは、コネクタとコネクタの間にバイパスの様に挿入するケーブル(ハーネス)で、半田付けとかしなくても簡単に取り付けられるケーブルのセットです。結構あちこちから配線を取るので案外配線は面倒なようです。
| 内容 | 価格 |
| ワイヤレスドアロック(キータイプ) | 18600 |
| フッティングキット | 4000 |
| 技術料 | 3000 |
ディーラーの内部資料である、部品・工賃一覧表では、このワイヤレスドアロックにはアンサーバック機能付きつ書かれていましたが、実際MR2に取り付けるとアンサーバック機能はありません。かわりに、ドアオープンして30秒以内にドアを開けないと自動的に再びドアロックするセキュリティ機能がついています。あれば便利な機能でしょう。しかし、アンサーバックが無いのは不便なので、改造してアンサーバックできるか考察してみました。
ワイヤレスドアロックの解析
折角、ディーラーに取り付けてもらったディーラーオプションのワイヤレスドアロックですが、一度取り外してみて調べることにしました。出ている信号を調べてみると、メーカーオプションの物とは少々違うようです。メーカーの方にはある、右ドアロック状態確認用SWとドアコントロールリレーの両方の配線が受信機の中に入っていて何かの処理をしていますが、ディーラーの方にはありません。代わりにアンロックの信号入力が2回路あります。また、使用されてはいませんが、アンロック・ボタンを数秒押すと反応するアンサーバックに使える信号がありますが、MR2では使えません。また、基板上にはロック・ボタン用のアンサーバック回路もありますが、なぜか部品が搭載されていませんでした。アンサーバックするならロック時にしてほしいので、部品を載せるか別に回路を組む必要があります。しかし、載せる部品が少し特殊(というか秋葉原で売っていない)なので別に回路を組むことにしました。この回路はセキュリティ用なので詳細はこちらをご覧ください。
ワヤレスドアロックで使われている周波数は300MHz帯のようです。スペアナや周波数カウンタでしらべてみると正確な周波数が分かります。受信機で聞いてみると信号がかぶるので帯域的には少し広めなようです。おそらく電波形式はF2でしょう。受信機のは外部アンテナはありませんが、プラスチックのケースの中には、コイル上の変な形のアンテナがあります。なんだか面白い形状ですね。ちなみに、信号到達距離は30mはOKなようです。メーカーの保証値は2mだそうですから、送信機の電池が無くなって来ると、もっと短くなるかもしれません。
2003.2.9 更新
最近、ボタンを押しても開閉できないことが多くなったので、電池を交換してみた。電池はCR1216という、ちょっとマイナーなタイプ。マイナーゆえに、ちょっと高い。といっても家電量販店で210円。長く使う電池だから、製造年月日の新しいブランド物が良いよね。ちなみに、抜いた電池の電圧は2.7V弱、新品は3V強、まだまだ行けそうな気がするのだけど、どうかな? 調子の程は、しばらく使ってみないと分からないので、そのうちに・・・