夢。私の一番好きな言葉です。歌詞に"夢"と入った歌は、唄うと感激して泣けてきます。が、そんなこととは関係なく、ここでは私が夢で見たおかしな出来事を綴ります。
(※おことわり:当然の事ながら、ここに記された内容はすべて私の錯覚であり、実際の事実および出来事とは何ら関わりはございません。念のため。)
兄弟うち揃って都内国電某駅前のホテル一階にあるフランス料理店で食事をする予定が、従姉妹やら姪やら友人やらで人数が膨れ上がり、少ない席が空くのを待つ間が騒がしいとシェフが怒って追い出される。元来宿泊客向けの格式高い店であり、仕方ない。
帰宅して床についたが寝たのが早すぎたせいか夜半に目覚め、トイレに入って昼間のこと、とりわけホテル地階のトイレのことなどを思い返す。グレーを基調としたそこは、南米あたりの巨大な露天掘り鉱山の施設によく似ているようだ、あそこも廃鉱になって久しいが、どうなっているだろう?
トイレを出ると、深夜だというのに居間が明るく話し声などもする。訝っていると、家では聞いたことのない声が「お食事の用意が出来ております」と言う。見ると声の主は昼間我々一行を店から追い出したウエイトレスその人。パジャマ姿で導かれるままに居間に入ると、居間では家族がくつろぎ、キッチンでは件のシェフが調理の真っ最中。訳も分からずダイニングに座ると焼きたてのパンを勧められ、熱々の所へバターを塗りつけて頬張っているうちに、大皿いっぱいのメインディッシュが出される。鶏肉とグレープフルーツのマヨネーズソースとでも言うのか、やわらかい若鶏の肉をセロリと一緒に蒸し上げて薄切りのグレープフルーツとマヨネーズたっぷりのソースで仕上げた一品で、鶏の下にはセロリと半溶けのチーズが敷き詰められてある。見ためも匂いも実に美味しそうで実際とんでもなく美味だったのだが、食材といい盛りつけといい、フレンチというよりはイタリアンや現代中国料理のセンスなのだが、訊くと家にあった食材も使ったとのことで納得。食事をしながらウエイトレス嬢や寡黙なシェフ殿と談笑。話題は永谷園のお茶漬けの素晴らしさや近年のチョコレートに使われるカレー粉の質の低下への嘆きなどで、プロの目線の確かさと鋭さにはほとほと感服。そんな話の最中、私の意識は南米の廃鉱へと移っていき、あそこは10日に一度は老朽化した施設なんかが崩落し、三月おきに落盤とかの大崩落が起こってるんだよな、くしゃみしたときなんか柱がバタバタ倒れてきて必死に逃げたっけ....
※どうやら寝ている間に腹が減っていたらしい(^^;
初出:書き下ろし (2000.9/21)
関西人気球団の4番センターSと代打の切り札Yが!!....夢でよかったー。
初出:書き下ろし (2000.7/29)
知人の引っ越しの手伝い。老朽化して取り壊すため他の世帯は全て引き払い済みの鉄筋建てのアパートから家財道具を運び出すが、全戸に標準設備だった古い冷蔵庫もトラックに載せ、産廃業の施設とおぼしき処分場へ。色違いの冷蔵庫を下ろしていると、傍らに酒場の内装だったらしい壁面が模造紙にマジックで書き殴って画鋲で貼り付けたメニューもそのままに立て掛けてあり、それを見た私が「おかまバーの壁だ」と口走ると、周囲の作業員が集まってきて私を取り囲んではオネェ言葉で口々に糾弾するのだった。
初出:書き下ろし (2000.7/21)
都内、川沿いに紙問屋と印刷所がひしめく一角の街頭、堤防近くの国電ガード下に設置されていた自動販売機は、一見エロ同人誌の海賊版らしきものを売っているようだったが、実際に買ってみると大きな茶封筒から出てきたのはカラーコピーもどきの粗悪な品質で刷られた、タイのクライムペーパーもかくやと思わせるグロテスク写真満載のオールカラー52P本だった。
何冊か買ううちに時折エロ同人誌も出てきたが、だいたいはグロ写真誌で、掲載された写真はどれも酸鼻極まるものばかり。特に気持ち悪かったのは"仏教付属大惨劇"というように題された、仏教系付属中学の遠足で起きた事故の惨劇を伝えている一冊。どんな事故に遭ったものやら、それは一向に判らないのだが、生徒達は皆一様に、白い運動着から土気色の顔を出し、紫の短パンからは薄黒く変色した血をこびりつかせた足を伸ばしており、両の眼球を失い虚ろな眼窩で立ちつくしたり、歯を全て欠損した口をポカンと開けていたりしていたのだった。不思議なのは、これだけの惨禍に遭いながらも誰一人として命を落としていない点で、それが誌面をより一層不気味なものとしていた。
あんまり気持ち悪かったので、私は即時廃棄を評決し、付近の故紙回収業者を探し出し、軒先に置かれた回収ボックスに詰め込まれていた段ボールの隙間に封筒ごと突っ込むと、後ろも見ずに立ち去ったのだった。
初出:書き下ろし (2000.4/12)
家族で近所の食品スーパーとよく似た店へ車で買い物に来たはずが、店内が少々狭くて店舗の建っている向きも東西が逆。おかしいなーと思いつつ、それでも買い物を済ませ駐車場へ出ると、某国産ミニバンとなぜかポルシェ911の2台に分乗。ハテ、ウチにこんな高価いクルマがあったかしら...?
免許のない私は右側の助手席へもぐり込んだが、発車して最初の交差点を暴走気味に突っ切って大きくスピンターンしたので運転席を振り向くと誰もいない。慌てて前を見ると、足下にはアクセル、ブレーキ、クラッチのペダルが並び、目の前にはダッシュボードが....ステアリングがない!?
こんな速い車でネズミ取りの厳しいことで知られる西名阪道〜名阪国道〜東名阪道を経由して、その上こんな状態で千葉まで無事に帰り着けたのかどうか、それは私にもわからないのであった。
初出:書き下ろし (2000.4/12)
新宿のデパートで開催された即売会に一般参加した私。それほど買うつもりもなかったはずが、2つの紙袋を一杯にしていた。
閉会間際、なおも列を捌き続けるサークル(一巻一巻包んであるトイレットペーパーを売っていたが、買う方も売る方も列が2周するあたりから真剣になっていた)を眺めながら、袋を床に置き休憩していると、高校時代の恩師が通りがかり、私は焦って袋の中身をぶちまけてしまい、中身について事細かに尋ねられるのを誤魔化しつつ(なにしろ人に見られてはヤバいメモなどもあったのである)回収するのに気を取られ、2袋目の回収を終えるまで1袋目を持ち去られたことに気づかなかった。しばらくして、同じフロアにあるキオスク状の売店で雑誌の棚に中身の本が詰め込まれているのを発見、袋もその場に放り出してあったため、本については首尾よく全てを再び回収できた(1,2冊は余計な物が増えていたかも知れない)。だが、空になったPETボトル(持ち帰る習慣がある)2本は見つからず、それは結局あきらめることに。
小腹が空いたので何か食べようと地下食品売場へ向かうが、その途中、先刻袋を持ち去った犯人は人を殺して切り刻んだ死体を詰めて捨てるためにPETボトルを盗った事を知る。猟奇!!
デパート1F正面の入口に放射状に5本並んでいる手すりも柵もない下りエスカレーターのうち、間違って私鉄のターミナル駅に通じるものに乗ってしまい、慌てて隣のエスカレーターによじ登ってホッとした、ところで目が覚めた。
初出:書き下ろし (2000.3/2)